ドスパラが販売する「GALLERIA RA7C-R47T」のレビューを行った。Core i7-14700F×GeForce RTX 4070 Ti搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。新しくGALLERIAのラインナップに加わったCore i7搭載のGALLERIA R（A）シリーズの上位モデルとなる。構成はメモリ16GB・SSD 500GBで従来のガレリアXシリーズを踏襲している。Core i7とGeForce RTX 4070 Tiの組み合わせを考えると物足りない。10,000円の値上げは評価を落とすのに十分だ。GALLERIA RA7C-R47Tの購入を考えている方は比較対象モデルをチェックしておこう。
当ページの目次
GALLERIA RA7C-R47Tのスペック解説
| メーカー | ドスパラ |
|---|---|
| ブランド名 | GALLERIA |
| 製品名 | GALLERIA RA7C-R47T |
| 価格 | 284,980円 |
| CPU | Core i7-14700F（レビュー） |
| GPU | GeForce RTX 4070 Ti（レビュー） |
| メモリ | DDR4-3200 16GB |
| SSD | 500GB NVMe |
| 電源 | 750W 80PLUS GOLD |
| マザーボード | チップセットB760 |
| おすすめ度 | Bランク |
| 評価 | ・コスパ 6.9 —–内訳—– ・コスパ（CPU・GPUメイン） 5.3 ・構成 6.5 ・品質/サポート 9.0 |
各タイトルの対応表
| パルワールド | Apex Legends | FORTNITE |
|---|---|---|
 ・WQHD ・フルHD |  ・240fps ・144fps |  ・240fps ・144fps |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
GALLERIA RA7C-R47TはCore i7-14700FとRTX 4070 Tiを搭載したハイクラスのゲーミングPCだ。高いCPU性能とグラフィックボードの性能を有し、Apex Legendsは240fps張り付きが目指せる。フォートナイトは360Hz環境にも対応可能だ。話題のパルワールドも快適にプレイできる。最新のゲームへの対応力も抜群だ。WQHDや4Kといった高解像度で快適にプレイできる。
GALLERIA RA7C-R47Tの性能まとめ
パソコンはCPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。ゲームに対応できるパーツ採用しているのがゲーミングPCである。ここでは、ゲームに影響を与えるCPUとグラフィックボードについて細かく見ていく。スペックだけを見ても性能は理解しにくい。グラフと数値でそれぞれのパーツを見ることで、初心者の方にも直感的に理解しやすいと考えている。
Core i7-14700F（CPU）
GALLERIA RA7C-R47Tに搭載されているCPUは、Intel第14世代のCore i7-14700Fだ。高いゲーム性能を持ち従来モデルのフラグシップモデルであるCore i9-13900Kと同等となる。従来モデルであるCore i7-13700と比べても3%弱高い。競合モデルであるRyzenシリーズを圧倒している。同価格帯のRyzen 9 7900Xと比べて10%以上性能が高い。3D V-Cache搭載モデルには劣るもののマルチコア性能も含めてバランスがよい。
なお、末尾のFはCPU内蔵グラフィックス非搭載モデルであることを意味する。グラフィックボード搭載のゲーミングPCならそこまでデメリットはない。Core i7-14700Fはハイブリッドコアアーキテクチャ採用で20コア28スレッドとスペックが高い。マルチコア性能が高く動画・画像編集・動画のエンコードなどのクリエイター作業にも対応しやすい。用途を選ばないことから評価の高いCPUと言える。
GeForce RTX 4070 Ti（GPU）
