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当ページでは、Core i5-8300Hの性能レビュー及びおすすめゲーミングノートPCの紹介をしている。第7世代まではゲーミングノート向けのCPU=Core i7だったが、第8世代ではCore i5でも高い性能を持っている。Core i5-8300Hは、4コア8スレッドというスペックで前世代の上位モデルであるCore i7-7700HQよりも高いCPU性能を持っていて価格を重視した選択なら意外と悪くない。後継モデルは、Coffee Lake-R世代の「Core i5-9300H」だ。アーキテクチャのマイナーチェンジによって少しだけ性能が高められている。

Core i5-8300Hの概要

基本スペック

i5-8300Hi7-8750Hi5-7300HQ
コードネームCoffee LakeCoffee LakeCaby Lake
プロセス14nm++14nm++14nm++
トランジスタ数---
ダイサイズ126 mm²149 mm²-
CPUコア数464
スレッド数8124
定格クロック2.3GHz2.2GHz2.5GHz
最大クロック4.0GHz4.1GHz3.5GHz
L3キャッシュ8MB9MB6MB
内蔵GPUUHD Graphics 630UHD Graphics 630HD Graphics 630
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2400
TDP45W45W45W
価格$250$395$250
発売日2018/04/032018/04/032017/01/03
Core i5-8300Hのスペックを見ていこう。第7世代Core i5-7300HQと比較するとプロセスなどアーキテクチャ(構造)に大きな違いはないことに気づく。コードネームがCoffee Lakeになったが、プロセスは14nmと変わっていない。スペック的な違いとしては、ハイパースレッディングに対応してスレッド数が倍の8になったことと最大クロックが15%アップとなったことが挙げられる。定格クロックは8%落ちているが、ブーストクロックが上がっていることで性能自体は格段にアップしている。

また、L3キャッシュが33%アップしたことで性能の底上げができている。より効率的にCPUがメモリとやり取りを行うことが可能だ。メモリ規格もDDR4-2400からDDR4-2666へとわずかにアップしている。意外とパフォーマンスに与える影響は大きい。内蔵GPUは変わりない。外付けのグラフィックボードを搭載することが一般的なCPUなのでCPU内蔵グラフィックスについてはそれほど気にしなくてもよいはずだ。

上位のCore i7-8750Hになるとさらにスペックが上がる。CPUコア及びスレッド数は50%アップだ。最大クロック数も0.1GHzとわずかに向上している。これならゲーム以外でも使いやすい。例えば、ゲーム配信や動画編集などもノートパソコンで十分行える。少しでも余裕を持たせたいならCore i7シリーズを選択しておこう。

第8世代モバイル向けCPU一覧(参考)

intelmobilenote8th画像引用元:https://www.ultrabookreview.com/

第8世代のモバイル向けCPUとして7種類が発表された。一般ユーザー向けという意味ではCore i7-8870H・Core i7-8750H・Core i5-8400H・Core i5-8300Hの4種類となる。国内で搭載モデルが販売されているのはこの4つの内Core i7-8750HとCore i5-8300Hだ。十分なCPU性能を持っていると言える。Core i9-8950HKは海外メーカーで少し取り扱いがあるぐらいでそれほどラインナップが多いわけではない。Core i7-8870HやCore i5-8400H搭載モデルは皆無だ。

Core i5-8300Hの最新評価【2023年】

i5-8300hcinebench

Cinebench R15でのマルチスレッド性能をまとめている。Core i5-8300Hが前世代のCore i7-7700HQよりも性能が高いことがわかる。スペック通りの順当な性能だと言える。Core i7-8550Uも同じ4コア8スレッドのCPUだが、省電力性を特徴しているモデルということもあってパフォーマンスはHシリーズに劣る。15WのCPUは連続して負荷の高い状況が続くとどうしてもパフォーマンスが落ちてしまう。

結果的にマルチコアで負荷が高いCinebench R15などのベンチマークではCore i5-8300Hの方が優れた結果となる。ブーストクロックが高いのも有利に働く。ゲームプレイもマルチコアでの負荷が高い用途なので、ゲーミングPC搭載モデルとしては圧倒的にCore i5-8300Hの方が適正度が高いということだ。一方、もし持ち運びをすることが多くバッテリーの持ちとパフォーマンスのバランスを重視したいならCore i7-8550Uを選択すると良い。

現行モデルを含めて性能を見るとかなり下の方になっている。Core i5-8300Hの後継モデルであるCore i5-9300H・Core i5-10300Hと少しずつ性能が高くなっていく。6コア12スレッドのCore i7シリーズとは性能がワンランク異なる。2023年時点であればCore i7シリーズを選択した方が賢明だ。また、8コア16スレッドのCore i7-10875Hも登場してCore i5シリーズとの差が大きく開いている。

Core i5-8300Hの特徴まとめ【2018年】

上位モデルのi7-8750Hよりもコスパが高い

Core i5-8300Hは、定価が$250とハイパフォーマンスモデルの中では安価なCPUだ。Core i7-8750Hよりも35%程度安く購入できるのがメリットだ。価格差は$150なので日本円でおよそ18,000円ほど抑えられることになる。予算に余裕がなければその浮いた分でグラフィックボードやSSDにお金を掛けるのも悪くないだろう。

