HPが販売する「Victus by HP 15L Gaming Desktop TG02-2000jpシリーズスタンダードモデル(以下:Victus 15L(インテル)スタンダード)」のレビューを行った。税込99,800円と安価なゲーミングPCで注目度も高い。GeForce RTX 3050 6GB搭載モデルならそこまで珍しいわけではないが、CPUにCore i5-14400Fを搭載していてこの価格設定は異常だ。このモデルでしか実現できないだろう。ゲーム性能は標準的で妥協が必要な点は理解しておく必要がある。納期も1週間程度と比較的早くおすすめしやすい。最近はグラフィックボードの品薄が続き納期が長くショップによっては1ヵ月程度かかることもある。価格が安く納期も早い、いうことなしだろう。
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Victus 15L(インテル)スタンダードのスペック解説
メーカー | HP |
---|---|
ブランド名 | Victus 15L |
製品名 | Victus 15L(インテル)スタンダード |
価格 | 168,300円/定価 99,800円/セール時 |
CPU | Core i5-14400F(レビュー) |
グラボ | GeForce RTX 3050 6GB(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
ストレージ | SSD 512GB NVMe |
電源 | 500W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットH670 (Wi-Fi・Bluetooth対応) |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 10.0 ・ショップ評価 8.5 |
コストパフォーマンスは10.0の最高評価だ。おすすめ度も文句なしでSランクとなる。税込99,800円で購入できかつ送料は掛からない。定価はあってないようなものと考えておこう。この価格帯は昨今グラフィックボードの品薄状況による影響をそこまで受けていないとは言えこの価格設定は驚異的だ。予算を抑えたい方には強力な選択肢となるだろう。CPUにはIntel第14世代のCore i5-14400Fを、GPUはGeForce RTX 3050 6GBを搭載している。
CPUにRyzen 5 4500ではなくCore i5-14400Fを搭載しているのは好印象だ。メモリDDR4-3200 16GB、SSD 512GB NVMeと構成も平均的で問題ない。電源ユニットは500W BRONZEだ。マザーボードのチップセットはH670となる。BTOパソコンでWi-Fi・Bluetooth対応は希少だ。ショップ評価も8.5と高い。ゲーミング特化サポートであるCafé de OMENも魅力的だ。パソコンだけではなくゲームやデバイスに関する相談もできる。他社にはない強力なサポートサービスだ。
ictus 15L(インテル)スタンダードのカスタマイズ
- CPU -
- CPUグリス –
- メモリ –
- SSD –
- 電源 –
当該モデルでは構成及び性能に関わる全ての部分についてカスタマイズができなくなっている。カスタマイズができないことはマイナス要素になりそうだが、低価格が魅力のVictus 15L スタンダードモデルにとっては大きなマイナスにはならない。カスタマイズはどうしても費用がかかる。せっかく10万円を下回る価格に設定されていても、カスタマイズすると11万円台にまでなることは珍しくない。それなら最初から選択肢は無いほうがよい。こういったBTOパソコン(厳密にいえばBTOパソコンではない?)もおもしろい。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | マイクラ | モンハンワイルズ |
---|---|---|---|
![]() ・240Hz ・144Hz |
![]() ・240Hz ・144Hz |
![]() ・影Mod ・通常 |
![]() ・144fps ・60fps |
対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解であることをご了承いただきたい。
Victus 15L スタンダードモデルはCore i5-14400FとGeForce RTX 3050 6GBを搭載したロークラスのゲーミングPCだ。性能よりも選びやすい価格を重視した構成であるため、高リフレッシュレートなどの高負荷な環境が苦手だ。最新ゲームよりも少し古いゲームを得意としている。基本無料系のゲームにも対応しやすいのが特徴だ。
人気のApex Legendsは60fpsの安定も難しい。設定を最低にまで下げても場面によっては50fps程度になる。カクつきを感じるほどではないので、高リフレッシュレートを目指さなければ十分遊べる範囲だ。解像度を下げれば60fpsでも安定するので、ゲーム環境にこだわらない方なら問題はない。
バトロワ系で最も人気のフォートナイトは、最低設定にすれば100fps以上は目指せる。60fpsでのゲームプレイなら標準設定に近くまで上げることができる。ただし、最高設定はApex Legendsよりも負荷が高くなる。設定の幅が広いというだけで、負荷自体は決して軽いものではないので注意したい。
