gtx570gigabyte画像引用元:https://www.gigabyte.com/ *イメージ

当記事では、GeForce GTX 570のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Fermi 2.0世代のフラグシップモデルであるGTX 580がリリースされて1ヶ月後その下位モデルであるGTX 570が発売された。確かにGTX 580は性能が高くハイエンド志向のユーザーにとっては魅力的な選択肢となるが、それほどの予算を掛けられない方には70番台や60番台のモデルが必要だ。

GTX 570は、GTX 470の後継モデルということになる。GF110 GPUを活用した2番目のモデルだ。スペック的にはその上位モデルであるGTX 480とGTX 470の融合だ。GTX 480に迫るパフォーマンスを期待したい。旧世代のGTX 400番台が登場してからわずか10ヶ月程度でのリリースとなったのは驚きだ。これはGTX 480の評判が悪かったためだ。GTX 470に関しては評判は上々だったが、結果的にGTX 480のおかげで生まれることになったと言える。2023年時点での評価についてもまとめていく。

GeForce GTX 570のスペック

GTX 570 GTX 580 GTX 480 GTX 470
アーキテクチャ Fermi 2.0 Fermi 2.0 Fermi Fermi
GPU GF110 GF110 GF100 GF100
プロセス 40nm 40nm 40nm 40nm
トランジスタ数 30億 30億 31億 31億
ダイサイズ 520 mm² 520 mm² 529 mm² 529 mm²
SM数 15 16 15 14
CUDAコア数 480 512 480 448
GPUクロック 732 MHz 772 MHz 701 MHz 608 MHz
シェーダークロック 1464 MHz 1544 MHz 1401 MHz 1215 MHz
メモリ規格 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
GPUメモリ 1280 MB 1536 MB 1536 MB 1280 MB
メモリクロック 3.8 Gbps 4.0 Gbps 3.7 Gbps 3.3 Gbps
メモリバス 320 bit 384 bit 384 bit 320 bit
メモリバンド幅 152.0 GB/s 192.4 GB/s 177.4 GB/s 133.9 GB/s
TDP 219 W 244 W 250 W 215 W
補助電源 2x 6-pin 1x 6-pin
1x 8-pin
1x 6-pin
1x 8-pin
2x 6-pin
MSRP $349 $499 $499 $349
中古価格 3,980円 データなし データなし データなし
発売日 2010/12/07 2010/11/09 2010/03/26 2010/03/26

*価格は2023年2月時点のもの

GeForce GTX 570のスペックについて見ていこう。GTX 570は、Fermi 2.0アーキテクチャを採用したグラフィックボードだ。上位モデルであるGTX 580と同じGPU GF110を採用している。プロセスは40nm、トランジスタ数は30億、ダイサイズは520m㎡と共通だ。SM数は15とGTX 580よりも一つ少ない。CUDAコア数は480(15×32)となる。ここで上位モデルとの差別化が図られている。GPUクロックはGTX 580の方が5%高く、シェーダークロックもGTX 580の方が6%高い。

GTX 570のメモリ規格はGDDR5とGTX 580と変わらないが、GPUメモリ容量が16%程度少なく1280MBとなる。メモリクロックもGTX 580の方が少しだけ速く、メモリバスもGTX 580の方が20%広くなっている。結果的にメモリバンド幅はGTX 580よりも21%狭い。TDPもGTX 570の方が10%程度抑えられている。補助電源は2×6-pinとGTX 580よりも余裕がある。価格差は$150となる。

GTX 570は、従来モデルであるFermi世代のGTX 480とGTX 470を足して2で割ったようなスペックだ。具体的にはコアやクロック周波数はGTX 480で、メモリ周りはGTX 470となっている。まずはGTX 480と比較していく。40nmプロセス採用も共通だ。トランジスタ数は3%程度減っていて、ダイサイズも少し小さくなった。SM数はGTX 480と同じ15で、CUDAコア数は480となる。GPUクロックはGTX 570の方が4%高く、シェーダークロックもGTX 570の方が4%高い。

次にGTX 470と比較していく。メモリ規格はGDDR5で、メモリ容量も1280MBと共通だ。メモリクロックは16%速く3.8 Gbpsとなっている。メモリバスも320 bitと共通だ。メモリバンド幅はGTX 570の方が14%広い。TDPは2%アップに留まる。補助電源も2×6-pinと変わらない。価格は$349だ。GTX 470と同じ価格でGTX 480に近い性能を得られるということでGTX 570に掛かる期待は大きい。

GeForce GTX 570の評価【2025年時点】

GeForce GTX 950にも及ばない性能では厳しい

型番 総合性能
RTX 3050 14,734
GTX 1660 SUPER 14,113
RX 6500 XT 12,316
GTX 1650 9,506
RX 6400 9,392
GTX 960 7,405
GTX 1630 6,394
GTX 1050 6,300
GTX 950 6,132
GTX 580 4,728
GTX 750 Ti 4,713
RX 560 4,328
GTX 480 4,116
GTX 570 4,045
GTX 750 3,627
GTX 560 Ti 3,538
GTX 470 3,409
RX 550 3,297
GTX 560 3,216
Radeon Graphics(5700G) 3,185
GT 1030 GDDR5 3,103
Intel UHD 750 2,059