当該モデルに採用されているグラフィックスは、Ada Lovelace世代のハイクラスのGeForce RTX 4070 Tiだ。ゲーミング性能が高く従来モデルのGeForce RTX 3070 Tiより28%程度高い。また、前世代のハイエンドクラスであるGeForce RTX 3090よりも1%程度性能が高いのは驚きだ。前世代最強のGeForce RTX 3090 Tiには及ばないながら、その差は2%程度に詰めている。ハイエンドクラスとして注目されたRadeon RX 6950 XTと比べても3%程度性能が高い。性能の伸びは凄まじいものがあり、レイトレーシングやDLSSといった機能も進化している。将来性も含めると、従来の比ではない。
GALLERIA RA7C-R47Tの特徴＆注意点
10,000円の値上げで評価ダウン
GALLERIA RA7C-R47Tは、10,000円の値上げが適用となり評価を落としている。比較的価格を抑えて登場して価格を最大の武器にしたモデルだった。ここからどこまで価格が下がっていくのか、真価を問われる形で期待していた。その反面、最近のドスパラは値下げ後に値上げを行う傾向にあるため、このまま順当に下がっていくか不安な部分があったのも事実でその不安が的中した形だ。
高価な部類のGeForce RTX 4070 Ti搭載モデルにとって、10,000円の値上げは微々たるものにも感じるかもしれない。しかし、元々の価格がそこまで安いわけではない。初動が悪くなくここから価格が下がっていけば優秀という程度だ。10,000円の値上げは評価を叩き落とすには十分なものだ。
このまま値上げが続くとは思えない。どこかのタイミングで279,980円か274,980円に戻ると見ている。価格が下がるのであれば、選択するのは下がったタイミングがよい。今はおすすめしにくい時期だ。GALLERIA製品は価格が揺れ動きやすいことから、値上げした直後に選択するのは避けたい。最近のGALLERIA製品は値上げ後に再度値上げを適用する傾向にある。
値下げ後でも値上げされやすい。GALLERIA RA7C-R47Tの場合は、274,980円が最安値だ。この価格を基準に選択するタイミングを図りたい。理想は274,980円以下だが、現実的には279,980円あたりだろうか。28万円台を切れば選んでも後悔しにくいはずだ。候補に入っているなら、すぐに選択するのではなく、しばらく様子を見たい。
価格は購入時だけの問題と割り切るにしても、お得とは言えないモデルをおすすめすることはできない。GeForce RTX 4070 Ti搭載モデルはあまり選択肢が広くないが、GALLERIA RA7C-R47Tよりも優れたモデルはある。比較の項目でも同じドスパラの競合製品をピックアップしている。Core i7とGeForce RTX 4070 Tiの組み合わせで探しているならチェックしてほしい。
構成に魅力を感じられないモデル
GALLERIA RA7C-R47Tの評価が上がらないのは構成の乏しさもある。構成が乏しくても価格が安ければ、価格が高くても構成が充実していれば評価は上がる。価格が高く構成が乏しければ評価は当然下がる。残念ながらGALLERIA RA7C-R47Tが当てはまるのは後者だ。GeForce RTX 4070 Ti搭載モデルは、高性能と言えるハイクラスだ。
ミドルクラスなどと比べれば優れた構成が求められる。最低限と言える構成には価格という武器があるものだ。GALLERIA RA7C-R47Tにはそういったものがなく、魅力的なモデルとは言えない。ハイクラスらしくないモデルと言うべきだろうか。GeForce RTX 4070 Tiの性能を引き出すためには、メモリ32GBくらいはほしい。多くのゲームに対応できる性能を持っていることからたくさんのゲームを保存することを前提にストレージも1TBはあるべきだろう。
必要な部分を削ってしまい、それに対して魅力がプラスされているわけではない。今のGALLERIA RA7C-R47Tは選ぶ価値があるか微妙なところだ。GALLERIA RA7Cシリーズは、構成を最低限に抑えている。ハイクラスくらいから、構成を充実させたGALLERIA XA7Cのような、構成を充実させたシリーズの方が魅力的だ。
GALLERIA RA7C-R47Tは中途半端な存在になりつつある。ここから大きな変化がない限りおすすめすることはない。ただ、過去にGeForce RTX 4070 Ti搭載モデルが大化けしたことはない。人気の価格帯から外れていることもあり、セール・キャンペーンの対象になりにくい。はっきり言ってしまえば、別のモデルを選んだ方が賢明だ。
競合モデルとの比較
| ブランド | GALLERIA | GALLERIA |
|---|---|---|
| イメージ |  | |
