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当ページでは、Core i5-13600Kのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Intel第13世代のKシリーズの最安値モデルが登場した。Core i5-13600Kは、14コア20スレッドというスペックを持ち、従来モデルのCore i7-12700K(12コア20スレッド)よりも高い処理性能を持つ。Core i5-12600Kと比べて価格は上がったが、それでもその価格に見合う性能を持っている。なお、Core i7-12700Kの後継モデルであるCore i7-13700Kは、16コア24スレッドとより高いスペックを持っている。
Core i5シリーズのロックフリーモデルは、ゲーミングCPUとしての前評判も高く注目されている。コストパフォーマンスの高さはトップクラスだ。BTOメーカーからすると無印モデルに挟まれていて扱いづらいためかCore i5-13600Kを搭載したモデルが少ないのは残念だが、チェックしておく価値はあるだろう。競合モデルであるRyzen 5 7600Xと比較しながらその性能について詳しく見ていこう。
Core i5-13600Kの基本情報
コードネーム | Raptor Lake-S |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 14コア(6P+8E)/ 20スレッド |
定格/最大クロック(P) | 3.5 GHz / 5.1 Ghz |
定格/最大クロック(E) | 2.6 GHz / 3.9 Ghz |
L3キャッシュ | 24MB |
PBP | 125W |
MTP | 181W |
発売日 | 2022年10月20日 |
MSRP | $319 |
国内価格 | 47,980円~(45,200円~/Fモデル) *2024/7時点 |
特徴 | (+)Eコア倍増で14コア20スレッドとなる (+)L2/L3キャッシュ容量増量でゲーム適正向上 (+)i7-12700Kよりも高い処理性能を持つ (+)Raptor Lake世代で最強の高コスパゲーミングCPU (+)Intel 600・DDR4メモリが流用可 (-)i5-12600Kより消費電力アップ (-)従来モデルより価格アップ (-)搭載ゲーミングPCは相変わらず少ない |
評価 | ・総合評価 7.5 ・ゲーム評価 8.0 |
当ページの目次
Core i5-13600Kの基本情報
i5-13600K | i5-12600K | 5 7600X | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | AMD |
コードネーム | Raptor Lake | Alder Lake | Zen 4 (Raphael) |
プロセス | 10nm | 10nm | 5nm |
トランジスタ数 | - | - | 65.7億 |
ダイサイズ | 257 mm² | 215 mm² | 70 mm² |
I/Oダイサイズ | - | - | 124.7 mm² |
トータルコア数 | 14コア | 10コア | 6コア |
トータルスレッド数 | 20スレッド | 16スレッド | 12スレッド |
CPUコア数(P) | 6コア | 6コア | 6コア |
スレッド数(P) | 12スレッド | 12スレッド | 12スレッド |
CPUコア数(E) | 8コア | 4コア | - |
スレッド数(E) | 8スレッド | 4スレッド | - |
定格クロック(P) | 3.5 GHz | 3.7 GHz | 4.7 GHz |
最大クロック(P) | 5.1 Ghz | 4.9 Ghz | 5.3 GHz |
定格クロック(E) | 2.6 GHz | 2.8 GHz | - |
最大クロック(E) | 3.9 GHz | 3.6 GHz | - |
L2キャッシュ | 20MB | 9.5MB | 6MB |
L3キャッシュ | 24MB | 20MB | 32MB |
サポートメモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
内蔵GPU | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 770 | Radeon Graphics |
グラフィックスコア | 32 | 32 | 2 |
グラフィックス周波数 | 300MHz-1500MHz | 300MHz-1450MHz | 400MHz-2200MHz |
CPUクーラー | なし | なし | なし |
PCI-Express | Gen 5, 20 Lanes | Gen 4, 20 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
PBP | 125W | 125W | 105W |
MTP(PL2) | 181W | 150W | 142W |
MSRP | $319 | $289 | $299 |
国内価格 | 49,470円 | 38,450円 | 35,978円 |
発売日 | 2022/10/20 | 2021/11/04 | 2022/09/27 |
コアの定格クロックはCore i5-12600Kの方が6%高いが、最大クロックはCore i5-13600Kの方が4%高い。Eコアについても定格クロックはCore i5-12600Kの方が8%高いが、最大クロックはCore i5-13600Kの方が9%高い。基本的には最大クロックが上がっている=性能が高いということでよい。定格クロックで維持されることはほとんどないからだ。TDPを抑えるために定格クロックを落としているのだろう。L2キャッシュはCore i5-13600Kの方が21%多く20MBとなる。L3キャッシュも20%増えて24MBだ。サポートメモリがDDR5-4800からDDR5-5600へとアップグレードされた。
内蔵GPUはUHD Graphics 770と変わっていない。最大グラフィックス周波数が引き上げられた程度で性能的には同等だ。PCI-Expressは、Gen 4からGen 5へとアップグレードされている。PBPは125Wと変わっていないが、MTPは150Wから20%増えて150Wとなる。価格も$30高くなった。国内の販売価格では12,820円の差がある。
