当記事では、モバイル向けGeForce RTX 3060 MobileのスペックとおすすめのゲーミングノートPCを紹介している。Turing世代のRTX 2060 Mobileの後継モデルだ。モバイル向けRTX 30シリーズの中で最も手頃なモデルが発売開始となった。RTX 2070 SUPER Mobileと同等以上のゲーミング性能を持っている。
ドスパラ・マウスコンピューター・パソコン工房などの大手BTOメーカーからも搭載ゲーミングノートが発売されている。Ampere世代の中でも売れ筋モデルの一つでどのグラフィックボードがよいか悩んだらこのRTX 3060 Mobileを候補に入れるとよいだろう。。搭載モデルについては、「RTX 3060 Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC」でまとめているので参考にしていただければと思う。
当ページの目次
RTX 3060 Mobileスペック比較
型番 | RTX 3060 | RTX 3060 | RTX 2060 |
---|---|---|---|
プラットフォーム | モバイル | PC | モバイル |
プロセス | 8nm | 8nm | 12nm |
GPU | GA106 | GA106 | TU106 |
トランジスタ数 | 132.5億 | 132.5億 | 108億 |
ダイサイズ | 276 mm² | 276 mm² | 445 mm² |
CUDAコア | 3840基 | 3584基 | 1920基 |
RTコア | 30基 | 28基 | 30基 |
Tensorコア | 120基 | 112基 | 240基 |
クロック周波数 | 1283MHz-1703MHz | 1320 MHz-1777 MHz | 960 MHz-1200 MHz |
メモリ形式 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
GPUメモリ | 6GB | 12GB | 6GB |
メモリバス | 192 bit | 192 bit | 192 bit |
クロックスピード | 12 Gbps-14 Gbps | 15 Gbps | 14 Gbps |
消費電力 | 60W-115W | 170W | 115W |
RTX 3060 Mobileは、Ampere世代のノート向けミドルクラスのグラフィックボードだ。RTX 2060 Mobileの12nmプロセスから8nmプロセスへと縮小化されている。GPUはGA106となっている。RTX 2060と比べてトランジスタ数は20%アップされているが、ダイサイズは一回りコンパクトになっている。これは8nmプロセスによる恩恵ということだ。
CUDAコアも1920基から3840基へと倍増だ。RTコア数は同じ30基で、Tensorコアは半分の120基となっている。RTコアは第2世代、Tensorコアは第3世代となったので、スペック以上の性能は引き上げられている。驚くべきところはクロック周波数の高さだろう。プロセスの縮小化によって省電力性が高くなり、クロック周波数が30%-42%も引き上げれている。性能向上に期待が持てる。メモリ周りに関しては共通しているが、消費電力のプリセットに合わせて12 Gbpsあるいは14 Gbpsが選択されることになる。
デスクトップ向けのRTX 3060との比較が興味深い。プロセス・GPUは共通だが、RTX 3060 MobileではフルスペックのGPU「GA106」が採用されている。結果的にCUDAコアが3840基(SMs 30×128)とモバイル向けモデルの方がデスクトップ向けのモデルよりスペックが高いという逆転現象が起きている。RTコア・TensorコアももちろんRTX 3060 Mobileの方が多くなる。
ただし、デスクトップ向けモデルの方が消費電力に余裕がありクロック周波数が3%-5%程度高い。さらに、GPUメモリも12GBと大容量だ。メモリのクロックスピードについても15 Gbpsと上回っている。55Wの差はかなり大きいことは理解しておこう。性能的にはおおよそ30%程度の差が生じている。モバイル向けモデルがデスクトップ向けモデルに追いつくのは厳しいのが現状だ。
RTX 3060 Mobile&搭載ゲーミングノートPCの特徴
モバイル向けのグラフィックスとしてNo.1の人気を誇る
出典:(Steam, 2022)
RTX 3060 Mobileは、モバイル向けグラフィックボードで最も売れているモデルの一つだ。上記の画像はSteamユーザーが使用しているグラフィックボードをシェア順に並べたものだ。RTX 3060 Laptop GPUはモバイル向けモデルとして最も利用者が多く2022年3月時点で2.22%だ。2021年11月が1.82%でそこから+0.40%となっている。かなり下になってRTX 3070 Laptop GPU→RTX 3050 Ti Laptop GPU→RTX 3050 Laptop GPU→RTX 3080 Laptop GPUと続く。
注意点として、上記のデータにはTuring世代のグラフィックボードが一切含まれていないことがわかる。もしかしたら、このRTX 3060 Mobileなどに内部的に含まれている可能性がある。それでもRTX 3060 Mobileが多くのゲーマーに使用されているという事実は変わらない。60番台のグラフィックボードはいつでも高い人気を持っている。デスクトップ向けモデルでもRTX 3060 Tiの人気が高い。Steamの統計ではPascal世代のGTX 1060がトップだ。
RTX 2060 Mobileより20%ゲーミング性能が高い
