画像引用元:https://www.elsa-jp.co.jp/ *イメージ
当記事では、NVIDIA RTX A2000 12GBの性能スペックレビュー&搭載BTOパソコンの紹介をしている。NVIDIA RTX A2000にはGPUメモリが12GBと6GBのモデルがある。12GB搭載モデルは後発でより高い性能を持つ。各BTOメーカーの動向を見る限りNVIDIA RTX A2000シリーズも6GB→12GBへと切り替えられている状況で、当サイトでも12GBモデルのレビューを行っていく。
なお、ワークステーションとしてのレビューではなくゲームプレイをメインにしたレビューなどでその点はご容赦いただきたい。プロフェッショナル向けグラフィックボードのゲーミング性能がどのぐらいか知りたい方をターゲットとしている。搭載BTOパソコンについては、「NVIDIA RTX A2000 12GB搭載おすすめBTOパソコン」で紹介している。
世代 | Ampere |
---|---|
プロセス | 8nm |
シェーダー数 | 3328 |
ベースクロック | 562 MHz |
ブーストクロック | 1200 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 12GB |
TDP | 70W |
MSRP | $449 |
国内価格 | 93,800円 *発売時点 |
発売日 | 2021/11/23 |
- (+)RTX 3050と同等のゲーム性能を持つ
- (+)本体が非常にコンパクト
- (+)省電力性に優れている
- (-)コストパフォーマンスは高くない
- (-)搭載BTOパソコンの価格も高め
- (-)レイトレーシング性能が低い
当ページの目次
NVIDIA RTX A2000 12GBの概要
総合性能
RTX 3060 Ti | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1070 | |
RTX A2000 12GB | |
RTX 3050 | |
RTX A2000 6GB | |
GTX 1660 Ti | |
GTX 1660 SUPER | |
GTX 1650 SUPER | |
GTX 1060 6GB | |
GTX 1060 3GB | |
GTX 1650 | |
RX 6400 | |
GTX 1050 Ti | |
GTX 1630 | |
GTX 1050 |
NVIDIA RTX A2000 12GBは、GeForce RTX 3050と同等のグラフィックス処理性能を持つグラフィックボードだ。つまり、GTX 1660 TiやGTX 1660 SUPERよりも性能が高いということになる。GPUメモリ6GBのモデルよりも1%-2%程度性能が高い。動画編集・ゲーム開発・WEBデザインの用途であればより有利に働くはずだ。
ゲーミング性能は現行のエントリークラスで、フルHD環境でのゲームプレイに対応できる。タイトルによっては設定を下げて対応する必要があるだろう。NVIDIA RTX A2000 12GBの価格を考えないのであれば十分ゲームプレイに通用すると考えてよさそうだ。プロフェッショナル向けグラフィックボードでもゲームができると考えてよい。
基本スペック
製品名 | RTX A2000 12GB | RTX 3050 | RTX A2000 |
---|---|---|---|
コードネーム | Ampere | Ampere | Ampere |
GPU | GA106 | GA106 | GA106 |
プロセス | 8 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 120億 | 120億 | 120億 |
ダイサイズ | 276 mm² | 276 mm² | 276 mm² |
SM数 | 26 | 20 | 26 |
シェーダー数 | 3328 | 2560 | 3328 |
RTコア | 26 | 20 | 26 |
Tensorコア | 104 | 80 | 104 |
ベースクロック | 562 MHz | 1552 MHz | 562 MHz |
ブーストクロック | 1200 MHz | 1777 MHz | 1200 MHz |
GPUメモリ | GDDR6 12GB | GDDR6 8GB | GDDR6 6GB |
メモリクロック | 12 Gbps | 14 Gbps | 12 Gbps |
メモリバス | 192 bit | 128 bit | 192 bit |
メモリバス帯域幅 | 288.0 GB/s | 224.0 GB/s | 288.0 GB/s |
バスインターフェイス | PCIe 4.0 x16 | PCIe 4.0 x8 | PCIe 4.0 x16 |
TDP | 70W | 130W | 70W |
補助電源 | 不要 | 1x 8-pin | 不要 |
MSRP | $449 | $249 | $449 |
国内価格 | 93,800円~ | 31,800円~ | 60,470円~ |
