corei9-12900画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

当ページでは、Core i9-12900のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。2021年11月にいち早く発売されていたフラグシップモデルであるCore i9-12900Kの無印モデルだ。オーバークロックには対応しておらずクロック周波数も引き下げられている。当然性能的にはワンランク落ちる。あまり知名度のあるモデルとは言えないかもしれない。

16コア24スレッドというスペックはCore i9-12900Kと変わらないのでコア数を重視したいユーザーの方におすすめだ。$100安く購入できるのも嬉しいポイントだ。搭載BTOパソコンについてはほとんどラインナップがなく、こだわりのある自作PCユーザー向けだと言える。個人的にはもっと人気が出てもいいのかなと思う。やはり16コア24スレッドのCPUが安く購入できるのは魅力的だろう。搭載モデルは、「Core i9-12900搭載おすすめゲーミングPC」でまとめている。

Core i9-12900の基本情報

コードネームAlder Lake
プロセス10nm
コア/スレッド数16コア(Pコア8+Eコア8)/24スレッド
Pコア定格/最大クロック2.4 GHz/ 5.1 Ghz
Eコア定格/最大クロック1.8 GHz/ 3.8 Ghz
L3キャッシュ30MB
PBP65W
MTP202W
発売日2022年01月05日
価格$489
特徴 (+)16コア24スレッドとマルチスレッド性能が高い
(+)1コア当たりのコストパフォーマンスに優れている
(-)入手困難で市場に出回っていない
(-)搭載BTOパソコンはラインナップがない
評価 ・総合評価
8.0

・ゲーム評価
8.0

Core i9-12900の基本情報

スペック・仕様

i9-12900i9-12900Ki9-11900
コードネームAlder LakeAlder LakeRocket Lake
プロセス10nm10nm14nm
Pコア888
Eコア88-
トータルコア16168
スレッド数24(16+8)24(16+8)16
定格クロック(P)2.4GHz3.2GHz2.5GHz
最大クロック(P)5.1GHz5.1GHz5.2GHz
定格クロック(E)1.8GHz2.4GHz-
最大クロック(E)3.8GHz3.9GHz-
オーバークロック××
L3キャッシュ容量30MB30MB16MB
対応メモリDDR5-4800
DDR4-3200
DDR5-4800
DDR4-3200
DDR4-3200
内蔵グラフィックスUHD Graphics 770UHD Graphics 770UHD Graphics 750
PBP65W125W65W
MTP(PL2)202W241W224W
価格$489$589$449
発売日2022/01/052021/11/042020/03/30
Core i9-12900のスペックについて従来モデルのCore i9-11900及び現行の上位モデルであるCore i9-12900Kと比較していく。Rocket Lake世代から大きな変化としてプロセスの微細化が挙げられる。14nm→10nmへと一回り小さくなったことでより高いパフォーマンスを期待できる。プロセスの微細化によって得られるメリットとしては、パワー効率アップ・省電力性アップ・製造コスト引き下げ・半導体チップの効率的利用などだ。

Core i9-11900と比較して一番のハイライトは、ハイブリッドコアアーキテクチャの採用だろう。8コア16スレッドから16コア24スレッドへと大幅にスペックアップが図られている。性能を重視したPコアが8コア、電源効率を重視したEコアが8スレッドという内訳だ。Pコアのみハイパースレッディングに対応している。Core i9-11900と比較して定格・最大クロックはそれぞれ0.1GHz引き下げられている。CPUのコアの改良もあってコアあたりのパフォーマンスは高いと考えてよい。

L3キャッシュ容量も88%多く30MBに到達している。対応メモリもワンランク上のDDR5-4800に対応しているのが強みだ。コストは掛かるがDDR5を選択すればより高い性能を得られる。内蔵グラフィックスもUHD Graphics 750からUHD Graphics 770へとスペックの強化が図られている。グラフィック周波数が引き上げられて処理性能が少しだけ向上している。TDPは65Wと共通で、PL2は10%引き下げられて202Wとなった。価格は$40アップだ。

上位モデルのCore i9-12900Kとのスペックを比較していく。プロセス・コア/スレッド数は共通だ。クロック周波数については差別化が図られている。Pコアの定格クロックはCore i9-12900Kの方が34%高く、最大クロックは同じ5.1GHzだ。Eコアの定格クロックもCore i9-12900Kの方が34%高く、最大クロックも3%高い。Core i9-12900Kはオーバークロックにも対応していて環境さえ整えればより高いクロック周波数を実現できる。

