当記事では、モバイル向けGeForce RTX 3050 Ti MobileのスペックとおすすめのゲーミングノートPCを紹介している。Turing世代で人気の高かったGTX 1650 Ti Mobileの後継モデルということになる。ドスパラを始めとしてこのグラフィックボードを搭載したモデルが増えてきているのは朗報だ。ドスパラなど国内BTOメーカーがGTX 1650 Ti搭載ゲーミングノートの販売に力を入れていて売れ筋モデルになっていたことからこの最新モデルにも期待が掛かる。
価格を抑えたいカジュアルゲーマーの方は必見だ。GTX 1650 Tiよりも40%程度パフォーマンスが向上していてフルHD環境での適性が向上している。レイトレーシングにも対応しているが、このクラスだと快適にプレイするのは厳しい。搭載モデルについては、「RTX 3050 Ti Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC」で解説している。
当ページの目次
RTX 3050 Ti Mobileスペック比較
型番 | RTX 3050 Ti | RTX 3050 | RTX 3060 | GTX 1650 Ti |
---|---|---|---|---|
プラットフォーム | モバイル | モバイル | モバイル | モバイル |
プロセス | 8nm | 8nm | 8nm | 12nm |
GPU | GA107 | GA107 | GA106 | TU117 |
トランジスタ数 | - | - | 132.5億 | 47億 |
ダイサイズ | - | - | 276 mm² | 200 mm² |
SMs | 20 | 16 | 30 | 16 |
CUDAコア | 2560基 | 2048基 | 3840基 | 1024基 |
RTコア | 20基 | 16基 | 30基 | - |
Tensorコア | 80基 | 64基 | 120基 | - |
定格クロック | 735-1462 MHz | 712-1530 MHz | 900-1387 MHz | 1350 MHz |
最大クロック | 1035-1695 MHz | 1057-1740 MHz | 1425-1702 MHz | 1485 MHz |
メモリ形式 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
GPUメモリ | 4GB | 4GB | 6GB | 4GB |
メモリバス | 128 bit | 128 bit | 192 bit | 128 bit |
クロックスピード | 12 Gbps | 12 Gbps | 14 Gbps | 12 Gbps |
メモリバンド幅 | 192.0 GB/s | 192.0 GB/s | 336.0 GB/s | 192.0 GB/s |
消費電力 | 35W-80W | 35W-80W | 80W-115W | 50W |
スペック比較表では前世代のGTX 1650 Ti Mobileと現行のAmpere世代における上位モデルであるRTX 3060 Mobile及び下位モデルのRTX 3050をピックアップしている。ポイントについては次の項目から詳しく解説していく。
GTX 1650 Ti Mobileの後継モデル
GPUから見てもGTX 1650 Ti Mobileの後継モデルということがわかる。プロセスが12nmから8nmへと微細化されてパワー効率の向上につながっている。CUDAコアが2.5倍以上の2560基へと大幅に増えた。さらに、RTコア・Tensorコアを搭載しているためレイトレーシングやDLSSといった機能を使用することが可能だ。ここがGTX 1650 Ti Mobileとの大きな違いだと言える。
定格クロック及び最大クロックについてはベンダー側が設定するTDP次第だ。TDPが80Wの場合定格クロック1462 MHz、最大クロック1695MHzに到達する。TDP 50WのGTX 1650 Tiと比べるとそれぞれ8%・15%アップしている。メモリ周りについては変更はない。GPUメモリが4GBというのがゲームプレイにおいてどのような影響を与えるのかは気になるポイントだ。
CUDAコアはRTX 3060 Mobileの66%に留まる
上位モデルであるRTX 3060 Mobileとのスペック差は大きくなっている。CUDAコアは1.5倍だ。RTコア・Tensorコアもそれぞれ1.5倍だ。TDPも80W-115Wと大きくパフォーマンスが高い。最大クロック周波数も上回る。さらに、GPUメモリ容量も1.5倍の6GBになる。最近のタイトルはGPUメモリ容量の消費量が大きく容量が多いほうが心強い。メモリバスも192 bitでメモリバンド幅は75%アップの336.0 GB/sとなる。
下位モデルのRTX 3050 MobileもRTX 3050 Ti Mobileと同じGA107を搭載したグラフィックボードだ。SMsは20%少なくCUDAコアは2048基となる。RTコアは16基、Tensorコアは64基だ。クロック周波数はRTX 3050 Mobileの方が高めだ。メモリ周り及びTDPは共通となっている。
RTX 3050 Ti Mobile搭載ゲーミングノートPCの特徴
GTX 1660 Tiに匹敵するゲーミング性能を持つ
