corei9-9900k画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Core i9-9900Kのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2018年10月20日ついに第9世代Core iシリーズのフラグシップモデルが登場した。8コア16スレッド搭載でメインストリーム最強のCPUの誕生だ。Coffee Lake refreshは3つの新しいKシリーズのプロセッサーが先陣を切った。これらの中で最も高い性能を持つのがこのCore i9-9900Kだ。

これまでの世代と大きく異なるのはCore i9シリーズがメインストリームの製品ラインナップに入ったことだ。ゲーミングPC=Core i7ということはなくなるかもしれない。8コアが標準的なCPUとなる時代の到来か。ここから8コア以上のメニーコア時代が始まったと言える。後継モデルは、「Core i9-10900K」だ。10コア20スレッドとさらにスペックが強化されてAMD製CPUとの性能差を埋めることに成功した。

よくわかる!!Core i9-9900Kの特徴まとめ

コードネームCoffee Lake-R
プロセス14nm
コア/スレッド数8コア/16スレッド
定格/最大クロック3.6 GHz/ 5.0 Ghz
L3キャッシュ16MB
TDP95W
発売日2018年10月19日
MSRP$499
中古価格39,980円~
(37,980円~/Fモデル)
コメント 8コア16スレッドの高パフォーマンスモデル
オーバークロックのポテンシャルが高い
評価 ・総合評価
6.0

・ゲーム評価
6.0

Core i9-9900Kの基本スペック

i9-9900Ki7-9700Ki7-7820X7 2700X
コードネームCoffee Lake-RCoffee Lake-RSkylakeZen +
プロセス14nm++14nm++14nm12nm
CPUコア数8888
スレッド数1681616
定格クロック3.6 GHz3.6GHz3.6GHz3.7GHz
最大クロック5.0GHz4.9GHz4.3GHz4.3GHz
L3キャッシュ16MB12MB11MB16MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2666DDR4-2933
TDP95W95W140W105W
価格$499$385$599$329
発売日2018/10/202018/10/202017/07/142018/04/19
Core i9-9900Kは、Coffee Lake-R世代のCPUだ。プロセスは14nm++で前世代のモデルよりも改良されている。Ryzen 7 2700Xの12nmには一歩及ばない。スペックは8コア16スレッドとハイパースレッディングに対応となった。およそ1年前に発売されたCore i7-7820Xとスペックが似ている。もちろんL3キャッシュ容量はTDPなsど異なる点の方が多いのだが…定格クロック周波数は共通で同じ3.6GHzだ。

一方で、最大クロック周波数では大きく差を付けて5.0GHzと初めてこの大台を超えた。Core i7-7820Xが4.3GHzだったので、17%も向上していることになる。L3キャシュも11MBから16MBへと50%程度向上。消費電力は140W→95Wへと大幅に省電力性が高いことがわかる。価格も$100引き下げられている。メインストリームCPUとしてふさわしいモデルだと言える。

およそ半年前に発売されたRyzen 7 2700Xともスペックが共通している。コア/スレッドは同じだ。定格クロック周波数は0.1GHzだけRyzen 7 2700Xの方が多く、最大クロック周波数は0.7GHz小さい。L3キャッシュは同じ16MBだ。対応メモリ規格でもRyzen 7 2700XがDDR4-2933と上位規格に対応している。消費電力は105Wで価格は$329だ。Core i9-9900Kと同等のスペックで$170も安価なのは驚くべきことだ。

下位モデルであるCore i7-9700Kになるとハイパースレッディングには対応しておらず8コア8スレッドとなっている。最大クロック周波数も抑えられていて、L3キャッシュも12MBとなっている。対応メモリや消費電力は変わらない。価格差は$110ということになる。

Core i9-9900Kの最新評価【2024年】

Core i7-10700Kと同等の性能を持つ

corei9-9900kgamescore

およそ4年前に販売されたCore i9-9900Kは今でも現役で通用するCPUだと考えてよいだろう。次世代のモデルであるCore i7-10700と同等だ。より新しいモデルで言えばCore i5-12400が近い。ローエンドクラスからミドルクラス相当となる。ゲームプレイはもちろん動画編集などのクリエイター作業にもおすすめできる。クロック周波数が高くパフォーマンスを発揮しやすい。オーバークロックができるのもポイントだ。

