Ryzen 9 7900X3D

当ページでは、Ryzen 9 7900X3Dの性能レビュー&搭載ゲーミングPCを紹介している。Ryzen 7000X3Dシリーズにおいて、すでにレビューを行ったRyzen 9 7950X3Dに次いで高い性能を持つCPUだ。スペック自体は12コア24スレッドとベースのRyzen 9 7900Xと変わらない。旧世代のRyzen 7 5800X3Dが8コア16スレッドだったのでそれぞれ50%増えたことになる。

ゲーミング性能だけではなくマルチコア性能にもある程度期待できる。Ryzen 7 5800X3Dの弱点をカバーする試みは興味深い。最新のチップセットドライバーが、2つのCCDについて用途に合わせて最適な制御をおこなう。価格が$599とRyzen 9 7950X3Dよりも$100安いだけで、価格設定が中途半端で選びづらいように思う。Ryzen 9 7900X3Dの購入を考えているならフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dか下位モデルのRyzen 7 7800X3Dを選ぶべきだ。とくにRyzen 7 7800X3Dは、ゲーミングCPUとしてトップに君臨する。Ryzen 9 7900X3Dを搭載したモデルはフロンティアサイコムで購入できるぐらいだ。やはり注目度が低く取り扱いが少ない。搭載モデルは「Ryzen 9 7900X3D搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。

Ryzen 9 7900X3Dの基本情報

コードネーム Zen 4(Raphael)
プロセス 5nm
コア/スレッド数 12コア/ 24スレッド
定格/最大クロック 4.4 GHz / 5.6 Ghz
L2キャッシュ 12MB
L3キャッシュ 128MB
TDP 120W
PPT 162W
発売日 2023年03月03日
MSRP $599
国内価格 79,800円~ *2024/10時点
特徴 (+)12コア24スレッドと高いスペックを誇る
(+)高いゲーミング性能を持つ
(+)省電力性に長けている
(-)マルチコア性能はそれほど伸びない
(-)他のRyzen 7000X3Dシリーズがライバル
(-)$599と価格が高い
(-)搭載モデルの価格が高め
(-)搭載モデルのラインナップが少ない
評価 ・総合評価
7.0

・ゲーム評価
10.0

Ryzen 9 7900X3Dのスペック

AMD製モデル

Ryzen 9 7900X3D Ryzen 9 7900X Ryzen 7 5800X3D
メーカー AMD AMD AMD
コードネーム Zen 4
(Raphael)
Zen 4
(Raphael)
Zen 3
(Vermeer)
プロセス 5nm 5nm 7nm
トランジスタ数 131.4億 131.4億 62.0億
ダイサイズ 2x 70 mm² 2x 70 mm² 74 mm²
I/Oプロセス 6nm 6nm 12nm
I/Oダイサイズ 122 mm² 122 mm² 125 mm²
コア/スレッド数 12 / 24 12 / 24 8 / 16
定格クロック(P) 4.4 GHz 4.7 GHz 3.4 GHz
最大クロック(P) 5.5 Ghz 5.6 Ghz 4.5 Ghz
定格クロック(E) 該当コアなし 該当コアなし 該当コアなし
最大クロック(E) 該当コアなし 該当コアなし 該当コアなし
オーバークロック × ×
L2キャッシュ 12MB 12MB 4MB
L3キャッシュ 128MB
(96MB+32MB)
64MB 96MB
対応メモリ DDR5-5200 DDR5-5200 DDR4-3200
内蔵グラフィックス Radeon Graphics Radeon Graphics 非搭載
CPUクーラー なし なし なし
PCI-Express Gen 5, 24 Lanes Gen 5, 24 Lanes Gen 4, 20 Lanes
PBP 120W 170W 105W
MTP(PL2) 162W 230W
MSRP $599 $549 $449
国内価格 66,960円~ 61,980円~ 49,614円~
発売日 2023/03/03 2022/09/27 2022/04/20
Ryzen 9 7900X3Dは、Ryzen 9 7900Xをベースに片方のCCDにL3キャッシュを積層したモデルだ。L3キャッシュ容量は2倍の128MBとなる。2つあるCCDにそれぞれ標準でL3キャッシュが32MBある。Ryzen 9 7900X3Dでは片方に64MBのL3キャッシュを搭載しているので32MB+(32MB+64MB)=128MBという計算だ。

