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当ページでは、Core i5-11600Kの性能レビュー&ベンチマークを紹介している。Core i5-10600Kの後継モデルが登場した。ゲーミングPC市場ではそれほど一般的なモデルではなく玄人向けのCPUだと言える。6コア12スレッドというスペックは前モデルを踏襲している形だ。
従来モデルからCPUコアが一新されて性能が引き上げられている。また、クロック周波数も高くよりゲーミングCPUとしての魅力が増している。もちろんオーバークロックにも対応している。注目の性能について詳しく見ていくとしよう。後継モデルはAlder Lake世代の「Core i5-12600K」だ。10コア16スレッドとスペックが引き上げられている。より高いパフォーマンスを期待できる。
Core i5-11600Kの基本情報
コードネーム | Rocket Lake |
---|---|
プロセス | 14nm |
コア/スレッド数 | 6コア/12スレッド |
定格/最大クロック | 3.9 GHz/ 4.9 Ghz |
L3キャッシュ | 12MB |
TDP | 125W |
発売日 | 2021年3月30日 |
MSRP | $262 |
中古価格 | 25,980円~ (23,980円~/Fモデル) |
特徴 | (+)i5-10600Kから順当に性能が向上している (+)Rocket Lake世代のCPUでもコスパが高い (-)消費電力が大きく省電力性に劣る (-)完成品のゲーミングPCでは採用されにくい |
評価 | ・総合評価 7.0 ・ゲーム評価 7.5 |
当ページの目次
Core i5-11600Kの基本情報
スペック
i5-11600K | i7-11700K | i5-10600K | |
---|---|---|---|
コードネーム | Rocket Lake | Rocket Lake | Comet Lake |
プロセス | 14nm | 14nm | 14nm |
CPUコア数 | 6 | 8 | 6 |
スレッド数 | 12 | 16 | 12 |
定格クロック | 3.9GHz | 3.6GHz | 4.1GHz |
最大クロック | 4.9GHz | 5.0GHz | 4.8GHz |
Turbo Boost 2.0 | ◯ | ◯ | ◯ |
Turbo Boost 3.0 | × | ◯ | × |
TVB | × | × | × |
Adaptive Boost | × | × | × |
L3キャッシュ | 12MB | 16MB | 12MB |
対応メモリ | DDR4-3200 | DDR4-3200 | DDR4-2666 |
内蔵グラフィックス | UHD Graphics 750 | UHD Graphics 750 | UHD Graphics 630 |
TDP | 125W | 125W | 125W |
CPUクーラー | 非同梱 | 非同梱 | 非同梱 |
対応ソケット | LGA1200 | LGA1200 | LGA1200 |
MSRP | $262 | $399 | $262 |
中古価格 | 25,980円 (23,980円/Fモデル) | 33,980円 | 19,980円 |
発売日 | 2021/03/30 | 2021/03/30 | 2020/05/20 |
Core i5-10600Kとスペックはほとんど変わっていない。6コア12スレッドと基本のコア/スレッドは共通だ。定格クロックが4%ダウンしている一方で最大クロックが3%向上している。定格クロックについてはほとんど実際の環境では影響を与えない。最大クロックが引き上げられているのは純粋に性能が高くなったと言える。
Core i5-11600KでもTurbo Boost 2.0は引き続き搭載されている。これはCPUの温度のコントロールがうまくいっていて電力の余力がある際にクロック周波数を極限まで高められる機能のことだ。Turbo Boost 3.0など他のブーストテクノロジーについては上位モデルに譲っている。より高度なブーストテクノロジーでより高みを目指すことができる。
L3キャッシュは同じ12MBだ。対応メモリはDDR4-2666からDDR4-3200へとアップグレードされている。内蔵グラフィックスについてもUHD Graphics 630からUHD Graphics 750へと強化された。従来モデルよりもおおよそ50%性能が向上しているということだが、ゲーミングPCなら外付けのグラフィックボードを使用することになるのでそれほど気にしなくてもよいはずだ。
