G15 Ryzen Edition当記事では、モバイル向けGeForce RTX 3050 MobileのスペックとおすすめのゲーミングノートPCを紹介している。Ampere世代におけるエントリークラスのグラフィックボードが登場した。従来モデルのGeForce GTX 1650 Mobileと比べて40%程度ゲーミング性能が向上している。GTX 1660 Ti Mobileに迫るほどのパフォーマンスを誇る。

税込み12,3万円という予算での購入を考えている方におすすめだ。ゲーミング性能を理解した上で購入しよう。もう少し予算を出せるのであれば一つ上の「GeForce RTX 3050 Ti Mobile」も検討するといい。場合によってはGeForce GTX 1660 Tiを超えてRTX 2060に迫るほどの性能で余裕がある。RTX 3050搭載モデルについては、「RTX 3050 Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC」を参考にして欲しい。

RTX 3050 Mobileスペック比較

型番RTX 3050RTX 3050 TiGTX 1650
プラットフォームモバイルモバイルモバイル
プロセス8nm8nm12nm
GPUGA107GA107TU117
トランジスタ数--47億
ダイサイズ--200 mm²
SMs162014
CUDAコア2048基2560基896基
RTコア16基20基-
Tensorコア64基80基-
定格クロック712-1530 MHz735-1462 MHz1395 MHz
最大クロック1057-1740 MHz1035-1695 MHz1560 MHz
メモリ形式GDDR6GDDR6GDDR6
GPUメモリ4GB4GB4GB
メモリバス128 bit128 bit128 bit
クロックスピード12 Gbps12 Gbps8 Gbps
メモリバンド幅192.0 GB/s192.0 GB/s128.1 GB/s
消費電力35W-80W35W-80W50W
価格帯118,674円~133,584円~119,980円~

GeForce RTX 3050 Mobileのスペックを見ていこう。比較対象は従来モデルのGTX 1650と現行の上位モデルであるRTX 3050 Tiだ。Tiになればより高い性能を享受できる。そこは予算との相談だ。

GTX 1650より大幅スペックアップ

Turing世代のGTX 1650に比べると大幅にスペックアップとなっていることがわかる。プロセスが12nm→8nmへと微細化されたのもポイントだ。パワー効率アップに繋がる。CUDAコアが896基から2048基へとおよそ230%も多くなった。さらに、RTコア及びTensorコアも新しく搭載されている。

定格クロックはおよそ10%高く、最大クロックはおよそ12%高い。これだけでも十分なパフォーマンスが見込めるが、さらにメモリ周りの強化が行われている。GPUメモリ容量は4GBで共通だ。メモリ速度が8 Gbpsから12 Gbpsとなった。メモリバンド幅が128.1 GB/sから192.0 GB/sへと50%向上している。

RTX 3050 Tiと同じGA107を採用している

RTX 3050は、上位モデルであるRTX 3050 Tiと同じGPU GA107を採用している。フルスペックでは24のSMs(ストリーミングマルチプロセッサ)が搭載されているが、RTX 3050ではその内8基が無効化されて16となっている。CUDAコアは2048基(16×128)だ。RTX 3050 Tiは、20のSMsが有効化されていてCUDAコアは2560基となっている。ちょうど20%の差があるということだ。

RTX 3050のRTコアは16基でTensorコアは64基だ。それぞれRTX 3050 Tiの20%ダウンとなっている。RTコアの役割であるレイトレーシング性能についてはこの価格帯のグラフィックボードでは対応するのが厳しいという現状があるのでそこまで気にしなくてもよいだろう。

クロック周波数はベンダー側で設定するTDPに依存する形だ。最大値で比較するとRTX 3050の方が定格・最大クロック共に高く3%-5%の幅に収まる。メモリ周りは共通だ。ゲームプレイ時には4GBというGPUメモリ容量の少なさがネックとなってしまうケースも出てくるのではないかと思う。

RTX 3050 Mobile搭載ゲーミングノートPCの特徴

前世代の60番台に近いゲーミング性能を持つ

rtx3050seinou

RTX 3050 Mobileは、エントリークラスの50番台でありながらそこそこ高いゲーミング性能を持つグラフィックボードだ。従来モデルであるGTX 1650よりも30%近くゲーミング性能が向上している。上位モデルであるGTX 1650 Tiと比べても20%も高い。GTX 1660 Tiとの性能差は20%弱だ。かなり60番台のグラフィックボードに近づいたと言える。

フルHD環境を基準にすればある程度快適にゲームを楽しめる。中には144Hz対応モニターを搭載したゲーミングノートPCも販売されているが、高リフレッシュレートでのゲームプレイはタイトル次第ということになる。あまり過度な期待はしないようにしよう。高解像度でのゲームプレイは考えない方がよいだろう。

エントリークラスのモデルで11万円台~購入可能

RTX 3050 Mobileは、Ampere世代におけるエントリークラスのモデルとなっている。つまり、最も安く購入できるグラフィックボードということだ。BTOメーカーのモデルを見ると最安値モデルは税込み11万円台だ。この価格帯なら学生や新社会人の方でも購入しやすいのではないかと思う。

