当ページでは、Core i7-4790Kのスペック&性能ベンチマークを検証している。Core i7-4770Kから進化したDevil’s Canyon世代のCPUだ。Core i7-4790Kは、第4世代CPUの中で最もゲーミング用として人気のあるモデルだった。2024年時点ではゲーム目的での使用はおすすめできない。現在の入手方法は中古だけだ。第9世代Core iシリーズより前の世代が全てライバルになる。
当時は非常に優れたCPUとして名を馳せていた。今は性能的にもコスパ的にも厳しく、中古であっても率先して選ぶべきCPUではないと言える。後継モデルは、Intel第6世代の「Core i7-6700K」だ。プロセスが22nmから14nmへと微細化されてCPU性能が向上している。クロック周波数が同じでもより高いパフォーマンスを得られるのだ。メモリ規格がDDR3からDDR4へと変わったのも次世代モデルでの大きな点だと言える。
当ページの目次
Core i7-4790Kの概要
スペック
i7-4790K | i7-4770K | i7-3770K | |
---|---|---|---|
コードネーム | Devil's Canyon | Haswell | Ivy Bridge |
プロセス | 22 nm | 22 nm | 22 nm |
トランジスタ数 | 14億 | 14億 | 14億 |
ダイサイズ | 177 mm² | 177 mm² | 160 mm² |
CPUコア数 | 4 | 4 | 4 |
スレッド数 | 8 | 8 | 8 |
定格クロック | 4.0GHz | 3.5GHz | 3.5GHz |
最大クロック | 4.4GHz | 3.9GHz | 3.9GHz |
L3キャッシュ | 8MB | 8MB | 8MB |
対応メモリ | DDR3-1600 | DDR3-1600 | DDR3-1600 |
内蔵GPU | Intel HD 4600 | Intel HD 4600 | Intel HD 4000 |
ソケット | LGA1150 | LGA1150 | LGA1155 |
TDP | 88W | 84W | 77W |
MSRP | $350 | $350 | $313 |
発売日 | 2014/05/01 | 2013/06/02 | 2012/04/29 |
従来モデルのCore i7-3770KはIvy Bridge世代のCPUだ。プロセスは22nmと共通でトランジスタ数も14億と同じだ。ダイサイズはCore i7-4790Kになって10%だけ大きくなっている。これは内蔵GPUが強化されたことが要因だ。CPUコア及びスレッド数は4コア8スレッドと共通だ。定格クロックは15%高く、最大クロックも13%高い。対応メモリはDDR3-1600だ。
内蔵GPUはHD 4000からHD 4600へとマイナーチェンジが行われている。クロック周波数が少しだけ高い。ソケットがLGA1150になってCore i7-3770Kとの互換性は失われている。TDPは15%高く88Wとなる。これはクロック周波数を引き上げたことによる代償だ。価格差は$37となる。
Haswell世代のCore i7-4770Kと比較していく。22nmプロセスを採用していてトランジスタ数及びダイサイズは共通だ。CPUコア及びスレッド数にも違いはない。定格クロックが15%高く、最大クロックも13%高い。このCore i7-4770KはCore i7-3700Kはほとんどスペックが同じだ。対応メモリ・内蔵GPU・ソケットなどに違いはない。TDPが5%高くなり88Wとなる。価格は$350と共通だ。
性能
後継モデルに当たるCore i7-6700Kはオーバークロックで真価を発揮するタイプのCPUだ。DDR4規格のメモリを搭載してオーバークロックすることでCore i7-4790Kよりも高い性能を発揮する。新規格のメモリに対応したことで、潜在能力はCore i7-6700Kの方が高い。
当時はCore i7-4790Kが優秀なのか、Core i7-6700Kが微妙なのか議論が繰り広げられた。第4世代から第6世代への買い替えはあまり積極的に行われていなかったように思う。性能差を考えれば当然と言えば当然だ。特に、ゲーミングPCではメモリの価格も反映されたことで、価格差が大きく出てしまった。むしろ価格の落ちたCore i7-4790Kを選択するユーザーが非常に多かった。
1世代前のCPUは狙い目という考えはCore i7-4790Kの印象が強い。実質Core i7-6700Kと同等の性能であるCore i7-4790Kは長きに渡ってゲーマーに愛用されたCPUだ。性能的にはIntel第10世代のCore i3シリーズにも及ばない。ゲーミングCPUとしてはやや厳しいモデルとなってしまった。
現行モデルのCore i3-12100と比べると50%近くもパフォーマンスが劣ってしまう。10,000スコアを一つの基準として考えると性能的に不十分だと言わざるを得ない。ゲームプレイをメインに考えるなら最低でもCore i5-9400F/Core i5-8600K以上のモデルを選択するとよい。
Core i7-4790Kの最新評価【2024年】
ゲーミングCPUとしては合格ラインには届かず
Core i7-4790Kのゲーム性能スコアは18,646となる。当サイトでは20,000スコアをゲーミングCPUとしての合格ラインとしているので残念ながらCore i7-4790Kは不合格だ。積極的におすすめできるわけではないが、50番台や60番台のグラフィックボードであればそこまでネックとなることはない。ただし、新しい世代のCPUと比べて省電力性が低く故障リスクがあることを考えると買い替えはおすすめしづらい。20,000を基準にするとCore i3-10100・Core i5-9400あたりのモデルは比較的新しくおすすめしやすい。価格もある程度下がっていて購入しやすいと言える。
中古価格は税込10,000円程度となる