この3D V-Cacheを搭載することで発熱量が増えるためクロック周波数は引き下げられている。Ryzen 9 7900Xと比べて定格クロックが0.3GHz低く、最大クロックも0.1GHz低い。TDPが35%低く、PL2も30%抑えられている。MSRPでは$50の差だが、国内の販売価格では19,780円の差がある。登場時は36,000円の差があったことを考えると妥当な水準に落ち着いたと言える。

Ryzen 7 5800X3DはZen 3アーキテクチャを採用したモデルだ。コンシューマー向けモデルとして初めて3D V-Cacheを搭載したCPUということで注目度が高かった。プロセスは7nmで、I/Oプロセスは12nmだ。Zen 4と比べると一回り大きい。第2世代の3D V-Cache(SRAM)も7nmプロセスを維持していて、Ryzen 9 7900X3D用に改良が加えられている。

Ryzen 7 5800X3Dは8コア16スレッドというスペックだ。CCDは1基でCCD間のレイテンシ問題を考える必要はない。Ryzen 7 5800X3Dの定格クロックは3.4GHz、最大クロックも4.5GHzとそれほど高くなく、Ryzen 9 7900X3Dになって大きく改善されている。弱点だったマルチコア性能・シングルコア性能を高めるためだ。Ryzen 7 5800X3DのL2キャッシュは4MB、L3キャッシュは96MBだ。

Ryzen 7 5800X3DはCPU内蔵グラフィックスが非搭載となっている。もっともRyzen 9 7900X3Dの性格を考えるとCPU内蔵グラフィックスは不要だろう。Ryzen 7 5800X3DもCPUクーラーは非同梱で別途用意する必要がある。対応メモリはDDR4-3200で、ここもRyzen 9 7900X3Dになって強化された部分だ。

PCI-ExpressはGen4, 20 Lanesとなる。TDPは105WでRyzn 9 7900X3Dよりも20%程度低い。スペック差を考えると妥当なところだろう。Zen 4になって省電力性も高まっている。価格差は$150で、国内販売価格では38,862円の差がある。Ryzen 7 5800X3Dはコストパフォーマンスが高いCPUだと言える。次世代モデルがリリースされたことで底値になった。

Intel製モデル

Ryzen 9 7900X3D Core i9-13900K
メーカー AMD Intel
コードネーム Zen 4
(Raphael)
Raptor Lake
プロセス 5nm 10nm
トランジスタ数 131.4億
ダイサイズ 2x 70 mm² 257 mm²
I/Oプロセス 6nm
I/Oダイサイズ 122 mm²
コア/スレッド数 12 / 24 24 / 32
定格クロック(P) 4.4 GHz 3.0 GHz
最大クロック(P) 5.5 Ghz 5.8 GHz
定格クロック(E) 該当コアなし 2.2 GHz
最大クロック(E) 該当コアなし 4.3 GHz
オーバークロック ×
L2キャッシュ 12MB 32MB
L3キャッシュ 128MB
(96MB+32MB)
36MB
対応メモリ DDR5-5200 DDR5-5600
DDR4-3200
内蔵グラフィックス Radeon Graphics UHD Graphics 770
CPUクーラー なし なし
PCI-Express Gen 5, 24 Lanes Gen 5, 20 Lanes
PBP 120W 125W
MTP(PL2) 162W 253W
MSRP $599 $589
国内価格 66,960円~ 82,980円~
(79,981円~/F)
発売日 2023/03/03 2022/10/20
競合モデルとしてMSRPの近いCore i9-13900Kをピックアップしている。Core i9-13900KはRaptor Lake世代のCPUでRyzen 7000X3Dシリーズが発売されるまで最強のゲーミングCPUモデルとして君臨していた。プロセスは10nmとRyzen 9 7900X3Dよりも大きい。ダイサイズは257m㎡だ。Intelは単体のダイで構成されるモノリシックなチップを採用している。

