マウスコンピューターが販売する「NEXTGEAR JG-A5G60」の詳細レビューをまとめている。Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。長らく高コスパなGeForce RTX 4060搭載モデルとして人気があったが、円安の影響で値上げが適用となり評価を落とした。129,800円→149,800円→134,800円→129,800円と価格が上下しているが、直近の値下げで評価を上げている。
マウスコンピューターの製品は、3年保証や24時間365日の電話サポート付きで充実したサポートも魅力だ。初めてのゲーミングPCにも最適なモデルと言える。予算が合う方はチェックしておいて損はないはずだ。スターターセットやホワイトカラーモデルなど派生モデルも多く注目度が高い。1周年記念モデルについてもチェックしておくとよい。
当ページの目次
NEXTGEAR JG-A5G60(1周年記念モデル)販売中
- 価格:139,900円(税込)
- おすすめ度:Bランク
- コスパ:6.5
NEXTGEAR JG-A5G60に、NEXTGEAR1周年記念モデルが登場した。基本的な構成は変わらず、採用されているRGB対応ケースファンを搭載している。通常のNEXTGEAR JG-A5G60は単色仕様だが、1周年記念モデルは10パターンから選択できる。レインボーに発光させることも可能で、黒色のケースに映える色合いだ。
RGBファンケース自体は、通常のNEXTGEAR JG-A5G60でも選択可能だ。その場合、カスタマイズ費用に11,000円かかり145,800円になる。それを1周年記念モデルは5,900円安い139,900円で選択できるというものだ。お得と言えばお得だ。しかし、1周年記念と銘打ったモデルとしては、ややインパクトが薄いようにも感じる。
カスタマイズで白色ケースに変更するのも11,000円で、ホワイトカラーモデルは142,500円だ。そう考えると、ちょうど中間に位置するモデルになる。それでも、白色ほどのインパクトはなく、単に新カラーとして登場させるには注目されにくいため、あえて1周年のタイミングで展開を開始したのではないかと勘ぐってしまう。せめて通常モデルと同じ価格で展開されていれば、もう少し印象はよくなっていただろう。
通常のNEXTGEAR JG-A5G60と比べて、価格が5,100円高いことからコストパフォーマンスは下がる。はっきり言えば、ケースファンのカスタマイズに5,100円の価値を見出だせるかどうかで1周年記念モデルの評価は変わる。あまり重視しないとなれば、選択するメリットは皆無だ。それこそ、自分でRGB対応ファンに交換するなど、後からどうとでもなる部分だ。NEXTGEAR JG-A5G60の1周年記念モデルは、完全に好みである。その点に注意して選んでもらいたい。
NEXTGEAR JG-A5G60のスペック解説
メーカー | マウスコンピューター |
---|---|
ブランド名 | NEXTGEAR |
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G60 |
価格 | 134,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 4500(レビュー) |
グラボ | GeForce RTX 4060(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 1TB NVMe |
電源 | 750W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB550 |
おすすめ度 | Aランク |
評価 | ・コスパ(標準モデル) 7.9 ・コスパ(1周年記念モデル) 6.5 ・コスパ(スターターセット) 7.6 ・コスパ(ホワイトカラー) 6.6 ・コスパ(ホワイトカラー5点セット) 7.0 —–内訳—– ・ショップ評価 8.9 |
コストパフォーマンスの評価は7.9と高い数値を叩き出している。登場時の129,800円に戻ったことで評価を大幅に向上させた。ゲーミングPC全体が円安の影響を受けて値上げしている中での値下げは、価格を抑えたNEXTGEAR JG-A5G60のよさを引き出した。コストパフォーマンス良好でおすすめしやすい。
カスタマイズについて(おすすめ度)
- CPU △
- CPUグリス ×
- CPUファン –
- メモリ ×
- SSD –
- 電源 ×
NEXTGEAR JG-A5G60のカスタマイズは、それほど有用な箇所がない。強いて言えばCPUだ。7,700円で総合性能が上がるRyzen 5 5500は悪くない。ただ、ゲーム性能はあまり変わらないため、ゲーム以外の用途も想定している場合に限る。NEXTGEAR JG-A5G60の弱点を挙げるとするなら、CPU性能の低さである。そこをカバーできる変更は一考の価値がある。