Core i9-9900Kが発売されてすぐに登場したRyzen 9 3950X(16コア32スレッド)と比べるとマルチスレッド性能は劣ってしまうが、ゲーミング性能だけならCore i9-9900Kの圧勝だ。ゲームを目的としているなら特に焦ってこれ以降のモデルへの買い替えの必要はない。Core i9-9900Kはフラグシップモデルらしい圧倒的な地位を築いている。それは次世代モデルのCore i9-10900K(10コア20スレッド)に繋がっているのだ。Core i9-11900KではCore i9-9900Kと同じ8コア16スレッドへと元に戻っているが性能では圧倒している。Core i9-9900Kと比べると10%以上ゲーミング性能が向上している。

中古価格は税込み39,980円~と高値安定

i9-9900kchuko
じゃんぱらでの中古価格(外部リンク)は税込39,980円程度となっている。ある程度時間が経過しているものの性能が高いことから価格はそれほど落ちていない。CPUに関しては中古での相場が高くなりがちなので中上級者の方以外は手を出さない方がよい。特にIntel製CPUの倍率ロックフリーモデルは価格が下がりづらいという特性がある。それだけ息の長いモデルということかもしれない。

基本的には新品で最新のモデルを購入することを推奨する。もう少し価格が下がれば候補に入れてもよいだろう。Ryzen 7 5700XならCore i9-9900Kと同等の性能が手に入るのでおすすめだ。価格は新品で24,590円と破格だ。安定感ではCore i9-9900Kに劣るもののコストパフォーマンスを考えれば魅力的な選択肢となる。次世代のCore i7-10700は中古で24,980円~購入可能だ。Core i9-9900Kはまだまだ価格が下がらないとコスパ的には厳しい。

ベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)

Core i9-9900Kは、CPUの市場において最も性能の高いゲーミング向けCPUの王座についた。また、これまでAMDのRyzenが得意としていたマルチスレッドにおいても高い性能を発揮することがわかる。Core i7-8700KやRyzen 7 2700Kをも上回るパフォーマンスを持っている。

ただし、Core i7-8700Kからは買い替え対象とはならないだろう。まだまだマルチコアはゲームプレイにおいては性能を生かすことができる大きな差があるわけではないからだ。第七世代CPUからではあれば十分性能差を体感できるだろう。

Cinebench R15

cinebenchcorei9-9900Kcinebench

CPUにレンダリングをさせてその性能を図れるベンチマークソフトだ。Core i9-9900Kの性能の高さがはっきりと表れている。マルチスレッドではCore i7-8700Kよりも60%高く、Core i7-7820Xよりも30%高い。シングルスレッドでもそれぞれ10%、15%高くなっている。やはりi7-7820Xはなかなかスペック通りにはいかないようだ。シングルスレッドではintel製CPUがトップを独占する形となった。ただ、コア数の多いAMD製品はマルチスレッドベンチマークにおいては低いIPCを相殺できている。

Handbrake

handbrakecorei9-9900khandbrake

Handbrakeで動画のエンコードに掛かる時間をまとめている。x264及びx265それぞれ異なるファイル形式を計測。数値が少なければ少ないほど性能が高いということがわかる。Core i9-9900Kが圧倒している。Core i7-8700Kと比べて35%高い性能を持っている。AMDが得意だったx264でもIntel勢が優勢だ。

7-zip

corei9-9900k7zip

Zipファイルの圧縮及び解凍速度を計測している。Core i9-9900Kの存在感がすごい。Core i7-8700Kよりも40%以上高いスコアを計測している。Ryzen 7が得意な解凍速度でも大きく上回っている。確かにこれだけ性能がずば抜けているのであれば選択する意味はあるのかもしれない。

