画像引用元:https://www.ask-corp.jp/
当記事では、GeForce GTX 960の性能スペック&ベンチマークを紹介している。Maxwell世代のミドルクラスのグラフィックボードだ。RTX 760の後継モデルとなる。現在GTX 960を所有していて最新のグラフィックボードとの性能差を知りたい方や中古でGTX 960の購入を検討している方向けのコンテンツだ。60番台のモデルは手頃な価格と必要十分な性能で人気が高い。
GTX 960の登場からもう9年が経ちその価値を大きく下げている。GTX 970との性能差が大きいことがここに来てマイナスになった。もちろん、新品で購入する価値がないだけでゲームに全く通用しないというわけではない。ライトなゲームではまだまだ現役で使える。問題は次世代のエントリークラスである「GeForce GTX 1650」よりもパフォーマンスが大きく劣ってしまうということだ。
省電力性の観点からも50番台で同等のパフォーマンスを得られるのは魅力的だろう。GTX 960の後継モデルはPascal世代の「GeForce GTX 1060」だ。GPUメモリ容量が異なる2種類のラインナップ(6GB/3GB)がある。価格の安い3GBモデルが人気で多くのゲーミングPCが発売された。
当ページの目次
GeForce GTX 960の基本スペック
GTX 960 | GTX 970 | GTX 760 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Maxwell | Maxwell | Kepler |
GPU | GM206 | GM204 | GK104 |
プロセス | 28nm | 28nm | 28nm |
トランジスタ数 | 29億 | 52億 | 35億 |
ダイサイズ | 227m㎡ | 398 mm² | 294m㎡ |
CUDAコア数 | 1024基 | 1664基 | 1152基 |
ベースクロック | 1127MHz | 1050 MHz | 980MHz |
ブーストクロック | 1178MHz | 1178MHz | 1033MHz |
GPUメモリ | 2GB GDDR5 | 4GB GDDR5 | 2GB GDDR5 |
メモリクロック | 1753 MHz (7 Gbps) | 1753 MHz (7 Gbps) | 1502 MHz (6 Gbps) |
メモリバス | 128 bit | 256 bit | 256 bit |
バンド幅 | 112.2 GB/s | 224.4 GB/s | 192.3 GB/s |
FP32 | 2.413 TFLOPS | 3.920 TFLOPS | 2.378 TFLOPS |
補助電源 | 1x 6-pin | 2x 6-pin | 2x 6-pin |
TDP | 120W | 148W | 170W |
MSRP | $199 | $329 | $249 |
中古価格 | 4,980円 | 5,980円 | 3,980円 |
発売日 | 2015/01/23 | 2014/09/19 | 2013/06/25 |
GTX 960は、GTX 760と比べてトランジスタ数が17%少ない29億となっている。ダイサイズは23%小さく227m㎡だ。CUDAコア数は10%程度少ない。ベースクロック及びブーストクロックをそれぞれ15%引き上げられてパフォーマンスの向上を図っている。GPUメモリ容量は2GBが維持されている。
メモリバスについても256 bitから半減の128 bitとなっている。メモリバンド幅も40%少なく112.2 GB/sだ。TDPが170W→120Wへと引き下げられて省電力性に磨きが掛かっている。価格差は$50で価格が引き下げられた形だ。中古価格では+1,000円程度でそれほど大きいわけではない。性能が価格に反映されることを考えるとそこまで性能が伸びているわけではないと判断できる。
上位モデルのGTX 970になるとGPUが一回り大きいGM204となる。トランジスタ数がGTX 960と比べて80%増えて52億となる。ダイサイズは75%大きく398 m㎡だ。CUDAコア数は59%多く1664基だ。ベースクロックはGTX 960の方が7%高く、ブーストクロックはどちらも1178MHzとなっている。
GPUメモリ容量及び規格・メモリクロックは変わらない。メモリバスはGTX 970が倍の256 bitだ。バンド幅も2倍で224.4 GB/sとなっている。TDPはGTX 970の方が24%高く148Wだ。価格差は$130とやや大きい。中古の販売価格では1,000円しか差がない。コストパフォーマンス的にはGTX 970が優れている。
