ryzen57600x画像引用元:https://shop.tsukumo.co.jp/

当ページでは、Ryzen 5 7600Xの性能レビュー&搭載ゲーミングPCを紹介している。Zen 4アーキテクチャを採用したRyzen 7000シリーズにおける最安値のCPUだ。その後廉価モデルであるRyzen 5 7600やRyzen 5 7500Fがリリースされた。Ryzen 5 7600は、Ryzen 5 7600Xと同等のゲーム性能を発揮する。なお、Ryzen 5 7500FについてはPCベンダー向けで個人ユーザー向けには販売されていない。

このクラスのCPUに求めるのはコストパフォーマンスの高さだろう。従来モデルであるRyzen 5 5600Xと同じ6コア12スレッドというスペックでどこまでパフォーマンスを引き上げられるのかが注目ポイントだ。競合モデルであるCore i5-12600K・Core i5-12400と比較しながらその性能を見ていく。その後後継モデルが登場して比較対象はCore i5-13600KCore i5-13400となる。搭載モデルは「Ryzen 5 7600X搭載おすすめゲーミングPC」で紹介しているので参考にして欲しい。

Ryzen 5 7600Xの基本情報

コードネーム Zen 3(Vermeer)
プロセス 5nm
コア/スレッド数 6コア/12スレッド
定格/最大クロック 4.7 GHz/ 5.3 Ghz
L3キャッシュ 32MB
TDP 105W
発売日 2022年09月27日
MSRP $299
国内価格 33,800円~
特徴 (+)5 5600Xよりも20%以上性能が高い
(+)i5-12600Kと同等以上のゲーム性能を持つ
(-)プラットフォームコストが高い
(-)消費電力が高くなっている
(-)搭載モデルの価格が高い
評価 ・総合評価
7.0

・ゲーム評価
7.5

Ryzen 5 7600Xのスペック

Ryzen 5 7600X Ryzen 5 5600X Core i5-12600K
メーカー AMD AMD Intel
コードネーム Zen 4
(Raphael)
Zen 3
(Vermeer)
Alder Lake
プロセス 5nm 7nm 10nm
トランジスタ数 65.7億 41.5億
ダイサイズ 2x 70 mm² 2x 81 mm² 215 mm²
I/Oダイサイズ 122mm² 125mm²
コア/スレッド数 6 / 12 6 / 12 10(6P+4E)/ 16
定格クロック(P) 4.7 GHz 3.7 GHz 3.7 GHz
最大クロック(P) 5.3 GHz 4.6 GHz 4.9 GHz
定格クロック(E) 2.8 GHz
最大クロック(E) 3.6 GHz
オーバークロック
L3キャッシュ 32MB 32MB 20MB
対応メモリ DDR5-5200 DDR4-3200 DDR5-4800
DDR4-3200
内蔵グラフィックス Radeon Graphics × UHD Graphics 770
CPUクーラー なし なし なし
PCI-Express Gen 5, 24 Lanes Gen 4, 20 Lanes Gen 4, 20 Lanes
TDP 105W 65W 125W
PL2 142W 88W 150W
MSRP $299 $299 $289
国内価格 35,978円~ 21,500円~ 43,750円~
(39,020円~/F)
発売日 2022/09/27 2020/11/05 2021/11/04
Ryzen 5 7600Xは、Zen 4アーキテクチャを採用したCPUDだ。Ryzen 5 5600Xの後継モデルということになる。プロセスが7nmから6nmへと微細化されている。トランジスタ数は58%増えて65.7億となった。d再サイズは13%小さく2×70m㎡だ。コア/スレッドは6コア12スレッドと変わっていない。

定格クロックは27%高く、最大クロックは15%高い。特に最大クロックは5.3GHzとかなり高い水準に到達している。L3キャッシュは32MBと変わらずだ。Ryzen 5 7600Xではついに内蔵GPUとしてRadeon Graphicsが搭載されている。性能的にはかなり低くモニター出力ぐらいしか対応できないと考えておこう。

PCI-ExpressはGen 5, 24 Lanesをサポートしている。TDPは105WとRyzen 5 5600Xと比べて60%アップだ。PL2も142Wと60%高くなっている。MSRPは$299と共通だ。国内価格では19,680円の価格差がある。性能差を考えると妥当な水準だ。およそ1年10ヶ月振りに登場したモデルということで期待値も高い。

