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当ページでは、Core i5-9300Hの性能レビュー及びおすすめゲーミングノートPCの紹介をしている。Coffee Lake世代のCore i5-8300Hの後継モデルでCoffee Lake-Refreshとなる。第9世代のCore i5シリーズは価格が安いため気になっている方も多いだろう。税込10万円台のモデルも選択できる。

ゲームをプレイするには性能的に少し物足りなさがあり、現行モデルの中ではいまいちパッとしない。ゲーミングノートに搭載されるCPUとしては最低限必要な性能で、率先して選択すべきCPUではない。上位モデルのCore i7-9750Hとの差は歴然だ。後継モデルはIntel第10世代の「Core i5-10300H」となる。Core i5-9300Hよりも10%程度高いパフォーマンスを発揮する。

Core i5-9300Hの概要

基本スペック

i5-9300Hi7-9750Hi5-8300H
コードネームCoffee Lake-RCoffee Lake-RCoffee Lake
プロセス14nm++14nm++14nm++
CPUコア数464
スレッド数8128
定格クロック2.4GHz2.6GHz2.3GHz
最大クロック4.1GHz4.5GHz4.0GHz
L3キャッシュ8MB12MB8MB
内蔵GPUUHD630UHD630UHD630
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2666
TDP45W45W45W
価格$250$395$250
発売日2019/04/222019/04/262018/04/03
スペックを比べてみても従来モデルのCore i5-8300Hとそれほど大きな違いがあるわけではない。世代が変わっただけのリネームモデルに近い。これなら無理にリリースする必要はなかったんじゃないかと思えるぐらいだ。1年前に登場したCore i5-8300Hと同等の性能で同じ価格で登場したCore i5-9300Hは優れたCPUとは言い難い。せめて価格が安ければ評価は変わったはずだ。

Core i5-9300HもCore i5-8300Hと同じ14nmプロセスを採用している。コア数/スレッド数は4コア8スレッドと共通だ。定格クロックが5%高く、最大クロックが3%高い。一番大きな違いはここぐらいで誤差の範囲と言えなくもない。ベンチマークの種類によっては1%も性能差がないものもあるため、やはり同等という評価に落ち着きそうだ。L3キャッシュ容量・内蔵GPU・対応メモリなどに違いはない。

上位モデルのCore i7-9750Hと比較していく。プロセスは14nmプロセスだ。コア/スレッドが6コア12スレッドとそれぞれ50%アップとなる。定格クロックはCore i7-9750Hの方が10%高く、最大クロックもCore i7-9750Hの方が10%高い。L3キャッシュ容量は50%アップだ。内蔵GPU・対応メモリ・TDPは変わっていない。価格差は$145だ。スペックを見てわかると通り性能差は大きい。

総合性能

corei5-9300hseinou

総合性能ではわずかながらCore i5-9300HがCore i5-8300Hを上回っている。小さな差でしかないのは次世代CPUとしては物足りない。新登場のCPUとしては従来と変わらない性能というのは実質的に性能が下がったとも取れる。Core i5-8300Hを持っている方は、Core i5-9300HではなくCore i7-9750Hが買い替え対象となる。

なお、省電力モデルであるCore i7-8565Uと比較すると性能差は大きい。当然高パフォーマンスモデルであるCore i5-9300Hの方が上だ。20%以上も性能が高い。もっとも省電力モデル自体ゲーミング向けとは言えないので比較対象にはならない。

次世代のCore i5-10300Hになってもそれほど性能は伸びない。性能差は10%程度だ。Intel第11世代のCore i5-11300Hになると40%程度パフォーマンスが高い。その上位モデルであるCore i5-11400Hになると6コア12スレッドとマルチスレッド性能が高い。Core i7シリーズに匹敵するスペックを誇る。当サイトが推奨する10,000スコア以上のモデルであればCore i5-11400Hがしっかり満たしている。

Core i5-9300Hの特徴まとめ

中途半端なゲームへの対応力が微妙

それほど高い性能を持っているわけではないことを理解しておいて欲しい。少し古いゲームであればこの性能で問題はない。少し新しくなってくると確実にボトルネックとなる。組み合わせとしてはGTX 1650 MobileやGTX 1660 Ti Mobileくらいまでで、それ以上となるグラフィックボードの性能を活かしきれない。

性能をよく理解して選択しなくてはならないことを考えると、エントリーモデルや初心者向けとは言い難い部分がある。比較的ライトなゲームであればグラフィックボード次第である程度対応できるものの、人気とされるゲームへの対応力は低い。