GeForce GTX 960の性能&評価【2024年時点】
選択するメリットの薄いグラフィックボード
GeForce GTX 960のゲーム性能スコアは7,405とそれほど高くない。当サイトとしては10,000以上のモデルを推奨したいところだ。次世代モデルであるGeForce GTX 10シリーズから性能が大きく向上してGTX 960の評価が一気に下がってしまった経緯がある。中古価格を見てもGTX 10シリーズとの価格差は大きい。つまり、それだけ性能差があるのだ。
中古での購入を検討するならGTX 10シリーズ以降のモデルを第一に考えるべきだ。もしも、GTX 960 Tiのような製品が登場していれば、今尚語り継がれる伝説となっただろう。実際はGTX 960とGTX 970の繋ぎ番しか登場しなかった。グラフィックボードの型番は性能を刻みつつ数字が上がっていく。これは現在でも当然のことである。ところが、GTX 900番台は60と70に2ランクほどの差があるのだ。
結果的に、GTX 760を選択したユーザーがGTX 970を選択するようなことはなく、GTX 960に大きく偏ってしまった。予算に少し余裕があっても選択肢が他になかったのだ。GTX 960は$199で展開され、GTX 970は$329で展開された。この$130差は次世代モデルで言えばGTX 1650とGTX 1660 Tiと同じである。搭載ゲーミングPCで言えば税込み10万円のモデルか、税込み14万円以上のモデルかの選択肢しかなかったのだ。
価格に満足できても、性能に満足できるユーザーは少なかったのではないかと思う。特に、上位モデルは性能でも他を圧倒していたが、下位モデルはそうではなかった。GTX 980は当時シングルGPU最速のGTX 780 Tiをも軽く超える性能だった。一方で、GTX 960はGTX 760と同等以上という評価に留まった。
GTX 760は$249で展開されたいたので価格は確かに安くなってはいた。ただ、性能にややムラがあったこと、同じ性能帯に留まってしまったことで注目度は低かった。もう少し性能がGTX 970に近ければ、もっと違っていたことだろう。それだけに惜しいポジションのグラフィックボードと言える。GTX 960の性能は後継モデルであるGTX 10シリーズのGTX 1050 Tiと同等程度の性能である。
次世代モデルの最下位クラスであるのGTX 1650に届かない。かつての60番台のグラフィックボードでは最新のゲームを楽しむのは非常に厳しくなって来ている。Ampere世代のエントリークラスであるGeForce RTX 3050なら2倍程度パフォーマンスが高くなる。2018年より前のゲームならある程度対応できる。プレイするゲームに合わせて使用する方がよいだろう。
現行のグラフィックボードはGTX 900番台から4世代後のモデルになる。さすがに4世代となるとミドルクラスのモデルでは太刀打ちできず買い替えを検討する時期だ。買い替え対象はローエンドクラスならGTX 1660・GTX 1660 SUPER・GTX 1660 Ti辺りがよい。性能アップを体感しやすく、多くのゲームの推奨環境を満たしている。
当時のGTX 960と同等の価格で展開されているので選びやすさもある。これまでミドルクラスを使用してきたユーザーにとっては扱いやすい性能だ。GTX 960は優秀なグラフィックボードだった。その後継のGTX 1060はパフォーマンスを大きく向上させた。そしてGTX 1060の後継機GTX 1660は価格を抑えたGTX 960と性能を大きく伸ばしたGTX 1060のよさをしっかり引き継いでいる。優秀な系譜を持つグラフィックボードだ。
中古で5,000円以下なら検討する価値あり
製品名 | VRAM | ゲーム性能 | 価格 | コスパ |
---|---|---|---|---|
GTX 970 | 4GB | 11,933 | 5,980 | 1.995 |
RTX 3050 6GB* | 6GB | 11,724 | 31,799 | 0.369 |
GTX 1650 | 4GB | 9,506 | 13,980 | 0.680 |
RX 6400 | 4GB | 9,392 | 12,980 | 0.724 |
GTX 1050 Ti | 2GB | 7,762 | 7,980 | 0.973 |
GTX 960 | 2GB | 7,405 | 4,980 | 1.487 |
GTX 770 | 4GB | 7,197 | 4,480 | 1.606 |
GTX 1630* | 4GB | 6,394 | 19,280 | 0.332 |
