Magnate MV-Titop


BTOメーカー大手のサードウェーブ(ドスパラ)が販売する「Magnate MV-Ti」のレビューをまとめた。Core i5-13400F×RTX 4060 Ti搭載のビジネスモデルだ。Magnateシリーズにおける最上位モデルとなっている。ゲーミングブランドのGALLERIAと比べるとケースの見た目は落ちるが、チップセットやストレージを抑えて価格を下げている。元々は低価格帯では高いコストパフォーマンスを誇り圧倒的な存在感を示していた。ところが競合他社がゲーミングブランドでコストパフォーマンスを重視したモデルを市場に投入したことで風向きが変わった。Magnateブランドは思いきった変化がない限り勝ち目はなさそうだ。

Magnate MV-Tiのスペック解説

Magnate XJ

メーカーサードウェーブ(ドスパラ)
ブランド名Magnate
製品名Magnate MV-Ti
価格158,980円(税込)
CPUCore i5-13400F
グラボGeForce RTX 4060 Ti
メモリDDR4-3200 16GB
SSDNVMe 500GB
HDD非搭載
電源550W BRONZE
マザーボードチップセットH610
おすすめ度Aランク
評価・コスパ
6.9

—–内訳—–
・コスパ(CPU・GPUメイン)
6.1

・構成
5.5

・品質/サポート
9.0

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各タイトルの対応表

FF15Apex LegendsFORTNITE
ff15
・4K


・WQHD
Apex-Legends
・240fps


・144pfs
fortnite
・240fps


・144fps

★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。

Magnate MV-TiはCore i5-13400FとRTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのモデルだ。どんなゲームも快適にプレイできるRTX 4060 Tiは、144Hzや240Hz環境にも対応できる。ただし、最高設定での安定は難しいゲームもあるので調整は必須だ。Apex Legendsは200fpsあたりから伸びが悪くなるので、240fps張り付きは少し厳しい。WQHDや4Kにも設定次第で対応できるので、本格的なゲームプレイを想定するなら目指したい性能だ。

Magnate MTの性能まとめ

PC初心者の方がスペックを見てもなかなか性能面をイメージすることができないかもしれない。ここでは具体的に当該ゲーミングPCに搭載されているパーツについて解説していく。

Core i5-13400F(CPU)

Core i7-13700K38,343
Ryzen 9 7900X37,541
Core i9-12900K34,518
Core i5-13600K30,159
Core i7-12700K30,046
Core i7-1270028,961
Ryzen 7 7700X27,183
Core i5-1350027,009
Core i5-12600K25,507
Core i5-1340025,345
Ryzen 5 7600X24,962
Ryzen 7 5800X24,001
Core i7-11700K23,705
Core i5-1240020,146
Core i7-1170020,009
Core i5-1140016,019

Magnate MV-TiではCPUにIntel第13世代のCore i5-13400Fを搭載している。10コア16スレッドと従来モデルのCore i5-12400よりも大幅にスペックが引き上げられている。Core i5-12400と比べて25%以上も処理性能が向上している。Core i5-12600Kに近い処理性能を持つ。競合モデルであるRyzen 5 7600Xを上回る性能を発揮する。

Eコアが追加されたことでマルチスレッド性能が高くなり、動画編集・動画エンコードなどの用途にも通用する。ゲーミングCPUとしての評価も高く多くの売れ筋モデルでこのCore i5-13400Fが選択されている。ゲーミング性能が飛躍的に向上しているわけではないが、RTX 3060 Tiとの組み合わせのバランスはベストマッチだ。

GeForce RTX 4060 Ti(GPU)

RTX 407034,914
RTX 3080 10GB34,282
RX 680030,479
RTX 3070 Ti29,957
RTX 307028,194
RTX 4060 Ti 16GB28,061
RTX 4060 Ti28,036
RTX 2080 Ti26,552
RX 6700 XT25,895
RTX 3060 Ti24,213
RTX 306020,322
RTX 2060 SUPER19,366
RTX 206017,012
GTX 1660 SUPER14,113

