当ページでは、Core i7-13700Hの性能レビュー及び搭載ゲーミングノートPCの紹介をしている。Raptor Lake世代のモバイル向け高パフォーマンスCPUだ。Core i7-12700Hの後継モデルということになる。実はCore i7-13700H自体完全に新しいモデルというわけではなく、Core i7-12700Hのマイナーチェンジ行ったリブランディングモデルという位置付けだ。つまり、Raptor Cove+Gracemontではなく、Golden Cove+Gracemontの組み合わせで従来モデルのCore i7-12700Hに近く、性能的には大きく向上しているわけではない。
そうは言っても14コア20スレッドと高スペックでゲーミングノート向けCPUとして人気が出ることは間違いないだろう。クロック周波数の引き上げも後押ししてくれるだろう。また、モバイル向けCPUの場合、グラフィックボードも同時に考える必要がある。デスクトップパソコンのようにCPUだけをアップグレードすることは難しい。つまり、Core i7-13700H搭載モデルを選択するということは最新のAda Lovelace世代のグラフィックボードを選択するということだ。搭載モデルは「Core i7-13700H搭載のゲーミングノートPC一覧」で紹介している。
当ページの目次
よくわかる!!Core i7-13700Hの特徴まとめ
コードネーム | Raptor Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 14コア(6Pコア+8Eコア)/ 20スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 2.4 GHz/ 5.0 GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.8 GHz/ 3.7 GHz |
L2キャッシュ | 11.5MB |
L3キャッシュ | 24MB |
PBP | 45W |
MTP | 115W |
発売日 | 2023年01月04日 |
価格 | $502 |
特徴 | (+) 14コア20スレッドと高スペック (+) コストパフォーマンスが高い (+) i7-12700Hの人気を引き継ぐ (-) Alder Lake世代のリブランディング (-) i7-12700Hとの性能差はそれほど大きくない (-) 排熱性能の高いモデルを選ばないと性能が落ちる |
評価 | ・総合評価 8.0 ・ゲーム評価 8.0 |
Core i7-13700Hの基本スペック
Core i7-13700H | Core i9-13900H | Core i7-12700H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
ダイサイズ | - | 257m㎡ | 217m㎡ |
トータルコア(スレッド) | 14 (6P+8E) / 20 | 14 (6P+8E) / 20 | 14 (6P+8E) / 20 |
定格クロック(P) | 2.4 GHz | 2.6 GHz | 2.3 GHz |
最大クロック(P) | 5.0 GHz | 5.4 GHz | 4.7 GHz |
定格クロック(E) | 1.8 GHz | 1.9 GHz | 1.7 GHz |
最大クロック(E) | 3.7 GHz | 4.1 GHz | 3.5 GHz |
オーバークロック | × | × | × |
L2キャッシュ | 11.5 MB | 11.5 MB | 11.5 MB |
L3キャッシュ | 24 MB | 24 MB | 24 MB |
対応メモリ | DDR5-5200 DDR4-3200 | DDR5-5200 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics | Iris Xe Graphics |
実行ユニット | 96 | 96 | 96 |
グラフィックス周波数 | 1.50 GHz | 1.50 GHz | 1.40 GHz |
PBP | 45W | 45W | 45W |
MTP | 115W | 115W | 115W |
価格 | $502 | $617 | $502 |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 | 2022/01 |
実は両モデルの大きな違いはこのクロック周波数ぐらいで、CPUコア自体はRaptor CoveではなくCore i7-12700Hと同じGolden Coveだ。その証拠にL2キャッシュ・L3キャッシュ容量がそれぞれ11.5MB・24MBと両者に違いがない。Raptor Coveを採用していればキャッシュ容量が増えているはずだ。
対応メモリはDDR5-4800からDDR5-5200とより高クロックなモデルをサポートしている。DDR4メモリのサポートはコストを抑えたい方にとっては魅力的だ。内蔵グラフィックスはIris Xe Graphicsだ。実行ユニットは96と変わらない。グラフィックス周波数が0.1GHz引き上げられているが、性能差を体感することは難しい。そもそもグラフィックボードを搭載したモデルが多く重要度は低い。PBPは45W、MTPは115Wとなる。価格は$502だ。
上位モデルのCore i9-13900Hと比較していく。Core i9-13900HもコードネームこそRaptor Lakeだが、CPUコアはCore i7-13700Hと同じGolden Coveだ。Pコアの定格クロックはCore i9-13900Hの方が9%高く、最大クロックも10%高い。Eコアについても定格クロックがCore i9-13900Hの方が6%高く、最大クロックも11%高い。L2キャッシュ・L3キャッシュ容量は同じだ。
対応メモリ・内蔵グラフィックスにも違いはない。Core i9-13900Hの方がクロック周波数が高いにも関わらずPBP・MTPが同じなのは驚きだ。スペック上はより省電力性に長けたモデルと言えるだろう。価格差が$115あってCore i9-13900Hの方が高い。
Core i7-13700H搭載モデルの特徴
i7-12700Hと比べて15%程度パフォーマンスが高い
Core i9-14900HX | |
Core i9-13950HX | |