GTX 1050搭載モデルなら浮いた予算でGTX 1050 Ti搭載モデルにアップグレードできる。ゲーミングノートPCでは最低でもGTX 1050 Tiを選択しておこう。エントリークラスであるGTX 1050になるとやや性能不足感がある。デスクトップ向けのGTX 1050とは性能が異なるのだ。メモリやストレージに費用を掛けることも可能だと言える。Core i7と比較して安い分だけ他の部分にお金を掛けられるという点で学生や新社会人の方など限られた予算の中で購入したい方は必見だ。

前世代のCore i5-7300HQからの進化は大きくない

Core i5-8300Hは、前世代のCore i5-7300Hと比較するとアーキテクチャは同じでそれほど大きなインパクトを与えるほどの違いはない。確かに、スレッド数が倍増となりブーストクロックも上がっているので性能面の向上は期待できる。

それでも、Core i7-7700HQ→Core i7-8750Hのコア数アップが与えるインパクトと比べると劣ってしまう。第8世代になってデスクトップパソコン向けCPUにこれまで以上に近づいていることを証明した。前世代のフラグシップモデルであるCore i7-7700HQよりも性能が高くゲーミング向けCPUとして不足はない。

ラインナップがそれほど多くない

実はCore i5-8300Hを搭載したゲーミングノートPCはほとんどない。やはりCore i7-8750Hと比べるとCPU性能に物足りなさがあるのだろう。もし、搭載モデルがあってもせいぜいミドルクラスのグラフィックボード搭載モデルなのでGTX 1060やGTX 1070搭載モデルが欲しいなら必然的にCore i7-8750H搭載モデルも選択肢に入れる必要がある。

前世代と比較したときの進歩はそれほど大きくない。それでもCore i7-7700HQと同等以上の性能を持つCPUでコスパが高い。ある程度人気が出るポテンシャルがあるだけに残念だ。やはりゲーミングノートPCの主力はいつでもCore i7になるのが宿命なのかもしれない。

ベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)

Cinebench R15

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レンダリングをして純粋なCPU性能を測れるベンチマークソフトだ。スペック通りの数値が出るベンチマークなので純粋な性能を知るのに最適だと考えている。Core i7-7700HQと比較すると5%-10%ほどパフォーマンスが高い。ゲーム適性が向上していると考えて間違いない。シングル性能だけなら省電力モデルのCore i7-8550Uと同等だ。先代のCore i7-7700HQと同じならゲームプレイでも問題なさそうだ。

Handbrake

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1080p及び4kの動画ファイルについてエンコード速度を計測した。数値が高いほど高速ということになる。ここでもCore i5-8300のパフォーマンスも高さがわかるだろう。Core i7-7700HQと比較して10%ほど性能が高く、Core i7-8550Uと比較すると15%高性能だ。$250という価格を考えると健闘していると言える。マルチコアが影響を与えるパフォーマンスにおいて省電力モデルでは性能不足だ。

7-zip

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zipファイルの圧縮及び解凍速度を計測。数値が高いほど高性能ということになる。解凍については6コア12スレッドのCore i7-8750Hがずば抜けた性能を発揮している。Core i5-8300Hは、Core i7-7700HQと比べて10%高い性能となっている。負荷が上がれば上がるほど強くなるのがハイパフォーマンスモデルということになる。

ゲームプレイのベンチマーク

ゲームプレイ中のフレームレートを計測している。グラフィックボードは全てGTX 1050 Tiで統一しているため最高設定×FULL HDではやや重く感じることがある。PUBGなどのタイトルによっては設定はやや下げた方が良いだろう。もちろんグラフィックボードがGTX 1060 6GB以上になればその限りではない。

ここで注目して欲しいのはCore i7-7700HQ及びCore i7-8750Hと比較した場合の相対的なフレームレートだ。フレームレートそのものはグラフィックボードや設定で変わるのでそれほど心配しなくてよい。

PUBG

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Core i7-7700HQよりも3%高くなっている。最小fpsもそれほど低くならず安定度は増していると言える。Core i7-8750Hになるとさらに高いフレームレートが出る。Core i5-8300HでもCPUがボトルネックになる心配はしなくても大丈夫だ。余裕があればCore i7-8750Hを選択するぐらいで問題ない。

FORTNITE

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GTX 1050 Ti×Core i5-8300Hでも60.7fpsと高いフレームレートが出ている。60fps以上となればそれなりに満足できるゲームプレイが可能だ。Core i7-8750Hと比較すると10%ほど低く、タイトルによってはマルチスレッド性能が重視されることもある。そういう意味ではCore i7-7700HQと比較して10%ほど高いことの説明も付く。安定感を求めるならCore i7-8750H、コスパ重視ならCore i5-8300Hといったところか。

Battlefield

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Battlefiledではグラフィックボードがボトルネックとなっている。CPUによる性能差は非常に小さい。Core i5-8300HよりもCore i7-7700HQの方がスコアが高い唯一のタイトルとも言える。このような例外もあるものの意識しなくても問題ない。

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