Core i5-13500Hのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証していく。Intel第13世代のメインストリームにおけるミドルクラスのモデルだ。12コア16スレッドとスペックが高い。Core i5-12500Hの後継モデルとなる。2023年12月時点でCore i5-13500Hを搭載したモデルは少なく、Core i7-13700HやCore i5-13500HXも選択肢に入れるとよいだろう。グラフィックボードの性能が底上げされミドルクラスのCPUでは力不足になってきているのではないかと思う。ある程度高性能なゲーミングノートPCが必要ならCPUのランクを上げていかなければいけない。
当ページの目次
Core i5-13500Hの概要
コードネーム | Raptor Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 12コア(4P+8E) / 16スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 2.6 GHz/ 4.7 GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.9 GHz/ 3.5 GHz |
L2キャッシュ | 16MB |
L3キャッシュ | 18MB |
内蔵GPU | Iris Xe Graphics |
PBP | 35W |
MTP | 95W |
発売日 | 2023年01月04日 |
価格 | – |
特徴 | (+)12コア16スレッドとスペックが高い (+)競合のRyzen 5 7640HSよりも性能が高い (-)i5-12500Hとの性能差は小さい (-)ラインナップが少ない |
評価 | ・総合評価 7.0 ・ゲーム評価 7.0 |
Core i5-13500Hの基本スペック
他のCore i5シリーズと比較
Core i5-13500H | Core i5-13500HX | Core i5-12500H | |
---|---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
トータルコア | 12 | 14 | 12 |
スレッド数 | 16 | 20 | 16 |
Pコア | 4 | 6 | 4 |
Eコア | 8 | 8 | 8 |
定格クロック(P) | 2.6 GHz | 2.5 GHz | 2.5 GHz |
最大クロック(P) | 4.7 GHz | 4.7 GHz | 4.5 GHz |
定格クロック(E) | 1.9 GHz | 1.8 GHz | 1.8 GHz |
最大クロック(E) | 3.5 GHz | 3.5 GHz | 3.3 GHz |
オーバークロック | × | ◯ | × |
L2キャッシュ | 16MB | 20MB | 9MB |
L3キャッシュ | 18MB | 24MB | 18MB |
対応メモリ | DDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR4-4267 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-4800 LPDDR5-5200 DDR4-3200 LPDDR4-4267 |
内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics | UHD Graphics 710 | Iris Xe Graphics |
実行ユニット | 80 | 16 | 80 |
グラフィックス周波数 | 1.45 GHz | 1.50 GHz | 1.30 GHz |
PBP | 45W | 55W | 45W |
MTP | 95W | 157W | 95W |
MSRP | $342 | $326 | $311 |
搭載モデル価格 | 127,980円~ (RTX 3050M) | 165,000円~ (RTX 4050M) | 139,800円~ (RTX 3050M) |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 | 2023/01 |
Core i5-13500HはRaptor Lake世代のCPUだ。Alder Lake世代におけるCore i5-12500Hの後継モデルとなる。プロセスは10nmと共通だ。コア・スレッド数は12コア16スレッドとここも変わっていない。4つのPコアと8つのEコアを搭載しているのも同じだ。Core i5-13500Hになって大きく変わったのはクロック周波数とキャッシュ回りだ。Pコアの定格クロックが0.1GHz(4%)高く、最大クロックも0.2GHz(5%)高い。
Eコアも定格クロックが0.1GHz(5%)高く、最大クロックも0.2GHz(6%)高い。L2キャッシュも78%増えて16MBだ。Pコア1基当たりのL2キャッシュ容量が1.25MBから2MBへと増えたことが要因だ。L3キャッシュは18MBと同じだ。メモリについてはより高クロックなDDR5-5200までサポートしている。内蔵グラフィックスはIntel Iris Xe Graphicsと同じだ。実行ユニットも80と共通だが、グラフィックス周波数が11%高く1.45GHzとなる。PBPは45W、MTPは95Wと共通だ。MSRPは$31高く$342だ。Core i5-13500H搭載モデルの方が安く、Core i5-12500H搭載モデルを選ぶ理由はない。