競合モデルであるRyzen 5 7600Xは$299で販売されているCPUだ。国内価格は49,800円でCore i5-13600Kよりも7,000円安く購入できる。Ryzen 5 7600Xは、Zen 4アーキテクチャを採用したCPUだ。5nmプロセスを採用していてCore i5-13600Kで採用されている10nmの半分だ。Ryzen 7 7600XのダイサイズはI/Oを含めて190.4m㎡となる。Core i5-13600Kの方が35%大きい。プロセスが大きいことを考えると仕方がないだろう。
Ryzen 7 7600Xは6コア12スレッドというスペックだ。Core i5-13600Kのようにハイブリッドコアアーキテクチャは採用しておらず物理コア及びスレッド数共に少ない。定格クロックはRyzen 5 7600Xの方が35%高く、最大クロックもRyzen 5 7600Xの方が4%高い。L2キャッシュはCore i5-13600Kの30%である6MBだ。L3キャッシュはRyzen 5 7600Xの方が33%多く32MBだ。Ryzen 5 7600XはCPU内蔵グラフィックスを搭載している。
Ryzen 5 7600XはGen 5, 24 Lanesに対応している。PBPはCore i5-13600Kの方が20%高く、MTPもCore i5-13600Kの方が27%高い。総じてCore i5-13600Kの方が消費電力が高くなっている。
Core i5-13600Kの最新評価【2024年】
Core i5-13600Kのゲーム性能スコアは35,582と高い。発売から2年が経っても現役として通用する。従来モデルのCore i5-12600Kと比べると20%以上もゲーム性能が向上している。フラグシップモデルであるCore i9-12900Kを上回る性能は圧巻だ。AMD Ryzen 9 7950Xよりもゲーム性能は高い。なお、次世代のCore i5-14600Kとの性能差はそれほど大きくない。70番台のグラフィックボードとの組み合わせでもボトルネックは心配しなくてもよさそうだ。
Core i5-13600Kの新品価格は47,980円(Fモデルは45,200円)となる。旧世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kと同等の価格設定だ。Core i5-14600Kが51,780円(Fモデルは47,870円)なので割安感が出ている。ゲーム性能だけを考えれば34,010円で購入できるRyzen 7 5700X3Dは魅力的だ。コストパフォーマンス指標では30%以上上回っている。ただし、マルチコア性能ではCore i5-13600Kが上だ。
Core i5-13600Kの特徴&注意点【2022年】
i7-12700Kを上回る高い処理性能を持つ
Core i5-13600Kは、Raptor Lake世代の高パフォーマンスモデルでAlder Lake世代の上位モデルであるCore i7-12700Kよりも高い処理性能を持つCPUだ。ハイブリッドコアアーキテクチャがより洗練されている。従来モデルのCore i5-12600Kと比べて18%もパフォーマンスが向上している。競合モデルであるRyzen 5 7600Xと比べても20%弱性能が高くなっている。
Ryzen 5 7600Xの上位モデルであるRyzen 7 7700Xでさえも11%上回った。発売されたばかりのRyzen 7000シリーズを圧倒する形だ。Intel第13世代CPUの登場でAMDは、Ryzen 7000シリーズは価格を下げざるを得ない状況だ。Ryzen 5 7600Xの天下は一ヶ月も持たなかった。Core i5-13600Kは、ゲーム実況・動画編集・エンコード・画像編集などの用途にも適している。
ゲーミングCPUとしてコスパが高い
Core i5-13600Kは、ゲーミングCPUとしてコストパフォーマンスの高いモデルとなっている。Core i5シリーズの最上位モデルは常に高いコスパを誇るのだ。これは前世代のCore i5-12600Kを見てもわかるだろう。上記グラフは、ゲームプレイ時のフレームレート1fps当たりのコストと平均fpsをまとめたものだ。前者は数値が少ない方がよく、後者は数値が高い方がよい。
Core i5-13600Kは、Intel第13世代CPUの中でトップクラスのコスパを誇る。平均fpsも179.3とかなり高い数値が出ている。この数値は旧世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kを上回るほどだ。Core i7-12700KやRyzen 7 7700Xよりもゲーミング性能が高いにも関わらずコストは抑えられているという非常に魅力的なモデルだ。もちろんこれはマザーボードなどのプラットフォームを考慮していない点は留意して欲しい。
なお、コストパフォーマンスの観点から見ると競合モデルであるRyzen 5 7600Xが優秀だ。フレームレートはCore i5-13600Kよりも6%程度劣るが、1fps当たりのコストは10%以上低い。もちろんゲーム以外の用途を考えているならCore i5-13600Kの方が魅力的だろう。残念ながらBTOパソコンではそれほどメジャーな存在ではない。それはCore i5-12600Kも同じだった。
Core i5-13600Kは非常に性能と価格のバランスがよく搭載モデルが増えれば人気モデルになるのは間違いないだろう。ただし、マザーボードのチップセットでラインナップを統一しているBTOメーカーが多く取り扱いづらさがある。Z690+Core i5-12600KよりもB660+Core i7-12700の方がコスパがよくなる傾向にある。オーバークロックをせずあえてB660を選ぶのもおもしろいように思う。できればコラボレーションモデルなどで実現したいところだ。
従来モデルよりも消費電力アップ
Core i5-13600Kの弱みは消費電力の高さ及び電力効率の悪さだろう。アーキテクチャを変えずにスペックを引き上げたのだから必然だ。上記テーブルではパワー効率と消費電力をまとめている。パワー効率は数値が高い方がよく、消費電力は少ない方がよい。もっとも消費電力は性能に直結しているため、消費電力が高いこと自体が大きなマイナスとなるわけではない。
