画像引用元:https://www.gigabyte.com/
当ページでは、GeForce GTX 1650 SUPERのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2019年11月末についにSUPERシリーズの廉価モデルが登場した。2019年の年末を前にTuring世代のグラフィックボードが一通り揃った。GTX 1650の後継モデルという位置付けになるが、今はGTX 1650 SUPERを搭載したゲーミングPCは販売されておらずオリジナルのGTX 1650を選択することになる。
販売されていれば税込10万円前後のモデルを考えているなら候補に入るだろう。GTX 1650との性能差など気になる部分について詳しく見ていこう。すでに後継モデルであるAmpere世代の50番台である「GeForce RTX 3050」がリリースされている。レイトレーシング・DLSSといった機能も搭載されているのもポイントだ。性能的にはGTX 1660 Ti/GTX 1660 SUPERが近くフルHD環境で設定を下げることが前提だ。
- 総合評価:30点/100点
- 価格:当時約20,000円
- 発売日:2019年11月22日
低価格帯のゲーミングPCあるいは単体グラフィックボードを探している方におすすめだ。GTX 1650よりも性能がワンランク強化されていて、より安定したゲームプレイが可能となる。ただし、性能はお世辞にも高いとは言えないので、過信しないようにしたい。とにかく安くゲーミングPCを購入したいという方は必見だ。
当ページの目次
GeForce GTX 1650 SUPERの基本スペック
GTX 1650 SUPER | GTX 1660 | GTX 1650 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Turing | Turing | Turing |
GPU | TU116 | TU116 | TU117 |
プロセス | 12nm | 12nm | 12nm |
ダイサイズ | 284m㎡ | 284m㎡ | 200m㎡ |
トランジスタ数 | 66億 | 66億 | 47億 |
CUDAコア数 | 1280基 | 1408基 | 896基 |
ベースクロック | 1530MHz | 1530MHz | 1485MHz |
ブーストクロック | 1725MHz | 1785MHz | 1665MHz |
GPUメモリ | 4GB GDDR6 | 6GB GDDR5 | 4GB GDDR5 |
VRAM速度 | 12 Gbps | 8 Gbps | 8 Gbps |
メモリバス | 128 bit | 192 bit | 128 bit |
メモリバス帯域幅 | 192.0 GB/s | 192.0 GB/s | 128.1 GB/s |
TDP | 100W | 120W | 75W |
価格 | $160 | $220 | $150 |
発売日 | 2019/11/22 | 2019/03/14 | 2019/04/24 |
CUDAコア数は43%コア数がアップとなった。ベースクロックも45MHz(3%)、ブーストクロック60MHz(4%)増加している。GPUメモリがGDDR5からGDDR6へと変わったこともパフォーマンス面ではプラスとなる。VRAM速度も50%速くなり、メモリバス帯域幅もGTX 1660と同じ192 GB/sへと50%増加している。より高速に情報のやり取りができフレームレートの安定化に繋がる。メモリ周りでのボトルネック軽減に繋がる。
GTX 1660と比較すると非常に似ていることがわかる。まず、GPUはTU116で同じだ。プロセス、ダイサイズ、トランジスタ数も共通となっている。CUDAコア数は10%多い1408基でこれはTU116のフルスペックバージョンだ。当然GTX 1660との差別化を図るためにGTX 1650 SUPERではややスペックが抑えられている。その他異なる点ではGPUメモリが6GBと50%多いことだ。今後のゲームプレイを考えるとGPUメモリは大いに越したことはない。そこがゲームプレイにどのように影響を与えるのかは下記のベンチマークをチェックして欲しい。
GeForce GTX 1650 SUPERの最新評価【2024年】
エントリークラスとして必要十分な性能を有する
GeForce GTX 1650 SUPERは、GeForce GTX 1650の後継モデルとして登場したグラフィックボードだ。上位モデルであるGeForce GTX 1660と同じGPU TU116を採用していてより高いパフォーマンスを発揮する。GeForce GTX 1650と比べて30%程度もゲーミング性能が向上した。あくまでもエントリークラスのモデルで過度な期待は禁物だ。
50番台で前世代の60番台GeForce GTX 1060 6GBを超える性能となったのは驚きだ。今でもGeForce GTX 1060 6GBはSteamのユーザーでもTOP 5に入る人気のグラフィックボード(Steam, 2023)なので、性能・価格のバランスがよいモデルということだろう。GeForce GTX 1050 Tiと比べると59%も性能が高く50番台のグラフィックボードも底上げが行われていることがわかる。フルHD環境で設定を下げることである程度対応することが可能だ。