CPUグリスは価格相応の恩恵しかない。たとえRyzen 5 5500に変更したとしても、選択するメリットはあまりない。お守り程度に考えて選択するくらいだろう。もう少し発熱量の大きいCPUであったなら、変更する価値はあったかもしれない。もっとも、それならCPUファンを変更した方がより効果的である。
メモリの変更はゲームではそこまで必要とされない。GeForce RTX 4060の性能では、32GBの容量が求められる環境に対応しきれないからだ。ゲーム以外でも、Ryzen 5 4500の性能では対応できない。必要になったら増設を検討した方がいい。メモリのカスタマイズは価格も高いことから、あまりおすすめできない。
SSDはカスタマイズが定期的に変更される印象だ。以前は変更できなかったが、現在は4TBの選択肢が用意されている。2TBでもあまりおすすめはしていない。それが4TBの選択肢しか用意されていなければ、とてもじゃないがおすすめはできない。なぜちょうどよいと思える容量を用意していないのか不思議でならない。
それならせめて2ndストレージの項目を用意してもらいたい。2TBは人によっては必要かもしれない。しかし、4TBは必要であってもカスタマイズでの変更はおすすめしない。外付けや増設で必要な容量を追加した方がいい。コストと恩恵が見合っていない。
電源は標準で750W 80PLUS BRONZEが採用されている。ミドルクラスのゲーミングPCとしては、大容量の電源である。750W 80PLUS BRONZEであれば、ハイクラスまでの性能に対応できる。価格という強みを活かす意味でも、電源も変更する必要はない。
NEXTGEAR JG-A5G60の派生モデルを紹介
NEXTGEAR JG-A5G60(スターター5点セット)
- 価格:169,900円(税込)
- おすすめ度:Aランク
- コスパ:7.6
NEXTGEAR JG-A5G60にはゲーミングモニターとゲーミングデバイスがセットになったモデルもある。通常モデルと異なるのはSSD容量が半減となっている点だ。価格差は40,000円でこれがデバイス一式の価格となる。セット内容はゲーミングモニター「iiyama G-MASTER GB2470HSU-B6(+26,950円)」・ゲーミングマウス「Logicool G304(+5,720円)」・ゲーミングキーボード「Logicool RGB Keyboard G213r(+7,920円)」・ゲーミングヘッドセット「Logicool G431 DTS 7.1 サラウンド ゲーミング ヘッドセット(+9,900円)」だ。
これらのカスタマイズを通常モデルのカスタマイズで追加すると+50,490円だ。10,490円安く購入できることになる。ただし、SSD容量が半減となっていて1TBへのカスタマイズに13,200円掛かるので、SSD容量が必要なら標準モデルでデバイスを追加する方がお得だ。元々は通常モデル+10,000円で購入できたがその時と比べると見劣りしてしまうセットだ。
セットモデルの値上げで、ベースモデルとの価格差が40,000円にまで広がってしまった状態では、複数不要なデバイスがあればメリットはなくなる。これらのことを考えれば、セットモデルは必ずしも優秀というわけではない。シンプルなはずのセットモデルは、いつの間にか複雑な関係になっていた。ゲーミングモニターを購入する予定があり、マウス・キーボード・ヘッドセットの中から2つ購入を検討しているならセットモデルはお得だ。
一方で、少しでも価格を抑えるために、性能と価格を両立したモニターを別途購入したり、こだわりのデバイスを選択したりするなら、セットモデルの価値は半減する。セットモデルに選択されているモニターは25,000円程度だが、より安価にモニターは購入できる。このセットモデルは、どれを選べばよいかわからない方に向けたものだ。その点だけは留意しておいてもらいたい。
NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラーモデル)
- 価格:142,500円(税込)
- おすすめ度:Bランク
- コスパ:6.3
通常のNEXTGEAR JG-A5G60の白色ケース採用モデルだ。価格は7,700円高くなることから、コストパフォーマンスの評価は下がる。ケースのカラーが変わるだけで7,700円高くなるのは微妙だ。いかに見た目を重視すると言っても、白色になるだけで価格帯が一つ上がるのは素直に喜べない。ゲーミングPCに見た目も重視する方に向けたモデルで、ケースカラーを気にしない方には一切おすすめできない。
最近のゲーミングPCは白色ケースを採用するものも珍しくなくなってきた。むしろ、黒いケースばかりで、白色ケースへの注目度は非常に高い。せめて価格が同じであれば、好みのカラーを選択できてよかった。パソコン工房のLEVELθシリーズは、同じ価格で黒と白のケースから選べる。フルカスタマイズのできるサイコムのゲーミングPCでも、少し高い程度で選択できる。
