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当記事では、Escape From Tarkov(以下タルコフ)の必要スペックと推奨PCを検証していく。2025年11月15日からSteamでもサービスが開始される。それに合わせてこれまで放置されていた推奨環境がアップデートされた。驚愕のスペックアップを確認していきたい。おすすめモデルについてはページの下部で「Escape From Tarkov推奨おすすめゲーミングPC」でまとめているので、ぜひ参考にして欲しい。

Escape From Tarkovの必要&推奨環境

徹底解剖推奨環境 最低環境 推奨環境
OS Windows 11 Windows 10 Windows 11
CPU Core i5-14400F以上 AMD Ryzen 5 3600 or similar Intel Core i7-14700F or better
GPU GeForce RTX 5060以上 GeForce GTX 1660 or similar GeForce RTX 4070 or better
メモリ 16GB以上 16GB 64GB

タルコフの要求スペックは信じられないほど高くなった。現行のロークラスでも対応できた推奨環境は、ハイクラス以上の性能が求められている。さらに、公式発表の推奨環境のメモリ容量が64GBとなっている。CPUやグラフィックボードはクリアできていても、メモリ容量をクリアできるゲーマーは少ないはずだ。Steamの統計(Steam, 2025)で見ると64GB以上搭載は全体の4.97%しかいない。

ゲームを快適にプレイするために公式発表の推奨環境を参考にするものだが、タルコフに関しては妥協が必要になるかもしれない。特に、メモリ容量までカバーしようとすると、ハードルはかなり高くなる。メモリスロットが2つしかなければ32GBのメモリを2枚購入して交換しなければならない。タルコフに限っては公式発表の推奨環境に合わせるのではなく、必要環境と推奨環境の中間を自分なりに定めた方がよいかもしれない。そうでなければ、非常に高価なモデルを購入することになる。

Escape From Tarkovの推奨環境の考察

タルコフは2017年7月からオープンβが開始された少し古いゲームだ。当時からメモリ消費の激しいゲームだと認識はしていたが、64GBの容量を求められるとは思いもしなかった。何かの間違いではないかと思うほど突き抜けている。最新のゲームであっても推奨環境にメモリ32GBを指定するものがいくつかある程度だ。従来の16GBから4倍の容量が求められるとは誰も想定していなかっただろう。

タルコフ自体は様々なアップデートを繰り返し、2021年から要求スペックが更新されていなかった。いくらか要求スペックが高まることは予想していた。そうは言っても、限度というものがある。これまでタルコフをプレイしてきたプレイヤーで、現在の公式発表の推奨環境をクリアできるのは10%満たないのではないだろうか。

ARENAの追加で要求スペックが高まったとしても、いくらなんでも常軌を逸している。メモリにばかり注目しているわけにはいかない。メモリの異常さに隠れているものの、CPUやグラフィックボードも強力な性能を指定されている。Core i7-14700FとGeForce RTX 4070以上の性能は、負荷の高い最新ゲームでも要求されることはない。

要求スペックの高さで負荷を軽くしたモンハンワイルズでさえ、Core i5-10400とGeForce RTX 2060が指定されている。メモリ容量に至っては16GBだ。2017年のゲームが2025年のゲームよりも高いスペックを要求している。これが8年間βテストをしていた結果だ。タルコフは推奨環境よりも最低環境をベースに考えた方が現実的なのではないかと思う。最低環境を軸にし、推奨環境が上限だと考えれば納得できなくもない。

ゲームのシステム上、フレームレートを安定させるにはCPUの性能が必要だ。グラフィックはそこまでキレイとは言えない。8年以上前のゲームなのだから当然だ。メモリは最適化の問題ではないだろうか。そう考えると、Core i5-14400FにGeForce RTX 5060の組み合わせが現実的なラインに思える。最低環境と推奨環境の中間であり、現行のミドルクラスなので選びやすい。

今後のアップデートで要求スペックが高まっても、メモリ容量はさすがに変わらないはずだ。むしろ、推奨環境のメモリ容量は32GBにまで下がってもおかしくはない。いくらなんでも64GBを推奨環境にするには時代が合わない。数年先にはそういうゲームが登場してくるだろう。しかし、2017年のゲームが要求する容量ではない。

公式発表の最低環境はゲームを起動するのに必要な性能で、推奨環境はゲームプレイする環境を指すことが多い。そのため、推奨環境よりも高いスペックで余裕を持たせるのが理想だ。その定説をタルコフは破った。最低環境に対して少し余裕のある性能を選択するのが無難になるとは思いもしなかった。今後のアップデートでスペックがじわじわ上がると考えると怖いゲームである。