TDPは125WとKシリーズとしては一般的だ。ただし、実際の稼働中は従来モデルよりも消費電力が大きい。14nmプロセスを維持していることによる弊害だと言えるかもしれない。価格は$262とCore i5-10600Kと同じだ。Core i7-11700KやCore i9-11900Kは価格が上がっているためここは評価したい。
上位モデルのCore i7-11700Kになると8コア16スレッドとよりマルチスレッド性能が強化される。Core i5-11600Kと比べて定格クロックは7%低いが、最大クロックは3%高い。Turbo Boost Technology 3.0に対応している。Turbo Boost Technology 2.0の進化版でシングルスレッド性能がより高くなる。メモリ規格・内蔵グラフィックス・TDPは共通だ。価格は$399となっている。
Cinebench R23スコア
Core i5-11600Kで特筆すべきはシングルスレッド性能の高さだ。従来モデルのCore i5-10600Kと比べて25%スコアが向上している。上位モデルのCore i7-11700Kを上回っているのは驚きだ。Ryzen 5 5600Xと比べても2%高い。画像編集などシングルスレッド性能が重視される用途でパフォーマンスを発揮できる。
Core i5-11600Kの最新評価【2024年】
3年前のモデルだが十分なゲーム性能を持つ
Core i5-11600Kのゲーム性能スコアは24,264だ。従来モデルのCore i7-10700Kを上回っている。現行モデルで言えばCore i3-14100が近いが、6コア12スレッドとコア数で上回っている分だけゲーム適性が高い。競合のRyzen 5 5600Xと比べると6%程度低くなっている。現行のCore i5-14400になると20%前後ゲーム性能が高い。3世代後のモデルと比べると性能差は大きいと言える。
バランスを考えるとGeForce RTX 4060 Ti 8GBぐらいまでのグラフィックボードとの組み合わせがおすすめだ。次世代のIntel第12世代Core iシリーズになるとチップセットがLGA1700となるためアップグレードしづらい。Intel第10世代Core iシリーズの中でもCore i3シリーズからの買い替えならメリットがある。Core i5シリーズでもある程度の効果は得られそうだ。
OC対応モデルとして「コスパは良好
製品名 | コア/スレッド | ゲーム性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|
Core i5-12400F | 6/12 | 26,448 | 19,480 | 1.358 |
Core i9-10900K | 10/20 | 24,927 | 38,980 | 0.639 |
Core i7-11700K | 8/16 | 24,902 | 33,980 | 0.733 |
Core i7-11700 | 8/16 | 24,828 | 29,980 | 0.828 |
Core i5-11600KF | 6/12 | 24,264 | 23,980 | 1.012 |
Core i7-10700KF | 8/16 | 23,773 | 24,980 | 0.952 |
Core i7-10700 | 8/16 | 23,553 | 22,980 | 1.025 |
Core i3-14100F | 4/8 | 23,605 | 15,980 | 1.477 |
Core i5-10600K | 6/12 | 22,841 | 19,980 | 1.143 |
Core i5-11400 | 6/12 | 22,473 | 16,980 | 1.323 |
Core i5-11600K(F)の中古価格は23,980円~となる。コストパフォーマンス指標は1.012とまずまずだ。CPU内蔵グラフィックス搭載モデルだと指標は下がってしまう。Core i5-11600Kは6コア12スレッドと最低限必要なスペックを持ちゲームへの適性も高い。Core i3-14100Fはさらにコストフォーマンスが高いが、4コア8スレッドとスペックは控え目だ。ゲーム性能スコアは高いが、ゲームプレイ時に遅延を感じてしまう可能性もある。
次に候補に挙がるのがCore i5-12400FやCore i5-11400だろう。この辺りは無印モデルとして高いコストパフォーマンスを誇る。6コア12スレッドと同じコア数を持っているのも評価できる。これらのCPUに対してCore i5-11600Kの優位性はオーバークロックができることにある。マザーボードチップセットZ590や高容量電源ユニットを用意できるならメリットがある。