2025年時点でほぼ通用しないグラフィックボードだと考えてよいだろう。GeForce GTX 570の性能だとHD環境で標準設定が基準となる。フルHD環境でのゲームプレイは難しい。Maxwell世代のGeForce GTX 950と比べても35%程度劣り、2世代後の50番台であるGeForce GTX 750と同等だ。

CPU内蔵グラフィックスであるRadeon Graphicsと比べて30%程度高い性能を持つに留まる。ゲームプレイを快適に行いたいなら10,000スコアを基準にするべきだと言える。最低でもGeForce GTX 1650やRadeon RX 6400を選択肢入れるとよい。現行モデルのエントリークラスであるGeForce RTX 3050 8GBになると3.5倍の性能を得られる。

中古での入手は難しい

2025年時点でGeForce GTX 570を中古で探すのは難しい。じゃんぱら・ドスパラ・パソコン工房などのパーツショップに在庫がないようだ。後はメルカリやヤフオクなどで入手するしかないが、リスクが高くおすすめしづらい。性能的にも通用しないといえるだろう。GeForce GTX 570よりも性能の高いGeForce GTX 750 Tiが3,980円~、GeForce GTX 950が3,980円~と一時のGeForce GTX 570と同じ価格になっているので、それらのモデルを選ぶ方がよい。GeForce GTX 1050なら5,980円で購入できる。当サイトとして推奨できるのはGeForce GTX 1650で10,980円~購入可能だ。性能的には2倍以上も上回る。

GeForce GTX 570のフレームレート

Battlefield: Bad Company 2

Battlefield Bad Company 2gtx570-Battlefield Bad Company 2

Battlefield: Bad Company 2では、GTX 480と同等以上のフレームレートを出している。1050pでは2%劣るが、1080pでは7%も高い。従来モデルのGTX 470と比べると1050pで20%高く、1080pでも31%高い。一世代でこれだけパフォーマンスが伸びたら十分だろう。競合モデルであるRadeon HD 5870とくらべて12%-14%程度フレームレートが高く圧倒している。

Lost Planets 2

Lost Planets 2gtx570-Lost Planet 2

Lost Planets 2では、従来モデルのフラグシップモデルであるGTX 480を上回るフレームレートを計測している。1050pでは6%高く、1080pでも4%高い。また、Radeon HD 6850と比べると1050pでは6%高いが、1080pでは6%劣る。GTX 580との差は8%-16%だ。現行のフラグシップモデルとはしっかりと差別化が行われている。従来モデルのGTX 470と比べると最大45%もフレームレートが高くなっている。

Just Causes 2

Just Causes 2gtx570-Just Cause 2

Just Causes 2ではやや意外な結果となっている。GTX 470と比べて1050pでは9%高く、1080pでも7%高い。他のタイトルに比べると伸びが小さくなっている。GTX 480との差は最大13%だ。Radeonシリーズと相性のよいタイトルだと言える。Radeon HD 5870に最大3%程度劣っている。

販売当時のGTX 570の評価【2011年時点】

GTX 480に匹敵する性能を持つ高コスパGPU

型番 総合性能
GTX 580 4,728
HD 5970 4,589
RX 560 4,328
GTX 480 4,116
GTX 570 4,045
HD 5870 3,748
GTX 560 Ti 3,538
GTX 470 3,409
HD 6870 3,303
RX 550 3,297
GTX 560 3,216
HD 5850 3,162
HD 6850 3,087
GTX 460 1GB 2,734
GTX 460 768MB 2,541

GeForce GTX 570は、従来モデルのフラグシップモデルであるGTX 480に匹敵する高いパフォーマンスを持つグラフィックボードだ。GTX 470と同じ価格で、GTX 480の性能が入るとなればコストパフォーマンスが高いことも不思議ではないはずだ。フルHD環境でのゲームプレイにも対応できる。解像度を落として1050pなら最新のタイトルにも対応しやすい。

GTX 480の評判が悪かったことでGTX 580が生まれ、その派生モデルとしてGTX 570も登場している。まさに棚からぼた餅と言えるだろう。すでにGTX 480を購入してしまった方は悔しい思いをしてしまうかもしれない。従来モデルのGTX 470と比べて20%近くもパフォーマンスが向上している。GTX 480との性能差は2%前後だ。競合モデルであるRadeon HD 5870と比べて8%程度性能が高い。

GTX 580とGTX 470の間を埋める

NVIDIA 価格帯 AMD
GTX 580 $499
$469 HD 5970
GTX 480 $409
GTX 570 $349
$249 HD 5870
GTX 470 $239 HD 6870
$189 HD 6850
GTX 460 1GB $179

GeForce GTX 570は、GTX 580とGTX 470の間を埋める存在となっている。Radeon HDシリーズにもこの価格帯のモデルは存在していない。GTX 480よりも安く同等の性能を持っているので、GTX 480の立場は失われた。ゲーマーからすると非常に好ましい状況だと言える。80番台ほどの性能が必要ない方にとってこの70番台の存在は大きい。GTX 580とGTX 570の価格差を考えるとGTX 570 Tiが出てもおかしくないが、実際はリリース予定はなさそうだ。

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