7,700円という大きな価格差はあまり納得できるものではない。せめて2,000円~3,000円程度なら、ポジティブに考えられたかもしれない。コストパフォーマンスの評価を下げてまで選択するものなのかは人を選ぶ。モニター含めたゲーミングデバイス5点がセットになったデバイスセットは159,800円だ。値下げ前はケースが白くなるだけで7,700円高くなり価格差がほとんどなかった。値下げで142,500円に下がり、価格差は17,300円と広がった。セットモデルとの差を広げ、選択するメリットも少しは出てきた。
NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラー5点セット)
- 価格:199,800円(税込)
- おすすめ度:Aランク
- コスパ:7.0
NEXTGEAR JG-A5G60のホワイトカラーでも、デバイスのセットモデルが展開されている。通常のスターター5点セットと比べて、価格は割高に設定されている印象を受ける。それもそのはず、スターターセットとセット内容が大きく異なるからだ。ホワイトカラーのケースに合わせて、セット内容のデバイスは全て白色をベースとなっている。
セット内容はゲーミングモニターのiiyama G-MASTER GB2470HSU-W6・ゲーミングマウスのLogicool G304rWH・ゲーミングキーボードのG913-TKL-TCWH・ゲーミングヘッドセットのLogicool G435WHの白色5点セットだ。ケースの色にもこだわる方なら、デバイスの色にもこだわりを持ってもおかしくない。白色で統一したい方におすすめのセットだ。
黒色のデバイスは多くあるが、白色のデバイスは少ない。そのため、どうしても選択肢が狭くなる。それが価格の高さに直結している。ゲーミングモニターのiiyama G-MASTER GB2470HSU-W6は、通常のカスタマイズでは選択できない限定のモニターだ。ゲーミングキーボードのG913-TKL-TCWHは、カスタマイズで追加すると31,900円もする高級モデルである。スターターセットに採用されているキーボードはLogicool G213rで価格は7,920円だ。
白色にこだわると、高価なモデルしか選択肢にない。スターターセットの169,900円に対して、白色5点セットは199,800円と30,000円ほど高い。割高に感じるかもしれないが、セット内容を見ると納得できるはずだ。特別なゲーミングPCを求めるストリーマーの方には魅力的に映るかもしれない。
ゲーミングPCの性能は年々高まり、多くの方にとってはオーバースペックとなりつつある。そのため、デザインやカラーにこだわったモデルが増えてきている。性能はミドルクラスあればいいが、見た目に統一感を持たせたいと考えるなら、NEXTGEAR JG-A5G60(ホワイトカラーモデル)は悪い選択肢ではないだろう。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
---|---|---|---|
・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz | ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
NEXTGEAR JG-A5G60はRyzen 5 4500とRTX 4060を搭載したミドルクラスのゲーミングPCだ。控えめな性能のCPUと、標準的な性能のグラフィックボードを搭載している。ゲーム性能よりもコストパフォーマンスを重視している。それだけに、ゲームへの対応力は高いわけではない。設定を標準より下げることも必要になるだろう。
国内人気の高いApex Legendsは、240fpsの張り付きは不可能に近い。設定を下げても240Hz環境に対応できるくらいで、200fps程度が限界だ。場面によっては240fpsに到達するかもしれないという程度だ。同じバトロワ系でも、負荷の軽いフォートナイトでも、DirectX 11環境で240fpsの到達を目指せるくらいだ。激しい視点移動のあるゲームでは、100fps~200fpsを目指すことになりそうだ。240Hz環境には対応できるが、240fps以上の安定はむずかしい。また、フォートナイトはアップデートで推奨環境が高まっている。これ以上要求されるスペックが高くなれば、200fpsの安定も厳しくなる可能性がある。
一時話題となったパルワールドは、60fpsでのゲームプレイが可能だ。高リフレッシュレートで安定させるには、全体的な性能が不足している。とくに、CPU性能が低いことはネックとなりそうだ。中終盤はCPU性能やメモリ容量的に厳しくなりそうだ。設定を下げて、60fpsでの安定を目指すくらいがいい。
