Ryzen 9 7900X3D

当ページでは、Ryzen 9 7900X3Dの性能レビュー&搭載ゲーミングPCを紹介している。Ryzen 7000X3Dシリーズにおいて、すでにレビューを行ったRyzen 9 7950X3Dに次いで高い性能を持つCPUだ。スペック自体は12コア24スレッドとベースのRyzen 9 7900Xと変わらない。旧世代のRyzen 7 5800X3Dが8コア16スレッドだったのでそれぞれ50%増えたことになる。

ゲーミング性能だけではなくマルチコア性能にもある程度期待できる。Ryzen 7 5800X3Dの弱点をカバーする試みは興味深い。最新のチップセットドライバーが、2つのCCDについて用途に合わせて最適な制御をおこなう。価格が$599とRyzen 9 7950X3Dよりも$100安いだけで、価格設定が中途半端で選びづらいように思う。Ryzen 9 7900X3Dの購入を考えているならフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dか下位モデルのRyzen 7 7800X3Dを選ぶべきだ。とくにRyzen 7 7800X3Dは、ゲーミングCPUとしてトップに君臨する。Ryzen 9 7900X3Dを搭載したモデルはサイコムで購入できるぐらいだ。やはり注目度が低く取り扱いが少ない。

Ryzen 9 7900X3Dの基本情報

コードネームZen 4(Raphael)
プロセス5nm
コア/スレッド数12コア/ 24スレッド
定格/最大クロック4.4 GHz / 5.6 Ghz
L2キャッシュ12MB
L3キャッシュ128MB
TDP120W
PPT162W
発売日2023年03月03日
MSRP$599
国内価格79,800円~ *2024/10時点
特徴 (+)12コア24スレッドと高いスペックを誇る
(+)高いゲーミング性能を持つ
(+)省電力性に長けている
(-)マルチコア性能はそれほど伸びない
(-)他のRyzen 7000X3Dシリーズがライバル
(-)$599と価格が高い
(-)搭載モデルの価格が高め
(-)搭載モデルのラインナップが少ない
評価 ・総合評価
7.0

・ゲーム評価
10.0

Ryzen 9 7900X3Dのスペック

AMD製モデル

9 7900X3D9 7900X7 5800X3D
メーカーAMDAMDAMD
コードネームZen 4
(Raphael)
Zen 4
(Raphael)
Zen 3
(Vermeer)
プロセス5nm5nm7nm
トランジスタ数131.4億131.4億62.0億
ダイサイズ2x 70 mm²2x 70 mm²74 mm²
I/Oプロセス6nm6nm12 nm
I/Oダイサイズ122 mm²122 mm²125 mm²
トータルコア数12コア12コア8コア
トータルスレッド数24スレッド24スレッド16スレッド
定格クロック(P)4.4 GHz4.7 GHz3.4 GHz
最大クロック(P)5.5 Ghz5.6 Ghz4.5 GHz
L2キャッシュ12MB12MB4MB
L3キャッシュ128MB
(96MB+32MB)
64MB96MB
内蔵GPURadeon GraphicsRadeon Graphics非搭載
CPUクーラーなしなしなし
対応メモリDDR5-5200DDR5-5200DDR4-3200
PCI-ExpressGen 5, 24 LanesGen 5, 24 LanesGen 4, 20 Lanes
TDP120W170W105W
PL2162W230W-
MSRP$599$549$449
国内価格66,960円~61,980円~49,614円~
発売日2023/03/032022/09/272022/04/20
Ryzen 9 7900X3Dは、Ryzen 9 7900Xをベースに片方のCCDにL3キャッシュを積層したモデルだ。L3キャッシュ容量は2倍の128MBとなる。2つあるCCDにそれぞれ標準でL3キャッシュが32MBある。Ryzen 9 7900X3Dでは片方に64MBのL3キャッシュを搭載しているので32MB+(32MB+64MB)=128MBという計算だ。

