マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR HD-A7A7X(7 9800X3D×RX 9070 XT)」についてのレビューをまとめた。廉価ブランドであるNEXTGEARシリーズの最高峰モデルとなる。実は、競合の廉価ブランドにはこの性能帯のラインナップはなく本機が随一だ。フルタワーケース自体も珍しい。グラフィックスのRadeon RX 9070 XTは、AMD Radeon RX 9000シリーズのフラグシップモデルで、ゲームによってはハイエンドクラスにも負けないパフォーマンスを発揮する。
構成面もハイエンドらしく不足はない。メモリDDR5-5200 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと平均以上だ。パーツ価格が高騰している中でこの構成は評価に値する。高い性能と充実した構成に加え、抑えられた価格も特徴だ。コストパフォーマンス指標は最高評価の10.0となる。使う人を選ばず、あらゆるゲームに対応できる完成されたゲーミングPCとして注目したい。
- 短所
-
- CPUのマルチコア性能はそこまで高いわけではない
- 20営業日出荷と納期が長い
- こんな方におすすめ
-
- 新旧問わずゲーム全般を思う存分楽しみたい方
- ある程度のクリエイティブ作業も想定している方
- コストパフォーマンスを重視したい方
NEXTGEAR HD-A7A7X(7 9800X3D×RX 9070 XT)のスペック解説