ハイエンドモデルであるCore i5-13500HXとも比較していこう。Core i5-13500Hと同じRaptor Lake世代のモデルでプロセスは10nmだ。Pコアが2基多くトータルコア数は14コアで、トータルスレッド数は20となる。PコアもEコアもCore i5-13500Hの方が定格クロックが0.1GHzずつ高い。最大クロックは共通だ。Core i5-13500HXの方がL2キャッシュ・L3キャッシュ共に多い。Pコアが増えた分だ。
Core i5-13500Hの方がより高クロックなメモリをサポートしている。内蔵グラフィックスはIris Xe Graphics搭載のCore i5-13500Hの方が性能が高い。もっともグラフィックボード搭載が前提なのでそこまで気にしなくてもよい。PBPはCore i5-13500HXの方が20%高く、MTPもCore i5-13500HXの方が$62高い。価格差は$16でCore i5-13500Hの方が高い。搭載モデルについてはグラフィックボードの差があるとは言えCore i5-13500HX搭載モデルの方が高価だ。
AMD製CPUと比較
Core i5-13500H | Ryzen 5 7640HS | |
---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Zen 4 (Phoenix) |
プロセス | 10nm | 4nm |
トータルコア | 12 | 6 |
スレッド数 | 16 | 12 |
Pコア(スレッド) | 4(8) | 6(12) |
Eコア(スレッド) | 8(8) | - |
定格クロック(P) | 2.6 GHz | 4.3 GHz |
最大クロック(P) | 4.7 GHz | 5.0 GHz |
定格クロック(E) | 1.9 GHz | - |
最大クロック(E) | 3.5 GHz | - |
オーバークロック | × | × |
L2キャッシュ | 16MB | 6MB |
L3キャッシュ | 18MB | 16MB |
対応メモリ | DDR5-5200 DDR4-3200 | DDR5-5600 LPDDR5-7500 |
内蔵グラフィックス | Iris Xe Graphics | Radeon 760M |
PBP | 45W | 35W |
MTP | 95W | 54W |
MSRP | $342 | - |
搭載モデル価格 | 127,980円~ (RTX 3050M) | 118,720円~ (RTX 3050M) |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01 |
競合モデルであるRyzen 5 7640HSと比較していく。Zen 4アーキテクチャを採用した高コスパモデルだ。プロセスは4nmと微細化が進んでいる。Ryzen 5 7640HSのコア・スレッドはそれぞれ6コア12スレッドだ。対してCore i5-13500Hは12コア16スレッドと高いスペックを持つ。PコアはRyzen 5 7640HSの方が多い。Core i5-13500HはPコアとEコアの2つのコアを組み合わせてパフォーマンスと省電力性のバランスを取っている。Pコアの定格クロックはRyzen 5 7640HSの方が65%高く、最大クロックもRyzen 5 7640HSの方が7%高い。いずれのモデルもオーバークロックには非対応だ。
L2キャッシュはCore i5-13500Hの方が2.6倍で16MBだ。L3キャッシュもCore i5-13500Hの方が12.5%多く18MBだ。Ryzen 5 7640HSはDDR5-5600/LPDDR5-7500と高クロックなメモリをサポートしている。Core i5-13500HはDDR4-3200をサポートしているのがポイントだ。コスト面ではDDR4メモリに対応しているのは強みとなる。Ryzen 5 7640HSはCPU内蔵グラフィックスにRadeon 760Mを搭載している。Ryzen 5 7640HSは省電力性が高くPBPは35W・MTPは54Wとかなり抑えられている。搭載モデルの価格を見る限りRyzen 5 7640HSの方がMSRPは安い(非公開)のではないかと思う。
Core i5-13500H搭載ゲーミングノートの性能&特徴
ミドルクラスとして十分な性能を有している
Core i5-13500Hの性能スコアは21,462とミドルクラス相当のパフォーマンスを持つCPUとなっている。基本的にはフルHD環境でのゲームプレイがメインだ。高解像度でのゲームプレイはそれほど得意ではない。競合モデルであるRyzen 5 7640HSよりも5%程度パフォーマンスが高い。その上位モデルであるRyzen 7 7735HSと同等の性能だ。Core i5シリーズとしては十分過ぎる性能だ。
従来モデルであるCore i5-12500Hと比べて7%パフォーマンスが向上している。クロック周波数の引き上げとキャッシュ回りの強化によるものだ。アーキテクチャ自体が大きく変わったわけではないので大幅なパフォーマンス向上が見込めるわけではない。ハイエンドのCore i5-13500HXになると20%以上高いパフォーマンスを得られる。
搭載モデルがほとんどなく選択肢がない
残念ながらCore i5-13500Hを搭載したモデルはほとんどない。旧世代のCore i5-12500Hは国内BTOメーカーからも搭載モデルがリリースされていたが、今世代では一気にラインナップが減少している。その大きな要因はグラフィックボードの性能が向上したこととモバイル向けCPUのラインナップが多いことではないかと考えている。