Core i7-13700HX | |
Core i9-12900HK | |
Ryzen 9 7940HS | |
Core i9-13900H | |
Ryzen 7 7840HS | |
Core i9-12900H | |
Core i7-13700H | |
Core i7-12700H | |
Ryzen 7 7735HS | |
Core i7-13620H | |
Ryzen 9 6900HX | |
Ryzen 7 7435HS | |
Ryzen 9 6900HS | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i5-13500H | |
Core i5-12500H | |
Core i7-11800H |
Core i7-13700Hは、Intel第13世代のモバイル向け高パフォーマンスモデルだ。14コア20スレッドとモバイル向けモデルとして高いスペックを誇る。従来モデルのCore i7-12700Hと比べて15%程度処理性能が向上している。フラグシップモデルであるCore i9-12900HXよりもわずかに性能が高い。2世代前のCore i7-11800Hと比べると実に68%も性能が高い。競合モデルのRyzen 9 6900HXと比べても40%以上上回る性能は圧巻だ。Zen 3+アーキテクチャ採用の競合モデルであるRyzen 7 7735Hと比べてもパフォーマンスは高い。AMDはZen 4アーキテクチャ採用のモバイル向けCPUをリリースできず遅れを取っている。
Core i7-13700Hは、ゲーミングノートPCやクリエイターノートPCで採用されることが多い。Ada Lovelace世代のグラフィックボードとの組み合わせでもパフォーマンスを引き出せる。最近の傾向としてグラフィックボードよりもCPUの方がやや遅れをとっている状況でCPUがボトルネックとなりやすい。そういう意味でも高性能なCPUを選択しておくのが吉だ。ゲームプレイ・ゲーム実況・動画編集・エンコード・WEBデザイン・3DCG制作など幅広い用途で通用すると考えてよい。
旧世代のリブランディングモデルでインパクトが小さい
Core i7-13700Hは2023年1月に発売された正真正銘のRaptor Lake世代のCPUだが、実は中身を見ると1世代前のCore i7-12700Hのリブランディングモデルに留まる。つまり、Intel第12世代でハイブリッドコアアーキテクチャを採用した時ほどのインパクトがあるわけではない。Core i7-13700HのPコアはRaptor CoveではなくGolden Coveだ。その証拠にL2キャッシュ・L3キャッシュ容量がそれぞれ11.5MB・24MBと、Core i7-12700Hから変わっていない。
Raptor Coveを搭載していれば容量が増えているはずだ。Core i7-12700H→Core i7-13700Hへのパフォーマンス向上分はアーキテクチャの進化というよりもクロック周波数の引き上げ分だ。メモリもより高クロックなものに対応しているのも強みとなる。現在Intel第12世代CPUを使用している方がIntel第13世代CPUへのアップグレードをしても性能差を体感することは難しいかもしれない。
競合モデルのAMDもZen 4アーキテクチャ採用モデルのリリースが遅れZen 3+で停滞してしまっている状況だ。どちらも次世代モデル以降への期待が大きい。グラフィックボードの進化になんとかくらいついてほしいところだ。CPUの進化よりもGPUの進化の方が大きく、その性能に合わせるならIntel第13世代CPUを選択しておくべきだ。もっとも、モバイル向けCPU単体だけで購入するケースはないはずだ。高性能なグラフィックボード搭載モデルを購入したいなら必然的にIntel第13世代CPUあるいはAMD Zen 3+ CPUが付いてくる。
搭載モデルのラインナップが増えて来ている
Core i7-13700Hを搭載したモデルはラインナップが増えて来ている。GIGABYTEやMSIなどの海外メーカーがメインだ。国内BTOメーカーではG-Tuneがいち早くCore i7-13700H搭載モデルをリリースした。今はまだゲーミングノートPCが中心となっているが、今後はクリエイターノートPCも増えて来るだろう。
どのCPUがよいのか決めきれないのであればCore i7-13700Hを選んでおけばよい。迷ったらこれだと言えるほど人気・実力の高いCPUだ。おそらく上位モデルのCore i9-13900HKを搭載したモデルは増えないだろう。同じ14コア20スレッドと差別化が弱いことと価格が跳ね上がってしまうことが要因だ。Core i7シリーズは価格と性能のバランスがよくいつの時代もゲーマーに支持される傾向にある。
Core i7-13700Hのベンチマーク一覧
Cinebench R23
Core i9-13950HX | |
Core i7-13700H | |
Core i9-12900HX | |
Core i9-12900HK | |
Core i7-12700H | |
Ryzen 7 6800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i9-11980HK | |
Core i7-11800H |
Handbrake
Core i9-13950HX | |
Core i7-13700H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i9-12900HK | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i7-12700H | |
Core i9-12900HX | |
Core i9-11980HK | |
Core i7-11800H |
7-Zip(圧縮)
Core i9-13950HX | |
Core i7-13700H | |
Core i7-12700H | |
Core i9-12900HK | |
Core i9-12900HX | |
Ryzen 9 6900HS | |
Core i9-11980HK | |
Ryzen 7 6800H | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i7-11800H |
