ryzen72700

当ページでは、Ryzen 7 2700のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。第2世代Ryzenシリーズの中でもハイクラスなCPUということもありパフォーマンスが気になるだろう。ゲーミングモデルとしての期待値も高い。第1世代Ryzenシリーズの「Ryzen 7 1700」の後継モデルということになる。Ryzenシリーズも第2世代になってより洗練されたモデルとなった。

2024年時点での立ち位置についても見ているので中古での購入を考えている方にもぜひ読んで欲しい。各種ベンチマークと合わせて詳しく検証していく。なお、後継モデルは「Ryzen 7 3700X」だ。Zen 2アーキテクチャになってよりパフォーマンスが向上したCPUとなっている。特にゲーム適性は大きく向上している。

Ryzen 7 2700の基本スペックを知る

AMD製CPUと比較(Ryzen 7 1700 etc.)

Ryzen 7 2700Ryzen 7 2700XRyzen 7 1700Ryzen 7 3700X
コードネームZen +Zen +ZenZen 2
プロセス12nm12nm14nm7nm
CPUコア数8888
スレッド数16161616
定格クロック3.2GHz3.7GHz3.0GHz3.6GHz
最大クロック4.1GHz4.3GHz3.8GHz4.4GHz
L3キャッシュ16MB16MB16MB32MB
TDP65W105W65W65W
CPUクーラーWraith SpireWraith PrismWraith SpireWraith Prism
価格$299$329$299$329
Ryzen 7 2700は、Zen +を採用した第2世代RyzenシリーズのCPUだ。前世代のRyzen 7 1700及び上位モデルであるRyzen 7 2700Xと比較していく。参考までに後発モデルであるRyzen 7 3700Xのスペックについてもまとめているのでぜひ参考にして欲しい。Ryzen 7 1700からの変化としては、Zen→Zen +→Zen 2へとアーキテクチャが進化している。当然右へいくほどより性能が高い。

Ryzen 7 2700は、Zen +アーキテクチャを採用していて前世代の14nmプロセスから12nmプロセスへと縮小化された。これによって同じ消費電力でもより高いクロック周波数を実現できる。Ryzen 7 1700と比較して定格クロックが3.0GHz→3.2GHz、最大クロックが3.8GHz→4.1GHzへと7%-8%引き上げられている。L3キャッシュ容量は16MBを維持している。

さらに、洗練されたマルチコアブーストアルゴリズムを採用してキャッシュとメモリのレイテンシ軽減につながっている。効率よくパワーを発揮できるということだ。ゲームプレイ時などに強みになる。消費電力が65Wと変わらないのは評価に値する。また、CPUクーラーが標準搭載となっているので、一般的な用途であれば十分対応可能だ。

上位モデルのRyzen 7 2700Xと比較するとまず目につくのは消費電力の高さだろう。当然その分だけ性能が高いということだ。定格クロックが3.2GHz→3.7GHz、最大クロックが4.1GHz→4.3GHzと大幅にアップしている。また、XFR(Extended Frequency Range)技術によるメリットも大きい。

この技術によって温度管理がしっかり行われていれば最大クロックよりもさらに100MHz引き上げることができる。Ryzen 7 2700では3.7GHz以上にはならないが、Ryzen 7 2700Xではその制限がなくパフォーマンスが高い。消費電力の高さは性能の高さの裏返しということになる。

Intel製CPUと比較(Core i7-8700 etc.)

Ryzen 7 2700Core i7-8700Core i7-9700
コードネームZen +Coffee LakeCoffee Lake-Refresh
プロセス12nm14nm14nm
CPUコア数868
スレッド数16128
定格クロック3.2GHz3.2GHz3.0GHz
最大クロック4.1GHz4.6GHz4.7GHz
L3キャッシュ16MB12MB12MB
TDP65W65W65W
価格$299$303$323
発売日2018年4月19日2017年11月2日2019年9月6日
Intel Core i7-8700及びその後継モデルであるCore i7-9700とスペックを比較していく。Ryzen 7 2700は、Core i7-8700が発売されてから5ヶ月後に登場したCPUだ。スペックを比較するとわかるとおり、Core i7シリーズとの性能差は大きい。Ryzenシリーズが躍進していることがわかるだろう。