今でも人気のMinecraftは快適にプレイできる。影Modを導入しても、設定を上げすぎなければ問題ない。影Modのように、グラフィック品質を向上させるようなModでなければ安定したゲームプレイができる。バニラ状態なら最高設定に近い環境に対応できる。余裕のある性能ではなくても、多くのゲームを無難にこなせるのがミドルクラスのゲーミングPCだ。
NEXTGEAR JG-A5G60の性能まとめ
ゲーミングPCは、CPUやグラフィックボードなどのパーツの集合体だ。ゲーミングPCの性能を決める重要な部分はCPUとグラフィックボードの性能だ。この2つのスペックをより詳しく見ていく。
ゲーミングPCの性能を知るためには、CPUとグラフィックボードの性能を理解する必要がある。数値やグラフで確認することで、パソコンに慣れていない方にとってもわかりやすいはずだ。
AMD Ryzen 5 4500(CPU)
Ryzen 7 7700 | |
Ryzen 5 7600X | |
Ryzen 5 7600 | |
Core i5-14400 | |
Ryzen 5 7500F | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5700X | |
Core i5-12400 | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 5600 | |
Core i3-14100 | |
Core i3-13100 | |
Core i3-12100 | |
Ryzen 7 3700X | |
Ryzen 5 5500 | |
Ryzen 5 3600 | |
Ryzen 5 4500 | |
Ryzen 5 3500 | |
Ryzen 3 4100 |
Ryzen 5 4500は、前世代のRyzen 5 3500と同じZen 2アーキテクチャを採用したCPUだ。コア数が6コア6スレッドから6コア12スレッドへと強化されている。従来モデルよりもゲームへの対応力は高くなった一方で、対抗のCore i5-13400とは30%以上の差がある。その分だけ価格は安くなっており、RTX 4060となら価格面で強みを引き出せる。ゲーム以外の用途でも高望みしなければ十分対応できる。処理性能よりも価格を重視したCPUだ。この特性を理解して選べば後悔することはないはずだ。
GeForce RTX 4060(GPU)
RTX 4070 | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 4060 Ti | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RX 7600 XT | |
RTX 4060 | |
RX 7600 | |
RX 6650 XT | |
RX 6600 XT | |
RTX 3060 | |
RTX 2060 SUPER | |
RTX 2060 | |
GTX 1660 SUPER |
GeForce RTX 4060は、2023年6月29日に発売された最新のグラフィックボードだ。RTX 30シリーズで最も選ばれたと言っても過言ではないRTX 3060の後継機だ。性能はRTX 3060とRTX 3060 Tiの中間程度で、従来よりもしっかりと性能を伸ばしている。RTX 3060と比べて20%ほど性能が高く、その数値以上にWQHD環境への対応力が向上している。
高解像度でのゲームがプレイしやすくなり、ミドルクラスの新たな可能性を感じさせている。その一方で、思ったよりも性能が伸びていないという見方もあり、いまひとつ評価は高くないように感じる。しかし、RTX 3050と同等の消費電力によりワットパフォーマンスに優れており、価格が下がれば一気に人気が爆発してもおかしくないグラフィックボードだ。
CPUとGPUのバランス
Ryzen 5 4500とGeForce RTX 4060のバランスはよい。バランスがよいというよりも、バランスが悪くないので消去法でよいという判断になっている形だ。どちらも性能の足を引っ張ることはなく、いかにCPU性能の低いRyzen 5 4500でもボトルネックにならない。もっとも、この性能帯の組み合わせなら、それほど気にすることはないだろう。CPU性能が低いので、CPU性能が求められる用途を想定しているなら注意したい。性能よりも価格を重視した組み合わせであるため、バランスよりもコストパフォーマンスに注視したい。
NEXTGEAR JG-A5G60の特徴
15,000円の値下げで評価を戻す
NEXTGEAR JG-A5G60は、5,000円の値下げが適用され評価を上げたゲーミングPCだ。少し前に20,000円値上げされ、評価を大きく落としていた。その後15,000円と今回の5,000円の値下げで元の価格に戻っている。ゲーミングPCの値上げが続く中でのこの価格設定は嬉しいポイントだ。円安の影響が徐々に落ち着いているか、世代交代の流れが来ているのかのどちらかだろう。