安物買いの銭失いという言葉があるように、価格が安いからという理由で選択すると後悔することになるだろう。繰り返しになるがこのCPUの性能をよく理解した上で選択してもらいたい。

前世代のCore i5-8300Hからの変化はほとんどない

当該CPUは、ほぼ前モデルのリネームモデルというネガティブな特徴しかない。Core i5-9300H搭載モデルの中には税抜10万円を切るモデルが登場しており、Core i5-8300H搭載モデルよりも安価である。しかし、これはCPUの価格ではなく、グラフィックボードが順当に進化した恩恵である。

つまり、搭載モデルの価格は実質変わらず、性能も誤差の範囲であるため名前が変わったCore i5-8300Hという誰の得にもならないようなポジションである。従来のCore i5-8300Hが築いたゲーミングノートの地位向上にストップをかけたのがまさかの後継機だとは思いもしなかった。

せめて何か特徴的なものがあればよかった。省電力であったり、価格が安価であるなど、あって当然の特徴が無いというのは致命的だ。Core i5-8300HはCore i7-7700HQを超えたことで、コストパフォーマンスの高さが魅力だった。何か一つ抜き出たものがあればCore i5-9300Hの評価は伸びたはずだ。i5-9300Hを選ぶとしたら、Core i5-8300H搭載モデルを選択し損なったユーザーくらいだろう。

妥協して選択したくないCPU

CPU性能はゲームに対して大きく影響する。ノートとしてはi5-9300Hは十分な性能かもしれない。評価が低いのは性能の伸びの部分であり性能自体は悪くない。悪くないというよりもこの価格帯での選択肢は他に無く、消去法でCore i5-9300Hしかない。

Core i5-8300H発売からCore i5-9300H発売までの間に登場したゲームに対して同じ対応力となれば、全く必要の無い新CPUということになる。もう少し何とかならなかったのだろうか。Core i5-9300H搭載モデルよりもCore i5-8300H搭載モデルのほうが価格が安くお得になる可能性を考えれば、次の世代を待ったほうが優れた選択となるだろう。

理想を言えば第8世代以上のi7搭載モデルのほうが当然良い。予算を抑える目的を取るならCore i5-9300Hしかない。本来CPUは妥協してはいけない箇所で、特にモバイル向けのCPUは交換がほぼ不可能なことを考えればしっかりした性能を持つCPUを選択したい。

ベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)

Cinebench R15

cinebenchr15cinebench-i5-9300H

Cinebench R15は、レンダリングをして純粋なCPU性能を測れるベンチマークソフトだ。従来モデルのCore i5-8300Hとの差はシングルスレッドの1%しかなく、マルチでは同値を記録した。こうしてみると前世代と大きな差をつけたCore i5-8300Hは優秀なCPUだ。その後継機であるCore i5-9300Hは前世代を僅かにリードすることしかできなかった。Core i5-9300Hが悪いのではなくCore i5-8300Hが優秀過ぎたのだろうか。上位モデルのCore i7-9750Hになるとマルチスレッド性能が54%高く、シングルスレッド性能も11%高い。やはり大きな差があることは間違いないだろう。

3D MARK

3dmark3D MARK-i5-9300h

DirectX11に対応したベンチマークでCPUの総合的な性能を表している。このグラフで見るとCore i5-9300HがCore i5-8300Hに対して7%ほど伸びを見せている。Core i7-9750HはCore i7-8750Hに対して2%ほどであるところを見ると、第9世代は第8世代に対してそこまで大きな成長が無いということは確実なようだ。

Core i5-9300H搭載おすすめゲーミングPC

New Dell G7 17 プレミアム(GTX1660Ti搭載)(Dell)

mewdellg315価格:161,980円 134,283円
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1660Ti
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載

17.3インチの大型ディスプレイを採用しているのがポイントだ。セール対象となり13万円台になる。さすがに定価は高すぎておすすめしにくいが価格が下がっているなら選択肢に入れても良い。グラフィックボードがGTX1660TiとなりFULL HDで快適にゲームプレイができる。ただし、CPU負荷の高いタイトルの場合ボトルネックとなってしまうこともある。

Legion Y7000:スタンダード(Lenovo)

legiony7000価格:110,916(税込)
CPU:Core i5-9300H
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:256GB NVMe対応
HDD:非搭載

こちらは送料及び税込みの表記となっている。他のメーカーに合わせるとおよそ10万円ということになる。ドスパラの「GALLERIA GCR1650GF」と同じ価格だが、SSD容量が半減するためコスパは高くない。積極的に選択する理由はないだろう。

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