| メーカー | マウスコンピューター |
|---|---|
| ブランド名 | NEXTGEAR |
| 製品名 | NEXTGEAR HD-A7A7X (7 9800X3D×RX 9070 XT) |
| 価格 | 369,800円(送料無料) |
| CPU | Ryzen 7 9800X3D(レビュー) |
| クーラー | 水冷(240mmラジエーター搭載) |
| CPUグリス | 標準グリス (カスタマイズ:ナノダイヤモンドグリス JP-DX1 +1,980円) |
| グラボ | Radeon RX 9070 XT(レビュー) |
| メモリ | DDR5-5200 32GB |
| SSD(M.2) | 1TB Gen4 NVMe (カスタマイズ:2TB NVMe SSD(M.2 PCIe Gen4 x4 接続)+34,100円 |
| SSD | 非搭載 (カスタマイズ:1TB NVMe SSD ( M.2 PCIe Gen4 x4 接続 )+27,500円 |
| 電源 | 850W 80PLUS GOLD |
| マザボ | チップセットB850 |
| おすすめ度 | Sランク |
| 評価 | ・コスパ 10.0 ・ショップ評価 9.7 |
CPUクーラーは水冷式、メモリはDDR5-5200 32GB、SSDは1TB Gen4 NVMeと充実した構成を持つ。それでいて価格が抑えられている至高の一台だ。カスタマイズについては考えなくてもいいが、候補を挙げるとすればCPUグリスとSSDだろうか。CPUグリスはCPUの冷却性能を高める効果がある。Ryzen 7 9800X3Dは極端に発熱量が多いモデルというわけではないが、一定の恩恵はあるはずだ。
SSDについては昨今のパーツ価格高騰の影響もありカスタマイズ費用が高額化している。メインストレージをカスタマイズするよりも、2ndストレージにSSD 1TBを追加する方が割安だ。それでも27,500円とかなり高いので、予算に余裕がある方向けで無理にカスタマイズをする必要はない。コスパ指標は10.0とマックスだ。カスタマイズをすると指標が悪化してしまうことは押さえておこう。
NEXTGEAR HD-A7A7X(7 9800X3D×RX 9070 XT)の特徴
NEXTGEARシリーズの最高峰モデル
NEXTGEAR HD-A7A7Xは、NEXTGEARブランドにおけるフラグシップモデルだ。CPUにはRyzen 7 9800X3Dを、GPUにはRadeon RX 9070 XTを搭載している。高コスパブランドでこの組み合わせを搭載したモデルは希少だ。プレミアムブランドと比べても引けを取らない高いパフォーマンスを期待できる。タイトル次第では4K環境や高リフレッシュレートでのゲームプレイにも対応可能だ。プレイできないゲームはないと考えて間違いない。AMDファンの方の理想を体現したようなモデルだ。GeForce RTX 5070搭載モデルに+10,000円はお得感がある。
| ブランド名 | NEXTGEAR | NEXTGEAR |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
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| 製品名 | NEXTGEAR HD-A7A7X (ホワイト) |
NEXTGEAR JG-A7A7X (ホワイト) |
| ケース | フルタワー (205×438×484.5mm) |
ミニタワー (220×405×390mm) |
| 価格 | 369,800円 | 349,800円 |
| 送料 | 無料 | 無料 |
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
AMD Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 水冷 (240mmラジエーター) |
水冷 (240mmラジエーター) |
| GPU | RX 9070 XT | RX 9070 XT |
| メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR5-5600 16GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 850W GOLD | 850W GOLD |
| マザボ | B850 | A620A |
| 公式 | 公式 | 公式 |
ミニタワーケースを採用したNEXTGEAR JG-A7A7Xと比較していく。価格差は20,000円でNEXTGEAR JG-A7A7Xの方が安く購入できるが、NEXTGEAR HD-A7A7Xは構成に優れコストパフォーマンス的にもおすすめだ。NEXTGEAR HD-A7A7Xではメモリが倍増の32GBになり、マザーボードのチップセットもB50と最新モデルが採用される。
NEXTGEAR JG-A7A7Xのメモリを32GBへカスタマイズするには47,300円だ。カスタマイズできないチップセットにも大きな差がある。A620AはA620の廉価グレードだ。B850はUSBのポート数や転送速度に優れる。サウンドのI/Oパネルも充実し、機能面で大きくリードする。マザーボードのカスタマイズはできず、この差は埋められない。メモリあるいはマザーボードのどちらかだけでも20,000円を優に超える価値がある。
同性能帯最高のコストパフォーマンスを誇る
| ブランド名 | NEXTGEAR | LEVEL∞ | GALLERIA |
|---|---|---|---|
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| 製品名 | NEXTGEAR HD-A7A7X | LEVEL-R7B6-LCR98D-TGX | GALLERIA XDR7A-97XT-GD Ryzen 7 9800X3D搭載 |
| ケース | フルタワー (205×438×484.5mm) |
ミドルタワー (220×493×465mm) |
ミドルタワー (220×488×498mm) |
| 価格 | 369,800円 | 469,800円 | 499,980円 |
| 送料 | 無料 | 2,200円 (会員無料) |
3,300円 |
| CPU | AMD Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
AMD Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
AMD Ryzen 7 9800X3D (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 水冷(240mm) | 水冷(240mm) | 水冷(240mm) |
| GPU | RX 9070 XT | RX 9070 XT | RX 9070 XT |
| メモリ | DDR5-5600 32GB | DDR5 32GB | DDR5-4800 32GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 850W GOLD | 850W GOLD | 1000W GOLD |
| マザボ | B850 | B650 | B850 |
| 保証(延長) | 3年間 (延長なし) |
1年間 (延長最大4年間) |
1年間 (延長最大5年間) |
| 納期 | 約20営業日 | 15営業日程度 (最大3週間程度) |
翌日出荷 |
| 公式 | 公式 | 公式 | 公式 |
競合モデルにも性能・構成のよく似たモデルが存在している。水冷クーラー、メモリ32GB、SSD 1TB、電源850W GOLD辺りはこの性能帯では標準的といえそうだ。マザーボードのチップセットは現行のB850となっている。廉価ブランドながら競合のプレミアムブランドと同等か少し劣るぐらいだが、価格は100,000円以上も安く購入できる。基本保証が3年間と長いのもポイントだ。
ただ、ひとつだけ注意点がある。NEXTGEAR HD-A7A7Xはフルタワーのカテゴリになっているが、ケースサイズはLEVEL∞やGALLERIAのケースと同等だ。つまり、サイズ的にはミドルタワー相当と考える。拡張性も一般的なミドルタワーと比べて低めだ。内部スペースが狭く、360mmラジエーター搭載CPUクーラーが物理的に装着できなくなっている。ここを受け入れらるのであれば問題はない。
現行最強のゲーム性能を持つRyzen 7 9800X3D搭載

