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当記事では、モバイル向けGeForce GTX 1050 Mobileのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。前世代のGeForce GTX 950Mとの性能差も気になるところだ。エントリークラスのグラフィックボードということもあり注目を集めるグラフィックボードだ。税込10万円以下でもモデルが販売されていて予算を抑えたい方向けだと言える。

ただし、メイン機として使用するには少し物足りない性能であることを理解しておこう。友人や知人がGTX 1050 Mobile搭載モデルを購入しようとしたら止めるかもしれない。フルHD環境でも設定を下げる必要が出てくる。クリエイターの方やライトゲーマーの方であれば問題ないだろう。後継モデルは、Turing世代の「GeForce GTX 1650 Mobile」だ。低価格帯のモデルを探している方はぜひチェックしておこう。2023年時点でも購入できる息の長いロークラスのグラフィックボードだ。

GeForce GTX 1050 Mobileの概要

GeForce GTX 950Mとスペック比較

型番 GTX 1050 GTX 950M
アーキテクチャ Pascal Maxwell
GPU GP107 GM107
プロセス 14nm 28nm
トランジスタ数 33億 18.7億
ダイサイズ 132m㎡ 148m㎡
CUDAコア 640 640
ベースクロック 1354MHz 993 MHz
ブーストクロック 1493MHz 1124 MHz
メモリ形式 GDDR5 GDDR3
GPUメモリ 2GB 4GB
メモリクロック周波数 1752 MHz 900 MHz
メモリバス 128 bit 128 bit
バンド幅 112.1 GB/s 28.80 GB/s
消費電力 75W 75W
価格 $109
ここがポイント!!

前世代のGTX 950Mと比較していこう。GTX 950Mの末尾にあるMはモバイルであることを意味する。GTX 1050では公式に末尾のMマークが取れたのでデスクトップ向けモデルと同等のスペック・性能であるということになる。Maxwell世代からPascal世代へのアーキテクチャの変更はその後のグラフィックボードに革命を起こしたと言える。それほど性能に与えるインパクトが大きかったのだ。

Pascal世代になってプロセスが28nm→14nmへと微細化に成功している。これによってダイサイズを小さくしてもより多くのトランジスタを搭載することができパフォーマンスにアップに繋がるのだ。GTX 1050のダイサイズ132m㎡とGTX 950Mよりも12%程度小さいが、トランジスタ数は80%近く増えて33億となっている。スペックを細かく見ていこう。

CUDAコアは同じ640となっている。ベースクロックが35%も高く、ブーストクロックも33%高くなっている。メモリ周りも大きく強化されている。メモリ容量こそ半減しているが、GDDR3からGDDR5へと新しい規格になりバンド幅が4倍と飛躍的に向上した。メモリクロック周波数も95%アップだ。これだけスペックが上がっているにもかかわらず消費電力は同じ75Wに抑えられている。明らかに別物のグラフィックボードに仕上がっている。

デスクトップ向けモデルとスペック比較

プラットフォーム モバイル PC
型番 GTX 1050 GTX 1050
GPU GP107 GP107
プロセス 14nm 14nm
トランジスタ数 33億 33億
ダイサイズ 132m㎡ 132m㎡
CUDAコア 640 640
ベースクロック 1354MHz 1354MHz
ブーストクロック 1493MHz 1455MHz
メモリ形式 GDDR5 GDDR5
GPUメモリ 2GB 2GB
メモリクロック周波数 1752 MHz 1752 MHz
メモリバス 128 bit 128 bit
バンド幅 112.1 GB/s 112.1 GB/s
消費電力 75W 75W
価格 $109 $109
ここがポイント!!