2つのダイを組み合わせたチップレット技術を採用しているAMDとは戦略が異なる。Core i9-13900Kは、24コア32スレッドと高いスペックを持つCPUだ。8個のPコアと16個のEコアを組み合わせていて高いパフォーマンスを発揮する。Core i9-13900Kはクロック周波数が高く、Pコアの定格クロックは3.0GHz・最大クロックは5.8GHzだ。Eコアはクロック周波数が抑えられていてバックグラウンド作業などを担当する。

Core i9-13900Kを含むRaptor Lake世代の上位モデルではL2キャッシュが増量されている。Core i9-13900Kは32MBとRyzen 9 7900X3Dよりも2.6倍以上だ。L3キャッシュは3D V-Cache技術を投入したRyzen 9 7900X3Dの方が多い。Core i9-13900Kも内蔵グラフィックスが搭載されている。内蔵グラフィックス非搭載のCore i9-13900KFも洗濯できる。価格を抑えられるというメリットがある。

CPUクーラー非同梱も同じだ。Core i9-13900KではDDR5-5600だけではなく、DDR4-3200規格のサポートもしている。PCI-ExpressはGen 5, 20 Lanesだ。TDPはCore i9-13900Kの方が4%高く、PL2も57%高い。MSRPの差は$10でCore i9-13900Kの方が少し安い。国内販売価格はRyzen 9 7900X3Dの方が10,793円安く逆転している。ゲーム性能およびマルチコア性能を考えると妥当な価格だと思う。総合性能ではCore i9-13900Kが上だ。

Ryzen 9 7900X3Dの特徴&注意点

ゲーム性能とマルチコア性能の差が大きい

Ryzen 9 7900X3Dは、ゲーム性能とマルチコア性能の差が大きく扱いづらいモデルと言えるかもしれない。上位モデルと下位モデルに挟まれていて中途半端さが否めない。ゲーム性能もマルチコア性能も重視したいならフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dを選択した方が後悔しないように思う。MSRPで$100しかなく、この性能帯でCPUを探しているユーザーならそれほど大きい差ではない。ゲーム性能を重視しつつコストパフォーマンスを追求するなら2023年4月に発売されたRyzen 7 7800X3Dが魅力的な選択肢となるだろう。Ryzen 9 7900X3Dは立場的にやや中途半端だ。ここからゲーム性能及びマルチコア性能についてより詳しく見ていこう。

型番 総合性能
Ryzen 7 7800X3D 210.6
Ryzen 9 7950X3D 208.7
Ryzen 9 7900X3D 197.8
Core i9-13900K 187.2
Core i7-13700K 180.5
Ryzen 7 5800X3D 176.2
Ryzen 9 7950X 168.5
Ryzen 9 7900X 166.5
Ryzen 7 7700X 158.7
Ryzen 7 5800X 131.5

上記は「Ryzen 9 7900X3Dのゲームベンチマーク一覧」でまとめた6つのタイトルの平均fpsをまとめている。ゲーミング性能はRyzen 7 7800X3D・Ryzen 9 7950X3Dに次いで高いパフォーマンスを持ち合格点を挙げられるだろう。競合モデルのフラグシップモデルであるCore i9-13900Kと比べても5%以上ゲーミング性能が高い。旧世代のRyzen 7 5800X3Dと比べて12%も性能が向上している。

ハイエンドクラスのグラフィックボードと組み合わせてより高みを目指すのがよい。注意点として、大容量L3キャッシュ搭載の影響が大きいタイトルの結果が平均を引き上げていて、全てのタイトルでパフォーマンスで圧倒しているわけではない点は理解しておこう。タイトルによってはそこまでフレームレートが伸びないこともある。

型番 総合性能
Core i9-13900KS 43,601
Core i9-13900K 42,134
Ryzen 9 7950X 41,866
Ryzen 9 7950X3D 40,051
Core i7-13700K 38,343
Ryzen 9 7900X 37,541
Ryzen 9 7900X3D 34,152
Ryzen 7 7800X3D 25,874
Ryzen 7 5800X 24,001
Ryzen 7 5800X3D 23,098