Core i5-11600Kの特徴&注意点【2021年時点】
Rocket Lake世代で最も評価の高いCPU
製品シリーズ | 特徴 |
---|---|
Core i9シリーズ | 10コアから8コアにスペックダウン |
Core i7シリーズ | 従来モデルよりも価格アップ |
Core i5シリーズ | 消費電力は高いが順当に進化 |
Core i5-11600Kは、Intel第11世代の中で最も評価の高いCPUの一つとなっている。従来モデルのCore i5-10600Kから順当な進化をしていて価格も据え置きでコストパフォーマンスが高いからだ。消費電力は従来モデルよりも大幅に増えているが上位モデルに比べると許容範囲内に収まるだろう。そういう意味ではかなり選びやすいのではないかと思う。
実は今回のRocket Lake世代のCPUは酷評がなされることが多い。その理由としてまずひとつは14nmプロセスを維持したことによるデメリットとして消費電力が大幅に高くなってしまっていることが挙げられる。Core i5シリーズでも消費電力は大きいが、上位のCore i7やCore i9に比べるとましだ。特にCore i9シリーズについてはスペックダウンにも関わらず消費電力が高くなっているのは厳しい。
もう一つの理由が値上げだ。Core i9-11900Kは前モデルよりも$51アップで、Core i7-11700Kは$25高くなってしまっている。Core i5-11600Kを含むCore i5シリーズは、前モデルから据え置きだ。これはかなりプラスになるのではないだろうか。
従来モデルよりも消費電力が大幅増加
Core i5-11600Kは消費電力の高いCPUとなっている。性能を得たことによる代償だ。Intel第11世代CPU全般に言えることで、従来モデルと比べて大幅に消費電力が上がってしまっている。これは14nmプロセスの限界を意味する。省電力性を高めるにはプロセスの微細化が必須だ。性能自体はクロック周波数を引き上げることで対応できるが消費電力は当然上がってしまう。
競合のRyzenは早くから7nmプロセスを採用してその運用に成功している。事実Core i5-11600Kの競合であるRyzen 5 5600Xは非常に省電力性が高い。Core i5-11600Kよりも性能が高いにも関わらず、60%程度消費電力が抑えられていることがわかる。Core i5-11600Kの大きな弱点はこの消費電力の高さだろう。上位モデルのCore i7-11700KやCore i9-11900Kではより顕著になる。
BTOパソコンではかなりマイナーな存在
Core i5-11600Kは非常に魅力的なCPUだが、BTOパソコンではかなりマイナーでほとんど採用されることがない。価格と性能のバランスもよくて扱いやすいCPUだと思うが、BTOメーカーでは扱いにくいということではないかと思う。パソコンショップセブンやサイコムなどの中上級者向けのショップでわずかに取り扱いがある程度となっている。
BTOパソコンではどうしてもCore i7-11700やCore i5-11400に人気が集まってしまうようだ。筆者はこのCore i5-11600Kは高く評価している。事実過去にG-TuneとのコラボモデルでCore i5シリーズの最上位モデルであるCore i5-9600Kを選択したことがある。Core i5-11600K搭載のコラボレーションモデルについて改めて検討してみたい。Core i5-11600Kの価格という優位性を引き出すことができればコストパフォーマンスに優れたゲーミングPCが誕生するはずだ。
Core i5-11600Kのゲームベンチマーク一覧
Core i5-11600K搭載ゲーミングPCでのゲームプレイ時のフレームレートを計測している。WQHD環境及び4K環境が対象だ。Intel第10世代のCore i5-10600Kよりも劣る結果となっている。現時点ではCore i5-10600Kと比べた優位性はないが、旧モデルを選択する理由はないだろう。最適化されればスコアは変わってくるはずだ。
Cyberpunk 2077
Core i5-10600K | |
Core i7-10700K | |
Core i5-11600K | |
Ryzen 5 3600X | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 7 5800X |
Metro Exodus
Core i7-10700K | |
Core i5-10600K | |
Ryzen 7 5800X | |