スペックを比較するとブーストクロックがモバイル向けの方が高くなっている。それ以外は全く同じスペックだ。GTX 10シリーズでモバイルを意味するMが消滅したことも納得だ。なお、他の型番と同じく基本的にはデスクトップ向けモデルの方が性能が高い。消費電力をうまくコントロールできれば同等のパフォーマンスを期待できる。

GeForce GTX 1050 Mobileの最新評価【2025年】

gtx1050mobilegpuscore

グラフの赤文字はデスクトップ向けグラフィックボードであることを意味する。GeForce GTX 1050 Mobileのグラフィックススコアは5,350とかなり低い。デスクトップ向けのGeForce GTX 1050との性能差は15%程度だ。従来モデルのGeForce GTX 950Mと比べると二倍近い性能の伸びを見せているが、2025年時点ではそれでも物足りない。現行のAda Lovelace世代であるGeForce RTX 4050 Mobileと比べて65%程度劣る。

50番台のグラフィックボードだとパーツ性能に対する寿命は長くない。中古市場でもタマを見つけることは難しい。それは上位モデルのGeForce GTX 1060 Mobile搭載モデルでも同じだ。Pascal世代のモデルは中古市場からも消えつつある。次世代のTuring世代であるGeForce GTX 1650 Mobile搭載モデルを最低限に考えるとよさそうだ。

GeForce GTX 1050 Mobile搭載ゲーミングノートPCの特徴

総合性能-快適なゲームプレイははやや厳しい

型番 総合性能
RTX 3060 Mobile 17,197
RTX 2070 Mobile 17,075
RTX 2060 Mobile 15,883
RTX 3050 Desktop 14,734
GTX 1660 Ti Mobile 12,476
RTX 3050 Ti Mobile 11,843
RTX 3050 Mobile 11,185
GTX 1060 Mobile 10,005
GTX 1650 Ti Mobile 9,129
GTX 1650 Mobile 8,544
GTX 1050 Ti Mobile 7,257
GTX 970M 7,018
GTX 1050 Mobile 5,350
GTX 960M 4,123
GTX 950M 2,969

GTX 1050 Mobileのゲーミング性能をまとめた。前モデルであるGTX 950Mと比べると80%パフォーマンスが向上している。アーキテクチャが変わったことの成果は素晴らしい。それでもゲームプレイをするには心許ない性能だと言える。ゲームプレイを考えるのであれば最低でもGTX 1050 Tiを考えるべきだろう。次世代モデルならGTX 1650 MobileあるいはGTX 1650 Ti Mobileを選択肢に入れたい。スコア的に10,000を一つの目安にすればよいのではないかと思う。

GTX 1050のターゲットとなるのはゲーマーではなく、クリエイターなどの一般ユーザーだ。例えば、WEBデザインをしたり、3D CADソフトを使ったりといったことが考えられる。ゲーム以外の使用でGPUサポートを受けたい方や稀に軽いゲームをするだけの方を想定している。解像度や設定にこだわらないユーザーであればある程度納得できる部分もあるかもしれない。

低価格帯のゲーミングノートの中心モデル

10万円以下のゲーミングノートPC(そう呼んでいいのかはわからないが…)を探していると中心となるのはこのGTX 1050 Mobileであることがわかるだろう。10万円以上となるとGTX 1050 Ti搭載モデルとなる。少しでも安くグラフィックボード搭載モデルを考えているなら選択肢に入れてもよい。

ただし、上記で書いた通りその性能についてしっかりと理解しておこう。フルHD×低設定あるいはHD×高設定が基準だ。なお、下位にGeForce MX150があるが、これはゲーム向きではないので実質GTX 1050が一番下のグラフィックボードということになる。

BTOメーカーのラインナップが極端に少ない

GTX 1050搭載のゲーミングノートPCを探すとラインナップの少なさに驚いてしまうかもしれない。やはりどこのBTOメーカーもGTX 1050がゲーミング向けとは言えないと判断しているということだ。選択肢が狭まってしまうというのはデメリットだと言える。

パソコン工房もドスパラもGTX 1050 Tiが最低クラスのモデルとなっている。G-Tune、フロンティア、Dellなどでしか販売されていない。なお、Dellについてはゲーミングブランドではない。どちらかと言うとクリエイター向け(Photoshop、RAW現像など)と考えた方が良いだろう。

GeForce GTX 1050 Mobileのベンチマーク(デスクトップPC)