GTX 1050 | 2GB | 6,300 | 5,980 | 1.054 |
GTX 950 | 2GB | 6,132 | 3,980 | 1.541 |
GTX 760 | 2GB | 5,719 | 3,480 | 1.643 |
これからGTX 960を入手しようとするなら中古モデルが主となる。価格も現行の最下位モデルGTX 1650より安価でなくてはならない。何故なら、グラフィックボードは世代を重ねて進化を続ければ自然と省電力かつ高性能になっていくからだ。GTX 900シリーズの60番台はGTX 10シリーズの50番台の性能に近い。世代が一つ進むと、性能は一つ下に下がる。この事が特徴を大きく変える要因になる。
例えば、GTX 1650になると補助電源を必要としない75Wになる。GTX 960は120Wの6pin仕様だ。この差は搭載する電源容量にも大きく影響を与えるだろう。また、GTX 1650は静音性に特化したファンレスモデルも存在している。CPUと違いマザーボードのチップセットが古くてもグラフィックボードは正しく認識される。こうなると、性能も機能も上の新品モデルより安くなくては中古モデルを選択するメリットは無い。
GTX 960を今選択するメリットがあるとするなら、中古のGTX 1050 Tiより安いことは絶対だ。それも、1,000円~2,000円の差では選ぶメリットがない。現在のGTX 1050 Tiの価格が7,980円なので、最低でも中古価格で5,000円を下回っていなくてはならない。それ以上だと、少し予算をプラスしてGTX 1050 Tiが選択できてしまうことになる。
性能的でも省電力性でも劣るグラフィックボードに対して価格でも負けてしまったら勝負にならない。中古でGTX 960を選択するのはハードルが高い。安価なGTX 1050 Tiを探した方が手っ取り早いはずだ。そもそも、CPUはチップセットや用途で古いものを選択するメリットはある。グラフィックボードはゲームで使用するのが主であることを考えれば4世代以上前の古いものを選択するメリットがない。
中古でグラフィックボードを購入するのは価格が安いこと以外にないと言える。その価格で上位モデルに敵わない可能性が高いなら、最初から上位モデルの選択を検討した方がよい。中古のGTX 960に8,000円出すのと、中古のGTX 1050 Tiに10,000円を出すなら間違いなく後者だ。2024年03月時点での価格はGTX 960が4,980円でGTX 1050 Tiが7,980円だ。
現時点では3,000円の差があるがこの差をどこまで広げることができるかを考える必要がある。今の段階だとぎりぎりだ。要はどこまで安いGTX 960を見つけられるかである。そもそも、そこまで予算を抑えるならGTX 960にこだわる必要もない。10,000円出してグラフィックボードを探すなら、その範囲内で探した方がよいだろう。
2019年の上旬はGTX 1050 Tiがまだ現役だったことで中古価格も高めだった。その時点ではGTX 960は1万円程度で手に入るならよいという評価になっていた。GTX 1650の登場で一気にGTX 1050 Tiが中古市場に流れ、状況が一変した。結論は何度も言うように、価格差次第ではGTX 960よりもGTX 1050 Tiを選択した方がよいということだ。
GeForce GTX 960のベンチマーク
フルHD環境×標準設定及び最高設定でのフレームレートを計測している。WQHDや4K解像度を除外しているのは明らかにターゲットではないからだ。それを踏まえた上でデータを参照して欲しい。ポイントは、GTX 1050 TiやGTX 970との性能差だ。特にGTX 970との差が大きいことがわかるはずだ。
Battlefieled 1
GTX 970 | |
GTX 1050 Ti | |
GTX 960 | |
GTX 950 | |
GTX 1050 | |
RX 460 |
Rise of the Tomb Raider
GTX 970 | |
GTX 960 | |
GTX 1050 Ti | |
GTX 950 | |
GTX 1050 | |
RX 460 |
Deus Ex: Mankind Divided
GTX 970 | |
GTX 960 | |
GTX 1050 Ti | |
RX 460 | |
GTX 1050 | |
GTX 950 |
販売当時の評価【2015年時点】
価格が引き下げられたこともあり人気モデルとなった
製品 | 価格 |
---|---|
GTX 970 | $329 |
GTX 960 | $199 |
GTX 760 | $249 |