前世代のRTX 2060 Mobileよりも20%ゲーミング性能が向上している。GeForce RTX 2070 SUPER Mobileと同等のゲーミング性能を持つ。デスクトップ向けのRTX 3060ではRTX 2060 SUPERと同等であったことを考えると期待値が高い。Turing世代からAmpere世代への進化は順当だと言えるが、Pascal世代からTuring世代への進化に比べるとややおとなしい。GTX 1060 MobileからRTX 2060 Mobileだと30%近く性能が向上したからだ。
それでもパワー効率の向上やレイトレーシング性能の底上げは魅力的だ。特にPascal世代の60番台以下のモデルからの買い替えはメリットが大きい。RTX 3060 Mobileがミドルクラスの王道的に存在になることは間違いない。すでに魅力的なモデルが各BTOメーカーから登場していることがその証拠だ。
Dynamic Boost 2.0でゲーム性能が向上する
引用元:https://laptopmedia.com/
MAX-Qデザイン向けにDynamic Boostが進化してDynamic Boost 2.0へとアップデートされた。MAX-Qデザインのグラフィックボードでなくても搭載することができる。BTOメーカー次第ということになる。このDynamic Boost 2.0は、ゲームプレイ中などでCPU負荷が軽いときに、CPUの消費電力を15W抑えてRTX 3060の消費電力を15W高くさせるというものだ。
当然消費電力が引き上げられるとグラフィックスの処理能力が上がるのでフレームレートが高くなる。より快適にゲームを楽しめるということだ。非常に理にかなった機能だと言えるだろう。特別ユーザーが設定する必要はなく自動的に機能する。今後主流となる技術なのかもしれない。
MAX-Qという名称は消滅したが省電力モデルは継続
RTX 3060 Mobileだけの問題ではないが、RTX 30シリーズからMAX-Q(省電力バージョン)という名称が消滅してしまった。BTOメーカーはRTX 3060 Mobileについては60W-115Wという枠組みで組み上げることができるので、ベンダーによっては省電力モデルをリリースするということもあり得る。購入前にしっかりと製品ページを確認する必要がある。
NVIDIAはこれまでもモバイル向けの「M」をなくすなどユーザーを混乱させてしまうことがあった。今回のMAX-Qをなくしてしまったのも悪手だと言えるかもしれない。もちろん意図があってのことだろうが、その意図を推測することは難しい。RTX 3060 Mobileについては基本的にはMAXの消費電力となっていることが多い。本体の小さいG-Tune E5シリーズでも115Wに設定されていることからも性能的にそれほど難易度が高いわけではないのではないかと判断できる。
RTX 3060 Mobileのベンチマーク
各タイトルについてフルHD環境×最高設定でのフレームレートを計測している。RTX 3060 Mobile及びRTX 3070 Mobileについては2つの消費電力モデルでのフレームレートとなっている。
Metro Exodus
RTX 3070 Mobile(115-130W) | |
RTX 3060 Mobile(115-130W) | |
RTX 2070 SUPER Mobile(115W) | |
RTX 3070 Mobile(85-95W) | |
RTX 2070 Mobile(115W) | |
RTX 2070 SUPER MAX-Q(80W) | |
RTX 3060 Mobile(85-95W) | |
RTX 2060(115W) |
Borderlands 3
RTX 3070 Mobile(115-130W) | |
RTX 3060 Mobile(115-130W) | |
RTX 2070 SUPER Mobile(115W) | |
RTX 3070 Mobile(85-95W) | |
RTX 3060 Mobie(85-95W) | |
RTX 2070 Mobile(115W) | |
RTX 2070 SUPER MAX-Q(80W) | |
RTX 2060(115W) |
Red Dead Redemption 2
RTX 3070 Mobile(115-130W) | |
RTX 3060 Mobile(115-130W) | |
RTX 3070 Mobile(85-95W) | |
RTX 2070 SUPER Mobile(115W) | |
RTX 3060 Mobie(85-95W) | |
RTX 2070 Mobile(115W) | |
RTX 2060(115W) | |
RTX 2070 SUPER MAX-Q(80W) |
RTX 3060 Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC
GALLERIA XL5R-R36 5600H搭載(ドスパラ)
価格:143,980円(税込)
モニター:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
RTX 3060 Mobile搭載モデルの中でも最も安く購入できるゲーミングノートPCの一つだ。税込14万円台は圧巻だ。価格を抑える秘密はRyzen 5 5600Hを搭載していることにある。6コア12スレッドと必要十分なスペックでRTX 3060 Mobileとのバランスも取れる。メモリ16GB、SSD 512GBと構成は平均的だ。
GALLERIA XL7C-R36 11800H搭載(ドスパラ)おすすめ!!