RTX 3050 Tiは、GTX 1660 Tiに近いゲーミング性能を持つグラフィックボードだ。50番台でも前世代のGTX 16シリーズと同等の性能を持っていることは評価できる。もちろんゲーム側の要求スペックが上がっているということもあるが、グラフィックス性能の底上げがしっかりと行われている。
メインターゲットとなるのはフルHD環境でのゲームプレイを考えている方だ。設定を下げることで高リフレッシュレートでのゲームプレイを実現することもできる。さらに、Ampere世代から50番台でもレイトレーシング・DLSSといった機能を備えている。ただし、レイトレーシング性能などはあまり期待しない方がよいだろう。
RTX 3060 Mobile搭載モデルに比べるとやや割高
ブランド | GALLERIA | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ![]() | |
型番 | RL5C-R35T | XL5R-R36 5600H搭載 |
価格 | 132,980円(税込) | 143,980円(税込) |
液晶サイズ | 15.6インチ 144Hz | 15.6インチ 144Hz |
重量 | 約2.00kg | 約2.00kg |
バッテリー駆動時間 | 約4.1時間 | 約5.5時間 |
CPU | Core i5-11400H | Ryzen 5 5600H |
GPU | RTX 3050 Ti | RTX 3060 |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 512GB NVMe | 512GB NVMe |
HDD | 非搭載 | 非搭載 |
RTX 3050 Ti搭載ゲーミングノートPCはリリースされてから時間が経ち価格は安定している。ただし、RTX 3060 Mobile搭載モデルとの価格差はそれほど大きくない。ドスパラのRTX 3050 Ti搭載モデルとRTX 3060搭載モデルを比較すると、価格差はわずか1.1万円だ。
もちろんRyzen 5 5600Hの価格が安いと考えることもできる。CPUは同等の性能を持つRyzen 5 5600Hで、グラフィックスがRTX 3050 Ti→RTX 3060へと強化される。RTX 3060 Mobileへのアップで1.1万円なら検討する価値がある。
旧モデルに当たる「GALLERIA GCL1650TGF(GTX 1650 Ti×Core i5-10300H)」が最後には94,980円(税込)で販売されていたことからこの水準近くまで価格が下がらないと厳しい。この性能帯は価格が勝負となるからだ。ただ、今は半導体不足及び円安による影響を受けていて実現はしなさそうだ。
搭載モデルのラインナップは海外勢が中心となっている
RTX 3050 Ti搭載ゲーミングノートPCは海外メーカーが中心だ。Dell・MSI・ASUSなど海外勢が中心となっている。国内BTOメーカーからはドスパラが販売しているだけで他のメーカーからはまだリリースされていない。パソコン工房では取り扱いがなくなってしまった。
国内メーカーのラインナップが揃うことはないのかもしれない。海外メーカーを中心に選ぶかRTX 3060 MobileやRTX 3050 Mobile搭載モデルを検討しよう。国内BTOメーカーの場合、売れ筋モデルに注力する形になりRTX 3050 Ti搭載モデルについてはそれほどラインナップが増えない可能性が高い。
RTX 3050 Ti Mobileのベンチマーク
Hitman 3
7 5800H×RTX 3060 | |
i7-9750H×RTX 2060 | |
5 5600H×RTX 3050 Ti | |
i7-9750H×GTX 1660 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 |
Crysis Remastered
7 5800H×RTX 3060 | |
i7-9750H×RTX 2060 | |
i7-9750H×GTX 1660 Ti | |
5 5600H×RTX 3050 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 | |
i7-10750H×GTX 1650 Ti |
Death Stranding
7 5800H×RTX 3060 | |
i7-9750H×RTX 2060 | |
i7-9750H×GTX 1660 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 Ti | |
5 5600H×RTX 3050 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 |
Borderlands 3
7 5800H×RTX 3060 | |
i7-9750H×RTX 2060 | |
5 5600H×RTX 3050 Ti | |
i7-9750H×GTX 1660 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 |
F1 2020
7 5800H×RTX 3060 | |
5 5600H×RTX 3050 Ti | |
i7-9750H×RTX 2060 | |
