マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR J6-A5G50GN-A」のレビューを行った。2023年10月24日に新しく登場したNEXTGEARブランド初のゲーミングノートPCだ。Ryzen 5 7535HS×RTX 4050 Mobile搭載のエントリークラスのモデルとなる。フルHD環境でのゲームプレイを考えているユーザーにおすすめだ。
ゲーミングノートPCでは異色のブルーグリーンを採用している。これはX上でのユーザーアンケートの結果実現したものだ。RTX 4050 Mobile搭載モデルで税込124,800円は最安値クラスと言える。どうしてこのような価格を実現できているのかを含めてじっくり検証していく。
NEXTGEARはマウスコンピューターのゲーミングブランドだ。既存のゲーミングブランド「G-Tune」とは違ってコストパフォーマンスを重視したモデルが揃っている。NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aも例外ではない。CPUにはRyzenシリーズを搭載しているのがポイントだ。マウスコンピューターは、標準で3年間の保証・24時間365日の電話サポートとサービスも充実している。初心者の方でも購入しやすいはずだ。
当ページの目次
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aのスペック
メーカー | マウスコンピューター |
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ゲーミングブランド | NEXTGEAR |
製品名 | NEXTGEAR J6-A5G50GN-A |
液晶サイズ | 16.0インチWUXGA 165Hz |
価格 | 124,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 7535HS |
グラボ | GeForce RTX 4050 Mobile |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
SSD | 256GB NVMe |
HDD | 非搭載 |
重さ | 約2.29kg |
バッテリー駆動時間 | 約8.0時間 |
評価 | ・コスパ 8.3 —–内訳—– ・コスパ(CPU・GPUメイン) 9.4 ・構成 5.5 ・品質/サポート 10.0 |
コスパは8.3と上々だ。CPUとGPUだけを見た場合は9.4と跳ね上がる。RTX 4050 Mobile搭載モデルとしては格安だ。Ryzen 5 7535HSを搭載したことで実現している。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 256GBと構成もかなり控え目で指標的には低い。最近はSSD容量500GBが一般的でSSD 256GB搭載のモデルはほとんどない。必要な方はカスタマイズで対応しよう。品質・サポートについては10.0という評価だ。マウスコンピューターは標準で3年保証・24時間365日の電話サポートと至れり尽くせりだ。さらに、送料も無料なので実質価格も安い。BTOメーカーでは当たり前の1年保証・送料有料の概念をぶち壊した。
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aのゲーミング性能
Ryzen 5 7535HS(CPU)
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aで採用されているCPUはZen 3+アーキテクチャ採用のRyzen 5 7535HSだ。スペックは従来モデルのRyzen 5 6600Hと同等でアーキテクチャ自体も同じでマイナーチェンジに留まる。クロック周波数が少し高くなっただけだ。末尾に「S」を冠していて省電力性に磨きが掛かっている。
性能的には1%未満の伸びとなる。Intel第12世代のCore i7-11800Hと同等のパフォーマンスだ。ゲームプレイにおいては必要十分と言える。上位モデルであるRyzen 7 7735HSとの性能差は12%とやや大きい。Ryzen 5 7535HSは価格を抑えたいユーザー向けでしっかりと差別化が図られている。CPU性能が高いわけではない点は理解しておこう。
GeForce RTX 4050 Mobile(GPU)
グラフィックスにはAda Lovelace世代のエントリークラスであるGeForce RTX 4050 Mobileを搭載している。50番台とは言ってもゲーミング性能は大きく向上していて、RTX 3050 Mobileと比べて55%も上回っている。RTX 3060 Mobileを上回る性能は圧巻だ。フルHD環境ならある程度余裕を持って対応できると考えてよい。設定を下げれば高リフレッシュレートを目指せる。Ryzen 5 7535HSと組み合わせならバランスも悪くない。価格を抑えるという50番台の強みを活かす意味でも価値がある。
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aの特徴&注意点
RTX 4050 Mobile搭載モデルの最安値クラスの一台
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aは、RTX 4050 Mobile搭載モデルの中でもっとも安価なゲーミングノートPCだ。各BTOメーカーのラインナップを見てもRTX 4050 Mobile搭載モデルで税込124,800円を下回ったモデルはない。相場的には15万円前後だ。セール・キャンペーンでも実現できないだろう。もちろん極端にマウスコンピューター側の利益を下げて価格を抑えているわけではない。CPUにコストパフォーマンスの高いRyzen 5 7535HSを搭載しているのがポイントだ。