当該モデルではグラフィックスにAda Lovelace世代の60番台であるRTX 4060 Tiを搭載している。従来モデルのRTX 3060 Tiと比べて16%も処理性能が高く、RTX 3070に近い性能を持つ。フルHD環境で100fps以上を目指すこともできるし、タイトルによってはWQHD環境でのゲームプレイにも対応可能だ。競合モデルであるRX 6700 XTを超える性能を持つ。レイトレーシング性能ではRX 6700 XTを大きく上回る。将来性の高いグラフィックボードだと考えてよい。

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Magnate MV-Tiの特徴&強み

8,000円の値上げで評価大幅ダウン

Magnate MV-Tiは8,000円の値上げが適用となり、コストパフォーマンスの評価は大きく下がっている。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルのトップクラスだったが、一気に標準モデルに近付くことになった。Magnate MV-TiはゲーミングPCではなく、一般向けのモデルなので価格は安くて当たり前だ。ゲーミングブランドよりも価格を抑えることで特徴を引き出している。

構成面もコスト重視の選択がされている。158,980円でも十分抑えられているものの、GeForce RTX 4060 Ti搭載のゲーミングPCとの差がほとんどなくなった。一般向けビジネスモデルであるMagnate MV-Tiは、ゲーミングPCよりも安いことに魅力がある。同等の価格ならケースデザインや構成に優れるゲーミングPCに分がある。

最近のドスパラ製品は全体的に価格が上昇傾向にある。ドスパラ製品だけに限定すれば、Magnate MV-Tiもまだまだ有力な存在に思えるが、競合他社が低価格モデルのラインナップを拡充させていて厳しい立場に追いやられている。Core i5-13400FやRyzen 5 4500搭載モデルは、すでにドスパラ一強とは言えない。

むしろ、MagnateやLightningのような、ビジネスモデルでは対抗できなくなってきている。ただでさえ厳しい状況で値上げされると、もはや勝負にならないくらいだ。価格が強みのモデルが価格で負けると何も残らない。価格のために多くを犠牲にした結果、選択する価値のないモデルにまでなってしまう。

10,000円ほどの値引きがなければ、Magnate MV-Tiを選択するメリットはない。同等の性能を持つゲーミングPCは159,800円で展開されている。一般向けビジネスモデルのMagnate MV-Tiは、価格を安くしなければ生き残ることはできない。せめて、raytrekシリーズのように、お得さと個性を出すことができれば違っていただろう。

ゲーム性能はゲーミングPCと変わらない

一般向けモデルでも同じ構成ならゲーミングPCと比べて性能が劣ることはない。ショップによっては搭載されているグラフィックボードのメーカーや特徴が異なり、僅かな性能差を生み出すことはあるが気にするほどではない。RTX 4060 TiならRTX 4060 Tiとしての性能を発揮できる。一般向けモデルは価格を抑える代わりに、採用されるチップセットやケースが落ちる。それは価格が安くなるというメリットで相殺できる。

よほど高性能なモデルでもない限り、一般向けとゲーミングPCに大きな違いはないので安心してほしい。注意したいのは、中級者以上のゲーマーにはおすすめしにくいという点だ。これはチップセットがH610であることに起因している。チップセットが古いと、グラフィックボードの性能を最大限引き出すことができないこともある。体感できるほどの差として現れることはないが、少しでもよいものを取り入れようとこだわりの出てくる中級者以上には選ばれにくい。

一般向けモデルがゲーマーから敬遠されるのは、こういった構成の乏しさが影響を与えている。価格は購入時の問題でしかなく、構成は購入後から買い替えまで続く問題だ。また、一般向けモデルはビジネスモデルとしての側面もあり、ストレージが最小限であることがほとんどだ。Magnate MV-TiもSSD 500GBで、最近のパソコンとしては最低限の容量しかない。