NEXTGEAR HD-A7A7Xに搭載されているRyzen 7 9800X3Dは、2026年1月30日Ryzen 7 9850X3Dが登場するまでゲーム最強のCPUとして君臨していた。現在は2番手に甘んじているが、1位との差は2%程度しかなくほとんど同等といえる。Ryzen 7 9850X3D搭載モデルはまだまだ価格が高く、コストパフォーマンスではRyzen 7 9800X3Dが優秀だ。
競合のCore Ultra 9 285Kと比べると35%以上も処理性能が高くなっている。消費電力や発熱量の観点からも、ゲーマーの間ではRyzen 7 9800X3Dが今でも人気No.1のゲーム特化のCPUだと認識されているように感じる。ゲーム性能が高いCPUを搭載することで、グラフィックボードの性能を最大限引き出せる。組み合わせるCPUによっては、ワンランク上のグラフィックボードよりも高いフレームレートを叩き出すこともある。
ゲームの性能はグラフィックボードが重要だと考えてしまいがちだが、実際にはCPUの影響も大きく、ゲームに特化したRyzen 7 9800X3Dを使用すると、これまで見てきた世界が一変する可能性さえある。高性能なグラフィックボードとの組み合わせになるほどRyzen 7 9800X3Dは真価を発揮する。
マルチコア性能はゲーム性能ほど高くない

マルチコア性能についてはゲーム性能ほど突出しているわけではない点は理解しておく必要がある。Core Ultra 9 285Kよりも25%以上低く、Ryzen 9 9950X3Dよりも30%以上低い。もっとも、スコア自体は30,000を超えていて、一般的な動画編集やイラスト制作で性能不足に陥る可能性は低い。本格的なクリエイティブ用途をメインにしなければ、実用性も十分なCPUだ。
何より、マルチコア性能は標準よりも高い数値だ。苦手ではないが得意でもないだけだ。ゲームほど突き抜けていないからといって、困る場面はほとんどないだろう。目立った弱点のない中、強いて言えば弱点になるかもしれないのがマルチコア性能というぐらいだ。多くのゲーマーにとってはメリットが大き過ぎてデメリットに感じない部分だ。Ryzen 7 5700Xなど旧世代のモデルからの買い替えでも性能差を体感できる。
NEXTGEAR HD-A7A7X(7 9800X3D×RX 9070 XT)のベンチマーク測定
本機でのベンチマークを計測した。なお、Cinebench 2024とHandbrakeについては当サイトのベンチマーク検証機で実行している。できる限り他の環境と統一したかったからだ。
フォートナイト
フォートナイトは解像度ではなく、プリセット最高・中・低で計測している。プリセット低では397.4fpsとかなり高い。低設定ではGeForce RTX 5080搭載モデルを上回っているのは圧巻だ。注目したいのは中設定で310fpsを出せることだ。プリセットをそのままでプレイすることは少ないだろう。プリセットをベースにしつつ、影やテクスチャなどを視認性の良し悪しや好みで調整していく。プリセット低だけフレームレートが高くても、設定を変更する余裕がない。プリセット中で310fps出ていれば、かなり余裕がある。フォートナイトは240fpsの張り付きがひとつの目標となる。中設定で70fpsの余裕があれば、設定の調整をしても240fps以上で安定させられるため、フォートナイトに適した性能と言える。
モンスターハンターワイルズ
1年前に登場したモンスターハンターワイルズは、プリセットウルトラでフレーム生成を利用すればフルHDで226.5fpsとかなり高いフレームレートが出せる。モンスターハンターワイルズのプリセット「ウルトラ」は120fpsが最終目標になるゲーミングPCも多い。ダブルスコアに近い数値を叩き出せるNEXTGEAR HD-A7A7Xの性能は目を見張るものがある。
WQHDで193.6fps、4Kでも137.8fpsと十分過ぎるフレームレートだ。モンスターハンターワイルズも環境を気にせず快適にプレイできる。また、VRAM 16GB搭載であるため、画質を大幅に向上させるDLC「高解像度テクスチャパック」も適用可能だ。モンハンワイルズを遊び尽くせる性能を有している。
Cyberpunk 2077
設定ウルトラでのフレームレートを計測した。フルHDで182.64fps、WQHDで123.86fps、4Kで59.10fpsを実現している。NVIDIA GeForce RTX 50シリーズと比べるとややフレームレートは低くなってしまう。これは相性の問題だろう。
Cyberpunk 2077 レイトレ+フレーム生成
Cyberpunk 2077はレイトレーシングとフレーム生成を活用すればフルHDで297.6fpsが出せる。グラフィックと雰囲気のよいゲームなので、4K解像度でプレイする方も多いだろう。4Kでも120.5fpsとかなり高い数値で安定している。サイバーパンク2077は環境を選ばず快適にプレイできる。登場時は負荷の高さから快適にプレイするのが困難だったゲームも、余裕を持って対応できる。
FF14
2010年に登場し、すでに16年目に突入したFF14は意外と負荷が高い。古いタイトルでも大型アップデートで要求スペックが底上げされていくからだ。負荷が上がっているFF14でもフルHDで243.6fpsも出せている。注目はWQHDの170.4fpsだ。FF14は横長の解像度に設定すると、視野も横に広がる。そのため、UWFHD(ウルトラワイドフルHD。2560×1080)がFF14では人気であり、有利な解像度である。UWFHDは横幅がWQHD、縦幅がフルHDと同じだ。つまり負荷はWQHDよりも少し軽くなる。WQHDで170.4fpsを出せているなら、UWFHDでも近い数値で安定させられることになる。4Kでも83.1と十分な数値なので、UWFHDのひとつ上のUWQHD(3440×1440)でも安定させられそうだ。
Cinebench 2024
Cinebench 2024でCPUのパフォーマンスを計測した。Ryzen 7 9800X3Dのマルチコアスコアは1,321ptで、シングルコアスコアは129ptだ。従来モデルのRyzen 7 7800X3Dよりもマルチコアが25%高く、シングルコアも17%高くなっている。第2世代の3D V-Cache搭載モデルになり、これまでの弱点だったクロック周波数の低さを、3D V-Cacheの配置を裏側に設けることで克服した。結果的に25%もマルチコアが引き上げられている。それでも競合のCore Ultra 7 265Kと比べるとマルチコアが33%程度低くなっている。物理コアの差が出ている形だ。
Handbrake
動画のエンコードにかかる時間を計測した。H.264で2分46秒、H.265で6分1秒となる。Ryzen 7 7800X3Dと比べるとH.264で50秒速く、H.265でも2分4秒速くなっている。3D V-Cacheの配置変更の効果が出ている。やはり競合のCore Ultra 7 265Kとの性能差は大きいが及第点といえそうだ。ある程度のクリエイティブ作業にも対応できる。
NEXTGEARのフルタワーケースレビュー
マウスコンピューターのNEXTGEARブランドにフルタワーケースが登場した。NEXTGEARのミニタワーとG TUNEのフルタワーを合わせたようなデザインと機能は、廉価ブランドの枠に収まらない優秀なケースに仕上がっている。なお、マウスコンピューターではフルタワーというカテゴリだが、サイズ感はミドルタワーであることは押さえておいてほしい。ミニタワーをそのまま大きくしたフルタワーケースは、内部スペースに余裕がある。強いこだわりも容易に反映できるケースである。
正面