| 製品名 | GALLERIA RA7C-R47T | GALLERIA XA7C-R47T |
| ケース | ミドル | ミドル |
| 価格 | 284,980円 | 294,980円 |
| 送料 | 3,300円 | 3,300円 |
| CPU | Core i7-14700F | Core i7-14700F |
| GPU | RTX 4070 Ti | RTX 4070 Ti |
| メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 32GB |
| SSD | NVMe 500GB | NVMe 1TB |
| 電源 | 750W GOLD | 750W GOLD |
| マザボ | B760 | B760 |
| 納期 | 最短翌営業日 | 最短翌営業日 |
| 保証 | 1年間 （最長5年間） | 1年間 （最長5年間） |
| 電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
| レビュー | 当ページ | レビュー |
GeForce RTX 4070 Tiの性能を引き出す意味でも、GALLERIA XA7C-R47Tの方がおすすめだ。コストパフォーマンスの評価でも、性能や扱いやすさでもリードしている。ゲーミングPC全体でも上位の性能では、価格よりも構成が重視される傾向にある。性能を活かせる構成をもつGALLERIA XA7C-R47TがGeForce RTX 4070 Ti搭載モデルではおすすめしやすい。
パソコンケースレビュー
正面
新しいケースはユーザー目線に立ったモデルだ。GALLERIAのロゴが真ん中に位置している。吸気口が正面下部から両サイドに変わり排熱効率が大幅にアップしている。グラフィックボードなどのパーツの高性能化による発熱量をカバーするのに十分だ。
I/Oパネル
I/Oパネルは本体の上部に斜めに配置されている。USB端子も豊富で利便性が高い。ゲーミングヘッドセットを使う際にもコードが曲がらず使い勝手がよい。天板にものを置くことも可能だ。
右側面
本体右側はシンプルだ。前面のメッシュ部分には青色のシートが内部に貼り付けられている。
左側面
本体サイドには吸気口が見える。また、クリアガラスパネルを採用していてゲーミングPCらしさが演出されている。高級感のあるデザインは評価も高い。
下側
本体下側にもファンが見える。メッシュパネルはワンタッチで取り外すことができてメンテナンス性に優れている。
背面
背面は参考として見て欲しい。搭載するグラフィックボードによって変わる可能性がある。
管理人による総評（GALLERIA RA7C-R47T）
GALLERIA RA7C-R47Tは、Core i7-14700F×GeForce RTX 4070 Ti搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。ゲーミング性能が高く240Hz、4Kなどの負荷の高い環境に対応できる性能が特徴だ。前世代の中でもトップクラスの性能を持つGeForce RTX 3090を超える性能は、最新のゲームであっても、理想的な環境を構築できるはずだ。メモリ16GB・SSD 500GBと構成面はこの性能帯としては物足りなさがある。価格も中途半端でおすすめできるモデルではない。今は同じドスパラの上位モデルを検討するべきだ。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 284,980円（税込） | Core i7-14700F | RTX4070Ti |
| メモリ | SSD | HDD |
| DDR4 16GB | 500GB | 非搭載 |
GALLERIA XA7C-R47Tをメモリ32G、SSD1TBにカスタムして購入を検討しているのですが、この場合、GALLERIA RA7C-R47Tと比べて劣っている点はあるのでしょうか。
5万円もの差が出る理由が分からなかったため、ご教示いただけますと幸いです。
コメントありがとうございます。
下記ご回答申し上げます。
◯該当モデルについて
現在GALLERIA XA7C-R47T（319,980円）はメモリ32GB、SSD 1TBに変更されています。
一方で、GALLERIA RA7C-R47Tはメモリ16GB、SSD 500GBです。
GALLERIA RA7C-R47Tのメモリ16GBを32GBへ変更するのに12,100円、SSD 1TBへの変更は5,000円です。