いずれにしてもユーザーにとってはメリットだ。ミドルクラスのゲーミングPCは、性能や構成よりも価格が重視されやすい。選びやすさこそがミドルクラスの華だ。その強みを活かしたモデルと言える。しかしながら、構成を重視している側面もあり価格だけで言えば最安値クラスではない。ストレージに1TB、電源は750W 80PLUS BRONZE搭載と同性能帯・価格帯のモデルよりも構成が充実している。
NEXTGEAR JG-A5G60の特徴は選びやすく扱いやすいところにある。値上げで片翼を失い、なかなかおすすめできずにいた。値下げで価格という強みも復活したことで、強力なモデルとして再度舞い戻った。競合製品に引けを取らない有力な選択肢だ。最安値でなくても、十分に渡り合えるモデルに生まれ変わったといえる。
今回の値引きは一時的である可能性もある。仮にそうであったとしても、はっきりとお得だとわかる変化はありがたい。キャンペーン・セールと称して値引き以外の特典を設けるものもある。明確な値引きは、誰から見てもよい変化だ。NEXTGEAR JG-A5G60にかかる期待は大きい。その一方で、こうした変化は販売終了の予兆ではないかとも考えてしまう。
過去にNEXTGEARシリーズは似たような値引きを行い、しばらくすると販売を終了してきた。Ryzen 5 4500搭載モデル自体すでに数世代前のモデルで古さは否めない。候補に入っているなら、なるべく早めに選択しておきたい。
扱いやすい構成は健在
NEXTGEAR JG-A5G60は値上げと値下げを繰り返し評価が不安定でも、性能や性能は変わらない。使用感に関しては価格が変化しても何の影響も受けない。ゲーミングPCの価格は購入時だけのもので、性能や構成は購入後も続く要素だ。購入してしまえば、誰にとっても扱いやすい。初めてのゲーミングPCにもおすすめしやすいバランスのモデルだ。
注目したいのはSSDの容量が1TBあることだ。低価格を実現しながら構成はしっかりしている。これがNEXTGEAR JG-A5G60にとっては特徴的だ。NEXTGEAR JG-A5G60のような最安値クラスをひた走るモデルは、構成が犠牲になりやすい。中でもSSD容量と電源容量は最低限に抑え、価格に反映するものがほとんどだ。低価格を実現しながら構成はしっかりしている。これがNEXTGEAR JG-A5G60の特徴といえる。
SSDの容量は、性能に関係なく必要となるものだ。どんな用途であっても、ストレージに保存することは必須だ。ゲーム・作業問わずに、ファイルを保存しなければならない。保存するファイルを都度削除していくことは難しい。必然的に長く使用すればストレージの空き容量を圧迫していくことになる。SSD容量が1TBと500GBでは、単純に2倍の差とはならない。
OSやシステムのような、パソコンを動作させるための容量はOSによっては50GB~100GBほど必要になる。仮に100GBとした場合、双方の空き容量は900GBと400GBになる。この時の空き容量の差は実に2.25倍だ。システムに限らず、自分にとって必須のアプリケーションやゲームを導入していけば、この差はさらに広がる。1TBの容量があれば長く使用しやすくなる。
電源に750W 80PLUS BRONZEを採用しているのは素晴らしい。電源は容量の大きさが安定動作につながる。最大500W程度だとしても、550Wと750Wでは負荷のかかり方が違う。500W使用した場面では、550Wなら90%以上の使用率だ。これが750Wなら67%程度である。負荷のかかり方からして、長く使えるのは容量の大きい電源だ。
Ryzen 5 4500とGeForce RTX 4060搭載で、750W 80PLUS BRONZEを標準搭載しているのはマウスコンピューターの製品だけだ。また、グラフィックボードなどのパーツ交換の際に、電源容量不足になりにくく交換の必要がない。電源容量の大きいNEXTGEAR JG-A5G60はパーツ交換も行いやすく、そういった点でも長く使用できる。
競合モデルとの比較
ブランド | NEXTGEAR | LEVELθ |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | NEXTGEAR JG-A5G60 | LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE2 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 129,800円 | 119,700円 |
送料 | 無料 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Ryzen 5 4500 | Ryzen 5 4500 |
GPU | RTX 4060 | RTX 4060 |
メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | NVMe 1TB | NVMe 500GB |