旧世代のRyzen 5 6600H搭載モデルがそうだったようにRYzen 5シリーズを選択することで価格を抑えられる。Ryzen 5 7535HSは6コア12スレッドと昨今のCPU市場から見るとスペックは控え目と言える。性能的に旧世代のRyzen 5 6600Hからの伸びは小さい。省電力性が高くなったので進化しているのは事実だ。競合のCore i5シリーズと比べても性能は劣るが、その分価格が安く選びやすい。RTX 4050 Mobileとの組み合わせならデメリットはほとんどないと考えてよい。
構成面の弱さはカスタマイズでカバーできる
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aの弱点は構成面の弱さだ。特にストレージはSSD 256GBと最小限となる。平均ストレージ容量は500GBで上位モデルになると1TB搭載が当たり前となった今、256GBというのは少ないと言わざるを得ない。複数のゲームやゲーム動画を保存すればすぐにパンパンになってしまうだろう。クラウドストレージを活用すれば費用を抑えることができる。Steamを利用している方であれば必要なタイトルだけストレージに残しておくというのも一つの手だ。
性能面で重要なメモリについてはDDR5-4800 16GBが採用されていて平均的だ。Zen 3アーキテクチャ以降はDDR5メモリ対応でDDR4は非対応となっている。高コストなDDR5メモリでこの価格は評価できる。コストカットが見られるストレージはユーザーによっては無視できるだろう。必要に応じてカスタマイズを検討すればいい。元々の価格が抑えられているので、カスタマイズをしてもコストパフォーマンスは高いままだ。
競合モデルとの比較
ブランド | マウスコンピューター | ASUS |
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イメージ | ![]() | ![]() |
型番 | NEXTGEAR J6-A5G50GN-A | TUF Gaming F15 FX507ZC4 |
価格 | 124,800円 | 139,800円 |
送料 | 無料 | 770円 |
納期 | 最短3営業日 (有償オプションあり) | 3-7営業日 |
電話サポート | 24時間365日 | 9:00-19:00 |
保証(延長) | 3年間(5年間) | 1年間(3年間) |
液晶サイズ | 16.0インチ 165Hz | 15.6インチ 144Hz |
解像度 | WUXGA (1920×1200) | FHD (1920×1080) |
重量 | 約2.29kg | 約2.20kg |
バッテリー駆動時間 | 約8.0時間 | 約5.6時間 |
CPU | Ryzen 5 7535HS (8コア16スレッド) | Core i7-12700H (14コア20スレッド) |
GPU | RTX 4050 | RTX 3050 |
メモリ | DDR5-4800 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 256GB NVMe | 1TB NVMe |
HDD | 非搭載 | 非搭載 |
ACアダプター | 230W | 200W |
公式 | 公式 | 公式 |
競合モデルとして価格の近いASUS製「TUF Gaming F15 FX507ZC4」をピックアップしている。TUF Gaming F15 FX507ZC4はキャンペーン中なら20,000円OFFで購入可能だ。キャンペーン時でもNEXTGEAR J6-A5G50GN-Aの方が15,000円安い。送料の差を考慮すると実質15,770円の差がある。どちらも最短3営業日で出荷だ。マウスコンピューターでは翌営業日出荷サービスが用意されていて急ぎの方は選択するとよいだろう。+2,200円でスピード出荷が実現する。サポートについてもマウスコンピューターの方が優秀だ。NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aは基本保証が3年間と長いのも特徴となる。サポート面ではマウスコンピューターの圧勝だ。
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aでは16.0インチWUXGA(165Hz)ディスプレイが搭載されている。TUF Gaming F15 FX507ZC4は15.6インチFHD(144Hz)ディスプレイだ。本体重量は同じぐらいだ。より大きなモニターを搭載しているNEXTGEAR J6-A5G50GN-Aが優勢だ。バッテリー駆動時間もNEXTGEAR J6-A5G50GN-Aの方が43%長く約8.0時間だ。これはCPUの差が出ているのだろう。
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aで採用されているのは省電力モデルのRyzen 5 7535HSだ。6コア12スレッドとスペックは控え目だが省電力性が高くかつコストも安い。一方で、Core i7-12700Hは14コア20スレッドとスペックが高く消費電力は高めだ。Core i7-12700Hはゲームプレイだけではなくゲーム実況や動画編集などの作業にも対応できる。
グラフィックスはどちらも50番台のモデルを採用している。次世代のGeForce RTX 4050 Mobile搭載のNEXTGEAR J6-A5G50GN-Aが上だ。メモリ規格もより高クロックのDDR5-4800を搭載している。ストレージについてはTUF Gaming F15 FX507ZC4が圧勝だ。ACアダプターはNEXTGEAR J6-A5G50GN-Aの方が少し容量が多い。