ゲームプレイのベンチマーク

Far Cry 5

farcry5

Core i9-9900K OC110.3
91.1
Core i7-8700K OC109.4
89.5
Core i9-9900K108.0
77.1
Core i7-9700K107.8
94.8
Core i5-9600K107.6
93.2
Core i7-8700K107.4
80.1
Ryzen 7 2700X98.6
81.4
Core i7-7820X97.2
75.0
平均fps最小fps
オーバークロックをしたCore i9-9900Kがトップに君臨している。同様にオーバークロックしたCore i7-8700Kもほぼ同等のスコアを計測している。通常時でも大きな差はない。また、Core i7-9700Kとのスコア差もほとんどなく、ゲーム用途で考えるとプレミアム価格のCore i9を購入する理由は薄いだろう。8コア16スレッドと高クロック周波数を活かしにくいタイトルもあるようだ。

Civilization Ⅵ

civ6

Core i7-9700K115.8
80.2
Core i7-8700K OC114.7
78.8
Core i9-9900K OC114.0
78.3
Core i7-8700K113.0
77.9
Core i9-9900K112.5
76.2
Core i5-9600K110.2
80.8
Core i7-7820X98.2
74.8
Ryzen 7 2700X96.6
75.2
平均fps最小fps
Core i7-9700Kがトップに躍り出た。Coffee Lake世代のCore i7も高いスコアを計測している。Core i9-9900KはCore i7シリーズに完敗ということになった。Core i7-8700Kよりも僅かに劣っている。Core i7-9700Kとの差は3%だ。

なお、IntelのSkylake世代のXシリーズでは全く歯が立たない。これはやはりメインストリームプロセッサーの高い周波数には及ばないということだろう。ゲーム用途では、コアやハイパースレッディングが必ずしも良い影響を与えるわけではないということがわかる。

Hitman

hitman

Core i9-9900K OC140.0
85.2
Core i7-8700K OC139.4
84.8
Core i7-9700K138.8
84.6
Core i9-9900K134.5
83.2
Core i5-9600K132.9
74.8
Core i7-8700K132.5
82.8
Core i7-7820X127.9
80.0
Ryzen 7 2700X120.4
76.5
平均fps最小fps
HitmanでもCore i7-9700KがCore i9-9900Kを上回る結果となった。ハイパースレッディングがない方がベンチマークが安定することもあるのだ。Core i7-8700Kとの性能差も体感できるレベルではない。Ryzen 7 2700Xが一歩遅れて10%も差があるが、他は似たようなフレームレートとなっている。

Core i9-9900Kの特徴と注意点【発売時点】

基本的なアーキテクチャは前世代と同じ

コードネームにRefreshと付いていることからわかるだろうが、第九世代CPUの基本的なアーキテクチャは前世代のCoffee Lakeと同じだ。プロセスについても14nmのままとなっている。Intelが力を入れていた10nmプロセスを実現することはできなかった。もうこれ以上販売を遅らせることはできないという企業の判断だろう。これはAMD Ryzen第二世代が思いの外健闘しているので急いでリリースしたということだ。

内部的な大きな変更点としては、ダイとヒートスプレッダの間の熱伝導素材としてはんだベースのSTIM(Solder Thermal Interface Material)を採用したことだろう。これにより排熱性能が向上したことで同じ消費電力でもコア及び高いクロック周波数を支えることができるようになったというわけだ。

また、近年問題となったCPUの脆弱性であるメルトダウンとスペクターに対してハードウェアベースで緩和させたはじめてのIntel製CPUということになる。これらのセキュリティの弱点を回避させるためにパフォーマンスインパクトが小さくなっているはずだ。

8コア16スレッド、最大クロック5.0GHzを実現

AMD Ryzenに合わせて8コア/16スレッドとして登場した。また、メインストリームのCPUとしては最も高い周波数を持っているのも興味深い。改善された熱素材のおかげで第九世代全般でクロック周波数が大きく向上している。Core i9-9900Kは、2コアでも5.0GHzを超える。これは単体でのみ5.0GHzを超えるCore i7-8086Kを超える。

前世代よりも明らかに周波数が上がっている。これらの周波数アップはゲームのようなライトスレッドタスクでもIntelの優位性が際立つ。また、追加されたコアのおかげでマルチスレッドタスクもRyzenに対して十分戦うことができる。コアが追加されたことで2つの追加2MBのL3キャッシュが搭載となった。合計L3キャッシュは16MBとなっている。