一方で、マルチコア性能及びシングルコア性能は伸び悩んでいる。上記はCPUの総合性能を表している。Ryzen 9 7900Xと比べて9%程度パフォーマンスが低い。Core i9-13900Kと比べると19%もパフォーマンスで劣ってしまう。確かにゲーミング性能はCore i9-13900Kよりも高いが、純粋なCPU性能でこれだけ劣ってしまうと扱いづらくなってしまう。これならRyzen 9 7950X3Dを選択する方がよいはずだ。あるいはCore i9-13900KやCore i7-13700Kならゲーミング性能・総合性能・価格のバランスがよくおすすめしやすい。

省電力性の高いモデル

上記テーブルはHandbrakeの処理に掛かる時間と消費電力をまとめたものだ。Ryzen 9 7900X3Dも他のRyzen 7000X3Dシリーズの例に漏れず省電力性の高いCPUとなっている。Core i7-13700Kと比べてパフォーマンスが10%劣るが、消費電力は56%も抑えられている。Intel第13世代CPUは確かに性能の高いモデルだが、その分省電力性は犠牲になっていると言えるだろう。

Ryzen 7 7700Xよりも17%性能が高いにも関わらず、消費電力は26%も抑えられている。クロック周波数を抑えてもコア・スレッドを増やすことである程度のパフォーマンスを維持できているということだ。フラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dと比べても省電力性の優れたCPUとなる。搭載モデルの多くがCPUクーラーに空冷タイプを選択していることからも省電力性の高さは折り紙付きだ。

搭載モデルの価格は高め

Ryzen 9 7900X3Dを搭載したゲーミングPCは価格が高く、最低でも30万円以上の予算を考えておく必要がある。特にRyzen 9 7900X3Dの高いゲーミング性能を生かすには、Ada Lovelace世代の70番台以上あるいはRadeon RX 7900シリーズ以上を選択したい。そうなると当然予算は余裕を持たせておく必要がある。

この価格帯になると売れ筋モデルになるということはないだろう。ある程度マルチコア性能は捨ててゲーム環境にこだわりたいゲーマーの方向けだ。コストパフォーマンスが優れたモデルではなく、Ryzen 9 7950X3DやRyzen 7 7800X3D搭載モデルを選択肢に入れる方がよいのではないかと思う。価格的にも性能的にも中途半端さが目立ってしまう。AMD側もそれを認識しているはずだ。

2024年6月時点で搭載モデルはほとんどなくなってしまった。上位モデルであるRyzen 9 7950X3Dや下位モデルのRyzen 7 7800X3Dが生き残っている形だ。前評判通りあまり人気がないCPUで、BTOメーカーからしても扱いづらさがあるのではないかと思う。あえてRyzen 9 7900X3Dを選ぶ理由は少ない。購入検討中の方は在庫状況に注意しよう。もし在庫が追加されてもすぐに売り切れになってしまう可能性がある。

Ryzen 9 7900X3Dのゲームベンチマーク一覧

Far Cry 6

farcry6Ryzen 9 7900X3D-farcry6

Far Cry 6では、Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが6%高く、最小fpsも12%高い。Ryzen 7 5800X3Dと比べて平均fpsが2%高く、最小fpsは12%高い。Ryzen 9 7950X3Dと比べて7%-12%程度パフォーマンスで劣っている。Intel第13世代のCore i9-13900KやCore i7-13700Kよりもパフォーマンスが劣るのは残念だ。コストが掛かるCPUであることを考えると選びづらくなってしまう。

Hitman 3

hitman3Ryzen 9 7900X3D-hitman

Hitman 3では、Ryzen 9 7950X3Dに次いでフレームレートとなった。平均fpsでは4%程度の差がある。Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが18%高く、最小fpsも37%高い。Core i9-13900Kと比べても平均fpsが高いのは本物の証だ。Ryzen 7 5800X3Dと比べても85%以上パフォーマンスが高い。Hitman 3のゲームプレイを考えているならRyzen 9 7900X3Dは理想的なCPUだと言える。