電源 | 750W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B550 | B550 |
納期 | 約11営業日 | 2-7日 |
基本保証 (延長保証) | 3年間 (-) | 1年間 (4年間) |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
電源はカスタマイズできないため、構成で圧倒することはむずかしい。NEXTGEAR JG-A5G60には基本保証3年という強みがある。3年保証に加入すると+11,969円でSSDのカスタマイズと合わせると139,669円だ。つまり、すべてを考慮すればNEXTGEAR JG-A5G60の方が9,869円安くなる。純粋に価格だけを見ればLEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE2が有利だが、SSD・電源などの構成や保証期間を考慮すればNEXTGEAR JG-A5G60に軍配が上がる。
パソコンケースレビュー
カスタマイズで赤色LEDケースファンを選択している。
梱包
非常にシンプルだ。説明書と電源ケーブルがついている。
かなりきれいに梱包されている。
正面
NEXTGEARを表したピンクのNGというデザインロゴが黒いケースに映える。2世代前のNEXTGEAR-Microを彷彿とさせる強力なフロントファンが、エアフローの強さを感じさせる。確認しづらいが、フロントファンは3連ファンとなっており、吸気性能は非常に高いことがわかる。右下には小さくNEXTGEARのロゴも見える。シンプルでありながら、ゲーミングPCとしての存在感のある重厚でスタイリッシュなデザインに仕上がっている。
ライトアップ
カスタマイズで変更可能な赤色LEDファンをライトアップ。カスタマイズなしはLEDファン非搭載なので注意。ゲーミングPCらしい派手なライトアップはガラスサイドパネル採用ケースには映える。従来のケースと異なり、サイドパネルを変更した上でLEDファンへ変更ではない。標準でガラスサイドパネル採用のケースである。単にLEDファンに変更するだけなので、コストも抑えられており、デザインを意識した選択がしやすくなっている。
I/Oパネル
I/Oパネルは最近のゲーミングPCに多い天板に搭載されている。USB 3.0が2つにイヤホン・マイクの入出力端子が1つのオーソドックスなものだ。一般的にUSBの接続端子が黒色はUSB 2.0を指すが、NEXTGEARのケースでは黒色でも3.0となっている。背面の黒色は2.0、青色は3.0となっているので少しややこしく感じる。天板部に黒色のUSB 3.0を採用したのはデザインを重視してのことだろう。
イヤホンマイクの入力端子にしても、I/Oパネルがケース全体の雰囲気を損なわない工夫だ。電源スイッチが黒く四角いタイプであることもケースデザインやカラーの基調に合わせたものだ。小さなところかもしれないが、こういった工夫がゲーミングPCのデザインと言える。
また、天板部には取り外し可能な防塵フィルターが装着されている。天板にも2基のファンがあり、吸気の強さを感じさせる。その分だけ埃の吸入も多くなるので、防塵フィルターの存在はありがたいものだ。パソコン内部に埃がたまりにくくなれば、それだけ長く使い続けることができる。本当によく考えられたケースであり、NEXTGEAR-Microの正当な後継機と言えそうだ。
右側
NEXTGEARのケースの右側はエアホールのないカバーのみとなっている。左側がガラスサイドパネルであることを考えると、空気の出入りは左右から行われない構造である。吸気が強いことで、空気が横に流れずに正しいエアフローを構築するような形だ。フロント3基、天板2基のファンのよさを損なわないカバーである。
右側内部
右側パネルの中は背面通しが可能なケーブルマネジメント機構となっている。ボトムカバーと合わせて、ケーブルを見せずにすっきりさせる形状となっている。また、2つの2.5インチシャドウベイも右側パネルの中にある。SATA SSDを搭載する際は、ここに固定することで表からはSATAケーブルのみ見える形になる。すっきりするだけでなく、接続しにくい電源ケーブルに近いことでセットアップが容易になる。
搭載されているファンが多いことで、少しケーブルがごちゃごちゃして見えるかもしれない。しかし、表からは見えないようにすっきりさせるというポイントはしっかり抑えられている。意外とこういった形状は管理がしやすく、ケーブルの破損も少ないので合理的なものだ。
左側内部
ガラスサイドパネルを外しての撮影だ。これだけすっきりしていると、ガラスサイドパネルを外さなくてもパソコン内部を確認できる。できるだけケーブルを見せないことで、各パーツの視認性が上がり、取り外しも非常に容易になる。3.5インチベイを採用しないことで、フロント部の余分なスペースを上手く利用できている。ファンを搭載し、3.5インチベイや2.5インチベイにエアフローを阻害されることがない。