今も多くのゲーマーを虜にするMinecraftは、要求スペックが低く、Victus 15L スタンダードモデルでも快適にプレイできる。ただし、影Modのように負荷を増大させるModは苦手だ。影Modを導入するなら少し設定を下げた方がいい。許容範囲が異なるので、実際には最高設定でも十分遊べるかもしれない。導入するModやプレイスタイルによるが、Minecraftをメインにプレイするならそこまで困る性能ではない。
2025年2月末に登場したモンハンワイルズは、要求スペックが下がっても、快適なゲームプレイは難しい。ベンチマークを標準設定にすると、設定を下げることを推奨されるはずだ。いつの時代のゲームかと思うくらいグラフィック品質が下がる。その状態でプレイするのに抵抗がなければ最低限のモデルである。グラフィックにもある程度こだわりたいならVictus 15L スタンダードモデルはおすすめしない。
Victus 15L(インテル)スタンダードのゲーミング性能
ゲーミングPCは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ゲームをプレイする上で重要なグラフィックボードとCPUについて細かく見ていく。初心者の方がスペックを見て性能をイメージすることは難しいはずだ。グラフと数値で全体を見ることで、一つずつのパーツの性能や特性が理解しやすいと考えている。
Core i5-14400F(CPU)
搭載CPUはIntel第14世代のCore i5-14400Fだ。CPU内臓グラフィックス非搭載モデルとなる。従来モデルのCore i5-13400と比べるとわずかにゲーム適正が向上している。競合で同価格帯のRyzen 7 5700Xと比べると8%弱ゲーム適正が高い。タイトルによっては逆転することもあるが総合的に見てCore i5-14400Fの方が上だ。
GeForce RTX 3050 6GB(GPU)
エントリークラスのGeForce RTX 3050 6GBを搭載している。次世代のAda Lovelace世代ではデスクトップ向けの50番台のグラフィックボードが登場しなかったので、50番台はAmpere世代のGeForce RTX 3050が担っている。VRAM 8GB版モデルはすでに搭載モデルがなくこのGeForce RTX 3050 6GBが実質エントリーモデルとなる。ゲーム性能はそこまで高くなく、GeForce GTX 1650 SUPERやGeForce GTX 1060 6GBが近い。フルHD環境でも設定調整が必須だ。DLSSが利用できるのはメリットといえるかもしれない。
CPUとGPUのバランス考察
Core i5-14400FとGeForce RTX 3050 6GBのバランスは悪くないが、ゲームに関して言えばCore i5-14400Fである必要はない。GPU性能的にはRyzen 5 4500でもいいのだ。価格が高くなることもあってゲーミングPCの中ではあまり人気がない組み合わせとなっている。ここではあくまでもゲームに関連した評価だ。ゲーム特化の組み合わせを突き詰めるなら本来はおすすめしない。
ゲーム以外の用途にまで目を向ければCore i5-14400Fのメリットはある。そもそも、Victus 15L スタンダードモデルはRyzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせと同じ価格で展開されている。これなら何の問題もないのでバランスは気にしなくていい。バランスを無視できるモデルということだ。
Victus 15L(インテル)スタンダードの特徴
圧倒的なコストパフォーマンスで低価格帯No.1モデル
Victus 15L スタンダードモデルの特徴は、何よりもコストパフォーマンスの高さにある。抑えられた価格に見合わない優れた性能を持ちながらもそれを実現している。CPUにCore i5-14400Fを搭載しているのがポイントだ。当該モデルを超える低価格帯のモデルは今後も存在しないのではないか。そう思えるほど突き抜けている。
10万円を下回るGeForce RTX 3050 6GB搭載モデルはそれほど珍しくない。確かにセールやキャンペーン時には近い価格帯のモデルが登場することもあるが、それらのモデルに搭載されるCPUはRyzen 5 4500だ。Core i5-14400FとGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせで10万円を下回ったのはVictus 15L スタンダードモデルが初ではないだろうか。
Core i5-14400FはCPU性能に優れるが、価格は高くなってしまいがちだ。Core i5-14400FとGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせなら13万円台後半が相場だ。ハイエンドクラスならともかく、低価格帯と呼べるモデルで4万円の価格差を生み出すVictus 15L スタンダードモデルは唯一無二と言える。同時に、10万円以下や低価格帯のモデルの常識を打ち壊した。