こういった構成を削った上で成り立つ価格なので、予算に余裕があって選択するモデルとしては魅力半減だ。Magnate MV-Tiをおすすめできるのは、予算が15万円前後の方だ。ゲーミングPCではRTX 4060搭載モデルが多い。RTX 4060と同等の価格でRTX 4060 Ti搭載モデルが選択できる。これこそがMagnate MV-Tiの魅力だ。予算に余裕があって、あえてMagnate MV-Tiを選ぶのはメリット薄い。

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似ているモデルとの比較

ブランド名MagnateLEVELθ
イメージmagnatemhLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE
製品名Magnate MV-TiLEVEL-M17M-134F-SLX-WHITE
サイズミニミニ
価格158,980円159,800円
送料3,300円2,200円(会員無料)
CPUCore i5-13400FCore i5-13400F
GPURTX 4060 TiRTX 4060 Ti
メモリDDR4-3200 16GBDDR5-4800 16GB
SSD500GB NVMe500GB NVMe
電源650W BRONZE650W BRONZE
チップセットH610B760
公式公式公式
レビュー当ページレビュー
ここをチェック!!

比較対象はパソコン工房のLEVEL-M17M-134F-SLX-WHITEだ。価格差は820円でMagnate MV-Tiの方が安い。ただし、LEVEL-M17M-134F-SLX-WHITEは会員登録で送料が無料になるため実質価格はLEVEL-M17M-134F-SLX-WHITEの方が2,480円安い。構成を見てもメモリ規格及びマザーボードのチップセットで上回っている。

価格は安く、構成に優れる。さらにケースデザインも素晴らしい。Magnate MV-Tiを選択する理由が見つからない。この価格帯・性能帯ではLEVEL-M17M-134F-SLX-WHITEを強くおすすめしたい。LEVEL-M17M-134F-SLX-WHITEを避けるメリットはない。ゲーミングPCとしても非常に優秀だ。Magnate MV-Tiは大きく価格を下げなければ、もう候補にも入ってこないだろう。

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Magnate MV-Tiのパソコンケースレビュー

本体正面

Magnate MHsyoumen
Magnate MHではミニタワーケースを採用している。スイッチと比べてもそれほど大きくないことがわかる。

本体上部

Magnate MHjyoubu
本体上部はシンプルだ。メッシュ加工なども一切ない。

本体右側

Magnate MHright
本体右側もシンプルで特に何も記載することはない。

本体左側

Magnate MHleft
左側にはやや大きめの給気口がある。ファンの力を借りて多くの空気を取り入れられる。

本体背面

Magnate MHback
背面には電源ボタンや各種出力・入力端子が配置されている。電源部分にはメッシュ加工が施されていて熱を放出できる仕組みがある。

本体底面

Magnate MHsokomen
見えづらいが底面の前方部には吸気口が設けられている。

光学ドライブ

Magnate MHdrive
光学ドライブが標準搭載だ。写真はBlu-rayディスク対応となっているが、初期構成ではDVDスーパーマルチドライブが搭載されている。

I/Oパネル

Magnate MHiopanel
本体前面にI/Oパネルが配置されている。USB端子×2とヘッドフォン端子があり使い勝手は良好だ。

エアフロー

Magnate XH-airflow
ミニタワーモデルだ。ビジネス向けモデルということもあって落ち着いたデザインとなっている。一般的なエアフローでゲームプレイにも問題はない。もっとも性能的にも熱を持ちにくく対応しやすい。

管理人による総評(Magnate MV-Ti)

Magnate XJ

Magnate MV-Tiは、Core i5-13400F×RTX 4060 Ti搭載のミドルクラスのビジネスモデルだ。ビジネスモデルながらグラフィックスにGeForce RTX 4060 Tiを搭載していてゲームプレイにも対応できる高い性能を持っている。フルHD環境で高リフレッシュレートを目指せるポテンシャルがある。コストパフォーマンス的にはやや厳しい。8,000円の値上げが適用となったことと競合他社の新ブランドの登場で厳しい立場にある。今は比較対象モデルを確認しておくとよいだろう。

価格CPUグラボ
158,980円(税込)Core i5-13400FRTX4060Ti
メモリSSDHDD
DDR4 16GB500GB非搭載