Cyberpunk 2077

Cyberpunk2077topRyzen 9 7900X3D-cyberpunk2077

Cyberpunk 2077では、Intel第13世代CPUに及ばない結果となった。それでもRyzen 9 7900Xと比べて8%程度平均fpsが向上していることからL3キャッシュを増やしたことはマイナスではない。従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べても平均fpsが24%高く、最小fpsも27%高い。Ryzen 9 7950X3Dとほとんど同じパフォーマンスなのは評価できる。

Microsoft Flight Simulator 2021

flightsimulatorRyzen 9 7900X3D-microsoftflightsimulator2021

Microsoft Flight Simulator 2021は、L3キャッシュが効きやすいタイトルの一つとなっている。上位3つのモデルは、いずれも大容量のL3キャッシュを搭載していることからもわかるだろう。Ryzen 9 7900X3Dは、Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが51%高く、最小fpsも42%高い。Core i9-13900Kとの差は最大38%と引き離している。従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べると平均fpsが6%高く、最小fpsは12%高い。それほど差が大きいわけではなく、Microsoft Flight Simulator 2021ならRyzen 7 5800X3Dからアップグレードする必要はなさそうだ。

Red Dead Redemption 2

Red Dead Redemption 2Ryzen 9 7900X3D-reddeadredemption

Red Dead Redemption 2も大容量L3キャッシュによる恩恵のタイトルの一つだ。3D V-Cacheを搭載したモデルが横並び状態だ。すでにRyzen 7 5800X3Dを所有しているならアップグレードは不要だ。Ryzen 9 7900X3Dは、Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが8%高いが、最小fpsが13%低くなっている。やや不安定な挙動を見せる時があり最小fpsが低迷している。Core i9-13900Kと比べても平均fpsは8%高い一方で最小fpsは9%劣る結果となった。すべてのタイトルで安定したゲームプレイを目指すならCore i9-13900Kは魅力的な候補となるだろう。

Watch Dogs: Legion

watchdogslegionRyzen 9 7900X3D-watchdogs

Watch Dogs: Legionでの結果は、Ryzen 9 7900X3Dにとって理想的な形と言えるかもしれない。Ryzen 9 7900Xと比べて平均fpsが33%高く、最小fpsも29%高い。Ryzen 7 5800X3Dと比べても20%以上もフレームレートが高いことがわかる。Core i9-13900Kとの差は最大で11%となる。これだけの差があればRyzen 9 7900X3Dを選ぶ理由はある。Ryzen 9 7950X3Dになるとさらに7%程度高いパフォーマンスを得られる。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R23

cinebenchRyzen 9 7900X3D-cinebench

Cinebench R23でCPUのレンダリング性能を見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べてマルチコア性能が13%低く、シングルコア性能も9%低くなっている。L3キャッシュ増量の恩恵はないと考えてよいだろう。Core i9-13900Kと比べてマルチコア性能が36%低く、シングルコア性能も19%低い。マルチコア性能で圧倒されている。Ryzen 9 7950X3Dと比べても25%以上もスコアが低い。12コア24スレッドというスペックでは太刀打ちできない。それでも従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べてマルチコア性能が86%高く、シングルコア性能も23%高い。進化していることは間違いない。

7-Zip

zipRyzen 9 7900X3D7zip

7-Zipでの解凍及び圧縮速度を見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べてそれほど大きくパフォーマンスが低下しているわけではない。解凍速度は9%低く、圧縮速度は1%低いだけに留まる。ある程度のマルチコア性能が維持できていると言えるのではないだろうか。Core i9-13900Kと比べると解凍速度は17%低く、圧縮速度も15%低い。従来モデルのRyzen 7 5800X3Dと比べて解凍速度が72%速く、圧縮速度も75%も速くなっている。

Handbrake

handbrakeRyzen 9 7900X3D-handbrake

動画のエンコードソフトであるHandbrakeでの処理に掛かる時間をまとめている。数値が少ない方が高性能であることを意味する。Ryzen 9 7900Xと比べてx264で12%低い。一方で、x265ではわずかに上回る結果となっている。Ryzen 9 7950X3Dと比べるとx264は6%低く、x265は14%低い。Ryzen 7 5800X3Dと比べると最大で40%程度パフォーマンスが向上している。Core i9-13900Kは高い性能を持ち、Ryzen 9 7900X3Dよりもx264で29%高く、x265でも16%高い。Intel第13世代CPUの安定感の高さを見せつけた形だ。

