画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/ *イメージ
当記事では、GeForce GTX 560のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。GeForce GTX 560 Tiが2011年1月に発売されて、その4ヶ月後に下位モデルとして無印のGTX 560が登場した。GTX 560 Tiが市場に投入されたことで、Radeon HD 6870の価格が$239→$179へと引き下げられ、NVIDIAは$200以下のグラフィックボードが必須となった。GeForce GTX 560の競合はRadeon HD 6870ということになる。
このGeForce GTX 560は、GeForce GTX 460 1GBのリフレッシュモデルだ。スペック比較すると分かる通り基本的には従来モデルのGeForce GTX 460 1GBとほとんど変わっておらず、クロック周波数が引き上げられたこととメモリ周りが少しだけ強化されただけだ。それでも消費電力が引き下げられたことを考えるとまずまず評価できるのではないだろうか。2023年時点で中古での販売価格は2,980円とかなり安かったが、当然性能的に通用しないことを意味する。今は中古市場から消えている。
当ページの目次
GeForce GTX 560のスペック
GTX 560 | GTX 560 Ti | GTX 460 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Fermi 2.0 | Fermi 2.0 | Fermi |
GPU | GF114 | GF114 | GF104 |
プロセス | 40nm | 40nm | 40nm |
トランジスタ数 | 19.5億 | 19.5億 | 19.5億 |
ダイサイズ | 332 mm² | 332 mm² | 332 mm² |
SM数 | 7 | 8 | 7 |
CUDAコア数 | 336 | 384 | 336 |
コアクロック | 810 MHz | 823 MHz | 675 MHz |
ブーストクロック | 1620 MHz | 1645 MHz | 1350 MHz |
メモリ規格 | GDDR5 | GDDR5 | GDDR5 |
GPUメモリ | 1024 MB | 1024 MB | 1024 MB |
メモリクロック | 4 Gbps | 4 Gbps | 3.6 Gbps |
メモリバス | 256 bit | 256 bit | 256 bit |
メモリバンド幅 | 128.0 GB/s | 128.3 GB/s | 115.2 GB/s |
TDP | 150 W | 170 W | 160 W |
補助電源 | 2x 6-pin | 2x 6-pin | 2x 6-pin |
MSRP | $199 | $229 | $229 |
中古価格 | 2,980円 | データなし | データなし |
発売日 | 2011/05/17 | 2011/01/25 | 2010/07/12 |
メモリ規格はGDDR5で変わらずGPUメモリ容量も1024MB(1GB)と同じだ。メモリクロックが11%速く4 Gbpsとなる。メモリバスは共通でもメモリクロックの差があってメモリバンド幅が11%広い。TDPが6%引き下げられたのも興味深い。補助電源は2×6-pinだ。MSRPは$30安く$199となる。およそ10ヶ月振りの新しいモデルということだ。
上位モデルのGTX 560 TiでもGTX 560と同じGPUであるGF114を採用している。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズは共通だ。GTX 560 Tiの方がSMが多く8つとなる。CUDAコア数は384(8×48)だ。コアクロックはGTX 560 Tiの方が2%高く、ブーストクロックも2%程度高い。GPUメモリ周りは両者同じだ。TDPは13%増えて170Wとなる。補助電源は変わっていない。価格差は$30だ。
GeForce GTX 560の評価【2024年時点】
GT 1030と同等の性能を持つに留まる
GTX 1050 | |
GTX 950 | |
GTX 580 | |
GTX 750 Ti | |
RX 560 | |
GTX 570 | |
GTX 750 | |
GTX 650 Ti | |
GTX 560 Ti | |
HD 6870 | |
RX 550 | |
GTX 560 | |
Radeon Graphics | |
GT 1030 GDDR5 | |
HD 6850 | |
GTX 460 1GB | |
GTX 460 768MB | |
HD 6790 | |
UHD Graphics 750 | |
GT 730 | |
UHD Graphics 630 |
GPUメモリ容量が1GBとかなり少ないのも致命的だ。当時の競合モデルであるRadeon HD 6870と比べると2%-3%程度パフォーマンスが劣る。従来モデルのGeForce GTX 460 1GBと比べて17%程度パフォーマンスが高い。一方で、上位モデルであるGeForce GTX 560 Tiとの差は10%程度だ。
中古で探すのは難しくなった
GeForce GTX 560をPCパーツショップで探すのは難しくなった。メルカリやヤフオクなど個人売買であれば見つけられるかもしれないが、11年も前のモデルで故障リスクを考えるとおすすめしづらい。メルカリだと2,000円前後の価格が付いている。
2023年2月時点ではじゃんぱらで販売されていた。価格は2,980円と底値だ。さすがにこれだけやすいとなると性能的に厳しいということの証明だろう。4世代後のGeForce GTX 1050の中古価格が5,980円程度だ。万が一復活したとしても価格の安さにつられて購入することは避けたい。
GeForce GTX 560のフレームレート
フルHD環境(1920×1080)+最高設定でのフレームレートを計測している。
Crysis 2
GTX 560 Ti | |
GTX 560 | |
HD 6870 | |
HD 6850 | |
GTX 460 1GB | |
GTX 460 768MB | |
HD 6790 |
F1 2010
HD 6870 | |
GTX 560 Ti | |
HD 6850 | |
GTX 560 | |
HD 6790 | |
GTX 460 1GB | |
GTX 460 768MB |
Metro 2033
GTX 560 Ti | |
HD 6870 | |
GTX 560 | |
GTX 460 1GB | |
HD 6850 | |
HD 6790 | |
GTX 460 768MB |
販売当時のGTX 560の評価【2011年時点】
GeForce GTX 460のリフレッシュモデルに当たる
GeForce GTX 560は、GeForce GTX 460のリフレッシュモデルとなっている。Radeon RX 460 1GBと比べてグラフィックス処理性能は17%程度向上した。主にクロック周波数を引き上げただけでこれだけ性能が高くなれば十分だろう。フルHD環境(1920×1080)でなら60fps以上で安定させることができる。
人気のある1680×1050(16:10)なら10%以上高いフレームレートを狙える。総合的に見てRadeon HD 6870と比べると少し性能は劣るが、ドライバーの安定感では上回っている。色々なタイトルを不安なく遊びたいなら選択肢に入れてもよいだろう。ある程度想定どおりのモデルだと言える。
$200の価格帯を埋める貴重な存在となる
NVIDIA | 価格帯 | AMD |
---|---|---|
GTX 590 | $699 | HD 6990 |
GTX 580 | $479 | |
GTX 570 | $319 | HD 6970 |
$259 | HD 6950 2GB | |
GTX 560 Ti | $229 | HD 6950 1GB |
GTX 560 | $199 | |
$179 | HD 6870 | |
GTX 460 1GB | $159 | HD 6850 |
GTX 460 768MB | $149 | HD 6790 |
GTX 550 Ti | $129 |
GeForce GTX 560 Tiでも使用されているGPUである「GF114」の有効活用ができるという点でメリットがある。問題は、+$30でワンランク上のグラフィックボードが手に入るということだ。それはGeForce GTX 560 Tiだけではなく、Radeon HD 6950も該当する。ライトゲーマーならGeForce GTX 560でもよいとは思うが、少しでも将来性を考えるのであれば上位モデルもじっくり吟味しよう。
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