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Core i9-12900KSのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2022年4月にAlder Lake世代の最新CPUが登場した。16コア24スレッドとマルチスレッド性能が高くCPUの王者だ。Ryzen 9 5950Xを上回るマルチスレッド性能を誇る。およそ6ヶ月前にリリースされたCore i9-12900Kの上位モデルに当たる。
このKSシリーズは、Core i9-9900KSのようにウェハーの選別によってCore i9-12900Kよりも高いクロック周波数を実現した。ブースト時のクロック周波数はかつてない5.5GHzに到達している。競合モデルであるRyzen 7 5800X3Dのリリースを控えていてゲーミング市場が盛り上がりそうだ。
Core i9-12900KSの基本情報
コードネーム | Alder Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 16コア(8Pコア+8Eコア)/24スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 3.4 GHz/ 5.5 Ghz |
Eコア定格/最大クロック | 2.5 GHz/ 4.0 Ghz |
L3キャッシュ | 30MB |
PBP | 150W |
MTP | 241W |
発売日 | 2022年04月05日 |
MSRP | $749 |
中古価格 | – |
特徴 | (+)2022年4月時点で最強のゲーム向けCPU (+)クロック周波数5.5GHzを達成 (+)16コア24スレッドとマルチスレッド性能が高い (-)消費電力が高い (-)性能に見合わないプレミアム価格 |
評価 | ・総合評価 7.5 ・ゲーム評価 7.5 |
当ページの目次
Core i9-12900KSのスペック・仕様
i9-12900KS | i9-12900K | i9-11900K | |
---|---|---|---|
コードネーム | Alder Lake | Alder Lake | Rocket Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 14nm |
Pコア | 8 | 8 | - |
Eコア | 8 | 8 | - |
トータルコア | 16 | 16 | 8 |
スレッド数 | 24(16+8) | 24(16+8) | 16 |
定格クロック(P) | 3.4GHz(P) | 3.2GHz(P) | 3.5GHz |
最大クロック(P) | 5.5GHz(P) | 5.2GHz(P) | 5.3GHz |
定格クロック(E) | 2.5GHz(E) | 2.4GHz(E) | - |
最大クロック(E) | 4.0GHz(E) | 3.9GHz(E) | - |
オーバークロック | ◯ | ◯ | ◯ |
L3キャッシュ容量 | 30MB | 30MB | 16MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 770 | UHD Graphics 750 |
PBP | 150W | 125W | 125W |
MTP | 241W | 241W | 251W |
価格 | $749 | $589 | $539 |
発売日 | 2022/04/05 | 2021/11/04 | 2020/03/30 |
Core i9-12900KSのハイライトはクロック周波数が高いことだ。Pコアは定格クロックがCore i9-12900Kよりも7%高く、最大クロックも6%高い。特に最大クロックが5.5GHzに到達したのは圧巻だ。Eコアについても定格クロックは5%高く、最大クロックも3%高い。選別されたCPUだけあってここまでクロック周波数を引き上げられているのだ。オーバークロックにも期待が持てる。
L3キャッシュ容量・対応メモリ・内蔵GPUは共通だ。PBPについては125Wから20%高くなって150Wだ。クロック周波数が高いことを考えると仕方がないだろう。MTPについては241Wが維持されている。価格は$749で価格差は$160とやや大きい。
Core i9-11900Kは14nmプロセスを採用したCPUだ。ハイブリッドコアアーキテクチャは採用しておらず8コア16スレッドというスペックだ。定格クロックはCore i9-12900KSよりも3%高いが、最大クロックはCore i9-12900KSの方が4%高い。いずれのCPUもオーバークロックに対応している。
L3キャッシュ容量は16MBとCore i9-12900KSの54%程度に留まる。対応メモリはDDR4-3200だ。PBPは125WでMTPは251Wだ。14nmプロセスを採用していることでよりクロック周波数の高いCore i9-12900KよりもMTPが高い。価格は$539でCore i9-12900KSよりも$210安く購入できる。
Core i9-12900KSの最新評価【2024年】
Core i9-12900KSのゲーム性能スコアは33,096とまずまずだ。現時点でも十分通用するゲーム性能を有する。次世代のCore i7-13900KSと比べると13%程度低いスコアとなる。現行モデルで言えばCore i7-14700とCore i5-14400の間だ。AMD製Ryzen 7 7700と同等となる。