Ryzen 7 2700ではプロセスが12nmとCore i7-8700の14nmよりも微細化されている。省電力性の観点から有利だ。さらに、CPUコア/スレッドも8コア16スレッドとCore i7-8700の6コア12スレッドよりもそれぞれ33%多い。マルチスレッド性能の高さではRyzen 7 2700に軍配が上がる。L3キャッシュ容量も33%多く16MBとなる。価格もCore i7-8700よりも安価だ。Ryzen=高コスパなCPUというイメージを植え付けている。

スペック上はRyzen 7 2700が優勢だが、実際はゲームやアプリケーション側の最適化の問題やレイテンシの問題などでIntel Core i7-8700の方がパフォーマンスが高いこともある。第9世代のCore i7-9700になるとハイパースレッディングには非対応となった。8コア8スレッドと物理コアが33%アップしている。時代はマルチコアだ。事実ここからCore i7シリーズでは8コア16スレッドが一般的なものとなった。

Ryzen 7 2700の最新評価【2024年】

Ryzen 7シリーズでもゲーム性能はそこまで高くない

ryzen72700gamescore
Ryzen 7 2700のゲーム性能スコアは18,965だ。前世代のRyzen 7 1700と比べると5%程度性能が高い。6年前に発売されたモデルとして考えると十分健闘していると言える。上位モデルのRyzen 7 2700Xと同等のゲーム性能を発揮する。同時期に発売されたCore i7-8700と比べると10%弱パフォーマンスで劣る。

次世代のRyzen 7 3700Xになると15%以上性能が高い。世代を重ねてしっかりとパワーアップしている。世代ごとにゲーム適性も上がり、明らかに市場シェアを奪っている。BTOパソコンでも搭載モデルが増えてきているのはその証拠だろう。このRyzen 7 2700から一気に搭載モデルが増えた。

Ryzen 7 2700は、第3世代向けの400シリーズのチップセットや古い300シリーズのチップセットにも対応していて汎用性が高い。つまり、現時点で400シリーズのチップセットを使っているのであれば将来第3世代Ryzenシリーズへのアップグレードも容易だということだ。AMDの強みと言える部分だ。次々にソケットを変えてしまうIntelも見習って欲しいものだ。

中古価格は上位モデルのRyzen 7 2700Xと変わらない

製品コア/スレッド性能価格コスパ発売日
Ryzen 5 36006/1221,4679,4802.2642019/07/07
Core i7-97008/821,27120,9801.0142019/09/06
Core i7-87006/1220,90311,4801.8212017/11/02
Core i5-9400F6/619,92210,9801.8142019/02/01
Ryzen 5 35006/1219,8487,9802.4872020/02/27
Ryzen 7 2700X8/1619,0388,9802.1202018/04/19
Ryzen 7 27008/1618,9659,9801.9002018/04/19
Ryzen 5 2600X6/1218,8676,9802.7032018/04/19
Ryzen 5 26006/1218,2296,4802.8132018/04/19
実は中古価格は上位モデルのRyzen 7 2700Xと変わらない。今はRyzen 7 2700Xの方が安価なモデルがあるぐらいだ。いずれにしても高いコストパフォーマンスを誇る。10,000円という価格は底値に近い。ただし、Ryzen 7 2700の購入を考えているならRyzen 7 2700Xを選ぶか、Ryzen 5 3600を選択する方がよい。

Ryzen 5 3600ならワンランク高い性能を得られる。スペック自体は6コア12スレッドと劣るが、ゲーム適正は上回る。Ryzen 7 2700が発売された当時の競合モデルであるCore i7-8700は11,480円と少し高いが、それだけRyzen 7 2700とは性能差があるということだ。なお、Core i7-8700は中古のタマも豊富だ。