モニター:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
最新のIntel第11世代のCore i7-11800Hを搭載したゲーミングノートPCだ。15.6インチで144Hz対応モニターを採用している。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くフレームレートの安定に繋げやすい。メモリもDDR4-3200が採用されている。メモリ容量16GB、SSD 512GBと構成も必要十分だ。今後売れ筋ランキングに食い込んでくる可能性が高い。
GALLERIA UL7C-R36(ドスパラ)
モニター:15.6インチ 240Hz
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
サードウェーブとIntelとの共同設計モデルの一つだ。本体重量約1.96kgとゲーミングノートPCとしては非常に軽い。グラフィックスにはRTX 3060 Mobileを、CPUにはハイクラスのCore i7-11800Hを搭載している。240Hz対応モニターの性能を100%引き出すことは難しいが、144fps以上は十分目指せる性能を持つ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も十分だ。
LEVEL-15FX160-i7-RASX(パソコン工房)
液晶:15.6型 144Hz
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
パソコン工房の15.6インチモデルだ。セール期間中は圧倒的なモデルへと化ける。RTX 3060 Mobile搭載の最安値クラスの一台となっている。CPUにはハイクラスのCore i7-11800Hを搭載していて高いゲーミング性能を持つ。動画編集や画像編集などの負荷の掛かる作業も得意としている。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も抜群だ。
New Dell G15 【新生活応援・即納】プラチナ(RTX3060・ワイヤレスマウス付)(Dell)
241,830円(税込) 194,454円(税込)
モニター:15.6インチ 165Hz
CPU:Core i7-12700H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR5-4800 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
クーポン利用で47,376円OFFで購入できる。最短翌日出荷の即納モデルだ。CPUには最新のIntel第12世代のCore i7-12700Hを搭載している。14コア20スレッドと従来モデルの8コア16スレッドから大幅にスペックが引き上げられている。ゲーム実況・動画編集などのクリエイター作業にも最適だ。メモリはDDR5-4800 16GBを搭載している。DDR4よりもワンランク上だ。ストレージはSSD 512GBのみとなっている。本体重量は約2.519kgと重めだ。持ち運ぶことが多い方は注意しよう。
G-Tune E5-165-R9(G-Tune)
モニター:15.6インチ 165Hz
CPU:Ryzen 9 5900HX
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
Ryzen 9 5900HX搭載のゲーミングノートPCだ。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高い。国内BTOメーカーでRyzen 9シリーズの取り扱いがあるのは珍しい。Ryzen 7 5800Hと比べてクロック周波数が高くより高い性能を期待できる。メモリ16GB、SSD 512GBと構成は平均的だ。本体重量が約1.73kgと業界でも最軽量クラスのモデルとなっている。バッテリー駆動時間は約6.0時間だ。これなら持ち運びを考えている方にもおすすめできる。
G-Tune E5-165(G-Tune)
モニター:15.6インチ 165Hz
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
G-Tuneブランドのモデルとなっている。RTX 3060×i7-11800H搭載のゲーミングノートPCだ。165Hz対応モニターを搭載しているのがポイントだ。グラフィックスにはRTX 3060を搭載していてパフォーマンスを発揮しやすい。メモリ16GB、SSD 512GB NVMeと構成も十分だ。本体重量約1.73kgと同じサイズのノートよりも軽量化されている。持ち運びを考えている方にも最適だ。バッテリー駆動時間は約7.5時間と長めになっている。従来モデルよりも40%程度伸びた。価格が高いことがネックとなる。
RTX 3060 Mobile搭載のゲーミングノートPC一覧
製品名 | 価格 | CPU | GPU | メモリ | SSD | HDD |
---|---|---|---|---|---|---|
GALLERIA XL7C-R36 11800H搭載 | 159,980 | i7-11800H | RTX3060 | 16GB | 512GB | × |
GALLERIA XL5R-R36 5600H搭載 | 139,980 | 5 5600H | RTX3060 | 16GB | 512GB | × |
GALLERIA XL7R-R36 5800H搭載 | 155,980 | 7 5800H | RTX3060 | 16GB | 512GB | × |
GALLERIA UL7C-R36 | 175,980 | i7-11800H | RTX3060 | 16GB | 500GB | × |
G-Tune E5-165 | 230,780 | i7-11800H | RTX3060 | 16GB | 512GB | × |
FRXNM711/B | 192,800 | i7-11800H | RTX3060 | 16GB | 1TB | × |
Dell G15 Ryzen Edition プラチナRTX3060 | 143,205 | 7 5800H | RTX3060 | 16GB | 512GB | × |
参照外部サイト
- Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: March 2022(Steam, 2022)
その他あなたにおすすめの記事はこちら!
- おすすめゲーミングPCランキング【2022年】
- ゲーミングノートPCおすすめランキング【2022年】
- 当サイト紹介ゲーミングPC一覧表
おすすめのゲーミングPCランキングを紹介している。コストパフォーマンスが高いモデルに人気が集中していると言える。
イチオシのゲーミングノートPCを紹介している。外出先でもゲームを楽しみたいという方はぜひ参考にしてほしい。
当サイトでレビューをしている全てのゲーミングPCを表でまとめている。一覧で見れば、ゲーミングPCの構成や相場感を把握することができる。
あなたにぴったりのゲーミングPCを探す
選び方(初心者の方向けにぴったりの選び方を解説) | ||
セール | 安い | ゲーム推奨 |
![]() | ![]() | ![]() |
比較(ゲーミングPCの特徴を比較して最適な1台を見つける) | ||
価格 | BTOショップ | グラボ |
![]() | ![]() | ![]() |