GTX 900番台はグラフィックボード界に革命を起こした。旧世代の同じクラスであるGTX 760よりも価格が$50引き下げられたインパクトは大きい。新世代は前世代よりも価格が高くなる事が当たり前だった。その常識を打ち壊し、価格を落としたのが900番台だ。GTX 700番台までは性能と一緒に価格も上がっていたが、900番台は一気に価格が引き下げられた形だ。
それにより、予算的にこれまでミドルクラスまでしか選択できなかったユーザーでもワンランク上の性能に手が届くようになったと言える。グラフィックボードの価格が抑えられたことで、ゲーミングPCの価格にも大きな影響を与えた。それは性能が高いグラフィックボードであるほど影響が大きかったのだ。当時のグラフィックボード事情ではGTX 960は、比較的有用なグラフィックボードだった。
当時はミドルクラスに位置している
GeForce GTX 960は標準的な性能を持ち、コストパフォーマンスに優れているグラフィックボードだ。完全にGTX 760の換装品としてポジションを得たように思える。省電力に加えて低コストが魅力で最も需要の高いモデルとなっている。性能はそこまで高いというわけではない。上位モデルのGTX 970との性能差がかなり大きいのが悩ましい。
しかし、グラフィックの設定を標準以下に下げることでほとんどのゲームに対応することができる。最新のゲームに対応できるかは難しいところだ。グラフィックにクオリティを求めなければ対応は容易だろうと思う。主に、要求スペックが低めなゲームや標準程度のゲームに適しており、オンラインゲームのほとんどはこのグラフィックレベルに存在している。
低価格を求めるユーザーにおすすめしたい。しかしながら、良くも悪くも価格通りの性能なので過信は禁物だ。GTX 970やGTX 980に比べると、プレイに多少制限が出てくるのは否めない。特に大人数でダンジョンを攻略するものやプレイヤーが同時に大量に描写される場面に弱い。表示人数などの設定を決められるのであれば、事前にある程度下げておいたほうが快適にプレイできる。
GeForce GTX 760との比較
GTX 960は、GTX 760と比べて勝っている部分もあれば劣っている部分もある。ベンチマークのスコアではGTX 760よりも高くなる傾向にあるが、負荷が高ければ安定感に欠けてしまいGTX 760よりも劣ってしまうこともあるようだ。処理速度は体感できるほど差はないようにも考えられる上に、コストパフォーマンスではまだGTX 760ほどではない。
基本的にグラフィックボードは最新のものの方が扱いやすいため、新しくゲーミングPCを購入するというのであればGTX 760よりもGTX 960を推奨したい。総合的に見ても同等であるが、省電力というBTOパソコンにとっては非常に優れたメリットを持っているため、フラグシップとなれそうだ。ただし、一般的な用途であれば期待通りの性能を発揮できるものの、負荷の高いゲームなどでは不安が残る。
良くも悪くもミドルクラスでしかないため、過度な期待はしないでおくほうがいいだろう。それでも発売当初と比べると性能などが明確になり、高い評価を集めているのも事実だ。買い替え対象は以前と変わらずGTX 650以前の古いものとなる。しかし、評価は以前と打って変わって高くなっているので候補に挙げるユーザーも少なくない。
GeForce GTX 960搭載搭載おすすめゲーミングPC
1位:GALLERIA DT9 (ドスパラ)
価格 | 107,980円/Windows 10 109,980円/Windows 124,980円/Windows10 SSD搭載モデル | |
---|---|---|
CPU | Core i5-6500 | |
GPU | GeForce GTX960 | |
メモリ | 8GB | |
SSD | 非搭載 | |
HDD | 1TB | |
コスパ | 107,980円/Windows 10★★★★★☆☆☆☆☆ 109,980円/Windows 7★★★★★☆☆☆☆☆ 124,980円/Windows10 SSD搭載モデル ★★★★★★☆☆☆☆ |
2位:NEXTGEAR i650SA5-SP (G-Tune)
価格 | Windows 10/124,800円 | |
---|---|---|
CPU | Core i7-6700 | |
GPU | GeForce GTX960 | |
メモリ | DDR4 16GB | |
SSD | 240GB | |
HDD | 非搭載 | |
コスパ | ★★★★★★☆☆☆☆ |
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