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aのベンチマーク
Cinebench R23
Cinebench R23でもマルチコア性能及びシングルコア性能を見ていく。実はRyzen 5 7535HSのアーキテクチャ的はRyzen 5 6600Hと同じだ。性能差はそれほど大きくない。マルチコア性能は3%高く、シングルコア性能は5%高い程度に留まる。省電力性が高くなったのはプラスだ。競合のCore i5-12500Hと比べるとマルチコア性能は3%低く、シングルコア性能も23%低い。あくまでも旧世代のミドルクラス相当でCPU性能についてはそれほど過度な期待はしない方がよいだろう。
PCMARK10
PCMARK10のパフォーマンスをみていく。Essentialsはブラウジングやビデオ会議、Productivityはワードやスプレッドシート、Digital Content Creationは画像編集・動画編集・レンダリングだ。EssentialsではCore i7-13700Hを4%上回る。Productivityは6%低く、Digital Content Creationも19%低い。総合スコアでは7%低い結果となった。
Forza Horizon 5
Forza Horizon 5ではRTX 4050 Mobile(i7-13700H)とおおよそ同等のフレームレートが出ている。最高設定では5%程度上回っている。設定を調整すれば高リフレッシュレートでもある程度快適にゲームをプレイできる。
FF14
FF14ではi7-13700H搭載モデルと比べて大きく性能が劣る。平均fpsは20%低く、最小fpsも18%低い。もちろんゲームをプレイすること自体は問題ないが、CPU性能が低いことは理解しておく必要がある。その分価格が抑えられているので理解して購入すれば後悔はしないだろう。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077でもCPU性能の差が大きく出ていることがわかる。Core i7-13700H搭載モデルよりも30%前後もフレームレートが低い。Cyberpunk 2077のゲームをメインに考えているならCPUにも気を使うとよさそうだ。
フォートナイト
フォートナイトでもCore i7-13700H搭載モデルとの性能差は8%-12%とやや大きい。最高設定でのゲームプレイを考えているならCPU性能をワンランク上げるとよいだろう。
NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aの本体レビュー
梱包
NEXTGEARのロゴとブランド名そしてmouseのロゴが刻印されている。
ノートパソコン本体はカバーに入れられている。この本体の下にACアダプターが入った小さなダンボールがある。
正面
ブルーグリーンが印象的な本体となっている。本体重量は約2.29kgと16.0インチモデルとしては最軽量クラスだ。狭額縁デザインを採用していてモニターの視認性も高い。ゲームにも没頭できるだろう。
天板
天板にはNとGのロゴが刻印されている。ブルーグリーンにマジェンダカラーが映える。SNSでのアンケートの結果生まれたモデルということでユーザーが望む形となった。シンプル過ぎるデザインだと埋もれやすくカラーで差別化を図るのは有効だ。
キーボード
キーボードはテンキー付きだ。キー配列はデスクトップ向けモデルと同等で使い勝手がよい。
前面
前面には何もない。ゲーミングノートPCとしては薄いと言えそうだ。
背面
背面にはMini DisplayPort端子、USB 3.1 Type-C端子、HDMI端子、LAN端子、電源端子が配置されている。両側には通気口が設けられている。
左側面
左側面にはセキュリティスロット、通気口、USB 2.0 Type-A端子、マイク端子、ヘッドセット端子が配置されている。
右側面
右側面にはカードリーダー、USB 3.0 Type-A端子×2、通気口が配置されている。カードリーダー付きで実用性が高い。
本体裏側
本体裏側には二基のファンが見える。吸気を行う仕組みだ。
ACアダプター
ACアダプターはゲーミングノートPC付属のものとしては一般的だ。消費電力が高いこともあって、ビジネス向けモデルと比べるとやや大きい。
管理人による総評(NEXTGEAR J6-A5G50GN-A)

NEXTGEAR J6-A5G50GN-Aは、マウスコンピューターが展開するゲーミングブランド「NEXTGEAR」で初めてのゲーミングノートPCだ。コストパフォーマンスを重視するブランドとして誕生した。RTX 4050 Mobile搭載モデルで税込124,800円は素晴らしい。コンセプト通りのモデルに仕上がっている。CPUにはコスパの高いRyzen 5 7535HSを搭載することでこの低価格を実現している。Intel製CPUでは実現できない水準だ。
メモリDDR5-4800 16GB・SSD 256GB NVMeと構成は控え目だ。特にストレージ容量は平均以下だ。必要に応じてカスタマイズで追加するとよいだろう。カスタマイズをしてもコスパが高いモデルであることには変わりない。標準保証3年間+24時間365日の電話サポートは素晴らしい。マウスコンピューターならではの強みだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
124,800円(税込) | 5 7535HS | RTX4050 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR5 16GB | 256GB | 非搭載 |
*最新価格は公式サイトを参照