i7-9750H×GTX 1660 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 Ti | |
i7-10750H×GTX 1650 |
RTX 3050 Ti Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC
Dell G15 ゲーミング ノートPC(Dell)
151,980円(税込) 135,180円(税込)
モニター:15.6インチFHD 120Hz
CPU:Ryzen 7 6800H
GPU:GeForce RTX 3050 Ti Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:9.2
クーポン利用で46,695円も安く購入できる。CPUには第4世代のRyzen 7 6800Hを搭載した一台だ。Ryzen 7 6800Hは、8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くゲームプレイ以外の用途でもおすすめだ。RTX 3050 Tiとの組み合わせだとややもったいないかもしれないが、価格が抑えられたモデルということもあってデメリットはない。フルHD環境でのゲームプレイを考えている方に最適だと言える。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成も十分だ。
TUF Gaming F15 FX507ZE(ASUS)
189,800円(税込) 159,800円(税込)
モニター:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-12700H
GPU:GeForce RTX 3050 Ti Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:調査中
Intel第12世代のCore i7-12700Hを搭載したゲーミングノートPCだ。14コア20スレッドと従来モデルのCore i7-11800Hと比べて大幅にパフォーマンスが引き上げられている。ゲーム実況や動画編集などのクリエイター作業にも最適だ。ノートパソコンでもできることがどんどん増えている。メモリ規格もDDR5-4800でDDR4よりもワンランク上だ。SSD容量は512GBとなっている。本体重量は約2.2kgで、バッテリー駆動時間は約6.8時間だ。持ち運びがメインの方は注意した方がよいかもしれない。
Katana GF76 11U Katana-GF76-11UD-671JP(MSI)
モニター:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i7-11800H
GPU:GeForce RTX 3050 Ti Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:調査中
有名イラストレーターの長野 剛氏とのコラボによって生まれた一台となっている。日本等の強さと美しさを表現したモデルでそれは型番にも現れている。Intel第11世代のCore i7-11800Hを搭載したゲーミングノートPCだ。8コア16スレッドとマルチスレッド性能の高いCPUで人気が高い。RTX 3050 Tiに合わせるにはややオーバースペック気味だがクリエイター作業など色々な用途での使用を考えている方は必見だ。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応と構成も充実している。
GALLERIA RM7C-R35T
液晶:14.0型 60Hz
CPU:Core i7-12700H
GPU:GeForce RTX 3050 Ti Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:7.9
14.0インチWUXGAディスプレイを搭載したゲーミングノートPCだ。本体重量が約1.43kgと持ち運びもしやすい。高リフレッシュレートには対応しておらず一般的なモニターと同じ60Hzとなる。キャンペーン期間中は5,000Pのポイント還元を受けられる。グラフィックスにはローエンドクラスのRTX 3050 Ti Mobileを搭載していて設定次第で十分ゲームプレイに対応可能だ。CPUにはハイクラスのCore i7-12700Hを搭載している。14コア20スレッドと高スペックでゲーム実況や動画編集などにも対応できる高い性能を持つ。メモリ16GB、SSD 512GB NVMeと構成も十分だ。
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ベンチマークテスト環境
モデル | Schenker XMG Prototype |
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OS | Windows 10 Pro 64 bit |
CPU | Ryzen 5 5600H |
GPU | Nvidia GeForce RTX 3050 Ti Laptop |
メモリ | 16GB DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB SSD |