Ada Lovelace世代になってグラフィックボード性能の底上げが行われている。エントリークラスのGeForce RTX 4050 MobileでもGeForce RTX 3060 Mobileと同等だ。フラグシップモデルのGeForcE RTX 4090 Mobileになるとデスクトップ向けのGeForce RTX 3080 Tiと同等で驚異的と言える。Core i5-13500Hとの組み合わせだと選択肢はGeForce RTX 4050 Mobile or GeForce RTX 3050 Mobileとなる。
モバイル向けCPUのラインナップも豊富だ。まずはIntelのハイエンドモデルであるHXシリーズを搭載したモデルが増えている。これもグラフィックボードの性能が向上したことが要因だろう。GeForce RTX 30シリーズではHシリーズがメインだった。また、AMD製CPUについてもZen 4アーキテクチャとZen 3+アーキテクチャが混在していて種類が多くなっている。ユーザーからするとややこしくなっている。当サイトが紹介している「コスパ最強のゲーミングノートPCおすすめランキング」を参考にしてベストなモデルを探して欲しい。
Core i5-13500Hのベンチマーク一覧
Cinebench R23
定番のベンチマークソフトであるCinebench R23でスコアを比較していこう。Core i5-13500Hのマルチコア性能は13,162、シングルコア性能は1,775だ。従来モデルのCore i5-12500Hと比べてマルチコア性能が15%高く、シングルコア性能も3%高い。競合モデルのRyzen 5 7640HSと比べてマルチコア性能が10%高く、シングルコア性能も6%高い。マルチコア性能についてはRyzen 7 7735HSよりも上だ。ハイエンドモデルであるCore i5-13500HXよりも5%-13%程度スコアが低い。
Handbrake
動画のエンコードソフトであるHandbrakeでのパフォーマンスを見ていく。動画のエンコードに掛かる時間をまとめたもので数値が低いほど性能が高いことを意味する。Core i5-12500Hよりも4%程度パフォーマンスが向上している。旧世代の上位モデルであるCore i7-12700Hに匹敵する性能だ。競合のRyzen 5 7640HSと比べて10%程度パフォーマンスで上回っている。ハイブリッドコアアーキテクチャ採用で物理コアが多いことがこのパフォーマンスに寄与している。物理コアの少ないRyzenシリーズはやや不利だ。
7-Zip(圧縮)
Zipファイルの圧縮速度を見ていこう。従来モデルのCore i5-12500Hよりも4%パフォーマンスが高くなった。競合のRyzen 5 7640HSと比べて16%もパフォーマンスが高い。上位モデルであるRyzen 7 7735HSと比べてもパフォーマンスは上だ。Core i5-13500HXと比べると20%程度性能が低い。
7-Zip(解凍)
Zipファイルの解凍速度をまとめた。従来モデルのCore i5-12500Hと比べて12%もパフォーマンスが高い。競合のRyzen 5 7640HSよりも10%程度パフォーマンスが低くなった。AMD製CPUがやや得意としているソフトウェアあるいは用途の一つだ。
Adobe Photoshop
Photoshopでのパフォーマンスを見ていこう。従来モデルのCore i5-12500Hと比べて1%だけパフォーマンスが高い。Ryzen 5 7640HSよりも少しだけ上だ。Core i5-13500HXとの性能差は11%となる。ミドルクラスとしては十分な性能を有していてクリエイター作業にも通用すると考えてよい。
Core i5-13500H搭載ゲーミングノートPC一覧
GALLERIA RL5C-R35(ドスパラ)
液晶:15.6インチFHD 144Hz
重量:約2.1kg
CPU:Core i5-13500H
GPU:GeForce RTX 3050 Mobile
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
Core i5-13500H×GeForce RTX 3050 Mobile搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。税込127,980円とリーズナブルな価格設定が魅力のモデルとなる。15.6インチFHDディスプレイを搭載している。グラフィックス処理性能的には144Hz張り付きでのゲームプレイは難しく60fpsを基準にするとよい。もちろん設定を下げれば高リフレッシュレートも目指せる。メモリDDR4-3200 16GB・SSD 500GB Gen4 NVMeと構成は平均的だ。
Legion Slim 5i Gen 8(Lenovo)
206,030円 203,970円
液晶:16.0インチWQXGA 165Hz
重量:約2.4kg
CPU:Core i5-13500H
GPU:GeForce RTX 4050 Mobile
メモリ:DDR5-5200 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
16.0インチWQXGAディスプレイを搭載したゲーミングノートPCだ。本体重量は約2.4kgとやや重い。グラフィックスはAda Lovelace世代のGeForce RTX 4050 Mobileを搭載している。Core i5-13500Hとのバランスもよい。フルHD環境でのゲームプレイをメインに考えるとよいだろう。WQXGA(2560×1600)モニターを搭載しているが性能的には厳しい。メモリDDR5-5200 16GB・SSD 512GB Gen4 NVMと構成は平均的だ。
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