はっきり言えば、Victus 15L スタンダードモデルの独壇場だ。影も踏ませない独走状態となり、低価格帯の市場は制圧されたと言っても過言ではない。低価格を実現したのは既製品であること、型落ちのパーツを採用していることが影響していそうだ。同じ構成のパソコンは生産しやすく、組み立てにかかるコストが抑えられる。メモリがDDR4-3200であること、電源が500W 80PLUS BRONZEと抑えられているのも大きい。
チップセットも一世代前にH670を採用している。これらがコストカットにつながっている。もっとも、これを実行したからといって99,800円で展開できるメーカーは他にない。いかにコストカットをしていても、Victus 15L スタンダードモデルの独自性は損なわれない。昨今のゲーミングPCは高騰傾向にあり、低価格帯のモデルも少なからず影響を受けている。そんな市場に一石を投じるモデルだ。予算を抑えたい方にとっては有力な選択肢となるはずだ。12万円以下で優秀なモデルを探しているなら、Victus 15L スタンダードモデルは候補に入れておいて損はない。
カスタマイズ性のなさは人を選ぶ
弱点はカスタマイズできないことだ。これが価格の安さにつながっている側面もあるのは事実だが、構成が充実しているわけではないので弱点と捉える方も多いはずだ。例えば、ストレージや電源の容量が気になるユーザーも多いだろう。人気のカスタマイズである2箇所を変更できないのはネガティブな印象が残る。ストレージに関して言えば、500GBであってもそれほど困らない。
容量自体は不足するかもしれないが、増設が容易なのがその理由だ。外付けのストレージは手軽にストレージ容量をアップできる。内蔵式にしても、それほど手間がかからない。注意したいのはM.2スロットに空きがないことだ。内蔵式を増設する際はSATA接続のSSDしか対応できない。M.2スロットの1つを占有しているのはWi-Fi/Bluetoothの受信機だ。Wi-Fiを使用しないなら取り外してもいいかもしれない。
Wi-Fiを使用するにしても、USB式やPCI-e接続のものを別途用意すればM.2スロットに空きが1つ作れる。Wi-Fi/Bluetooth受信機搭載がメリットともいえるので、SATA接続のSSDを検討する方がいい。電源のカスタマイズができないことは、上位のグラフィックボードを搭載しているモデルにとっては致命的だ。GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルであっても、Victus 15Lシリーズは500W 80PLUS BRONZEで固定だ。
その点、GeForce RTX 3050 6GBのように消費電力が控えめなグラフィックボードを搭載しているモデルなら安心だ。使用するには必要十分な容量だ。電源容量がマイナスにならないということがVictus 15L スタンダードモデルの評価を高める要因にもなっている。先々グラフィックボードを交換するとなれば、電源も交換対応しなければならない。
Victus 15L スタンダードモデルをパーツ交換等で長く使用するならデメリットになるので注意してほしい。電源交換は面倒なので、電源にこだわる方にとっては選びにくい要素だ。Victus 15L スタンダードモデルはエントリークラスとして考えるのが無難である。
競合モデルとの比較
ブランド名 | Victus | LEVELΘ |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
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製品名 | Victus 15L スタンダード |
LEVEL-M1P5-R45-LAX |
ケース | ミニタワー | ミニタワー |
価格 | 99,800円 | 99,800円 |
送料 | 無料 | 2,200円(会員無料) |
CPU | Core i5-14400F (10コア16スレッド) |
Ryzen 5 4500 (6コア12スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
CPUグリス | 標準グリス | 標準グリス |
GPU | RTX 3050 6GB | RTX 3050 6GB |
メモリ | DDR4-3200 16GB | DDR4-3200 16GB |
SSD | 500GB NVMe | 500GB NVMe |
電源 | 500W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | H670 | B550 |
Wi-Fi・Bluetooth | 〇 | × |
納期 | 1週間程度 | 2~3週間後 |
保証 (延長) |
1年間 (最長3年間) |
1年間 (最長4年間) |
電話サポート | Café de OMEN 平日9:00-21:00 土9:00-17:00 |
24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-LAXだ。Victus 15L スタンダードモデルと同じ価格だが、CPU性能に大きな差が生じている。なお、パソコン工房も無料会員登録をすれば送料が掛からない。Ryzen 5 4500とCore i5-14400FならCore i5-14400Fの方が対応できる用途が広くおすすめだ。同じグラフィックボードを搭載したモデルが同じ価格になることはないので、選択できるならCore i5-14400Fの方がいい。この時点で、ある程度のデメリットは飲み込める。