Core i9-12900KSは限定モデルで中古市場にもほとんど流れていない。Core i9-12900Kの中古価格が46,980円~なので相場的には50,000円以上となりそうだ。もっともCore i9-12900Kとの性能差を考えるとプレミアム価格となっていて素直にCore i9-12900Kを選ぶのがよい。下位モデルのCore i7-12700Kなら38,980円で購入できる。
Core i9-12900KSの特徴まとめ【2022年】
最強モデルのi9-12900Kを超えるモンスターCPUが登場
Intel第12世代の最強モデルであるCore i9-12900Kを超える性能を持つモンスターCPUが登場となった。性能差は4%-5%程度とそれほど大きいわけではないが、最強モデルの性能を上回った。Ryzen 9 5950Xとの性能差も10%近くと広がっている。間違いなく怪物級のCPUだと言える。
Ryzen 7 5800X3Dの性能が気になるところ
2022年4月にAMDがRyzen 7 5800X3Dのリリースを予定している。AMDの発表によると、世界最強のゲーミングCPUの登場になるということだ。Ryzen 7 5800X3Dは、12コア32スレッドのCPUでRyzen 9 5900Xと比べても最大1.4倍のゲーム性能を発揮する。L3キャッシュ容量は96MBと大容量だ。Core i9-12900Kと同等以上のゲーム性能を期待できる。タイトルによっては1.2倍の性能を持っていることがわかる。
販売価格が高くコストパフォーマンスはイマイチ
Core i9-12900KSの販売価格は10万円以上とかなり高価だ。Core i9-12900Kの価格が7万円弱であることを考えると50%も高い。それで得られる性能は5%程度となるので割に合わないと言わざるを得ない。単体のモデルとしてだけではなくゲーミングPCも割高でコストパフォーマンスは悪い。
今はとにかく最強のCPUを手に入れたいと考えているアーリーアダプター向けだ。もう少し時間が経てば価格が落ち着いてくるのではないかと思う。発売直後はどうしても価格が高くなってしまうので、待てる方はもう少し待つほうがよいだろう。
消費電力が高くシステム構築にコストが掛かる
Core i9-12900KSは消費電力が高いCPUでシステム構築に費用が掛かってしまう点は注意しよう。消費電力はCore i9-12900Kよりも20%程度高い。PBPが125W→150Wへと20%引き上げられていることを考えると妥当だと言えるだろう。14nmプロセスを採用していたCore i7-11900KやCore i7-11700Kと比べても消費電力が高くなっている。
当然消費電力が高いということは、熱をコントロールするためにCPUクーラーや電源ユニットなどにコストを掛ける必要がある。マザーボードも最高峰のZ690を選択することになるはずだ。Core i9-12900KSのプレミアム価格に加えてたくさんのコストが掛かってしまう。
Core i9-12900KSのゲームベンチマーク一覧
フルHD×最高設定でのフレームレートを計測している。それ以上の解像度になるとグラフィックボードがボトルネックとなりCPUごとの性能差が縮まると考えてよい。
Far Cry 6
Hitman 3
Red Dead Redemption 2
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
Handbrake
Adobeソフト
Core i9-12900KS搭載おすすめゲーミングPC
LEVEL-R769-LC129S-DZX(パソコン工房)
CPU:Core i9-12900KS
GPU:Radeon RX 6900 XT
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:850W 80PLUS GOLD
Radeon RX 6900 XT搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCだ。RTX 3080 10GB以上のゲーミング性能を持ち4K解像度でのゲームプレイが前提となる。Core i9-12900KSとのバランスも良好だ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も充実している。電源ユニットは850W GOLDを採用している。
LEVEL-R769-LC129S-WAX(パソコン工房)
CPU:Core i9-12900KS
GPU:GeForce RTX 3080 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:800W 80PLUS GOLD
RTX 3080 Ti搭載のゲーミングPCとなっている。RX 6900 XTよりも高いゲーミング性能を持ち4K解像度での適性が高い。Core i9-12900KSとのバランスもよい。メモリ32GB、SSD 1TBと構成もずば抜けている。電源ユニットは800W GOLDを採用していて必要十分だ。
参照外部サイト
- 最大5.5GHzで動作する「Core i9-12900KS」の販売予約が始まる(ITmedia PC USER, 2022)
- AMD,3D V-Cache搭載の新型CPU「Ryzen 7 5800X3D」を4月20日に発売。大容量キャッシュメモリによる高いゲーム性能をアピール(4Gamer.net, 2022)
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