Escape From Tarkovの概要

脱出シューターというジャンルを確立したゲーム

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タルコフは2016年12月28日にクローズドαテストが開始され、2017年7月からクローズドβテストが実施された。8年を超える期間をβテストに費やし、2025年11月15日に正式サービスの開始がアナウンスされた。それにともない、Steamでの配信も決定となり、少しずつ落ち着いてきた人気に再度火をつける可能性もある。タルコフは独自プラットフォームでのみ取り扱われており、知らない人は知らないままだったはずだ。

Steamでの展開はより多くのプレイヤーの獲得につながる。Steamでも従来通りの価格設定でパッケージの購入となるようだ。グレードの低いパッケージは7,500円、最もグレードの高いパッケージは16,700円だ。正直なところ価格設定的にプレイをためらう方も多いように思う。

国内で人気となったのは、PUBGの人気がやや落ち着きはじめた頃だった。近いグラフィック・操作性からフォートナイトApex Legendsのような類似ゲームとしか見られていなかったように感じる。それくらいに、当時はバトロワ系に火が着いていた。

タルコフは一世を風靡したバトロワ系のようなPvPが主体のゲームではなかった。PvPvEという属性であったことから、様々なプレイスタイルに対応していたゲームだ。一人でのんびり遊ぶことも、大勢でわいわい楽しむこともできた。これがバトロワ系と一線を画し、人気に火をつけた要因だ。バトロワ系のようなPvP要素の強いゲームは、プレイヤースキルこそが物を言うジャンルだ。

一方で、タルコフはプレイヤースキルがなくても、じっくり進めることで上位プレイヤーになることもできた。もちろんプレイヤースキルがあるに越したことはないが、強力な武器を持つプレイヤーがいたとしても、ナイフ一本のプレイヤーが多くの戦利品を得ることもある。このゲームは戦いがメインの要素ではない。集めた物資をフィールドからアジトに持ち帰ることがメインの要素だ。陣営はPMCとSCAVがある。

PMCは問答無用でプレイヤーキャラだ。SCAVはフィールド上にいるNPC、もしくはNPCに扮したプレイヤーだ。PMCでプレイすると、フィールド上にいる全ての動くものが敵となる。同じPMCでも仲間というわけではない。同じ物資を漁る同業者でしかない。一方で、SCAV陣営で開始すれば、フィールド上にいるPMC以外の動くものは全て仲間のような扱いだ。

SCAVでプレイすると装備はランダムになり、脱出場所も少なくなる。PMCでプレイすると持って行く装備を決定可能で、脱出場所も少しだけ有利になる印象がある。序盤はSCAVで物資を持ち帰り、装備してPMCで出撃するという形になる。この脱出という要素がタルコフのゲーム性を深くした。あまり価値のない装備であっても、いいアイテムを拾って脱出すればいい。

ローグライクのようなゲーム性は、宝集めゲームのような感覚を生み出し、FPSに新たなジャンルを生み出したと言える。実際にこういった脱出シューターというジャンルは以前からあったのかはわからない。しかし、タルコフほどこのジャンルに貢献したゲームはないのではないだろうか。戦うだけが全てではない。隠密で行動し、漁夫の利を得ることも戦略だ。

いかに効率よくアイテムや物資を拾い集められるか、それを突き詰めるプレイヤーもいる。一方で、物資集めよりも対人を好んで行うプレイヤーもいる。プレイスタイルが幅広いからこそ、タルコフのフィールドは混沌とし、毎回違ったスリルとゲーム性を感じさせてくれるのだ。

意外と頭を使うゲーム性を持つ

タルコフにはアジトというシステムがある。そのままの意味で拠点だ。ここを拡張していくことで、保管スペースなどが拡張され、より便利になっていくものだ。タルコフで集められる物資の中には、お金にもならなければ使い所もないアイテムが存在している。本来であればスルー対象となるものでも、アジトの拡張に必要となることがある。

これにより、無駄な死にアイテムがない状態となっている。これらはトレーダーから購入すると、価格が少し高めだったり、数を確保できなかったりする。繰り返し物資を集めにいく中で、今重要なものと先々重要になるものとで取捨選択がある。バックパックやアーマーのスペースには限りがある。持ち帰ることのできる物資・アイテムはそれほど多くない。