オリジナルのGeForce GTX 1650との性能差は28%と大きい。そうは言ってもエントリークラスのグラフィックボードは性能不足に陥りやすく買い替えのタイミングも早くなってしまう点は注意が必要だ。後継モデルのRTX 3050になると20%程度パフォーマンスが高くなる。次世代のGeForce RTX 3050では初めて50番台のモデルでレイトレーシング・DLSSといった機能も搭載されている。
15,000円前後で高いコスパを誇る
製品名 | ゲーム性能 | VRAM | TDP | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|---|
RTX 3050 | 14,734 | 8GB | 130W | 27,980 | 0.527 |
RX 6500 XT | 12,316 | 4GB | 107W | 14,980 | 0.822 |
GTX 1650 SUPER | 12,238 | 4GB | 100W | 13,980 | 0.875 |
RTX 3050 6GB | 11,724 | 6GB | 75W | 26,980* | 0.435 |
GTX 1060 6GB | 11,257 | 6GB | 120W | 10,980 | 1.025 |
GTX 1060 3GB | 10,961 | 3GB | 120W | 8,980 | 1.221 |
GTX 1650 | 9,506 | 4GB | 75W | 11,980 | 0.793 |
RX 6400 | 9,392 | 4GB | 53W | 12,980 | 0.724 |
GeForce GTX 1650 SUPERの中古価格は13,980円~となっている。オリジナルのGeForce GTX 1650が11,980円だ。GeForce GTX 1060 3GBが10,980円~、GTX 1060 6GBが8,980円で販売されている。新しいモデルということもあってまだまだ価格は落ちそうだ。コストパフォーマンスを重視するならGeForce GTX 1060 3GB/6GBを選択するとよいだろう。
すでに発売から7年も経過しているので故障リスクが高く消費電力も高めだ。その点多少のプレミアムを支払っても比較的新しいGeForce GTX 1650 SUPERを選ぶのが理にかなう。GeForce GTX 1650よりもコストパフォーマンスに優れている点は付け加えておく。NVIDIA製モデルにこだわりがなければRadeon RX 6500 XTも候補に入る。GeForce GTX 1650 SUPERと似た特性を持つ。
GeForce GTX 1650 SUPERの特徴&注意点など
GeForce GTX 1650からのパフォーマンスアップは順当
無印のGeForce GTX 1650との差は大きくGeForce GTX 1650からおよそ30%も性能がアップした。SUPERの名にふさわしいグラフィックボードに仕上がっていると言える。50番台ながらGeForce GTX 1660とほぼ同等のパフォーマンスを発揮する。FULL HD環境への適性が高くより余裕を持ったゲームプレイが可能だ。
もはや50番台だからと侮れないところまで来ている。もちろんその分ゲーム側の要求スペックも上がってきているため最新タイトルへの対応は苦手なことは変わらない。単体価格として見るとGeForce GTX 1650よりも高いためGeForce GTX 1650と比較して優位性は薄いかもしれない。
ただ、パフォーマンスが向上していることを考えると選択肢に入れてもよいだろう。GeForce GTX 1660よりも安く同等の性能が手に入るのは魅力的だ。AMDからもエントリークラスのグラフィックボードRadeon RX 5500が登場したがそれほど普及していない。GeForce GTX 1650 SUPERの価格がもう少し下がればユーザーにとってメリットが大きくなる。
DDR6メモリ搭載も4GBのVRAMがネックとなる
GeForce GTX 1650 SUPERの唯一の懸念事項はGPUメモリ容量が4GBと少ないことだ。ゲームプレイ中のフレームレートに何らかの影響を与えるだろう。メモリ容量が2GB少ないことでゲームタイトルや環境(セッティング)によってはパフォーマンスが低下してしまう可能性がある。それでも2020年時点ではそれほど深刻な影響はない。
メモリ規格については、GeForce GTX 1660と同じGDDR6に変更となったため、メモリバンド帯域幅はGeForce GTX 1660と同じ192 GB/sとなっている。それでも長い目で見た時このメモリ容量がネックとなってしまう。GTX 1660との差別化はしっかりと図られていると考えて良い。エントリークラスのグラフィックボードとしては十分な性能を持っていることは間違いない。
GeForce GTX 1650搭載モデルはほとんど消滅
2022年2月時点で各BTOメーカーのGeForce GTX 1650搭載モデルは完全になくなった。主力ラインナップでは目にすることはないだろう。GeForce GTX 1650 SUPERがリリースされた直後はドスパラのビジネスモデルである「Lightning AH5」やマウスコンピューターのビジネスモデルである「mouse DT6-G」で採用され一時は高い人気を誇っていた。今はGeForce GTX 1650搭載モデルへと切り替えられている。
搭載モデルで見るとGeForce GTX 1650搭載モデルと変わらずより選びやすくなったと言える。AMD Radeon RX 5500が思ったよりも普及せず価格競争は起きないかもしれない。低価格帯のゲーミングPCはNVIDIA製のグラフィックボードが優勢な状況だ。10万円以下のモデルを探している方はGeForce GTX 1650搭載モデルをチェックしておこう。