Core i7-7820XがIntelのハイエンドデスクトップラインナップでは最も比較しやすいCPUかもしれない。8コア16スレッドという点では共通点はある。ただ、根本的に異なる構造となっている。メッシュアーキテクチャは、一般的な用途においてはネガティブな影響を与えてしまう。さらに、$600のこのチップは、高価なX299チップセットマザーボードを必要として、クアッドチャンネルメモリを用意する方が好ましい。内蔵グラフィックスが搭載されていないのも大きな違いとなる。やはりCore i7-9900Kはずば抜けた性能を持つCPUということだ。

価格は高めになっている

性能面では間違いなくゲーミングCPUとしてトップだと言える。一方でまた最も高価なCPUの一つになっている。$499という価格は、かつでのフラグシップモデルだったCore i7-8700Kよりも$119も高い。こうなるとゲーミングPCの価格も上がってしまうため売れ筋モデルとはなりにくいかもしれない。

Intelは、AMDが持つコスパには対抗できていない。高いお金を出して購入する価値のある究極のモデルなのだろうか。次の項目から実際の性能を見ていくが、その性能の高さに間違いなく衝撃を受けるだろう。ただ、ほとんどの方にはワンランク下のCore i7-9700Kでも十分だと感じる。

$115安くほとんどのタイトルで同レベルの性能を発揮する。ほとんどのタイトルで多くのコアを有効活用することはできないというのは知っておこう。お金が問題ではなくとにかく高性能なモデルが欲しいというのであればCore i9-9900Kは購入に値するCPUだと言える。

Core i9-9900K搭載おすすめゲーミングPC

アーカイブとして当時販売されていたモデルを紹介しておく。価格高騰前ということもあって比較的価格が抑えられていることがわかるだろう。

GALLERIA ZZ i9-9900K搭載(ドスパラ)

価格:279,980円 269,980円
CPU:Core i9-9900KF
GPU:GeForce RTX 2080 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:NVMe対応M.2 500GB
HDD:3TB
電源:SILVERSTONE 750W PLATINUM

最新のグラフィックボード&CPUを搭載したモデルだ。現時点で購入できるゲーミングPCとしては最高峰の性能を持つ。4K解像度でゴリゴリゲームをプレイしたいという方は選択肢に入れても良いかもしれない。ただし、Full HDやWQHDではオーバースペックとなる。このモデルがすごいのはCPUやグラフィックボード以外にも力を入れていることだ。SSDには高性能なNVMe対応M.2を搭載しより快適なゲームプレイやPC作業が可能だ。電源にはハイパフォーマンスなパーツを支えるために80PLUS認証PLATINUMを採用。30万円を軽く超える価格が問題でないのであればぜひ選択肢に入れて欲しい。

G-Tune TD-P(G-Tune)

nextgeartop価格:239,800円
CPU:Core i9-9900K
GPU:GeForce RTX 2080 Super
メモリ:DDR4-2666 32GB
SSD:512GB NVMe対応+500GB SATA
HDD:3TB
電源:700W GOLD

RTX 2080 SUPER搭載モデルとしては最高峰の一台だろう。CPUにはきれまた最高峰のCore i9-9900Kを採用。動画配信もこなせるハイスペックなゲーミングPCになっている。メモリ32GB、SSD 512GB NVMe対応+500GB SATA、HDD 3TBを採用していて税抜き239,800円は安い。他に競合がいないほどだ。コスパを重視してゲーミングPCを探している方は必見だ。今後数年間は現役で通用するモデルだと言える。

G-GEAR GA9J-J194/ZT(TSUKUMO)

G-GEAR GA7A-B180T価格:249,800円
CPU:Core i9-9900K
GPU:GeForce RTX 2080 Super
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB
HDD:2TB
電源:CWT製 700W BRONZE

RTX 2080を搭載したゲーミングPCだ。GALLERIA ZZに比べるとまだ現実的な価格設定と言えるかもしれない。SSD 500GB×HDD 2TBのダブルストレージは嬉しい。ハイエンドのゲーミングPCならではだ。電源にはCWT製700Wを採用ししっかりとパソコンを土台から支えてくれるだろう。レイトレーシングに興味がある方に魅力的な選択肢となるだろう。

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