バックパックやポケットの形状でパズルが始まる。2マスのスペースを空けるために1マスのアイテムをあちこちに移動させる。この時、敵に襲われると一方的に倒されてしまうだろう。物資を集めることは簡単でも、重要なものとそうでないものを瞬時に判断できるようになるまで時間がかかる。こういった緊張感を生むのがタルコフだ。アジトだけでなく、トレーダーも開放していかなくてはならない。

クエストのようであり、どこかシミュレーション要素ともいえるシステムだ。これがやりこみ要素にもなっているのだ。何を重点的に拡張していくかを考えつつ、効率を重視していくことになる。アイテムの売り買いや物資集めを通して、安全に手に入るアイテム、多少リスクを追わなければならないアイテムがわかってくるはずだ。バトロワ系と同じように、戦闘を行えばすぐに敵は寄ってくる。

特にタルコフのマップは狭い。SCAVが走っていく方向に、必ずPMCがいることも容易に想像がつく。攻撃を行うことは、それだけでリスクになる。必要なアイテムが敵の集まる建物や場所だと、一気に難易度が跳ね上がる。無事アイテムを手に入れても、脱出するまで油断はできない。むしろ、そういった危険な場所から出てくるプレイヤーを監視しているプレイヤーがいるものだ。

危険なエリアから出てきたプレイヤーを倒せば、リスクを少なくして物資が得られるのだから当然だ。単純なゲーム性だからこそ、シミュレーションゲームやストラテジーゲームのような戦略も必要になる。タルコフにはFPSのAIM、バトロワ系の立ち回りも求められる。様々なゲームをプレイしてきた方にとっては苦とならないものでも、PCゲームに慣れていなければかなり難しい。操作性もよいとは言えない部分があるため、初めてのPCゲームにはおすすめしにくい。多くのゲームの要素を取り入れているだけに、ある程度PCゲームに慣れていないと相当難しく感じるだろう。

Escape From TarkovにおすすめのゲーミングPC一覧

Magnate-G MVW RTX5060搭載 (ドスパラ)

Magnate-G MVW価格:144,980円+送料3,300円
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 5060
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe Gen4
電源:650W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットB760
コスパ:9.1

公式サイト詳細

Magnate-G MVWは当サイトの推奨環境を満たしたモデルだ。公式発表の推奨環境は満たしていないものの、最低環境は余裕を持って満たしている。タルコフはある程度フレームレートを安定させなければ不利になる。少しのカクつきが致命傷になるのはFPSに近い。最低環境と推奨環境の差が激しいため、価格が安く性能の低いモデルは避けたい。タルコフをプレイするならMagnate-G MVWは最低限選んでおきたいモデルである。

Lightning-G AV-Ti7W Ryzen7 7700/RTX5060Ti 8GB搭載 (ドスパラ)

Lightning-G AV-Ti7W価格:164,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 7 7700
GPU:GeForce RTX 5060 Ti 8GB
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe Gen4
電源:650W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットA620A
コスパ:7.9

公式サイト詳細

Lightning-G AV-Ti7Wはタルコフをプレイするには十分な性能がある。ただし、設定を標準程度に下げる必要がある。高画質や高解像度でのゲームプレイはむずかしい。今後のアップデートを考慮しても、Lightning-G AV-Ti7Wの性能は最低環境をクリアし続けられるはずだ。タルコフをメインゲームに考えているならおすすめのモデルだ。

NEXTGEAR JG-A7G70 (マウスコンピューター)

NEXTGEAR JG-A7G70価格:239,800円+送料無料
CPU:Ryzen 7 7800X3D(水冷)
GPU:GeForce RTX 5070
メモリ:DDR5-5200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe Gen4
電源:750W 80PLUS BRONZE
マザボ:チップセットA620A
コスパ:7.7

公式サイト詳細

NEXTGEAR JG-A7G70は、メモリ以外で公式の推奨環境を満たせるモデルだ。比較的負荷の高いゲームにも余裕を持って対応できることから、タルコフを本格的にプレイするならおすすめだ。NEXTGEAR JG-A7G70のメモリを推奨環境通り64GBへカスタマイズするのに41,800円かかる。元々のコストパフォーマンスが高いので、64GBのカスタマイズも一考の価値がある。ゲームに関して言えば現時点で64GBはタルコフくらいしか推奨環境の指定がない。32GBで妥協するのもありだ。

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