GeForce GTX 1650 SUPERのベンチマーク一覧
各タイトルのゲームプレイ時におけるフレームレートを計測している。フレームレートが高くなればより安定したゲームプレイが可能だ。GeForce GTX 1650 SUPERはWQHD環境でのゲームプレイは厳しいが、参考としてまとめている。
*フレームレート(fps)は、1秒間に描写されるコマ数のことだ。一般的に60fps以上が出れば快適だと言われている。
Borderlands3
GTX 1660 Super | |
GTX 1660 | |
GTX 1650 Super | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1650 | |
GTX 1050 Ti |
FAR CRY 5
GTX 1660 Super | |
GTX 1660 | |
GTX 1650 Super | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1650 | |
GTX 1050 Ti |
HITMAN 2
GTX 1660 Super | |
GTX 1660 | |
GTX 1650 Super | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1650 | |
GTX 1050 Ti |
Metro Exodus
GTX 1660 Super | |
GTX 1660 | |
GTX 1650 Super | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1650 | |
GTX 1050 Ti |
GeForce GTX 1650 SUPER搭載のゲーミングPC一覧
mouse DT6-G(マウスコンピューター)
価格:69,800円
CPU:Ryzen 5 3500
GPU:GeForce GTX 1650 SUPER
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE
GTX 1650 SUPER搭載でこの価格は驚きだ。あまりチェックをしていなかったがマウスコンピューターのビジネスモデルもコストパフォーマンスが高い。ドスパラの「Lightning AH5」と比べて価格が5,000円アップするが、グラフィックボードはワンランク性能の高いGTX 1650 SUPERを搭載している。ゲームプレイにおいて有利になることからメーカーにこだわりがなければ選択肢に入れてもよいだろう。電源ユニットも500W BRONZEと容量に余裕がある。ストレージは256GBと最低限に留まる。
LEVEL-M046-iX4-RVS(パソコン工房)
価格:86,980円
CPU:Core i5-10400
GPU:GeForce GTX 1650 SUPER
メモリ:DDR4 8GB
SSD:480GB
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE認証
Core i5-10400×GTX 1650 SUPER搭載のゲーミングPCだ。最新の第10世代CPUを搭載しているのがポイントとなる。まだ登場したばかりということで価格は高めだが、今後Core i5-9400搭載モデル並みに価格は下がっていくはずだ。性能的にはFULL HD環境でのゲーム適性が高い。メモリ8GB、SSD 480GBと構成も充実していて扱いやすい。
LEVEL-R0X6-R53-RVS(パソコン工房)
CPU:Ryzen 5 3600
GPU:GeForce GTX 1650 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:480GB
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE認証
Ryzen 5 3600×GTX 1650 SUPER搭載のゲーミングPCだ。6コア12スレッドのRyzen 5 3600搭載は心強い。やはりRyzenのコスパの高さは素晴らしい。GTX 1650 SUPERとの相性もよく性能を引き出すことが可能だ。メモリ16GB、SSD 480GBとこのクラスなら十分な構成だ。電源ユニットは500W BRONZEを搭載している。
参照外部サイト
- Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: September 2023(Steam, 2023)
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ゲーム推奨 | BTOショップ比較 | グラボ比較表 |
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CPU | Core i7-8700K |
---|---|
メモリ | 2x8GB G.Skill TridentZ RGB DDR4-3200 |
ストレージ | Samsung 970 Evo 1TB Samsung 860 Evo 4TB |
電源ユニット | EVGA SuperNova P2 1000W |
マザーボード | Gigabyte Z370 Aorus Gaming 7 |