Core i5-13500HXのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証していく。Intel製CPUのハイエンドであるHXシリーズにおけるエントリークラスのモデルだ。PBP(TDP)が55Wと高く設定されていて性能的に有利だ。14コア20スレッドというスペックで高い処理性能を有している。メインストリームのCore i7-13700Hと同等のスペックを持ち性能的にも均衡している。Core i5シリーズながらCore i7シリーズに匹敵する。
ゲームプレイにおいてボトルネックが発生する心配はほとんどない。上位モデルであるCore i7-13700HXやCore i7-13650HXと比べると搭載モデルのラインナップはそれほど多くない。GeForce RTX 4050 Mobile搭載モデルなら165,000円から購入できる。マイナーな存在で選びづらさがあるのも事実だ。メインストリームのCore i7-13700H搭載モデルやハイエンドのCore i7-13700HXなら選択肢も豊富だ。
当ページの目次
Core i5-13500HXの概要
コードネーム | Raptor Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 14コア(6P+8E) / 20スレッド |
Pコア定格/最大クロック | 2.5 GHz/ 4.7 GHz |
Eコア定格/最大クロック | 1.8 GHz/ 3.5 GHz |
L2キャッシュ | 20MB |
L3キャッシュ | 24MB |
内蔵GPU | UHD Graphics 710 |
PBP | 55W |
MTP | 157W |
発売日 | 2023年01月04日 |
価格 | $326 |
特徴 | (+)14コア20スレッドのハイエンドモデル (+)Core i5シリーズなので価格は控え目 (-)性能・価格的に立ち位置が難しいCPU (-)CPU内蔵グラフィックスの性能は低い (-)搭載モデルが少ない |
評価 | ・総合評価 8.0 ・ゲーム評価 8.0 |
Core i5-13500HXの基本スペック
Intel Core iシリーズと比較
Core i5-13500HX | Core i7-13700H | Core i5-12450HX | |
---|---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
プロセス | 10nm | 10nm | 10nm |
トータルコア数 | 14 | 14 | 8 |
スレッド数 | 20 | 20 | 12 |
Pコア | 6 | 6 | 4 |
Eコア | 8 | 8 | 4 |
定格クロック(P) | 2.5 GHz | 2.4 GHz | 2.4 GHz |
最大クロック(P) | 4.7 GHz | 5.0 GHz | 4.4 GHz |
定格クロック(E) | 1.8 GHz | 1.8 GHz | 1.8 GHz |
最大クロック(E) | 3.5 GHz | 3.7 GHz | 3.1 GHz |
オーバークロック | ◯ | × | ◯ |
L2キャッシュ | 20MB | 20MB | 7MB |
L3キャッシュ | 24MB | 24MB | 12MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-5200 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics | Iris Xe Graphics | UHD Graphics 710 |
実行ユニット | 16 | 96 | 16 |
グラフィックス周波数 | 1.50 GHz | 1.50 GHz | 1.30 GHz |
PBP | 55W | 45W | 55W |
MTP | 157W | 115W | 157W |
価格 | $326 | $502 | $284 |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01/04 | 2022/05/10 |
Core i5-13500HXはRaptor Lake世代のCPUでCore i5-12450HXの後継モデルとなる。ただし、Core i5-12450HXは国内ではほとんど取り扱いがなかった。プロセスは10nmと共通だが、L2キャッシュなどが変更された改良版Intel 7が採用されている。クロック周波数の引き上げとL2キャッシュの増量が実現した。トータルコア数・スレッド数はそれぞれ14コア20スレッドとスペックアップが図られた。内訳はPコアが2つ増えて、Eコアは倍増だ。
Pコアの定格クロックが0.1GHz高く、最大クロックも0.3GHz高い。Eコアについて定格クロックは変わらず、最大クロックが0.4GHz高くなった。L2キャッシュは2.8倍で20MBだ。L3キャッシュも倍増の24MBとなる。対応メモリはDDR5-4800/DDR4-3200と変更なしだ。内蔵グラフィックも変わっていない。PBPは55W・MTPは157Wと維持されている。価格は$42アップで$326となる。
メインストリームのCore i7-13700Hとも比較していこう。同じRaptor Lake世代のモデルで14コア20スレッドと同じスペックを持つ。PコアとEコアの数も同じだ。Pコアの定格クロックはCore i5-13500HXの方が0.1GHz高く、最大クロックはCore i7-13700Hの方が0.3GHz高い。Eコアについては定格クロックは両モデル共1.8GHzで、最大クロックはCore i7-13700Hの方が0.2GHz高い。Core i7-13700Hはオーバークロックに対応していない。