この3D V-Cacheを搭載することで発熱量が増えるためクロック周波数は引き下げられている。Ryzen 9 7900Xと比べて定格クロックが0.3GHz低く、最大クロックも0.1GHz低い。TDPが35%低く、PL2も30%抑えられている。MSRPでは$50の差だが、国内の販売価格では19,780円の差がある。登場時は36,000円の差があったことを考えると妥当な水準に落ち着いたと言える。

Ryzen 7 5800X3DはZen 3アーキテクチャを採用したモデルだ。コンシューマー向けモデルとして初めて3D V-Cacheを搭載したCPUということで注目度が高かった。プロセスは7nmで、I/Oプロセスは12nmだ。Zen 4と比べると一回り大きい。第2世代の3D V-Cache(SRAM)も7nmプロセスを維持していて、Ryzen 9 7900X3D用に改良が加えられている。

Ryzen 7 5800X3Dは8コア16スレッドというスペックだ。CCDは1基でCCD間のレイテンシ問題を考える必要はない。Ryzen 7 5800X3Dの定格クロックは3.4GHz、最大クロックも4.5GHzとそれほど高くなく、Ryzen 9 7900X3Dになって大きく改善されている。弱点だったマルチコア性能・シングルコア性能を高めるためだ。Ryzen 7 5800X3DのL2キャッシュは4MB、L3キャッシュは96MBだ。

Ryzen 7 5800X3DはCPU内蔵グラフィックスが非搭載となっている。もっともRyzen 9 7900X3Dの性格を考えるとCPU内蔵グラフィックスは不要だろう。Ryzen 7 5800X3DもCPUクーラーは非同梱で別途用意する必要がある。対応メモリはDDR4-3200で、ここもRyzen 9 7900X3Dになって強化された部分だ。

PCI-ExpressはGen4, 20 Lanesとなる。TDPは105WでRyzn 9 7900X3Dよりも20%程度低い。スペック差を考えると妥当なところだろう。Zen 4になって省電力性も高まっている。価格差は$150で、国内販売価格では38,862円の差がある。Ryzen 7 5800X3Dはコストパフォーマンスが高いCPUだと言える。次世代モデルがリリースされたことで底値になった。

Intel製モデル

Ryzen 9 7900X3DCore i9-13900K
メーカーAMDIntel
コードネームZen 4
(Raphael)
Raptor Lake
プロセス5nm10nm
トランジスタ数131.4億-
ダイサイズ2x 70 mm²257 mm²
I/Oプロセス6nm-
I/Oダイサイズ122 mm²
トータルコア数12コア24コア
トータルスレッド数24スレッド32スレッド
CPUコア数(P)12コア8コア
スレッド数(P)24スレッド16スレッド
CPUコア数(E)-16コア
スレッド数(E)-16スレッド
定格クロック(P)4.4 GHz3.0 GHz
最大クロック(P)5.6 Ghz5.8 GHz
定格クロック(E)-2.2 GHz
最大クロック(E)-4.3 GHz
L2キャッシュ12MB32MB
L3キャッシュ128MB
(96MB+32MB)
36MB
内蔵GPURadeon GraphicsUHD Graphics 770
CPUクーラーなしなし
対応メモリDDR5-5200DDR5-5600
DDR4-3200
PCI-ExpressGen 5, 24 LanesGen 5, 20 Lanes
TDP120W125W
PL2162W253W
MSRP$599$589
国内価格66,960円~82,980円~
(79,981円~/F)
発売日2023/03/032022/10/20
競合モデルとしてMSRPの近いCore i9-13900Kをピックアップしている。Core i9-13900KはRaptor Lake世代のCPUでRyzen 7000X3Dシリーズが発売されるまで最強のゲーミングCPUモデルとして君臨していた。プロセスは10nmとRyzen 9 7900X3Dよりも大きい。ダイサイズは257m㎡だ。Intelは単体のダイで構成されるモノリシックなチップを採用している。