競合モデルとなるのは価格の近いCore i5-12600Kだ。MSRPでは$10の差だが、実売価格では5,730円の開きがある。これはRyzen 5 7600Xにプレミアムが付されているからでしばらく経てば落ち着くだろう。Core i5-12600Kは10nmプロセスを採用したCPUだ。ダイサイズは215m㎡とRyzen 5 7600Xよりも40%程度大きい。

Core i5-12600Kは10コア16スレッドとRyzen 5 7600Xよりもそれぞれ66%・33%多い。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用していて6つのPコアと4つのEコアを搭載している。Pコアの定格クロックはRyzen 5 7600Xの方が27%他アック、最大クロックもRyzen 5 7600Xの方が8%高い。L3キャッシュはRyzen 5 7600Xの方が60%多くなっている。

Core i5-12600KもCPU内蔵グラフィックスを搭載している。性能的にはRadeon Graphicsよりも高い。Core i5-12600KはGen 4, 20 Lanesをサポートしている。TDPはCore i5-12600Kの方が20%高く、PL2もCore i5-12600Kの方が6%高い。省電力性はRyzen 5 7600Xの方が優秀だ。5nmプロセスを採用していることによる恩恵だ。

Ryzen 5 7600の最新評価【2025年】

ryzen57600xgamescore
Zen 4アーキテクチャになって一気にゲーム適性が高くなった印象を受ける。Ryzen 5 5600Xと比べて22%前後ゲーミング性能が高く、Intel第12世代のフラグシップモデルであるCore i9-12900Kと同等だ。競合のCore i5-14400と比べてもゲーミング性能は高い。下位モデルのRyzen 5 7600よりも7%程度パフォーマンスが高くなっている。上位モデルのRyzen 7 7700とそれほど変わらないのは驚きだ。

現在Core i5-14400の価格が36,000円前後なのでゲーム性能だけを重視するなら33,800円で購入できるRyzen 5 7600Xは魅力的な選択肢となる。Ryzen 5 7600なら29,880円とさらに安く購入可能だ。ただし、プラットフォームコストがネックとなる点は忘れてはいけない。AMD製CPUにこだわるなら選択肢として悪くない。AM5ソケットは数世代続くはずなので、アップグレードがしやすくなるのもメリットだ。

Ryzen 5 7600Xの特徴&注意点【2022年】

Ryzen 5 5600Xから順当な進化を遂げる

型番 総合性能
Core i5-13600K 30,159
Ryzen 7 7700X 29,783
Core i7-12700 28,961
Ryzen 9 5900X 28,457
Core i9-11900K 25,944
Core i5-12600K 25,507
Ryzen 5 7600X 24,962
Ryzen 7 5800X 24,001
Ryzen 7 5800X3D 23,198
Ryzen 7 5700X 22,789
Core i5-12400 22,546
Ryzen 5 5600X 20,616
Ryzen 5 5600 19,765
Ryzen 5 5500 18,262
Ryzen 5 3600X 16,117

Ryzen 5 7600Xは、Ryzen 5 5600Xと同じ6コア12スレッドというスペックながらアーキテクチャが変わって20%以上処理性能が高くなっている。1世代での伸びと考えると十分だろう。Intel Core i5-12600Kまであと少しというところまで引き上げられた。AMDの面目を保った形だ。Ryzen 7 5800XやRyzen 7 5700Xといった従来モデルの上位モデルをしっかりと追い越している。

これだけの性能があればRyzen 5 5600Xからの買い替えでもメリットがある。もちろんゲーム適性も高くCore i5-12600Kを上回る場面も目立つ。2022年10月にはIntel第13世代CPU(Raptor Lake)の登場を控えている。このCore i5-12600Kの後継モデルに当たるCore i5-13600Kの性能が気になるところだ。Core i5-13600Kがリリースされるのを待ってからでも遅くはない。

プラットフォームコストを考えるとコスパが悪い

製品名 Ryzen 5 7600X Core i5-12600K
CPU価格 48,480円~ 42,750円~
メモリ価格 10,960円~ 6,400円~
マザーボード価格 52,690円~ 15,741円~
トータル費用 112,130円~ 64,891円~