L2キャッシュ及びL3キャッシュ共に容量は同じだ。Core i7-13700Hの方がより高クロックなメモリをサポートしている。内蔵グラフィックスもIntel Iris Xe Graphicsの方が性能が高い。PBPはCore i5-13500HXの方が20%高く、MTPもCore i5-13500HXの方が38%高い。ハイエンドモデルだけあってCore i5-13500HXの方が消費電力が高くなっている。価格はCore i7-13700Hの方が$176高い。
AMD製CPUと比較
製品名 | Core i5-13500HX | Ryzen 7 7840HS |
---|---|---|
コードネーム | Raptor Lake | Zen 4 (Phoenix) |
プロセス | 10nm | 4nm |
ダイサイズ | - | 178 mm² |
トータルコア(スレッド) | 14 (6P+8E) / 20 | 8 / 16 |
定格クロック(P) | 2.5 GHz | 3.8 GHz |
最大クロック(P) | 4.7 GHz | 5.1 GHz |
定格クロック(E) | 1.8 GHz | - |
最大クロック(E) | 3.5 GHz | - |
オーバークロック | ◯ | × |
L2キャッシュ | 20MB | 8MB |
L3キャッシュ | 24MB | 16MB |
対応メモリ | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-5600 LPDDR5-7500 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 710 | Radeon 780M |
PBP | 55W | 35W |
MTP | 157W | 54W |
価格 | $326 | - |
発売日 | 2023/01/04 | 2023/01 |
AMD製モデルの中でも性能の近いRyzen 7 7840HSと比較していく。Ryzen 7 7840HSはZen 4アーキテクチャを採用した最新のCPUだ。末尾のSは省電力モデルであることを意味する。プロセスは4nmとCore i5-13500HXのRaptor Lakeよりも微細化が進んでいる。8コア16スレッドのCPUで、Core i5-13500HXとはスペックで劣るが、全てPコア相当となる点は押さえておこう。
Pコアの定格クロックはCore i5-13500HXよりも52%高く、最大クロックも9%高い。最大クロックが5.1GHzに到達しているのは驚きだ。4nmプロセスだからこそ実現できたように思う。L2キャッシュはCore i5-13500HXの方が2.5倍多く、L3キャッシュもCore i5-13500HXの方が50%多い。
メモリ回りについてはDDR5-5600・LPDDR5-7500とRyzen 7 7840HSの方がより高クロックなモデルをサポートしている。もっともゲーミングノートPCでもDDR5-4800が採用されることが多く高クロックモデルが搭載されることは稀だ。Ryzen 7 7840HSの内蔵グラフィックスはRadeon 780Mだ。グラフィックボード搭載が前提なため内蔵グラフィックスの性能はそれほど重視されない。Ryzen 7 7840HSのPBP(TDP)は35WとCore i5-13500HXよりも35%低く、MTPも54Wと1/3程度だ。
Core i5-13500HX搭載ゲーミングノートの性能&特徴
メインストリームのCore i7と同等の性能を持つ
Core i5-13500HXの性能スコアは26,008と高いスコアを出している。メインストリームであるCore i5-13500Hと比べて25%近くも処理性能が高い。上位モデルのCore i7-13700Hと同等のパフォーマンスだ。Core i5シリーズでもハイエンドのHXシリーズならCore i7シリーズ(H)を上回れるということだ。
旧世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900HKよりも性能が高い。PBP/MTPが高く設定されている分有利と言える。デスクトップ向けモデルだとCore i5-13400やRyzen 5 7600Xなどのミドルクラスのモデルと同等だ。モバイル向けCPUとしては高い性能を持っていることがわかるだろう。
最上位モデルでもGeForce RTX 4060 Mobileとなる
Core i5-13500HXとの組み合わせを見るとグラフィックスGeForce RTX 4060 MobileかGeForce RTX 4050 Mobileの二択だ。GeForce RTX 4070 Mobile以上のモデルは選択できない。今世代になってハイエンドのHXシリーズが注目を集めている。これは単純にAda Lovelace世代になってグラフィックボードの性能が底上げされて性能の高いCPUが必要となったということだろう。当然グラフィックス処理性能が向上するとCPUのボトルネックが発生しやすい。
そういう意味でもCore i5-13500HXとの組み合わせがGeForce RTX 4060 Mobileまでというのも理にかなっている。メインストリームのCore i5-13500Hを搭載したモデルもラインナップが少ない。ゲーミングノートPCの価格が上がっているのは仕方がないだろう。GeForce RTX 4070 Mobile以上だとより性能の高いCore i7-13700HXやCore i9-13900Hが選択肢に入る。Core i5-13500HXと同等のCore i7-13700HでもGeForce RTX 4060 Mobileまでが一般的だ。
Core i5-13500HXのベンチマーク一覧
Cinebench R23