2つのダイを組み合わせたチップレット技術を採用しているAMDとは戦略が異なる。Core i9-13900Kは、24コア32スレッドと高いスペックを持つCPUだ。8個のPコアと16個のEコアを組み合わせていて高いパフォーマンスを発揮する。Core i9-13900Kはクロック周波数が高く、Pコアの定格クロックは3.0GHz・最大クロックは5.8GHzだ。Eコアはクロック周波数が抑えられていてバックグラウンド作業などを担当する。

Core i9-13900Kを含むRaptor Lake世代の上位モデルではL2キャッシュが増量されている。Core i9-13900Kは32MBとRyzen 9 7900X3Dよりも2.6倍以上だ。L3キャッシュは3D V-Cache技術を投入したRyzen 9 7900X3Dの方が多い。Core i9-13900Kも内蔵グラフィックスが搭載されている。内蔵グラフィックス非搭載のCore i9-13900KFも洗濯できる。価格を抑えられるというメリットがある。

CPUクーラー非同梱も同じだ。Core i9-13900KではDDR5-5600だけではなく、DDR4-3200規格のサポートもしている。PCI-ExpressはGen 5, 20 Lanesだ。TDPはCore i9-13900Kの方が4%高く、PL2も57%高い。MSRPの差は$10でCore i9-13900Kの方が少し安い。国内販売価格はRyzen 9 7900X3Dの方が10,793円安く逆転している。ゲーム性能およびマルチコア性能を考えると妥当な価格だと思う。総合性能ではCore i9-13900Kが上だ。

Ryzen 9 7900X3Dの特徴&注意点

ゲーム性能とマルチコア性能の差が大きい

Ryzen 9 7900X3Dは、ゲーム性能とマルチコア性能の差が大きく扱いづらいモデルと言えるかもしれない。上位モデルと下位モデルに挟まれていて中途半端さが否めない。ゲーム性能もマルチコア性能も重視したいならフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dを選択した方が後悔しないように思う。MSRPで$100しかなく、この性能帯でCPUを探しているユーザーならそれほど大きい差ではない。ゲーム性能を重視しつつコストパフォーマンスを追求するなら2023年4月に発売されたRyzen 7 7800X3Dが魅力的な選択肢となるだろう。Ryzen 9 7900X3Dは立場的にやや中途半端だ。ここからゲーム性能及びマルチコア性能についてより詳しく見ていこう。

Ryzen 7 7800X3D210.6
Ryzen 9 7950X3D208.7
Ryzen 9 7900X3D197.8
Core i9-13900K187.2
Core i7-13700K180.5
Ryzen 7 5800X3D176.2
Ryzen 9 7950X168.5
Ryzen 9 7900X166.5
Ryzen 7 7700X158.7
Ryzen 7 5800X131.5

上記は「Ryzen 9 7900X3Dのゲームベンチマーク一覧」でまとめた6つのタイトルの平均fpsをまとめている。ゲーミング性能はRyzen 7 7800X3D・Ryzen 9 7950X3Dに次いで高いパフォーマンスを持ち合格点を挙げられるだろう。競合モデルのフラグシップモデルであるCore i9-13900Kと比べても5%以上ゲーミング性能が高い。旧世代のRyzen 7 5800X3Dと比べて12%も性能が向上している。

ハイエンドクラスのグラフィックボードと組み合わせてより高みを目指すのがよい。注意点として、大容量L3キャッシュ搭載の影響が大きいタイトルの結果が平均を引き上げていて、全てのタイトルでパフォーマンスで圧倒しているわけではない点は理解しておこう。タイトルによってはそこまでフレームレートが伸びないこともある。

Core i9-13900K42,134
Ryzen 9 7950X41,866
Ryzen 9 7950X3D40,051
Core i7-13700K38,343
Ryzen 9 7900X37,541
Ryzen 9 7900X3D34,152
Ryzen 7 7800X3D25,874
Ryzen 7 5800X24,001
Ryzen 7 5800X3D23,098