正面はメッシュを採用し、中央にはNEXTGEARを意味する「NG」のロゴがデザインされている。下部にはNEXTGEARの文字が刻印され、ミニタワーのケースデザインをそのまま大きくしたような形だ。フロントマスクのデザインは立体的になり、ワンポイントカラーの赤色はフロント部分を一周するように施されるなど差別化されている。
フルタワーらしい特別感の演出だろうか。G TUNEシリーズと違い、採用されている材質はミニタワーと同等のものだ。見た目に差別化を図っているが、ケースの材質は変わらない。やはり通常のゲーミングPCシリーズにあるミドルタワーのようなポジションのようだ。

電源を入れてLEDの発光を確認すると、フルタワーの方がミニタワーよりもくっきりとLEDファンが見える。派手さを求めるなら、ファンがケースに隠れないフルタワーの方がよさそうだ。こうして見るとミニタワーとフルタワーとでは、似た部分もあるが全くの別物であることがわかる。
フルタワーはそのサイズ感を活かしたデザインだ。むしろ、ミニタワーの方がフルタワーをベースにしているようにも見える。3連ファンが立体的なケースに溶け込み、デザイン性の高さを演出している。メッシュで隠れているように見えて、LEDファンの存在感をしっかり示す形状は素晴らしい。
左サイド

左サイドは大型のガラスサイドパネルを採用している。下部のボトムカバーにかかる位置にNEXTGEARの刻印がある。白いボトムカバーに映えるNEXTGEARはデザインを損なわず、シリーズの強い主張を感じる。文字を邪魔に感じる方もいるかもしれないが、文字がなければボトムカバーが悪目立ちしてしまう。NEXTGEARのフルタワーの左サイドパネルは、このNEXTGEARの文字によって完成されていると言っても過言ではない。