Cinebench R23でのスコアを見ていく。マルチコア性能スコアは15,026で、シングルコア性能スコアは1,883だ。メインストリームのCore i5-13500Hと比べてマルチコア性能が14%高く、シングルコア性能も6%高い。おおよそCore i7-13700Hと同等のスコアだ。AMDのRyzen 7 7840HSと比べるとマルチコア性能が5%低く、シングルコア性能は5%高い。Core i5シリーズでもさすがハイエンドモデルだけあってパフォーマンスは高い。
Handbrake
動画のエンコードソフトであるHandbrakeでの処理に掛かる時間をまとめている。Core i7-13700Hよりもわずかながらパフォーマンスが高い。メインストリームのCore i5-13500Hと比べて27%もパフォーマンスが高い。競合のRyzen 7 7840HSと比べると7%程度低いが、Core i5シリーズとしては検討している。クリエイター用途にもおすすめできる。
7-Zip(圧縮)
Z-Zipでの圧縮速度を見ていく。Core i5-13500HXは89.8とまずまずの速度だ。Core i7-13700HやRyzen 7 7840HSと同等のパフォーマンスだ。メインストリームのCore i5-13500Hと比べても57%もパフォーマンスが高い。ハイエンドのHXシリーズの本領発揮だ。
7-Zip(解凍)
次に解凍速度を見ていく。パフォーマンス的には圧縮と変わらない。メインストリームのCore i5-13500Hよりも45%以上も上回っている。Ryzen 7 7840HSよりもわずかにパフォーマンスが低いが、Core i9-13900Hよりもパフォーマンスが高いのは評価できる。
Adobe Photoshop
Photoshopでもパフォーマンスを見ていく。ハイエンドのHXシリーズは思ったほどのパフォーマンが出ていない。Photoshop自体それほど3Dグラフィックス処理性能が重要視されるわけではないのでそこまで気にしなくてもよさそうだ。Core i5-13500HXのスコアは1,130とメインストリームのCore i5-13500Hと比べても11%程度上回っている。Core i7-13700Hとのスコア差は8%とやや大きい。Ryzen 7 7840HSと比べても8%程度劣る。
Core i5-13500HX搭載ゲーミングノートPC一覧
Victus 16(AMD)スタンダードモデル(HP)
206,800円 165,000円
液晶:16.1インチFHD 144Hz
本体重量:約2.30kg
CPU:Core i5-13500HX
GPU:GeForce RTX 4050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
Core i5-13500HX×GeForce RTX 4050 Mobile搭載のエントリークラスのゲーミングノートPCだ。白色のデザインがかっこいい。現在41,800円OFFで購入できる。送料が無料なのもポイントだ。16.1インチFHDディスプレイを搭載している。リフレッシュレートは144Hzだ。本体重量は約2.30kgとやや重いが、16.1インチモデルとしては平均的だ。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 512GB Gen4 NVMeと構成は平均的だ。ゲーミングPCに特化したCafé de OMEN(サポート)が提供されている。パソコンの設定だけではなくゲーム全般のアドバイスも受けることができる。
Legion Slim 5i Gen 8(Lenovo)
311,740円 185,234円
液晶:16.0インチWQXGA 165Hz
重量:約2.5kg
CPU:Core i5-13500HX
GPU:GeForce RTX 4050 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
LenovoからもCore i5-13500HXを搭載したゲーミングノートPCが販売されている。グラフィックスにはAda Lovelace世代のエントリークラスであるGeForce RTX 4050 Mobileを搭載している。16.0インチディスプレイを搭載している。2560×1600対応モニター搭載で高解像度でのゲームプレイにも可能だ。性能的には設定を落とす必要があるだろう。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 512GB Gen4 NVMeという構成だ。
Victus 16(AMD)スタンダードプラスモデル(HP)
217,800円 187,000円
液晶:16.1インチFHD 144Hz
本体重量:約2.30kg
CPU:Core i5-13500HX
GPU:GeForce RTX 4060 Mobile
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 512GB Gen4 NVMe
コスパ:調査中
Core i5-13500HX×GeForce RTX 4060 Mobile搭載のミドルクラスのゲーミングノートPCだ。Core i5-13500HX搭載モデルでは最上位のモデルとなる。税込20万円以下で購入できるのは嬉しい。フルHD×100fps以上を目指せる性能を有している。16.1インチディスプレイを搭載していて快適なゲームプレイが約束される。本体重量は約2.30kgと許容範囲だろう。カバンがあれば持ち運びも行える。メモリDDR5-4800 16GB・SSD 512GB Gen4 NVMeと構成は平均的だ。基本的に構成を含めてカスタマイズができない点は注意しよう。
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