一方で、マルチコア性能及びシングルコア性能は伸び悩んでいる。上記はCPUの総合性能を表している。Ryzen 9 7900Xと比べて9%程度パフォーマンスが低い。Core i9-13900Kと比べると19%もパフォーマンスで劣ってしまう。確かにゲーミング性能はCore i9-13900Kよりも高いが、純粋なCPU性能でこれだけ劣ってしまうと扱いづらくなってしまう。これならRyzen 9 7950X3Dを選択する方がよいはずだ。あるいはCore i9-13900KやCore i7-13700Kならゲーミング性能・総合性能・価格のバランスがよくおすすめしやすい。

省電力性の高いモデル

Core i9-13900K94
251
Ryzen 9 7950X106
196
Ryzen 9 7900X119
146
Core i7-13700K121
216
Ryzen 9 7950X3D125
110
Ryzen 9 7900X3D133
101
Ryzen 7 7700X161
137
Ryzen 7 5800X3D189
98
Ryzen 7 5800X189
119
時間消費電力

上記テーブルはHandbrakeの処理に掛かる時間と消費電力をまとめたものだ。Ryzen 9 7900X3Dも他のRyzen 7000X3Dシリーズの例に漏れず省電力性の高いCPUとなっている。Core i7-13700Kと比べてパフォーマンスが10%劣るが、消費電力は56%も抑えられている。Intel第13世代CPUは確かに性能の高いモデルだが、その分省電力性は犠牲になっていると言えるだろう。

Ryzen 7 7700Xよりも17%性能が高いにも関わらず、消費電力は26%も抑えられている。クロック周波数を抑えてもコア・スレッドを増やすことである程度のパフォーマンスを維持できているということだ。フラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dと比べても省電力性の優れたCPUとなる。搭載モデルの多くがCPUクーラーに空冷タイプを選択していることからも省電力性の高さは折り紙付きだ。

搭載モデルの価格は高め

Ryzen 9 7900X3Dを搭載したゲーミングPCは価格が高く、最低でも30万円以上の予算を考えておく必要がある。特にRyzen 9 7900X3Dの高いゲーミング性能を生かすには、Ada Lovelace世代の70番台以上あるいはRadeon RX 7900シリーズ以上を選択したい。そうなると当然予算は余裕を持たせておく必要がある。

この価格帯になると売れ筋モデルになるということはないだろう。ある程度マルチコア性能は捨ててゲーム環境にこだわりたいゲーマーの方向けだ。コストパフォーマンスが優れたモデルではなく、Ryzen 9 7950X3DやRyzen 7 7800X3D搭載モデルを選択肢に入れる方がよいのではないかと思う。価格的にも性能的にも中途半端さが目立ってしまう。AMD側もそれを認識しているはずだ。

2024年6月時点で搭載モデルはほとんどなくなってしまった。上位モデルであるRyzen 9 7950X3Dや下位モデルのRyzen 7 7800X3Dが生き残っている形だ。前評判通りあまり人気がないCPUで、BTOメーカーからしても扱いづらさがあるのではないかと思う。あえてRyzen 9 7900X3Dを選ぶ理由は少ない。購入検討中の方は在庫状況に注意しよう。もし在庫が追加されてもすぐに売り切れになってしまう可能性がある。

Ryzen 9 7900X3Dのゲームベンチマーク一覧

Far Cry 6

farcry6

Ryzen 9 7950X3D196.0
151.3
Core i9-13900K185.0
144.7
Core i7-13700K174.3
138.6
Ryzen 9 7900X3D172.4
140.3
Ryzen 7 5800X3D168.8
126.0
Ryzen 9 7900X162.4
125.6
Ryzen 9 7950X157.9
121.2
Ryzen 7 7700X151.4
118.6
Ryzen 7 5800X125.2
96.4
平均fps最小fps
Far Cry 6では、Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが6%高く、最小fpsも12%高い。Ryzen 7 5800X3Dと比べて平均fpsが2%高く、最小fpsは12%高い。Ryzen 9 7950X3Dと比べて7%-12%程度パフォーマンスで劣っている。Intel第13世代のCore i9-13900KやCore i7-13700Kよりもパフォーマンスが劣るのは残念だ。コストが掛かるCPUであることを考えると選びづらくなってしまう。