コストパフォーマンスや性能ではLEVEL-M1P5-R45-LAXが大きく落ちる。一方で、カスタマイズ性やサポート面ではLEVEL-M1P5-R45-LAXが優れている。Victus 15L スタンダードモデルのサポート時間は平日12時間・土曜日8時間(日曜日非対応)だ。24時間365日対応のサポートを受けられるパソコン工房とは雲泥の差がある。初心者の方ならLEVEL-M1P5-R45-LAXにも魅力はある。
また、構成に不満があればLEVEL-M1P5-R45-LAXなら変更できる部分が多い。ケースデザインも優れているので、性能と価格に関係しない部分を重視する方にはLEVEL-M1P5-R45-LAXもおすすめだ。ただ、それらを加味してもVictus 15L スタンダードモデルをおすすめしたい。CPU性能の高さに伴うコスパの高さは強力な武器だ。
パソコンケースレビュー
概要
ブランド | Victus | GALLERIA | LEVELΘ |
---|---|---|---|
イメージ | ![]() |
![]() |
![]() |
サイズ (幅×奥行×高さ) |
幅155mm× 奥行297mm× 高さ337mm |
幅220mm× 奥行440mm× 高さ425mm |
幅220mm× 奥行411mm× 高さ441mm |
Victusのケースはコンパクトなミニタワーとなっている。定番の箱型ながら、角を丸くしていることで黒い箱という印象もない。ミニタワーというよりもスリム型に近い形状で、省スペース化に特化しているように感じる。マザーボードはメモリスロットが2つしかないMicroATXを採用している。拡張性よりもスタイルと省スペースを意識した形状だ。
比較的コンパクトなゲーミングPCのミニタワーよりも細身で小さい。Victusのサイズを見ると幅155mm×奥行き297mm×高さ337mmである。幅も然ることながら、奥行きが非常に小さく、高さも抑えられている。人気のガレリアのミニタワーは幅220mm×奥行440mm×高さ425mmだ。パソコン工房のLEVELΘブランドのミニタワーは幅220mm×奥行411mm×高さ441mmとなる。奥行きが小さくなると高さが出る。
高さを抑えると奥行きが伸びるというのがミニタワーの特性だ。省スペース性に優れたケースは、採用されているマザーボードや電源は特殊なサイズ、規格になるので交換が難しい。グラフィックボードの大きさにも制限がかかるため、パソコンのパーツを交換することはあまり想定されていないように感じる。
正面
正面からのシルエットは細身なケースというのがよくわかる。下部には「VICTUS」の印字が薄くされ、中央にはロゴが大きく陣取っている。このロゴはRGBに対応したLEDで、設定した色に発光する。シンプルでもゲーミングPCらしさのあるデザインだ。角ばっていないケースに角ばったロゴがマッチしている。角の丸いケースはあまり見たことはないが、ここまで印象が変わるとは思わなかった。パッと見ただけではスマートフォンのように見える。
I/Oパネル
正面右側にフロントI/Oパネルが集約されている。上から、電源、ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポート、USB3.2 Gen 1 × 2、USB 3.2 Gen2 × 2、USB3.2 Gen 1 Type-C × 1となっている。必要最低限と言ったところだろうか。ヘッドフォン出力/マイク入力コンボポートなので、3.5mmなどのミニプラグで接続するヘッドセットなどは分配器が必要になる。USB接続ができるならそれほど困ることはない。今はUSBが主流となっているので、この構成であっても問題はなさそうだ。
左側面
左側には吸気用のエアホールがある。コンパクトなケースであるため、ケースファンがない。背面からの排気で負圧がかかり、このエアホールから吸気ということになる。サイズ的にもハイクラス以上のグラフィックボードには適していない。
右側面
右側面はVICTUSの印字があるだけのシンプルなものだ。角を丸くしているせいか、前面と右側面はケースと一体化しており取り外しはできない。この特性はコンパクトケースやスリム型に見られるものだ。やはり、ミニタワーというカテゴリにあるだけで、スリム型のパソコンとして見た方がいいのかもしれない。
管理人による総評

10万円前後のよさんでゲーミングPCを探しているならこのVictus 15L(インテル)スタンダードモデルがおすすめだ。CPUにRyzen 5 4500ではなくより性能の高いCore i5-14400Fを搭載して99,800円で販売しているのだから驚くしかない。今後こういったモデルは登場しないのではないかと思わせるほどだ。構成もメモリDDR4-3200 16GB・SSD 512GB NVMeと不足はない。カスタマイズができないのはマイナスだが、ストレージにしても電源ユニットにしても初期構成のままでいいはずだ。必要に応じて増設すればいい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
99,800円 | Core i5-14400F | RTX3050 6GB |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR4 16GB | 500GB | H670 |