内部スペースに余裕があるため、LEDファンが干渉しないバランスのよい配置だ。フロント・トップ・からリアに流れるエアフローを遮るものがない。すっきりとした内部は、冷却性能を高める設計だ。高性能なグラフィックボードを搭載しても問題がない。デザイン性も然ることながら、実用性を高めているのがわかる。
グラフィックボードを支えるバーも白色で、内部の白色を邪魔しない。統一されたデザインにこだわりを感じる。ここまで統一されていると、パソコンの内部とは思えない感覚を覚える。どこか幻想的にさえ見えるのはLEDの色も白色だからだろうか。赤色や青色に変更すれば、また違った印象を受けるはずだ。LEDがただ派手さを演出するアイテムではなく、NEXTGEARのデザインの完成度を高める装飾になっているのもポイントだ。
右サイド

右サイドパネルはエアホールも何もないシンプルなカバーだ。ワンポイントカラーの赤色が上から下に徐々に太く設置されていることで、シンプルでありながらもデザイン性を向上させている。フロントとトップからリアに流れるエアフローの優秀さからか、フルタワーでありながらも右サイド部分には何も用意されていない。ケース内部のスペースを大きく取ると、右サイドパネルにはエアホールなどを採用しても機能しにくい。デザインやエアフローは内部で完結する設計のようだ。
天板

天板は大部分がエアホールとなっている。水冷式CPUクーラーのファンやケースファンのスペースだ。天板部分にはマグネット式の防塵フィルターが用意されており、埃の侵入も防ぎやすくなっている。メンテナンス性は従来と変わらず優秀だ。
天板I/Oパネル

天板のI/Oパネル(コンソールパネル)はミニタワーと位置が違うだけで同等の機能だ。USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)×1・ヘッドホン出力・ヘッドセット/4極(CTIA準拠)×1・USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)×2・LEDスイッチ・電源スイッチが搭載されている。LEDスイッチの左隣にあるランプは、LEDのスイッチがオンになっていると点灯する。基本的な機能がミニタワーと同じなのはフルタワーとしては少し物足りないのが正直な感想だ。
やはり機能から見ても、フルタワーというカテゴリながらミドルタワーという立ち位置が正しそうだ。もっとも、ミドルタワーとフルタワーを分ける明確な基準はない。フルタワーはミドルタワーより上位として扱うメーカーが多いため、そういった印象を持っているに過ぎない。
I/Oパネルがフロント部分に寄っているのはよい。ミニタワーを始め、多くのモデルが右側に縦に配置されている。縦の配置は設置場所次第で使いにくかったり、使えなかったりする。ケースをどこに置いてもアクセスしやすいのもよい。
背面

背面は一般的なゲーミングPCと同等だ。特別な機構などが用意されているわけではないオーソドックスタイプだ。白色ケースであっても、採用されているパーツは白色ではない。背面のI/Oパネル・グラフィックボード・電源が黒いのは少し残念だ。コンセプトモデルなら、白色パーツを採用して統一しているが、白色ケースというだけではこだわり抜くのは難しいようだ。
背面I/Oパネル

背面I/Oパネルはかなり充実している。搭載しているマザーボードはB850のもので、すべてが同一の構成を持っているわけではないので注意してほしい。
背面I/Oパネルには、USB 3.2 Gen 2 (10Gbps)×1・USB 3.2 Gen 2 (10Gbps)×3・USB 3.2 Gen 1 (5Gbps)×4・USB 2.0×2と、9つのUSBポートがある。これだけあればUSBが足りなくなることはないだろう。USB 2.0は速度が影響しないデバイスの接続に適している。USB 2.0の使い所があるので、無闇に接続しないようにしたい。
ネットワーク(LAN)は2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応(RJ-45)を採用し、サウンドはマイク入力×1・ラインイン×1・ラインアウト×1・リアスピーカー×1・センター・サブウーファー×1・SPDIF/オプティカル/角型×1という構成だ。サウンドはATX規格のマザーボードによくあるもので、必要十分な装備が整っている。
映像出力にHDMIとDisplayPortが1つずつある。映像は基本的にグラフィックボードからの出力となるので、マザーボードの出力を使用することはないだろう。
底面