発売日 | 2021/11/23 | 2022/01/04 | 2021/08/10 |
RTX A2000 12GBは、GeForce RTX 3050と同じAmpere世代のグラフィックボードだ。GPUも同じGA106を採用している。プロセス・トランジスタ数・ダイサイズも共通だ。RTX A2000 12GBの方がSM数が30%多く26となる。シェーダー数は3328(26×128)だ。RTコアは26、Tensorコアは104とそれぞれRTX 3050よりも30%多い。ベースクロックはRTX 3050の方が270%高く、ブーストクロックもRTX 3050の方が48%高い。RTX 3050はシェーダー数が少なくてもクロック周波数が高くパフォーマンスを引き上げている。
GPUメモリは規格はGDDR6と共通で、容量はRTX A2000 12GBの方が50%多くなっている。メモリクロックはRTX 3050の方が17%速いが、メモリバスはRTX A2000の方が広く192 bitだ。メモリバス帯域幅はRTX A2000 12GBの方が28%広くなっている。バスインターフェイスについてはRTX A2000 12GBではPCIe 4.0 x16だ。TDPはRTX A2000 12GBの方が42%低く70Wだ。補助電源不要となっているのが強みだと言える。価格はRTX A2000の方が$200高い。国内の販売価格では3倍近くの差がある。RTX A2000 12GBはかなり高価なモデルだということがわかる。ややプレミアム価格が設定されている形だ。
参考までにRTX A2000のGPUメモリ6GBバージョンについても掲載している。実はGPUメモリ以外のスペックはすべて共通だ。MSRPも$449と変わらない。実売価格ではRTX A2000 6GBの方が33,000円ほど安く購入できる。クリエイター作業をメインに考えるならGPUメモリ容量は多い方がよく基本的には12GBモデルを選ぶとよいだろう。
NVIDIA RTX A2000 12GBの最新評価【2024年】
NVIDIA RTX A2000 12GBのゲーム性能スコアは14,816とそこまで高くない。Ampere世代のGeForce RTX 3050と同等だ。NVIDIA RTX A2000 12GBの相場は10万円前後、6GBモデルが5万円前後となる。GeForce RTX 3050 8GBが中古で2.5万円前後なのでおよそ4倍だ。GeForce RTX 3050 6GBモデルだと新品でも2.7万円となる。NVIDIA RTX A2000 12GBをゲーム目的で購入するのはナンセンスだ。3D CADや画像生成AIなどのクリエイティブ作業を行いたいユーザー向けだ。
NVIDIA RTX A2000 12GBの特徴&強み【2021年】
ゲーミング性能だけを考えるとかなり割高
製品 | 性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|
RTX 3060 | 20,322 | 44,800円 | 0.454 |
Radeon RX 6600 | 16,900 | 36,800円 | 0.459 |
RTX A2000 12GB | 14,816 | 93,800円 | 0.158 |
RTX 3050 | 14,734 | 34,980円 | 0.421 |
GTX 1660 Ti | 14,522 | 20,800円* | 0.695 |
GTX 1660 SUPER | 14,113 | 19,800円* | 0.712 |
GTX 1060 6GB | 12,009 | 15,800円* | 0.760 |
GTX 1650 | 9,506 | 21,500円 | 0.442 |
*中古価格
2023年2月時点での各グラフィックボードの販売価格をまとめている。RTX A2000 12GBの新品での販売価格は93,800円と同性能帯の中で見るとかなり高価だ。NVIDIA製グラフィックボードと比べて価格が高騰しているように思える。コスパ指標も0.158と最低クラスだ。他のモデルの1/3程度だ。
コスパを重視するならやはりRTX 3050がおすすめだ。中古でもよいなら近い性能を持つGTX 1660 Ti/GTX 1660 SUPERを選択する方が満足できるだろう。もっともゲームプレイをメインの目的としたグラフィックボードではないためこのコスパ指標がすべてではないことを付け加えておく。
レイトレーシング性能は低い
RTX 3060 | |
RTX 3050 | |
RTX A2000 12GB | |
RTX A2000 6GB | |
RTX 3060 RT | |
RX 6500 XT | |
RTX 3050 RT | |
RTX A2000 12GB RT | |
RTX A2000 6GB RT |