Ryzen 5 7600Xへのアップグレードを検討中のユーザーはプラットフォームを一新することによるコスト増を考える必要がある。Ryzen 7000シリーズからCPUソケットがSocket AM5になり、これまでのSocket AM4との互換性がなくなってしまった。つまり、Ryzen 5000シリーズなど旧世代のモデルからアップグレードをする場合はマザーボードの交換が必要だ。マザーボードも今は高価なチップセットであるX670しか選択肢がなく、安価なB650がリリースされるまでは我慢するしかない。Ryzen 5 7600XなどのミドルクラスのモデルにX670はオーバースペックだ。

また、メモリもDDR5のみのサポートとなるためこちらも新しく購入する必要がある。ある程度のコストが掛かることは認識しておこう。また、搭載ゲーミングPCの価格もかなり高い。それはRyzen 5 7600Xが発売されたばかりでプレミアム価格となっていることはもちろんあるが、プラットフォームにコストが掛かるため仕方のない部分もある。Ryzen 5000シリーズの販売が終了するのもよいかもしれない。

Ryzen 5 5600Xよりも消費電力が高い

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消費電力が高くなってしまったのはデメリットと言える。性能が20%程度伸びたことに対して消費電力は55%以上高くなっている。これはスペック記載のTDPからも想像に容易い。Ryzen 5 5600XではTDPが65WでPL2が88Wだ。それがRyzen 5 7600Xではそれぞれ105W・142Wと60%程度高い。

プロセスを微細化してもクロック周波数を引き上げたため相殺されるどころか省電力性の観点からはマイナスとなった。それでもCore i5-12600Kと比べると8%程度消費電力が低い。Ryzen 5 7600Xへのアップグレードを考えている場合は電源ユニットはある程度容量に余裕を持たせておくのがよいだろう。

Ryzen 5 7600Xのゲームベンチマーク一覧

Far Cry 6

farcry6Ryzen 5 7600X-farcry6

Far Cry 6では、Core i5-12600Kと比べて13%も平均フレームレートが高い。Core i7-12700Kと比べても8%程度高い。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べて20%もパフォーマンスが高くZen 4アーキテクチャの進化が見て取れる。Zen 3シリーズよりもワンランク以上パフォーマンスが高くなった。最小fpsもしっかりと底上げが行われている。Ryzen 5というランクを見ると十分すぎる性能だ。

Hitman 3

hitman3Ryzen 5 7600X-hitman3

Hitman 3では、ゲーミング最強CPUを謳うRyzen 7 5800X3Dに近いフレームレートを叩き出した。その差は2%程度だ。最小fpsでは9%も上回っている。Core i5-12600Kと比べて平均フレームレートは15%以上も高く、Core i7-12700Kでさえも上回っている。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べると50%以上もフレームレートが高く全く別物のCPUとなったと言えるだろう。

Horizon Zero Dawn

horizon zero dawnryzen57600x-Horizon Zero Dawn

Horizon Zero Dawnでも高いゲーム適性を見せている。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べて4%程度平均フレームレートが高い。最小fpsも5%高い。Ryzen 9 5950Xと同等の水準だ。Core i5-12600Kと比べると4%程度平均fpsが高いが、最小fpsは3%程度低い。

Red Dead Redemption 2

Red Dead Redemption 2ryzen57600x-Red Dead Redemption 2

ed Dead Redemption 2でもRyzen 7 5800X3Dに次いで高いフレームレートを出している。Ryzen 7 5800X3Dとの性能差は2%-9%程度だ。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べると平均fpsは9%高く、最小fpsも22%高い。一気にCore i7-12700KやCore i5-12600Kを追い越していてゲーム適性の高さが伺える。Intel第12世代CPUを過去のものにした。Intel第13世代CPUの発売が迫っていて気になるところだ。