底面は従来モデルやミニタワーとあまり変わらない。電源の下に吸気口があり、その部分にマグネット式の防塵フィルターが用意されている。高さもあるのでパソコンを傾けたり、逆さまにしたりしなくても防塵フィルターのメンテナンスが可能だ。
ワンポイントカラーの赤色部分は、どの面を見ても直角三角形になっている。ぐるりと一周しているだけではなく、どこを見ても単調なデザインにならないように設計されている。気付きにくい部分だが、素晴らしいデザインである。
内部

NEXTGEARのフルタワーは右サイドパネルを開くことでアクセスできる。ボトムカバー内部は電源と3.5インチベイがある。最近のゲーミングPCケースには珍しく、2.5インチベイが用意されていない。ただ、3.5インチベイに2.5インチストレージをインストールすることはできる。共通ベイとして考えておけばよさそうだ。
左サイドパネルからはすっきりして見えるが、裏側はケーブルが多く配置されていて印象が異なる。ミニタワーよりもサイズが大きいため、ケーブルを配置するスペースに余裕がある。そのせいか、意外とすっきりしているように見える。ほとんどの方はこの右サイドパネルを開く必要がないので、あまり気にしなくてもよい。
ストレージの増設を考えるにしても、M.2スロットが1つ空いている。2.5インチや3.5インチのストレージよりも先にM.2 SSDを検討したい。最近のストレージは大容量化が進んでいるので、M.2 SSDを追加すれば事足りるはずだ。
ケースまとめ
NEXTGEARのフルタワーは、リニューアルされたNEXTGEARのミニタワーケースと共通した部分が見られる。しかしながら、デザインや細部のこだわりはしっかりと差別化されている。とくにフロントのデザインはよく似ているようで全く異なる。LEDファンを鮮やかに見せる設計、ワンポイントカラーがどこから見ても直角三角形になるようなデザインはこだわりを感じる。
一方で、フルタワーと呼ぶには少し物足りない箇所もある。ケースの材質や天板のI/Oパネルがミニタワーと共通であるところだ。一般的にフルタワーはシリーズ最上位のモデルに採用されるケースだ。そういった意味ではNEXTGEARの最上位シリーズに採用されるケースはフルタワーである。総合的に判断すると一般的なミドルタワーになりそうだ。シンプルでありながらデザイン性の高いケースは評価したいが、フルタワーと呼ぶにはインパクトがない。
NEXTGEARのフルタワーの気になる点はそのくらいしかない優秀なケースだ。内部スペースに余裕があり、冷却性能も高い。次世代のハイエンドクラスのグラフィックボードを搭載しても問題ない。性能は世代に合わせて交換対応しても、ケース自体は長く使用できる。満足度と実用性の高いケースだ。
管理人による総評
(+)NEXTGEARブランドのフラグシップモデル
(+)同性能帯最高のコストパフォーマンスを持つ
(+)ゲーム最強のRyzen 7 9800X3Dを搭載
(+)カスタマイズ不要の完成された構成を持つ
(+)デザイン性・拡張性の高いフルタワーケース採用
(+)標準で3年間の保証
(-)CPUのマルチコア性能はそこそこにとどまる
(-)20営業日出荷と納期が長い
NEXTGEARシリーズ最高の性能を持つゲーミングPCだ。AMDのゲーム最強クラスのCPUと最高性能のグラフィックボードを組み合わせた性能は、すべてのゲームを快適にプレイできる。AMDファンの方にとっては理想のモデルと言える。圧倒的な性能とプレミアブランドに引けを取らない構成が特徴で、廉価ブランドらしく価格をしっかり抑えている。プレミアブランドのよい部分と廉価ブランドのよい部分を併せ持つ完成されたゲーミングPCだ。同性能帯のモデルに対抗できるモデルはない。目立った弱点はなく、強いて弱点を挙げるとするなら納期が少し長いことくらいだろう。誰にとっても満足のいくモデルである。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 369,800円 | 7 9800X3D | RX9070XT |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR5 32GB | 1TB | B850 |
テスト環境

| モデル | ベンチマーク検証機AMDソケットAM4 |
|---|---|
| CPU | Ryzen 7 9800X3D etc. |
| GPU | GeForce RTX 4090 etc. |
| メモリ | DDR5-5600 32GB |
| ストレージ | SSD 1TB Gen4 NVMe |
| マザーボード | ASUS ROG STRIX X670E-A GAMING WIFI |
| 電源 | 玄人志向 1200W PLATINUM KRPW-PA1200W/92+ |



