Hitman 3

hitman3

Ryzen 9 7950X3D230.1
98.9
Ryzen 9 7900X3D220.5
98.0
Core i9-13900K216.9
98.1
Core i7-13700K203.6
88.0
Ryzen 9 7950X189.1
81.4
Ryzen 9 7900X185.5
71.3
Ryzen 7 5800X3D176.8
74.7
Ryzen 7 7700X164.9
64.2
Ryzen 7 5800X118.2
52.4
平均fps最小fps
Hitman 3では、Ryzen 9 7950X3Dに次いでフレームレートとなった。平均fpsでは4%程度の差がある。Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが18%高く、最小fpsも37%高い。Core i9-13900Kと比べても平均fpsが高いのは本物の証だ。Ryzen 7 5800X3Dと比べても85%以上パフォーマンスが高い。Hitman 3のゲームプレイを考えているならRyzen 9 7900X3Dは理想的なCPUだと言える。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077top

Core i9-13900K210.2
158.3
Core i7-13700K209.1
155.7
Ryzen 9 7950X3D197.5
129.2
Ryzen 9 7900X3D195.8
131.2
Ryzen 9 7950X186.7
118.6
Ryzen 9 7900X180.2
120.4
Ryzen 7 7700X162.3
87.0
Ryzen 7 5800X3D157.6
103.2
Ryzen 7 5800X146.0
78.9
平均fps最小fps
Cyberpunk 2077では、Intel第13世代CPUに及ばない結果となった。それでもRyzen 9 7900Xと比べて8%程度平均fpsが向上していることからL3キャッシュを増やしたことはマイナスではない。従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べても平均fpsが24%高く、最小fpsも27%高い。Ryzen 9 7950X3Dとほとんど同じパフォーマンスなのは評価できる。

Microsoft Flight Simulator 2021

flightsimulator

Ryzen 9 7950X3D198.0
161.4
Ryzen 9 7900X3D185.3
147.2
Ryzen 7 5800X3D173.4
130.9
Core i9-13900K134.3
115.8
Core i7-13700K129.6
113.1
Ryzen 9 7950X126.7
113.5
Ryzen 9 7900X122.8
100.9
Ryzen 7 7700X122.6
101.3
Ryzen 7 5800X110.7
88.6
平均fps最小fps
Microsoft Flight Simulator 2021は、L3キャッシュが効きやすいタイトルの一つとなっている。上位3つのモデルは、いずれも大容量のL3キャッシュを搭載していることからもわかるだろう。Ryzen 9 7900X3Dは、Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが51%高く、最小fpsも42%高い。Core i9-13900Kとの差は最大38%と引き離している。従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べると平均fpsが6%高く、最小fpsは12%高い。それほど差が大きいわけではなく、Microsoft Flight Simulator 2021ならRyzen 7 5800X3Dからアップグレードする必要はなさそうだ。

Red Dead Redemption 2

Red Dead Redemption 2

Ryzen 9 7950X3D222.5
121.9
Ryzen 7 5800X3D219.6
127.3
Ryzen 9 7900X3D219.1
118.2
Core i9-13900K202.5
130.4
Ryzen 9 7900X202.3
135.2
Ryzen 9 7950X200.8
139.3
Ryzen 7 7700X198.6
125.7
Core i7-13700K194.8
132.9
Ryzen 7 5800X175.1
117.0
平均fps最小fps
Red Dead Redemption 2も大容量L3キャッシュによる恩恵のタイトルの一つだ。3D V-Cacheを搭載したモデルが横並び状態だ。すでにRyzen 7 5800X3Dを所有しているならアップグレードは不要だ。Ryzen 9 7900X3Dは、Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが8%高いが、最小fpsが13%低くなっている。やや不安定な挙動を見せる時があり最小fpsが低迷している。Core i9-13900Kと比べても平均fpsは8%高い一方で最小fpsは9%劣る結果となった。すべてのタイトルで安定したゲームプレイを目指すならCore i9-13900Kは魅力的な候補となるだろう。