Watch Dogs: Legion

watchdogslegionryzen57600x-Watch Dogs Legion

最後にWatch Dogsでのフレームレートを見ていこう。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べて平均fpsが27%高く、最小fpsも29%高い。一気にゲーム性能を引き上げていた。5nmプロセス採用によるクロック周波数の高さやIPCの改善がこのパフォーマンスに繋がっているのだろう。Core i5-12600Kとくらべても6%程度フレームレートが高い。6コア12スレッドのCPUでもここまでやれるのは驚きだ。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R23

cinebenchryzen57600x-cinebenchr23

Cinebench R23でのスコアを見ていこう。CPUのレンダリングを客観的に把握できる。Ryzen 5 7600Xは、従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べてマルチスレッド性能が35%高く、シングルスレッド性能も23%高い。Ryzen 7 5700Xとくらべても6%-26%高い。Core i5-12600Kと比べるとマルチスレッド性能は12%劣るが、シングルスレッド性能は4%上回っている。ここまでシングルスレッド性能が伸びているのはクロック周波数を引き上げたことによる恩恵だ。

7-Zip

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7-ZipではCore i5-12600Kを完璧に上回るスコアを出している。解凍速度は18%高く、圧縮速度も4%高い。6コア12スレッドというスペックで、10コア14スレッドのCPUを上回るのは素晴らしい。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べても解凍速度は20%速く、圧縮速度も9%速い。圧縮速度に関しては上位モデルのRyzen 7 5700XやRyzen 7 5800X3Dを上回っている。かなり洗練されたCPUになったと考えてよいだろう。

Handbrake

handbrakeryzen57600x-handbrake

動画のエンコードに掛かる時間を計測している。Ryzen 5 7600Xは、x264でもx265でも僅差ながらCore i5-12600Kを上回るパフォーマンスを発揮している。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べるとx264では22%速く、x265でも26%も速くなっている。Zen 4アーキテクチャになってIPCが13%改善してそれがプラスに働いていると考えてよさそうだ。12コア24スレッドのRyzen 9 5900Xには及ばないが、Ryzen 5シリーズであることを考えると健闘している。

Adobe Lightroom and Premiere Pro

Adobe Premiere Pro CCryzen57600x-adobe

画像編集及び動画編集のパフォーマンスを見ていく。画像編集でも動画編集でもトップのスコアを叩き出した。従来モデルのRyzen 5 5600Xと比べてLightroomは29%高く、Premire Proも29%高い。Core i5-12600Kと比べても20%程度パフォーマンスが高い。これは単純にクロック周波数の高さが影響しているのではないかと思う。

Ryzen 5 7600X搭載おすすめゲーミングPC

ZEFT R52CA(セブン)

ZEFT R37SH価格:218,680円(送料込)
CPU:Ryzen 5 7600X
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

Ryzen 5 7600X×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。フルHD環境でのゲームプレイに適している。Ryzen 5 7600X搭載モデルの中でもかなり安い部類だ。ただし、Core i5-14400F×GeForce RTX 4060 Tiの組み合わせが税込18万円台から購入できることを考えるとかなり高価だ。PCケースには「NZXT H5 FLOW」を選択している。ホワイトカラーがオシャレだ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeという構成となっている。電源ユニットは750W GOLDを採用している。

GALLERIA ZA5R-R46T 7600X搭載(ドスパラ)

GALLERIA XA7C-R37T価格:245,980円+送料3,300円
CPU:Ryzen 5 7600K
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:1TB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:調査中

公式サイト

グラフィックスにAda Lovelace世代のハイクラスであるGeForce RTX 4060 Tiを搭載したゲーミングPCだ。Ryzen 5 7600XとGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせで税込245,980円という価格は厳しい。いくらRyzen 5 7600Xの性能が高いとは言っても25万円近い価格ではおすすめしづらい。GeForce RTX 4070 SUPER搭載モデルが視野に入る価格帯だ。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは650W BRONZEだ。

G-Master Spear X670A(サイコム)

G-Master Spear Z590価格:276,440円(税込)
CPU:Ryzen 5 7600K *ダウングレード
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:750W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中

公式サイト

サイコムからも搭載モデルが販売中だ。初期構成ではRyzen 7 7700Xを搭載しているが、Ryzen 5 7600Xにダウングレード(-21,880円)できる。PCケースには「CoolerMaster MasterBoxCM694」を採用している。サイド強化ガラスパネルバージョンも選択可能だ。メモリDDR5-4800 16GB、SSD 1TB Gen4 NVMeと構成も充実している。電源ユニットは750W GOLDが選択されている。これをベースモデルとしてあなた好みの一台に仕上げるとよいだろう。

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