デスクトップ向けのGTX 1050で実際にゲームプレイ中のフレームレートを計測した。厳密に言うとラップトップ向けのグラフィックボードとは多少異なる点はあるものの参考にはなるだろう。基本的にはデスクトップ向けの方がわずかに性能が高くなる。

Hitman

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Hitmanについては最高設定だとかなり厳しいことがわかる。中設定あるいはそれ以下でのゲームプレイを考える必要がある。GTX 1050 Tiとの差は35%-40%と大きい。60fpsを基準にするとGTX 1060がボーダーとなる。

比較的新しいタイトルになると対応しづらくなるのがエントリークラスのグラフィックボードのデメリットだと言える。それでも全くゲームができないというわけではなく設定調整は必須だということだ。この特性を理解して選択しないと後悔することになる。

Battlefield 1

battlefieldbattlefiledgtx1060

Battlefieldなら最高設定でも平均54.7fpsと十分だろう。これなら全く対応できないわけではない。フレームレートを上げたいのであれば中設定にすれば万全だ。GTX 1050 Tiになればより余裕が生まれる。およそ25%フレームレートが高くなっている。

Grand Theft Auto5

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GTA 5でも最高設定ではやはり苦しい。ただそれは上位モデルであるGTX 1050 Tiでも同じだ。GTX 1050 Tiとの性能差は10%弱となっている。やはりフルHD環境で快適なゲームプレイしたいならGTX 1060がベストだろう。価格面で妥協してしまうとゲームプレイ時に後悔してしまうことになる。特に負荷の高いタイトルを楽しみたいと考えている方は注意してほしい。

GeForce GTX 1050 Mobile搭載おすすめ中古ノートPC

Surface Book 2(Microsoft)

Surface Book 2価格:39,980円
液晶:15.6インチ(3000×2000)
重量:不明
CPU:Core i7-8650U
GPU:GeForce GTX 1050 Mobile
メモリ:8GB
ストレージ:256GB
電源:ACアダプター

公式サイト

マイクロソフトの人気ノートパソコンだ。グラフィックボードを搭載しているが、ゲーミングノートPCではなく適性が低いのでビジネスモデルとして見るべきだ。メモリ8GB・SSD 256GBと構成は最小限に留まる。

GeForce GTX1050搭載のゲーミングノートPC紹介

Dell G3 15 プレミアム・SSD・GTX 1050 搭載(DELL)

mewdellg315価格:87,984円
モニター:15.6インチ
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX1050
メモリ:8GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:非搭載

Dellのノートパソコンはとにかく安い。なんと、87,984円は送料及び税金込の価格だ。Dellにはゲーミングブランドとしてエイリアンウェアがあるがこのモデルは一般向けだ。CPUにはCore i7-8750Hを搭載しているため動画編集やRAW現像などにも対応できる。メモリ8GB、NVMe対応M.2 256GBと構成も十分だ。GTX1050搭載モデルならカスタマイズはせずにこのままでいくと価格の優位性を活かせる。

NZシリーズ おすすめ構成 A(FRONTIER)

frontiernz価格:99,800円
モニター:15.6インチ
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX1050
メモリ:8GB
SSD:320GB
HDD:非搭載

フロンティアのゲーミングノートPCだ。Dellのモデルと比べると目劣りするが十分な価格設定だと言える。セール対象となることもあるのでセール情報はチェックしておきたい。こちらもカスタマイズはせず低価格というメリットを最大限に活かすようにしたい。

NEXTGEAR-NOTE i5330GA1(G-Tune)

NEXTGEAR-NOTE i5330GA1価格:114,800円
モニター:15.6インチ
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX1050
メモリ:8GB
SSD:256GB
HDD:1TB

GTX1050搭載モデルで10万円を超えるのはやや割高だ。このモデルの特徴はMS-HYBRIDという機能を搭載していてバッテリー駆動時間を長くすることに成功している。グラフィックボードを非稼働状態にすることで省電力を実現することができる。普段はOFFにしておいて、ゲームや3Dアプリケーションを使用するときのみONにするという使い方ができる。

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参照元:GEFORCE GTX 1060 REVIEW (PCGAMER)