Core i5-13600Kは従来モデルのCore i5-12600Kと比べて60%近くも消費電力が高くなり、パワー効率も15%低くなった。確かに性能は上がっているが、その分消費電力が高くなっているということだ。もっともCore i9-12900Kと比べて消費電力は低く許容範囲内だと言える。CPUクーラーや電源ユニットに少し気を使えば問題はない。
Core i5-13600Kのゲームベンチマーク一覧
Far Cry 6
Core i7-13700K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i5-12400 |
Hitman 3
Core i7-13700K | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-12600K | |
Core i5-12400 |
Cyberpunk 2077
Core i7-13700K | |
Core i5-13600K | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i5-12400 |
Red Dead Redemption 2
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i7-13700K | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Core i5-12400 |
Watch Dogs: Legion
Core i7-13700K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-12600K | |
Core i5-12400 |
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
Ryzen 9 7950X | |
Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-12400 |
7-Zip
Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-12600K | |
Core i5-12400 |
Handbrake
Core i7-13700K | |
Core i9-12900K | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-12400 |
Adobe Lightroom and Premiere Pro
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 5 7600X | |
Core i7-13700K | |
Core i5-13600K | |
Core i9-12900K | |
Core i7-12700K | |
Core i5-12600K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i5-12400 |
Core i5-13600K搭載おすすめゲーミングPC
G-GEAR GA7J-E230/B(TSUKUMO)
CPU:Core i5-13600KF *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core i5-13600KF×RTX 4060 Ti搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。初期構成ではCPUがCore i7-13700KFだが、ダウングレードできる。14,301円安く購入可能だ。TSUKUMOのミドルタワーケースを採用している。Core i5-13600KFは14コア20スレッドとスペックが高くCore i9-12900Kを上回るゲーミング性能を持つ。CPU性能を考えるとややグラフィックボードとのバランスは取れないかもしれない。ゲーム実況を考えているなら魅力的な選択肢となる。グラフィックボードのカスタマイズに対応しているので、用途に合わせてアップグレードを検討しよう。メモリDDR4-3200 32GB、SSD 1TBと構成も抜群だ。電源ユニットは750W GOLDを採用している。
G-Master Spear Z790/D5(サイコム)
CPU:Core i5-13600KF *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4060 MSI
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:3.9
サイコムからもすでにIntel第13世代CPU搭載モデルがリリースされている。初期構成はCore i7-13700Kだが、カスタマイズでCore i5-13600KFにダウングレード可能だ。26,750円安くなる。グラフィックボードにはRTX 4060を搭載している。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeという構成だ。電源ユニットは750W GOLDを採用している。ベースモデルとしてあなた好みの仕様に仕上げて欲しい。
G-GEAR GA7J-L231/ZB(TSUKUMO)
CPU:Core i5-13600KF *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
初期構成ではCore i7-13700KF×RTX 4070 Tiを搭載した一台だ。Core i5-13600KFへのダウングレードで14,301円安くなる。グラフィックスにはハイクラスのRTX 4070 Tiを搭載している。RTX 3090を超える性能を持つ。4K環境にも対応できる高い性能が魅力だ。Core i5-13600KFでもある程度バランスを取れる。当該モデルについては水冷クーラーを選択できないのが悩ましい。マザーボードのチップセットがZ790であることを考えるとオーバークロックを想定してCPUクーラーも強化したいところだ。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは850W GOLDを採用している。
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