実はHPやDellで販売されているゲーミングノートPCであれば旧モデルのGTX 1650搭載モデルと同程度の価格が購入できる。そのような状況であれば性能の劣るGTX 1650搭載モデルを選ぶ理由はない。30%程度性能が上がるRTX 3050を選択すれば納得できるだろう。動画編集・画像編集・DTM・WEBDesignなどの用途にも適していてクリエイターPCとしてもおすすめだ。

ラインナップはかなり豊富で選びがいがある

2023年02月時点でRTX 3050 Mobile搭載モデルのラインナップは豊富だ。ブランド・デザイン・モニターサイズ・CPU・構成など様々な選択肢がある。あなたが理想とするモデルがきっと見つかるだろう。海外メーカーでは、HP・Dell・Lenovo・ASUS・MSIなどから販売されている。

国内BTOメーカーではドスパラが取り扱いを開始している。ドスパラはゲーミングノートPCの販売に力を入れているため期待が持てる。もう少し時間が経てばマウスコンピューター・パソコン工房・TSUKUMOなどからも搭載モデルがリリースされるはずだ。

RTX 3050 Mobileのベンチマーク

Hitman 3

hitman3

7 5800H×RTX 3060133.0
90.2
i7-9750H×RTX 206096.8
61.8
5 5600H×RTX 3050 Ti93.6
62.1
i7-9750H×GTX 1660 Ti91.0
59.2
5 5600H×RTX 305082.6
53.5
i7-10750H×GTX 1650 Ti64.1
39.4
i7-10750H×GTX 165058.3
36.5
フルHDWQHD
フルHD環境について前世代のGTX 1650よりも42%高い。WQHD環境でも47%向上しているが、53.5fpsとそれほど安定してゲームプレイができるわけではない。GTX 1650 Tiと比べても28%高くなっていてAmpere世代の本領発揮だ。GTX 1660 Tiと比べると9%劣る。60番台の最高峰であるTiには及ばなかった。WQHD環境以上でのゲームプレイを考えるならRTX 3060以上を選択したい。

Crysis Remastered

Crysis Remastered

7 5800H×RTX 3060110.0
86.0
i7-9750H×RTX 206094.7
64.7
i7-9750H×GTX 1660 Ti89.0
59.9
i7-10750H×GTX 1650 Ti65.4
N/A
5 5600H×RTX 3050 Ti57.6
38.1
5 5600H×RTX 305057.3
36.7
i7-10750H×GTX 165057.3
36.0
フルHDWQHD
Crysis Remasteredではsやや厳しい結果となっている。GTX 1650との性能差がほとんどなく、GTX 1650 Tiにも負けてしまっている。上位モデルであるRTX 3050 Tiとの性能差もないことから最適化の問題ではないかと思う。スペック的にはGTX 1650を引き離せるほどの性能を持っている。GTX 1660 Tiとの差は57%とかなり大きい。60番台の壁は大きい。

Death Stranding

death stranding

7 5800H×RTX 306073.1
52.4
i7-9750H×RTX 206053.2
36.4
5 5600H×RTX 3050 Ti50.2
35.6
i7-9750H×GTX 1660 Ti48.6
32.1
5 5600H×RTX 305044.9
30.1
i7-10750H×GTX 165030.7
18.3
フルHDWQHD
Death StrandingではGTX 1650 Tiのデータはない。GTX 1650よりも45%もパフォーマンスが高い。WQHD環境になるとその差は65%まで広がるが、フレームレートが30.1fpsであることからゲームプレイは現実的ではない。GTX 1660 Tiとの差は6%-8%となっている。RTX 3050 Tiになると12%程度フレームレートが高くなる。

Borderlands 3

boarderland3

7 5800H×RTX 3060106.0
93.0
5 5600H×RTX 3050 Ti99.0
72.0
i7-9750H×RTX 206098.0
70.0
i7-9750H×GTX 1660 Ti92.0
65.0
5 5600H×RTX 305083.4
59.8
i7-10750H×GTX 1650 Ti66.4
N/A
i7-10750H×GTX 165063.0
44.0
フルHDWQHD
Borderlands 3においては順当なフレームレートが出ている。フルHD環境ではGTX 1650よりも33%高く、WQHD環境では35%も高い。フルHD環境なら設定を下げて高リフレッシュレートモニターを活かすことが可能だ。GTX 1650 Tiと比べても26%高く性能が大きく向上していることがわかる。GTX 1660 Tiとの性能差は9%程度とかなり近い。

F1 2020

f12017

7 5800H×RTX 306053.8
38.7
i7-9750H×RTX 206046.5
24.1
i7-9750H×GTX 1660 Ti41.7
22.5
5 5600H×RTX 3050 Ti32.3
23.7
5 5600H×RTX 305028.6
21.3
i7-10750H×GTX 165025.9
18.4
i7-10750H×GTX 1650 Ti24.8
14.9
フルHDWQHD
F1 2020では高設定でのゲームプレイは厳しい。設定を下げることが必須だ。GTX 1650との性能差が10%程度とそれほど大きくない。上位モデルであるRTX 3050 Tiとの差は13%だ。RTX 3050よりもワンランク高い性能が得られる。これがGTX 1660 Tiになるとさらに45%もフレームレートが高い。