Watch Dogs: Legion

watchdogslegion

Ryzen 9 7950X3D208.1
159.6
Ryzen 9 7900X3D193.6
150.4
Core i9-13900K174.3
135.9
Core i7-13700K171.4
138.0
Ryzen 7 5800X3D161.1
123.4
Ryzen 7 7700X152.4
115.8
Ryzen 9 7950X149.5
117.3
Ryzen 9 7900X145.8
116.2
Ryzen 7 5800X113.5
89.2
平均fps最小fps
Watch Dogs: Legionでの結果は、Ryzen 9 7900X3Dにとって理想的な形と言えるかもしれない。Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが33%高く、最小fpsも29%高い。Ryzen 7 5800X3Dと比べても20%以上もフレームレートが高いことがわかる。Core i9-13900Kとの差は最大で11%となる。これだけの差があればRyzen 9 7900X3Dを選ぶ理由はある。Ryzen 9 7950X3Dになるとさらに7%程度高いパフォーマンスを得られる。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R23

cinebench

Core i9-13900K39,810
2,284
Ryzen 9 7950X38,551
2,079
Ryzen 9 7950X3D35,995
1,976
Core i7-13700K31,145
2,114
Ryzen 9 7900X29,604
2,040
Ryzen 9 7900X3D26,513
1,850
Ryzen 7 7700X19,958
1,972
Ryzen 7 5800X15,265
1,591
Ryzen 7 5800X3D14,434
1,507
マルチコアシングルコア
Cinebench R23でCPUのレンダリング性能を見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べてマルチコア性能が13%低く、シングルコア性能も9%低くなっている。L3キャッシュ増量の恩恵はないと考えてよいだろう。Core i9-13900Kと比べてマルチコア性能が36%低く、シングルコア性能も19%低い。マルチコア性能で圧倒されている。Ryzen 9 7950X3Dと比べても25%以上もスコアが低い。12コア24スレッドというスペックでは太刀打ちできない。それでも従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べてマルチコア性能が86%高く、シングルコア性能も23%高い。進化していることは間違いない。

7-Zip

zip

Ryzen 9 7950X277,436
175,228
Ryzen 9 7950X3D243,168
171,974
Core i9-13900K231,457
172,860
Ryzen 9 7900X210,993
147,956
Ryzen 9 7900X3D192,132
146,284
Core i7-13700K163,009
144,074
Ryzen 7 7700X137,934
114,379
Ryzen 7 5800X115,617
86,145
Ryzen 7 5800X3D112,427
83,785
解凍圧縮
7-Zipでの解凍及び圧縮速度を見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べてそれほど大きくパフォーマンスが低下しているわけではない。解凍速度は9%低く、圧縮速度は1%低いだけに留まる。ある程度のマルチコア性能が維持できていると言えるのではないだろうか。Core i9-13900Kと比べると解凍速度は17%低く、圧縮速度も15%低い。従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べて解凍速度が72%速く、圧縮速度も75%も速くなっている。

Handbrake

handbrake

Core i9-13900K94
208
Ryzen 9 7950X106
201
Ryzen 9 7900X119
249
Core i7-13700K121
245
Ryzen 9 7950X3D125
216
Ryzen 9 7900X3D133
247
Ryzen 7 7700X161
330
Ryzen 7 5800X189
404
Ryzen 7 5800X3D202
432
x264x265
動画のエンコードソフトであるHandbrakeでの処理に掛かる時間をまとめている。数値が少ない方が高性能であることを意味する。Ryzen 9 7900Xと比べてx264で12%低い。一方で、x265ではわずかに上回る結果となっている。Ryzen 9 7950X3Dと比べるとx264は6%低く、x265は14%低い。Ryzen 7 5800X3Dと比べると最大で40%程度パフォーマンスが向上している。Core i9-13900Kは高い性能を持ち、Ryzen 9 7900X3Dよりもx264で29%高く、x265でも16%高い。Intel第13世代CPUの安定感の高さを見せつけた形だ。

