GALLERIA GCL1650TGF当記事では、モバイル向けGeForce RTX 2060のスペックとベンチマークを紹介している。NVIDIAはデスクトップ向けGPUもノートパソコン向けGPUも同じ型番で販売を行っているという特徴がある。NVIDIAにとって性能差がなくほぼ同じグラフィックボードであることを意識しているということだ。

ただ、それではややこしいということで当サイトでは区別して紹介している。PC向けのモデルを知りたい方は「GeForce RTX 2060の性能スペック&ベンチマークを検証」を参考にして欲しい。RTX 2060 Mobileは、各BTOメーカーが最も力を入れているGPUの一つでPascal世代のGTX 1060 Mobileよりも30%高い性能を持つ。

後継モデルは、「GeForce RTX 3060 Mobile」だ。Ampere世代になってより高いパフォーマンスを期待できる。レイトレーシング性能についても向上している。

RTX 2060モバイル&デスクトップ向けスペック比較

プラットフォームモバイルPC
型番RTX 2060RTX 2060
世代TuringTuring
GPUTU106TU106
プロセス12nm12nm
トランジスタ数108億108億
ダイサイズ445 mm²445 mm²
CUDAコア19201920
RTコア3030
Tensorコア240240
ベースクロック960MHz1320MHz
ブーストクロック1200MHz1620MHz
メモリ形式GDDR6GDDR6
GPUメモリ6GB6GB
メモリバス192 bit192 bit
バンド幅336.0 GB/s336.0 GB/s
消費電力115W160W
ここがポイント!!

モバイル向けRTX 2060とデスクトップ向けRTX 2060のスペックを比較している。注目ポイントは、同じ型番でもスペックに差があるということだ。ノート向けのRTX 2060ではクロック周波数を落としている。ベースクロック・ブーストクロックともに26%低い。その結果、デスクトップ向けモデルに比べてTDPが28%も抑えられていて110Wに留めることに成功している。

前世代のGTX 1060 6GB(GTX10シリーズ全般)の場合、モバイル向けのグラフィックボードでもデスクトップ向けとほぼ同等のスペックだった。RTX 20シリーズではRTコアやTensorコアなどを搭載したことで消費電力も上がりノート向けに換装することはできなかったのだろう。消費電力を抑えるために性能を落としていると考えるとよい。従来モデルと同じ消費電力でパフォーマンスが向上しているのだから評価はできる。

CUDAコア・RTコア・Tensorコアなどは共通だ。また、メモリ周りについても全く同じものになっている。GPUメモリ容量はGDDR6 6GBだ。メモリバスは192 bit、バンド幅は336.0 GB/sとなっている。

RTX 2060搭載ゲーミングノートPCの特徴

従来のGTX 1060 Mobileよりも大幅に性能アップ

rtx2060mobileseinou (2)
Turign世代の60番台はこれまでとは一味違う。性能的には前世代の上位モデルであるGTX 1060 Mobileよりも31%高い性能を持つグラフィックボードだ。フルHD環境なら高設定を基準に快適にゲームをプレイすることが可能だ。デスクトップ向けのグラフィックボードと比較するとスペックは抑えられているものの順当な性能アップと言えるだろう。

前世代の売れ筋がGTX 1060 6GBだったことを考えるとこのRTX 2060 Mobileは、同じ60番台でノート向けの主力グラフィックボードになるポテンシャルがある。実は本来の後継モデルはGTX 1660 Tiだが、それほど価格差がないのでRTX 2060 Mobileはコスパに優れている。フルHD環境でのゲームプレイを考えている方は押さえておこう。

レイトレーシングなどを堪能するには性能が足りない

RTX 20シリーズから新たに搭載されたレイトレーシングやDLSSなどの機能に対応している。レイトレーシングによってよりリアルな描写が可能でゲームプレイの満足度アップに寄与する。DLSSでは機械学習を活用することでフレームレートを引き上げることができるという特徴がある。

ただし、グラフィックの描写に影響を与えるレイトレーシング機能を利用するとゲームプレイ時の負荷はどうしても高くなることを忘れてはいけない。思う存分に体感したいならRTX 2070 Mobile以上を選択するべきだろう。DLSSについては機械学習を通じて効率的にグラフィックス処理を行えるためフレームレートの低下にはつながらない。

デスクトップパソコン向けのRTX 2060でも性能的に厳しく最大限これらの技術を体感できるわけではない。デスクトップ向けモデルに比べてクロック周波数低いノート向けだとやはり適切とは言えないだろう。これらの技術にこだわりがないのであればGTX 1660 TiあるいはGTX 1650 Ti搭載モデルを選択するの一つだ。性能は落ちるもののその分価格を抑えることができる。

ラインナップが多いモバイル向けグラフィックボード

各BTOメーカーのゲーミングノートPCを見るとRTX 2060 Mobileを搭載したラインナップが多いことに気付くはずだ。ドスパラを中心として売れ筋モデルとなっているのはこのRTX 2060 Mobile搭載モデルとなっている。価格と性能のバランスが良くコストパフォーマンスに優れたモデルが揃う。メモリ容量も16GB搭載のモデルが増えて構成も充実している。

デスクトップ向けモデルではその存在感を出すことができなかったRTX 2060が一転してゲーミングノートでは輝く形だ。それはゲーミングノートという特性上高すぎる性能は扱いづらいということが関係しているのだろう。ちょうどよい性能で初心者の方でも購入しやすい。