ボトムカバーを採用しており、電源周辺のケーブルもうまく見えなくしている。また、デザインの重さを下部に集中させ、3.5インチベイや2.5インチベイを廃止したことで、上部まで広くすっきりして見える。スペースを広く確保しつつ、ボトムカバーで底上げをすることで、ケーブルに光が吸収されにくく、しっかりとLEDが反射しやすくなる。単にLEDファンを設定できるだけではない。LEDファンを搭載することを前提としているからこそできたケース内部だ。最近のデザイン偏重のケースにも負けないスタイリッシュな内部だ。水冷クーラーのラジエーターも設置できることから、実用性の高さもうかがい知れる。
背面
背面ははっきり言ってデザインを台無しにしやすい。ケース全体が黒なのに背面は銀色というのはよくある。ケースのしっかり合わせたカラーと形状をしており、評価を高めている。剛堅さを感じさせるフォルムに、使い勝手のよさを思わせる構造がある。
気になったのは背面ファンの取り付け位置だ。可変式の固定具があり、位置やサイズをあまり気にせず取り付けられそうだ。天板にファンを搭載しているケースにはよくあることだが、14cmファンなどの大きなタイプは干渉して取り付けられないことがある。それを考えてか、取り付け位置を上下に調整できるようになっている。これは天板のファンを交換することがあると恩恵を受けられる。大型、特殊なファンや機構を天板に取り付けると、設置できる背面ファンが限定されてしまいがちだ。それを防ぎ、幅を広げられている。デザインや機能を活かす機構が備わっているのは素晴らしい。
もう一つの注目点はPCIEカバーの留め具というのだろうか。スロットカバーを固定する箇所だ。内部にネジで固定するのではなく、外部の留め具に固定することで取り外しがしやすくなる。その留め具部分がしっかりケースと一体化しているのに驚く。実用的にもデザイン的にも軽視されやすい箇所を、しっかりとデザインの一部にしている。こほど完成度の高い背面は見たことがない。間違いなくNEXTGEARのケースは歴代のマウスコンピューター製品で最高峰の傑作である。
底
底面はマウスコンピューターの得意分野であると言える。おなじみのマグネット付きの防塵フィルターで、埃の吸引を抑えている。底面に関して少しても衝撃はあった。それは、底面の吸気箇所が完全に電源に集約されていることだ。G-Tuneのミニタワーは底面全体にエアホールがあり、全体を覆う防塵フィルターを採用していた。それをNEXTGEARでは実用性に完全に割り振っている。フロント3基、天板2基の吸気ファンは底面にも影響を与えていたのだ。
電源部分にのみ吸気口を用意しており、防塵フィルターもその部分だけにしている。これは完全に電源のためのスペースとして準備されている。電源の冷却と防塵のみを考えており、電源のパフォーマンスを安定させる構造だと言える。それはケース底面四隅の足を見てもわかる。一般的なパソコンやゲーミングPCはあまり高くないゴム足が採用されている。
そのため、底面はメンテナンスがしにくく、埃もたまりやすい環境になる。当然埃の吸入も多くなり、電源へのダメージは大きい。これだけの高さのあるNEXTGEARなら、電源は安定した吸気が可能となる。さらに、防塵フィルターの存在で電源へのダメージは軽微になるはずだ。ただ、防塵フィルターは定期的に水洗いして乾かすなどのメンテナンスが必要になる。
管理人による総評(NEXTGEAR JG-A5G60)
NEXTGEAR JG-A5G60は、Ryzen 5 4500×GeForce RTX 4060搭載のミドルクラスのゲーミングPCである。通常モデルについても値下げが適用となり評価を上げている。Ryzen 5 4500の性能はお世辞にも高いとは言えない。ゲーム以外の用途では快適性を得るのが難しいCPUである。それでも、GeForce RTX 4060に対して足を引っ張るほどではない。注意したいのはCPUの要求スペックの高いゲームだ。
最新のゲームは高性能なCPUが必要になることがある。GeForceRTX 4060の性能では高設定に対応できても、Ryzen 5 4500では標準設定以下にしなければならない。そんなこともあるので、あまり最新のゲームを得意としているわけではない。ゲームジャンルにもよるところなので、ゲームの設定を細かく調整して対応したい。派生モデルが多いのも特徴だ。ゲーミングPC一式が揃うスターターセット・ホワイトカラーモデルなどが用意されている。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
129,800円(税込) | 5 4500 | RTX4060 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 16GB | 1TB | 非搭載 |