Core i5-11600K | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 3600X |
Red Dead Redemption 2
Core i7-10700K | |
Core i5-10600K | |
Core i5-11600K | |
Ryzen 7 5800X | |
Ryzen 5 5600X | |
Ryzen 5 3600X |
その他アプリケーションのベンチマーク
その他動画のエンコードなどのアプリケーションにおけるベンチマークを計測している。ゲームプレイに比べると最新世代のCore i5-11600Kのパフォーマンスが発揮できているように思う。ゲーム以外での使用を考えている方はぜひチェックしておこう。
Handbrake
PCMARK 10
Y-Cruncher
Core i5-11600K搭載おすすめゲーミングPC
SR-ii5-7560H/S7/GF/W10/LW(セブン)
CPU:Core i5-11600KF
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:600W BRONZE
GTX 1660 SUPER×Core i5-11600KF搭載のゲーミングPCだ。PCケースにはパソコンショップセブンでは定番のThermaltake Versa H26 Blackが採用されている。アクリルサイドパネルで魅せる演出が嬉しい。ゲーミング性能は標準的でフルHD環境でのゲームプレイに最適だ。設定を調整すればそれなりに対応することができる。メモリ16GB、SSD 500GBと構成も充実している。電源ユニットは600W BRONZEと必要十分だ。
G-Master Spear Z590(サイコム)
CPU:Core i5-11600K ダウングレード可
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:750W GOLD
サイコムで人気のゲーミングPCだ。Intel Z590チップセットを採用している。サイコムの場合ベースモデルという位置付けで後はユーザーが好みでカスタマイズをする仕様となっている。当該モデルでは標準でCore i7-11700Kを搭載しているが、Core i5-11600Kへとダウングレードすることが可能だ。20,950円安くなる。当然グラフィックボードを交換することもできる。CPUを落としてグラフィックボードのグレードを上げる方がフレームレートを稼ぎやすい。メモリ16GB、SSD 512GB NVMe対応、電源ユニット750W GOLDと標準構成もかなり充実している。ベースモデルとして高い評価を得ている。
ZEFT G15B(セブン)
CPU:Core i5-11600KF
GPU:GeForce RTX 3080
メモリ:DDR4-3200 32GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:2TB
電源:750W GOLD
RTX 3080×i5-11600KF搭載のゲーミングPCだ。グラフィックボード性能に対してはCPUについてやや物足りなさがある。GPUとCPUのバランスはそれほどよいわけではない。それでもゲームプレイだけを考えるなら選択肢として悪くない。CPUのグレードを落としてその分をグラフィックボードに投資すればより高いフレームレートを得られることが多いからだ。オーバークロックをすればある程度カバーすることもできる。ケースにはコンパクトな「Fractal Design Define 7 Compact Solid」を採用している。ブラックを基調とした高級感のあるデザインが魅力的だ。
管理人による総評(Core i5-11600K)
Core i5-11600Kは、Intel第11世代の高コスパCPUとなっている。従来モデルよりもクロック周波数が引き上げられCPUコア一新の恩恵もあってパフォーマンスは向上している。他のRocket Lake世代のCPUに比べて高評価だ。それはスペックを引き上げているにもかかわらず従来モデルと同じ価格を維持しているからだ。消費電力は高くなっているが、上位モデルに比べると抑えられている。
Core i5-11600Kを搭載したゲーミングPCのラインナップはそれほどない。ラインナップがあれば人気が出そうなのだが…パソコンショップセブンやサイコムなどの中上級者向けのショップで選択するしかない。基本的には自作ユーザー向けのCPUだと言えるかもしれない。
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