RTX 3050 Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC

Dell G15 ゲーミング ノートPC(Dell)

Dell G15 Ryzen Edition価格:129,980円(税込) 119,580円(税込)
モニター:15.6インチ 120Hz
CPU:Ryzen 5 6600H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:9.6

公式サイト詳細

15.6インチ120Hz対応のモニターを採用している。RTX 3050 Mobile搭載の最安値クラスのゲーミングノートPCだ。つまり、現行のゲーミングノートで最も安く購入できるモデルの一つということになる。10,400円OFFの税込11万円台となる。CPUにはRyzen 5 6600Hを搭載している。6コア12スレッドとマルチスレッド性能が高くゲーム以外でも通用する。Zen 3のリフレッシュモデルでRyzen 5 5500Hよりも性能が引き上げられている。競合であるCore i5-11400Hと比べてもマルチスレッド性能では優勢だ。メモリ16GB、SSD 512GBと構成も標準的だ。本体重量約2.449kgとかなり重い点は注意が必要だ。

LEVEL-17FX153-i7-NASX(パソコン工房)

価格:177,980円(税込)
液晶:17.3インチ FHD 144Hz
CPU:Core i7-12700H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
コスパ:調査中

公式サイト

17.3インチの大型ディスプレイを搭載したゲーミングノートPCだ。144Hz対応で高リフレッシュレートでのゲームプレイも楽しめる。ただし、RTX 3050 Mobileの性能だと、設定を落とす必要がある。Core i7-12700Hは14コア20スレッドと高スペックだ。メモリ16GB、SSD 500GBと構成は平均的だ。本体重量は約2.60kgとかなり重い。バッテリー駆動時間は約3.6時間と短く、持ち運ぶことを前提としている方は注意しよう。

GALLERIA RL7C-R35H(ドスパラ)

GALLERIA XL7C-R36H価格:177,980円(税込)
液晶:16.0インチ WUXGA 165Hz
CPU:Core i7-12700H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
コスパ:6.9

公式サイト詳細

Core i7-12700H×RTX 3050 Mobile搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。15.6インチWUXGAディスプレイを搭載している。165Hz対応だが、グラフィックス性能を考えると60fpsを基準にするべきだろう。グラフィックスにはAmpere世代の50番台であるRTX 3050 Mobileを搭載している。CPUにはIntel第12世代のハイパフォーマンスモデルであるCore i7-12700Hを搭載している。グラフィックス性能に対してCPUの性能が高い。メモリ16GB、SSD 512GB Gen4 NVMeという構成だ。コスパ指標は6.9で平凡な数値となる。RTX 3050 Mobileの性能を考慮するとCore i7-12700Hだとややオーバースペックだ。

TUF Gaming A17 FA707RC(ASUS)

TUF Gaming A17 FA707RC価格:179,800円(税込)
液晶:17.3インチ 144Hz
CPU:Ryzen 7 6800H
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:調査中

公式サイト

17.3インチの大型モニターを搭載したゲーミングノートPCだ。広視野角液晶パネル採用でより快適にゲームプレイを楽しめる。CPUにはZen 3+のRyzen 7 6800Hを搭載している。8コア16スレッドとマルチスレッド性能が高くゲーミングノートに最適だ。メモリ16GB、SSD 512GBと構成は平均的だ。5本のヒートパイプと4つの通気孔にデュアルファン採用で高いレベルでの冷却が可能となる。本体重量約2.53kg、バッテリー駆動時間は約6.3時間だ。持ち運びがメインの方は注意が必要となる。さすがに2.5kgを超えると持ち運ぶのは億劫だろう。

ROG Flow Z13 GZ301ZC(ASUS)

ROG Flow Z13 GZ301ZC価格:269,800円(税込) 209,800円(税込)
液晶:13.4インチWUXGA 120Hz
CPU:Core i7-12700H
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 512GB NVMe
コスパ:調査中

公式サイト

RTX 3050 Mobile×Core i7-12700H搭載のゲーミングノートPCだ。13.4インチWUXGAモニター(1,920×1,200)を搭載している。対応リフレッシュレートは120Hzだ。タッチ対応でゲームプレイだけではなくウェブブラウジングやお仕事での使用にも適している。Core i7-12700Hは、14コア20スレッドと高スペックでゲームプレイだけではなくクリエイター作業にも最適だ。本体重量は約1.18kgで、キーボードが約340gとなる。バッテリー駆動時間は約7.3時間だ。Thermal Grizzly社製の液体金属グリスを採用していて熱対策もしっかりと行われている。別売りのROG XG Mobileを活用すれば最大RTX 3080 Laptop GPUを搭載できる。

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