後継モデルであるRTX 3060 Mobileも登場している。RTX 2070 Mobileを超えるゲーミング性能を持ちゲーム適性は向上している。レイトレーシングも第2世代になって対応力が増しているのも嬉しいポイントだ。現時点ではRTX 2060 Mobileとの価格差があるため何を重視するかで決めてしまってよいだろう。

RTX 2060 Mobileのベンチマーク

Metro: Exodus

Metro-Exodus-Title

RTX 2070 Mobile82.6
66.3
GTX 1070 Mobile68.5
57.4
RTX 2070 Max-Q62.2
51.9
RTX 2060 Mobile61.2
48.3
GTX 1660 Ti Mobile52.9
40.2
GTX 1060 Mobile47.6
39.3
平均fps最小fps
GTX 1060 Mobileよりも30%程度高いフレームレートとなっている。最小fpsも23%高く安定感が増している。ミドルクラスとしては十分なゲーミング性能を持っている。RTX 2070 Max-Qとほぼ同等の性能だ。上位モデルであるRTX 2070 Mobileとの差は33%程度とやや大きくなっている。最小fpsも66.3と圧倒的な数値だ。60番台と70番台ではワンランク以上の差があると考えてよい。

Hitman 2

hitman2

GTX 1070 Mobile80.5
34.2
RTX 2070 Mobile74.6
32.7
RTX 2060 Mobile71.8
33.2
RTX 2070 Max-Q69.7
30.4
GTX 1660 Ti Mobile63.0
32.7
GTX 1060 Mobile58.2
31.6
平均fps最小fps
GTX 1060 Mobileよりも23%高く、GTX 1660 Ti Mobileよりも14%高いフレームレートとなっている。最小fpsについては僅かながら高くなっている程度だ。RTX 2070 Max-Qを超えるパフォーマンスなのは素晴らしい。上位モデルのRTX 2070 Mobileとの差も小さく4%程度だ。最小fpsではRTX 2070 Mobileを上回っている。GTX 1070 MobileがRTX 2070 Mobileを上回る性能を発揮していることから最適化が進めばRTX 2070 Mobileがより高いフレームレートを出す可能性が高い。

Shadow of the Tomb Raider

Shadow Of The Tomb Raider

RTX 2070 Mobile87.4
43.8
GTX 1070 Mobile80.5
60.3
RTX 2060 Mobile72.5
43.3
RTX 2070 Max-Q71.6
52.3
GTX 1660 Ti Mobile60.9
41.7
GTX 1060 Mobile56.7
40.9
平均fps最小fps
GTX 1060 Mobileよりも28%高い平均フレームレートを出している。フルHD環境なら十分すぎるフレームレートだと言える。下位モデルのGTX 1660 Ti Mobileよりも18%高い。Shadow of the Tomb RaiderでもRTX 2070 Max-Qを超えるフレームレートだ。最小fpsで大きく差を付けられているので性能差ははっきりと出てしまっている。RTX 2070 Mobileとの差は20%弱と大きい。より安定したゲームプレイを考えるならRTX 2070 Mobileも候補に入れよう。

RTX 2060 Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC

GALLERIA GR2060RGF-T(ドスパラ)

GALLERIA GCL1650TGF価格:155,980円(税込)
液晶:15.6型 120Hz
CPU:Ryzen 7 4800H
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載

ドスパラの売れ筋No.1ゲーミングノートPCだ。CPUにはRyzen 7 4800Hを搭載している。AMDの高パフォーマンスモデルだ。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くゲーム用途でもおすすめしやすい。動画編集などクリエイター作業での使用を考えている方にもおすすめだ。RTX 2060との相性もよくゲーミング性能をしっかりと引き出してくれるだろう。

G-Tune E5-D(G-Tune)

NEXTGEAR-NOTE i7920価格:142,780円(税込)
モニター:15.6インチ 144Hz対応
CPU:Ryzen 5 3500
GPU:GeForce RTX 2060 Mobile
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載

デスクトップ向けのCPU「Ryzen 5 3500」と合わせたゲーミングノートPCだ。デスクトップ向けのCPUを採用シているのは興味深い。デスクトップ向けのラインナップの中では下の方だが、ノートパソコン向けCPUの中では高い性能を持っている。ゲーミングノートの定番であるCore i7-10750Hよりもスペックは劣るが、消費電力が高い分パフォーマンスは高い。マルチスレッド性能でもワンランク上だ。グラフィックボードにはRTX 2060 Mobileを搭載していてFULL HD環境に近いパフォーマンスを手に入れられる。メモリ16GB・SSD 512GB NVMe対応と構成も抜群だ。ネックとなるのはバッテリー駆動時間が1時間と短いことと本体が3kg近く持ち運びには適していないことだ。

AERO 15 KB-7JP1130SH(GIGABYTE)

AERO 15 KB-7JP1130SH価格:197,780円(税込)
液晶:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載

RTX 2060 Mobile搭載のゲーミングノートPCだ。CPUは第10世代のCore i7-10750Hを搭載していて不満はない。CPUとGPUのバランスも良好だ。設定を調整すれば高いレベルでのゲームプレイが可能だ。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成も十分だ。クリエイターの方にもおすすめしたい。

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参照元:NVIDIA GEFORCE RTX 2060 REVIEW (PCGAMER)