Adobe Lightroom and Premiere Pro

Adobe Premiere Pro CC

Ryzen 9 7900X12,300
8,358
Ryzen 9 7950X12,257
8,493
Ryzen 7 7700X11,905
8,392
Core i9-13900K11,313
8,047
Ryzen 9 7950X3D11,014
8,035
Core i7-13700K10,896
7,804
Ryzen 9 7900X3D10,819
7,958
Ryzen 7 5800X9,959
6,831
Ryzen 7 5800X3D9,305
6,392
LightroomPremiere Pro
Adobeの画像編集ソフトのLightroom及び動画編集ソフトのPremiere Proでのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べるとLightroomのパフォーマンスは12%低く、Premiere Proでのパフォーマンスも5%低い。Ryzen 9 7950X3Dとの性能差は1%-2%程度だ。Core i9-13900Kと比べるとLightroomでは4%低く、Premiere Proでは1%低い。Zen 4アーキテクチャを採用したAMD製CPUとの相性のよいソフトで、大容量L3キャッシュ搭載の恩恵はない。

Ryzen 9 7900X3D搭載おすすめゲーミングPC

G-Master Spear X870A(サイコム)

G-Master Spear Z590価格:300,780円+送料2,200円
CPU:Ryzen 9 7900X3D *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4060 MSI
メモリ:DDR5-4800 16GB 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

サイコムのRyzen搭載モデルとなる。チップセットは最新のX870Aだ。初期構成ではCPUにRyzen 7 9700Xを搭載している。+10,940円でRyzen 9 7900X3Dへアップグレード可能だ。そこからさらに31,110円を出せばフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dを選択できるのが悩ましい。グラフィックスはAda Lovelace世代のミドルクラスであるGeForce RTX 4060が選択されている。Ryzen 9 7900X3Dの性能を考えるとRTX 4070 SUPER以上のモデルを選択したいところだ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeという構成だ。キャンペーン中はメモリ倍増の32GBとなっている。電源ユニットは750W GOLDを採用している。より高規格なモデルへのアップグレードを検討してもよいだろう。

LEVEL-R7X7-LCR79D-UL2X(パソコン工房)

LEVEL-R77A-LC137-ULX価格:399,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 7900X3D
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:800W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

Ryzen 9 7900X3D×RTX 4070 Ti搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCとなる。大手BTOメーカーでは珍しいRGB対応のケースを採用しているのがポイントだ。専用ソフトウェアでカラーを変更できる。グラフィックスにはAda Lovelace世代のRTX 4070 Tiを搭載している。4K環境にも対応できる高い性能が魅力だ。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。メモリ容量32GBなのは心強い。ゲームプレイ+αでの運用もお手の物だ。電源ユニットは800W GOLDで万全だ。RTX 4070 Tiは省電力性の高いモデルでこの容量でも問題ない。

G-GEAR neo GX9A-S231/XB(TSUKUMO)

G-GEAR neo GX7J-D190ZT価格:479,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 7900X3D
GPU:GeForce RTX 4080
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

TSUKUMOフラグシップモデルでもRyzen 9 7900X3D搭載モデルがラインナップに加わっている。フルタワーケースを採用していて本体は大きい。拡張性も高く高性能なグラフィックボードも搭載しやすいと言える。グラフィックスにはGeForce RTX 4080を搭載している。4K環境でのゲームプレイを考えている方に適している。レイトレーシングを有効化しても余裕のある性能が魅力だ。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは850W GOLDを採用している。

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