Ryzen 7 2700のベンチマーク【ゲーム】

Far Cry 5

farcry5

Core i7-8700K136.4
92.1
Core i5-8400121.6
81.2
Ryzen 7 2700X107.6
83.1
Ryzen 7 2700100.2
75.0
Ryzen 5 1600X97.2
69.8
Ryzen 7 170092.2
68.1
平均fps最小fps
Ryzen 7 1700と比べると9%スコアが向上している。上位モデルのRyzen 7 2700Xとの差は7%程度だ。Far Cry 5ではIntel Core iシリーズの強さが光る。Core i5-8400にも劣っているのは屈辱だと言えるかもしれない。やはりレイテンシが軽減したとはいってもゲーミング適正はまだまだこれからだ。次世代以降のモデルに期待したい。

Hitman 2

hitman2

Core i7-8700K119.9
83.3
Core i5-8400107.9
76.5
Ryzen 7 2700X99.3
70.6
Ryzen 7 270092.5
65.3
Ryzen 5 1600X89.5
64.1
Ryzen 7 170087.9
62.6
平均fps最小fps
Hitman 2でもIntel勢の圧勝だ。Ryzen 7 2700は、4番手に留まる。Ryzen 7 1700と比較すると5%パフォーマンスが向上している。最小fpsも向上していることから安定感が増していることは事実だ。Core i5-8400との差は15%とかなり大きい。上位のRyzen 7 2700XでもCore i5-8400に追いつけないのは厳しい。Core i5-8400の価格は$182とRyzen 7 2700よりも40%も安価で購入できる。ゲーミングCPUとしてはCore i5-8400の方が優れている。

Metro Exodus

Metro-Exodus-Title

Core i7-8700K94.6
53.5
Core i5-840093.3
52.1
Ryzen 7 2700X86.0
47.2
Ryzen 7 270080.5
44.8
Ryzen 5 1600X80.8
44.9
Ryzen 7 170076.4
41.8
平均fps最小fps
Metro Exodusでも同様の結果となっている。やはりゲーム適性がぐっと上がるのは第3世代Ryzenシリーズからだろう。もっともゲーム側の最適化が時代とともにうまくいっているとも考えられる。Core i5-8400よりも14%もフレームレートが低い。価格差を考えるとかなり厳しい結果だ。Ryzen 7 1700と比べると5%程度伸びているが、伸び幅に物足りなさがある。

Ryzen 7 2700のベンチマーク【レンダリングetc.】

CineBench 15

cinebenchr15ryzen72700-cinebench

Ryzenが本領発揮となるのはマルチスレッドを活かせる環境だ。CineBenchも数少ない活躍の場となる。レンダリングパフォーマンスはそのままゲーミング性能に当てはまるわけではない。動画編集などマルチスレッド性能を活かせる場面において強みとなる。ある程度は参考にしてもよいだろう。

スコアを見るとわかるがRyzenシリーズの強さがわかる。マルチスレッド性能はRyzen 7 1700よりも8%高く、シングルスレッド性能も12%引き上げられている。一方で、Core i7-8700Kと比べるとマルチスレッド性能は2%高く、シングルスレッド性能は27%劣る。シングルスレッド性能はIntel製の得意分野だ。これがゲーム時のパフォーマンスに影響しているのだろう。

エンコーディング(Handbrake)

handbrakeryzen72700handbrake

HandbrakeではRyzenのマルチスレッド性能の高さが活かせている。特にH.264ではCore i7-8700Kをも上回る。H.265ではやや遅れをとっているものの上位モデルとの比較であることを考えると悪くない。Ryzen 7 1700と比べても10%向上している。

PCMark 10

pcmark10pcmark10ryzen72700

PCMarkではIntel製CPUが上位にランクインとなっている。Ryzen 7 2700は、Ryzen 5 1600Xよりも低く不安定な結果となっている。それでもRyzen 7 1700よりも数%ながらパフォーマンスが向上している。

Ryzen 7 2700の特徴&評価【2018年時点】

8コアの高パフォーマンスモデル(+)