NVIDIA RTX A2000 12GBは、RTX 3050同様にレイトレーシング性能は高くない。Cyberpunk 2077でのフレームレートを見ると通常時と比べて50%弱まで落ち込んでしまう。おおよそRTX 3050と同水準だ。RTコア数を考えると仕方がないのかもしれない。このクラスのモデルでレイトレーシングを期待するのは酷だ。おまけ程度に考えておく必要があるだろう。NVIDIA RTX A2000 6GBよりもわずかながらフレームレートが高くなっている。
コンパクトかつ省電力で小型PCケースでも使用できる
NVIDIA RTX A2000 12GBの最大の魅力は、コンパクトかつ省電力性の高いモデルだということだろう。サイズは長さ169mm×幅68.9mmx高さ32.3mmとなる。参考までにGeForce RTX 3050のサイズが、長さ200mm×幅123mm×高さ38mmだ。長さと幅が一回り小さくスリムタワーケースや小型ケースにも搭載しやすい。
また、消費電力が70Wに抑えられているのもポイントだ。RTX 3050のTDPが130WでNVIDIA RTX A2000 12GBはそのおよそ53%程度ということになる。53%の消費電力で同等のゲーミング性能を発揮するのだから驚くしかない。発熱量も小さく電源容量もそれほど大容量でなくても問題ない。
NVIDIA RTX A2000 12GBのフレームレート一覧
Watch Dogs: Legion
RTX 3060 | |
RTX A2000 12GB | |
RTX A2000 6GB | |
RTX 3050 | |
GTX 1660 Ti | |
GTX 1060 6GB | |
RX 6500 XT |
Far Cry 6
RTX 3060 | |
RTX A2000 12GB | |
RTX A2000 6GB | |
RTX 3050 | |
GTX 1660 Ti | |
RX 6500 XT | |
GTX 1060 6GB |
Cyberpunk 2077
RTX 3060 | |
RTX 3050 | |
RTX A2000 12GB | |
RTX A2000 6GB | |
GTX 1660 Ti | |
RX 6500 XT | |
GTX 1060 6GB |
NVIDIA RTX A2000 12GB搭載おすすめBTOパソコン
raytrek LC-MA2 /12G(サードウェーブ)
CPU:Core i7-12700
GPU:NVIDIA RTX A2000 12GB
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe
HDD:非搭載
電源:500W 80PLUS BRONZE
サードウェーブのクリエイターモデルだ。ミニタワーケースを採用している。Core i7-12700×RTX A2000 12GB搭載のミドルクラスのモデルとなっている。Core i7-12700は、12コア20スレッドとマルチスレッド性能が高くクリエイター作業に適している。RTX A2000 12GBを搭載していることでゲームプレイにも対応できる。クリエイター作業なら動画編集・ゲーム開発・WEBデザイン・RAW現像と余裕を持って対応できる。メモリ16GB、SSD 500GBと構成は平均的だ。
DAIV Z7-A2(マウスコンピューター)
CPU:Core i7-12700
GPU:NVIDIA RTX A2000 12GB
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:512GB NVMe
HDD:2TB
電源:500W 80PLUS BRONZE
マウスコンピューターのクリエイターブランドからもNVIDIA RTX A2000 12GBを搭載したモデルがリリースされている。CPUにはIntel第12世代のハイクラスであるCore i7-12700を搭載している。NVIDIA RTX A2000との組み合わせでもバランスを取りやすい。キャッチコピー通り4K動画のレンダリングにも適している。メモリ32GB、SSD 512GB、HDD 2TBと構成も圧倒的だ。メモリ容量32GBというのは心強い。
SENSE-F069-LC129K-NLX(パソコン工房)
CPU:Core i9-12900K
GPU:NVIDIA RTX A2000 12GB
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:1TB NVMe
HDD:非搭載
電源:700W 80PLUS BRONZE
パソコン工房のミドルタワーケースモデルだ。CPUにはIntel第12世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kを搭載している。16コア24スレッドと高いスペックを持ち動画編集・3D CADなどの負荷の掛かる作業への適性が高い。メモリ32GB、SSD 1TB NVMeと構成もずば抜けている。電源ユニットは700W BRONZEを採用している。納期は最短2週間とやや長めになっているため余裕を持って購入しよう。
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