7-Zip(解凍)
Core i9-13950HX | |
Core i7-13700H | |
Core i9-12900HX | |
Core i9-12900HK | |
Core i7-12700H | |
Ryzen 7 6800H | |
Ryzen 9 6900HS | |
Ryzen 9 5900HX | |
Core i9-11980HK | |
Core i7-11800H |
Adobe Photoshop
Core i7-13700H | |
Core i9-12900HK | |
Core i7-12700H | |
Core i9-13950HX | |
Core i9-12900HX | |
Ryzen 9 6900HS | |
Ryzen 7 6800H | |
Core i7-11800H | |
Ryzen 9 5900HX |
Adobe Premiere Pro 2022
i9-13950HX×RTX 4090 | |
i7-13700H×RTX 4070 | |
i9-12900HX×RTX 3070 Ti | |
i9-12900HK×RTX 3080 Ti | |
i7-12700H×RTX 3080 Ti | |
i7-11800H×RTX 3070 | |
9 5900HX×RTX 3070 | |
7 6800H×RTX 3060 | |
i7-10875H×RTX 2070S MAX-Q | |
9 6900HS×RX 6800S |
Core i7-13700H搭載のゲーミングノートPC一覧
GALLERIA XL7C-R45-5(ドスパラ)
液晶:15.6インチFHD 144Hz
重量:約2.20kg
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:230W ACアダプター
コスパ:10.0
Core i7-13700H×RTX 4050 Mobile搭載のゲーミングノートPCだ。GeForce RTX 4050 Mobile搭載モデルもここまで価格が上がってしまった。15.6インチFHDディスプレイを搭載している。Ada Lovelace世代のエントリークラスであるGeForce RTX 4050 Mobileを搭載しているのが特徴だ。50番台ながら旧世代のGeForce RTX 3060 Mobileに匹敵する高い性能を持つ。フルHDで60fpsを基準にすれば十分ゲームプレイに対応できる。競技系のタイトルなら高リフレッシュレートを目指せるほどだ。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GB Gen4 NVMeと構成も平均的だ。
GALLERIA XL7C-R46H-6 (ドスパラ)
液晶:16.0インチWUXGA 165Hz
重量:約2.00kg
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4060 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:150W ACアダプター
コスパ:調査中
Core i7-13700H×GeForce RTX 4060 Mobile搭載のミドルクラスのゲーミングノートPCだ。税込20万円を切る価格は魅力的だろう。16.0インチQUXGAディスプレイを搭載している。本体重量は約2.00kgと液晶サイズから見て軽い。Core i7-13700Hの性能を考えればGeForce RTX 4060 Mobileとの組み合わせはバランスがよい。高リフレッシュレートでのゲームプレイも余裕が生まれる。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GB Gen4 NVMeという構成だ。ACアダプターは150Wと控えめだ。パフォーマンスよりもポータブル性や省電力性を重視したモデルといえる。
G-Tune P6-I7G60BK-A(G-Tune)
モニター:16.0インチWUXGA 165Hz
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4060 Mobile
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB Gen4 NVMe
HDD:非搭載
Core i7-13700H×RTX 4060 Mobile搭載のゲーミングノートPCだ。16.0インチ165Hz対応ディスプレイを搭載している。RTX 4060 Mobileの性能があれば十分ディスプレイのパフォーマンスを引き出せる。Mouse Control Centerから3つのプリセットモードを選択できる。ゲームプレイからビジネスまで使いやすいモデルだ。メモリDDR4-3200 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。税込229,900円と最新モデルであることを考慮すれば妥当な価格設定ではないかと思う。3年間のセンドバック修理保証が付いていて長く使用できる。
TUF Gaming F15 FX507VU4 (ASUS)
209,800円(税込) 169,800円(税込)
液晶:15.6インチFHD 144Hz
重量:約2.20kg
駆動時間:約9.6時間
CPU:Core i7-13700H
GPU:GeForce RTX 4050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
コスパ:10.0
店長一押しセールの対象モデルで40,000円OFFで購入できる。Core i7-13700H×RTX 4050 Mobileの組み合わせで税込16万円台は圧巻だ。圧倒的なコストパフォーマンスを誇る。15.6インチFHD(144Hz)ディスプレイを搭載している。高リフレッシュレート対応は嬉しいポイントだ。本体重量は約2.20kgでバッテリー駆動時間は約9.6時間となる。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 500GB Gen4 NVMeと価格帯を考えれば十分だろう。
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