Ryzen第2世代の7 2700は8コア16スレッドと競合のIntel製CPUを圧倒している。コアのAMD、クロック周波数のIntelという式が成り立つ。理論上はコア数が多いほうがパフォーマンスは高くなる。ゲーミングモデルとして十分通用する。性能的にはRyzen 7 2700Xに次ぐ性能を持つ。

Ryzenモデル全般に言えるのだがBTOメーカーにおけるゲーミングPCのラインナップが極端に少ない。ドスパラは比較的ラインナップが豊富でインテルと変わらないぐらいだ。しかし、G-Tuneではほとんどないし、TSUKUMOでも数が少ない。ベースモデルの選択肢が狭まってしまうのは寂しいがそこはカスタマイズで対応したい。

Ryzen 7 2700Xに比べると人気は高くない(-)

単体のグラフィックボードとして見るとRyzen 7 2700はお世辞にも人気があるとは言えない。その理由はわずか3,000円程度で手に入るRyzen 7 2700Xの存在だ。+3,000円で性能が上がる上に、クーラーが搭載されていると考えると人気が集まるのは必然だろう。搭載ゲーミングPCを見ても明らかだ。まずはRyzen 7 2700Xを検討することを推奨する。

Ryzen 7 2700搭載おすすめゲーミングPC5選

GALLERIA AT(ドスパラ)

GALLERIA ZZ価格:142,980円 119,980円
CPU:Ryzen 7 2700 Ryzen 7 2700X
GPU:GeForce RTX 2060
メモリ:DDR4 8GB
SSD:500GB
HDD:2TB 3TB
電源:DELTA 500W 静音電源

RTX 2060搭載の最強ゲーミングPCの一つだ。キャンペーンで大化けする一台となっている。Ryzen 7 2700Xへの無償アップグレード、HDD 3TBへの無償アップグレードは強力だ。性能的にはWQHD環境×高設定までであれば対応できる。将来性も高くイチオシ。

G-GEAR GA7A-B181/T(TSUKUMO)

G-GEAR GA7A-B180T価格:129,800円
CPU:Ryzen 7 2700
GPU:GeForce GTX 1060 3GB GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:240GB
HDD:1TB
電源:CWT製 550W BRONZE

キャンペーン対象のお得なゲーミングPCだ。GTX 1060 3GBがGTX 1660 Tiへと無償アップグレードが行われている。価格を考えると非常に魅力的な一台だ。Ryzen 7 2700はコスパが高くゲーム以外でも活躍すること間違いなしだ。

G-GEAR GA7A-C181/T(TSUKUMO)

G-GEAR GA7A-B180T価格:134,800円
CPU:Ryzen 7 2700
GPU:GeForce RTX 2070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:240GB
HDD:1TB
電源:CWT製 550W BRONZE

TSUKUMOはRyzen搭載モデルが充実している。現在Ryzen 7 2700Xへの無償アップグレードに対応している。価格を考えると最もコストパフォーマンスが良くなっている。グラフィックボードにはハイクラスのRTX 2070を搭載。4K解像度や高リフレッシュレートにも対応できる。

G-GEAR mini GI7A-B190/XT(TSUKUMO)

ggearmini価格:119,800円
CPU:Ryzen 7 2700
GPU:GeForce GTX 1660
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
電源:500W SILVER

GTX 1660搭載モデルの最安値クラスの一台だ。CPUには8コア16スレッドの高性能CPUを搭載している。グラフィックボードとの相性も良好だ。メモリ8GB、SSD 240GBと構成は控え目となっている。

LEVEL-R0X4-R72-RNJR(パソコン工房)

LEVEL-R027-i7-RNR価格:128,980円
CPU:Ryzen 7 2700
GPU:GeForce GTX 1060 3GB
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:1TB
電源:500W 80PLUS BRONZE

GTX 1060 3GBを搭載した高パフォーマンスモデルだ。ダブルストレージでも価格が抑えられているのが嬉しい。バランスが良くカスタマイズはしなくても良いだろう。

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GPUGeForce GTX 1080
メモリ16GB
SSD500GB Crucial
電源ユニット1200 W Platinum Corsair AX1200i
参照元:https://www.guru3d.com/ (Guru3D.com)