カスタマイズ費用が合計17,100円で、GALLERIA RA7C-R47Tの価格が245,800円ですので、計262,900円となります。
対して、GALLERIA XA7C-R47Tは319,980円なので、価格差は57,080円です。
◯両モデルの違い
両製品にどのような差異はあるのか、この価格差の理由はなにかについてお答えします。
まず、GALLERIA XA7C-R47TとGALLERIA RA7C-R47Tに、メモリとストレージ容量以外の構成差はありません。
GALLERIA XA7C-R47TはMinecraftのライセンス（3,960円相当）とXbox Game Pass Ultimate 1ヶ月分（約1,210円相当）が同梱されています。
GALLERIA XA7C-R47Tの方が5,170円分の同梱品が付属していることになります。
ケースに関して、GALLERIA RA7C-R47Tに採用されているモデルは「Ver.2」と表記されています。
これが何を意味しているのか明記されていません。
当サイトでもケースの違いを把握できておりません。
価格の安い方がVer.2なので、特に意味はないようにも感じます。
主な違いはこれだけです。
◯価格差がある理由
では、何故これほどの価格差があるのか。
それは、現在のGALLERIA Xシリーズがイレギュラーな存在だからだと考えています。
従来のGALLERIA Xシリーズは、メモリ16GB、SSD 1TBを搭載していました。
これはドスパラがGALLERIAのSSD容量を1TBに統一すると宣言した時からの構成です。
しばらくしてからSSD 500GB搭載モデルを新たに登場させたように、SSD 1TBに統一することはあまり受け入れられなかったのかもしれません。
500GB搭載モデルがランキング1位になり、よい反響を受けていたことで急遽500GB搭載モデルを再販させています。
これまで、GALLERIA RシリーズはミドルクラスのRyzen 5やCore i5搭載のみでしたが、新たにCore i7搭載のミドルタワーモデルを展開しています。
GALLERIA RA7C-R47Tをはじめ、一新されたGALLERIA R（A）シリーズは、従来のGALLERIA Xシリーズの正当な後継機と考えています。
構成は削られていますが、その分価格が安く選びやすいシリーズです。
一方で、新しく登場したGALLERIA XシリーズはGALLERIA Rシリーズとの差別化を図り、構成を充実させたモデルになっています。
つまり、新製品は現行のGALLERIA Xシリーズということになります。
従来の仕様を引き継いだGALLERIA Rシリーズは価格も引き継いでいます。
GALLERIA Xシリーズは全く新しいモデルとして登場しています。
価格設定について、現時点で納得できるものではありません。
上位モデルのGALLERIA Zシリーズの方がお得とさえ言える状態です。
ドスパラは反響に合わせて、力を入れるモデルとそうでないモデルを見極めているように思います。
GALLERIA RシリーズとGALLERIA Zシリーズの中間に落ち着いていくことになるでしょう。
もしかすると、年末に合わせて大幅な値引きを演出する予定なのかもしれません。
5万円もの差が出る理由は、GALLERIA Xシリーズが最新モデルとして登場したことで、価格が割高に設定されているからです。
GALLERIA Rシリーズの価格の安さと、GALLERIA Xシリーズの価格の高さにより生み出された価格差です。
ただ、このままいくとGALLERIA Xシリーズは消滅してしまうかもしれません。
GALLERIA Rシリーズをカスタマイズした方が安い状態を維持すれば、GALLERIA Xシリーズを選択するメリットはありません。
GALLERIA RシリーズとGALLERIA Xシリーズの価格差を15,000円以内にするくらいしか方法はないように思います。
そうなれば、GALLERIA Rシリーズのカスタマイズに魅力がなくなります。
GALLERIA Rシリーズを残してGALLERIA Xシリーズを消してもデメリットではありません。
今ひとつ動向が掴みにくいシリーズなので、GALLERIA Rシリーズの引き立て役くらいに見ておく方がいいかもしれません。
両シリーズにメモリとSSD以外の違いが出るまでは、GALLERIAXシリーズは無視してもいいと思います。
以上。
参考になりましたら幸いです。