中古価格は税込10,000円ほどだ。Core i7-4790Kは非常に人気の高いCPUだったこともあって今でも市場に多くのモデルが販売されている。発売されてから9年以上も経過していることを考えると驚きしかない。倍率ロックフリーモデルなので故障リスクが高い点は注意しよう。Core i7-4790Kはゲーマーに人気で一般ユーザーにはそれほど受け入れられていなかったように思う。
だからこそオーバークロックを目的に使用していた方も多いはずだ。オークションや個人売買での入手を考えている方は、CPUファンの有無・使用環境・ジャンク品かどうかなど十分見極める必要がある。もし今Intel第3世代あるいは第4世代CPUを使っていてCore i7-4790Kへのアップグレードは推奨しない。プラットフォームを一新する必要があり、どうせならより新しい世代のCore i5-9400(F)を選択する方が満足できるだろう。
Core i7-4790Kに+1,000円で7%程度高いパフォーマンスを得られる。20,000スコアに近づきゲーム適性が向上する。Core i5シリーズと言えども第9世代でその性能差は大きい。Core i7-4790Kは確かに優秀なCPUだったが、2024年の今となっては推奨環境を満たせないゲームも多く登場している。わざわざ選択するメリットはないと断言する。
Intel第10世代のCore i3-10100なら内蔵GPU非搭載のFシリーズがCore i7-4790Kと同等の価格設定だ。ゲーム性能的にはCore i5-9400をも上回り魅力的なモデルだと言える。Core i3シリーズだからといって馬鹿にできない水準まで到達しているのだ。Core i3-10100は、Intel第8世代までのCore i7シリーズを上回る性能を持っていて心強い。安価なCPUを探しているなら候補に入れてもよいだろう。
Core i7-4790Kのベンチマーク
Cinebench R15
Handbrake
Core i7-4790Kのゲームベンチマーク
ゲーミングPCを紹介するサイトということなのでゲームのベンチマークを紹介している。参考までに述べておくと、動画のエンコードなどゲーム以外の数値であればCore i7-4790Kの方がCore i7-4770Kよりも8%-10%程度性能が高くなっている。一方ゲームの場合はどうだろうか。
F1 2013
Bioshock Infinite
Tomb Raider
Battlefield 4
2014年当時の評価
フラグシップモデルとして君臨
Core i7-4790Kは、第4世代のCPUで処理速度を表す周波数はCPUの中で最も高い数値を持つCPUだ。性能もExtreamを除けば最上位クラスで第6世代のCore i7-6700Kよりも高いスコアをたたき出す場面も多い。全体的な性能ではCore i7-6700Kには劣るが、ゲームに関して言えば同等以上でありCore i7-6700Kが発売された現在も尚現役のCPUだ。
定格4.0GHz・最大4.4GHzというクロック周波数の高さはやはり魅力だ。ゲームプレイにおいて重要な数値であり、理想的なCPUだと言える。DDR4メモリを搭載したCore i7-6700Kと比較しても十分戦えるため、このCPUからの買い替えは現状あり得ない。もし新しく買い替えなどする場合は、今後のことを考えて第6世代のCPUを推奨する。
アンロックモデルはオーバークロックができるだけという認識が強かったのも事実だ。一般的な作業もCore i5で十分対応できた。当時のゲーム事情でもCore i5で十分という声の方が大きい。対応ソケットはLGA1150で対応チップセットはZ97・H97・Z87・H87・B85・H81となっている。オーバークロックに対応したCPUなので、チップセットはZ97を推奨する。相性のよいグラフィックボードはGTX 970以上となっている。
ゲームにはCore i7という認識をゲーマーに植え付けた
すでに性能を見てきたとおりCore i7-4790Kはゲーム向けCPUとしておすすめしづらいモデルとなっている。発売から8年の月日が流れてついに役割を終えたと言えるかもしれない。それでもCore i7-4790KゲームにはCore i7シリーズのモデルがよいという指標を作り、その上でCore i7最上位はゲーム向きという認識をも生み出した。
Core i7-4790Kが積み上げた功績は大きい。まさにHaswell/Devil’s Canyon世代の傑作CPUである。実に3年以上も現役で推奨スペックをクリアしたCPUだった。ゲームが大きく進化し始めた2014年、2015年を生き抜いた歴戦のCPUである。
第4世代のCPUは非常に長く使用されていた。中でもCore i7-4790Kはゲーム用途では第8世代登場までの3世代(実質2世代)に渡って使用されていたのだ。その理由は、次世代にあたる第6世代のCPUがゲーム用途では微妙な性能だったからだ。
IntelのCPUは2世代ごとにCPUソケットが変更されている。ソケットが変更されるということはマザーボードを変更しなくてはならない。第4世代のCore i7-4790Kを使用していたゲーマーは、Core i7-6700Kへの換装を行わなかった。低負荷かオーバークロックでしか性能を伸ばせないCore i7-6700Kに対するコストパフォーマンスが悪いからだ。
CPU・マザーボード・メモリの換装が必要になったのは痛い。それだけ費用をかけてもゲームでは同程度のパフォーマンスとなってしまう。オーバークロックをしてやっと上回る程度だ。続くIntel第7世代はそれなりに換装するユーザーもいたが、、2世代ごとにCPUソケットが変わるので第8世代を待つユーザーも多くいたと言える
IntelのCPUは第8世代で大きく成長している。これまでのCPUを過去にするくらいの伸びだ。2014年6月に登場したCore i7-4790KはCore i7-8700Kの登場した2017年11月以降その数を減らしたことは想像に難くない。
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