Adobe Lightroom and Premiere Pro

Adobe Premiere Pro CCRyzen 9 7900X3Dadobe

Adobeの画像編集ソフトのLightroom及び動画編集ソフトのPremiere Proでのパフォーマンスを見ていく。Ryzen 9 7900Xと比べるとLightroomのパフォーマンスは12%低く、Premiere Proでのパフォーマンスも5%低い。Ryzen 9 7950X3Dとの性能差は1%-2%程度だ。Core i9-13900Kと比べるとLightroomでは4%低く、Premiere Proでは1%低い。Zen 4アーキテクチャを採用したAMD製CPUとの相性のよいソフトで、大容量L3キャッシュ搭載の恩恵はない。

Ryzen 9 7900X3D搭載おすすめゲーミングPC

FRGKA620/WS1205/NTK(フロンティア)

FRGKB550WS501NTK価格:284,800円+送料3,300円
CPU:Ryzen 9 7900X3D
GPU:GeForce RTX 4070 SUPER
メモリ:DDR5-5600 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

Ryzen 9 7900X3D×GeForce RTX 4070 SUPER搭載のハイクラスの一台だ。高解像度でのゲームプレイにも対応できる。Ryzen 9 7900X3Dは12コア24スレッドとスペックが高くクリエイティブ作業にも対応できる。メモリはDDR5-5600 32GBと高規格・大容量だ。ゲームプレイ+αで考えられる。ストレージはSSD 1TB Gen4 NVMeと必要十分だ。電源ユニットは750W GOLDを搭載している。

G-Master Spear X870A(サイコム)

G-Master Spear Z590価格:313,970円 303,970円+送料2,200円
CPU:Ryzen 9 7900X3D *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4060 MSI
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

サイコムのRyzen搭載モデルとなる。チップセットは最新のX870Aだ。初期構成ではCPUにRyzen 7 9700Xを搭載している。+10,940円でRyzen 9 7900X3Dへアップグレード可能だ。そこからさらに31,110円を出せばフラグシップモデルのRyzen 9 7950X3Dを選択できるのが悩ましい。グラフィックスはAda Lovelace世代のミドルクラスであるGeForce RTX 4060が選択されている。Ryzen 9 7900X3Dの性能を考えるとRTX 4070 SUPER以上のモデルを選択したいところだ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeという構成だ。キャンペーン中はメモリ倍増の32GBとなっている。電源ユニットは750W GOLDを採用している。より高規格なモデルへのアップグレードを検討してもよいだろう。

LEVEL-R7X7-LCR79D-UL2X(パソコン工房)

LEVEL-R77A-LC137-ULX価格:399,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 7900X3D
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:800W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

Ryzen 9 7900X3D×RTX 4070 Ti搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCとなる。大手BTOメーカーでは珍しいRGB対応のケースを採用しているのがポイントだ。専用ソフトウェアでカラーを変更できる。グラフィックスにはAda Lovelace世代のRTX 4070 Tiを搭載している。4K環境にも対応できる高い性能が魅力だ。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。メモリ容量32GBなのは心強い。ゲームプレイ+αでの運用もお手の物だ。電源ユニットは800W GOLDで万全だ。RTX 4070 Tiは省電力性の高いモデルでこの容量でも問題ない。

G-GEAR neo GX9A-S231/XB(TSUKUMO)

G-GEAR neo GX7J-D190ZT価格:479,800円(税込)
CPU:Ryzen 9 7900X3D
GPU:GeForce RTX 4080
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:1TB Gen4 NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

TSUKUMOフラグシップモデルでもRyzen 9 7900X3D搭載モデルがラインナップに加わっている。フルタワーケースを採用していて本体は大きい。拡張性も高く高性能なグラフィックボードも搭載しやすいと言える。グラフィックスにはGeForce RTX 4080を搭載している。4K環境でのゲームプレイを考えている方に適している。レイトレーシングを有効化しても余裕のある性能が魅力だ。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も抜群だ。電源ユニットは850W GOLDを採用している。

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