L3キャッシュ容量・対応メモリ・内蔵グラフィックスについても共通だ。無印モデルということもあって消費電力が抑えられているのが強みだ。TDPはCore i9-12900の方が48%低く、PL2も16%も低い。価格差は$100となっている。オーバークロックを行う予定がないならCore i9-12900は選択肢に入るのではないだろうか。

Ryzen 9シリーズと比較

Core i9-12900Ryzen 9 5950X
コードネームAlder LakeZen 3
プロセス10nm7nm
Pコア816
Eコア8-
トータルコア1616
スレッド数24(16+8)32
定格クロック(P)2.4GHz3.4GHz
最大クロック(P)5.1GHz4.9GHz
定格クロック(E)1.8GHz-
最大クロック(E)3.8GHz-
オーバークロック×
L3キャッシュ容量30MB64MB
対応メモリDDR5-4800
DDR4-3200
DDR4-3200
内蔵グラフィックスUHD Graphics 770非搭載
TDP65W105W
TDP(PL2)202W142W
価格$489$799
発売日2022/01/052020/11/05
AMDのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950Xと比較していく。Zen 3アーキテクチャ採用でプロセスは7nmだ。Core i9-12900Kの10nmプロセスよりもさらにコンパクトだ。パワー効率が高く、省電力性の高さは最大の魅力だと言える。Ryzen 9 5950Xについて当サイトでは便宜上Pコアに分類しているがAMD的にはそのような分類は行われていない。パフォーマンスコアという意味合い的にはIntelのPコアと同等に考えてもよいのではないかと思う。

Ryzen 9 5950Xは、16コア32スレッドというスペックでCore i9-12900よりもスレッド数が50%多い。定格クロックはRyzen 9 5950Xの方が42%多く、最大クロックはCore i9-12900の方が4%多い。Ryzen 9 5950XにはEコアは搭載されていない。Ryzen 9 5950Xはオーバークロックに対応しているが強みだ。水冷クーラーを搭載したり、高規格の電源ユニットを搭載したりして熱対策を行えばクロック周波数を引き上げることが可能だ。

L3キャッシュ容量はRyzen 9 5950Xの方が2.1倍だ。対応メモリについてはDDR5-4800に対応している分だけCore i9-12900の方が優勢だ。Core i9-12900では内蔵グラフィックスを搭載している点は強みになっている。TDPはRyzen 9 5950Xの方が60%多く105Wとなっている。一方で、PL2についてはRyzen 9 5950Xの方が30%も省電力性に優れている。これは7nmプロセス採用によるメリットだろう。

Core i9-12900の最新評価【2023年】

ゲーム性能は30,000 Overで高いパフォーマンスを持つ

i9-12900gamescore
Core i9-12900のゲーム性能スコアは32,826と高い。すでに2世代後のIntel第14世代がリリースされているがCore i9-12900も現役で通用するCPUだ。現行のCore i5-14600Kと同等のゲーム性能を持っている。GeForce RTX 4080やGeForce RTX 4070 Tiなどとの組み合わせでもある程度バランスを取れる。下位モデルのCore i7-12700Kと比べて5%程度性能が高く、旧世代のCore i9-11900よりも23%も高くなっている。

中古で探すのは難しい

製品名コア/スレッドゲーム性能価格コスパ
Core i5-14600K14/2036,29149,9800.726
Core i9-12900K16/2432,99849,9800.660
Core i9-1290016/2432,826データなし-
Core i7-12700K12/2031,30541,9800.746
Core i7-1270012/2030,93739,9800.774
Core i9-11900K8/1626,81644,9800.596
Core i9-119008/1626,74238,9800.686

執筆時点でCore i9-12900を購入するのは難しい。じゃんぱら・ドスパラ・パソコン工房などの主要パーツショップでも在庫がない状態だ。Core i9-12900に限らずCore i9シリーズの無印モデルは在庫が少ない傾向にある。今のところCore i9-11900の在庫はあるが、他のグレードと比べると在庫数は少ない。Core i9-12900の代替モデルとしてはCore i5-14600K・Core i9-12900K・Core i7-12700K・Core i7-12700が対象となる。コア・スレッド数を重視するならCore i9-12900Kがよいだろう。コストパフォーマンスを考えるならCore i7-12700KやCore i7-12700がおすすめだ。予算に合わせて選択するとよいだろう。

Core i9-12900の特徴まとめ【発売時点】

Core i9シリーズのエントリークラス

型番価格コア/スレッド
Core i9-12900K$58916コア(8+8)/24スレッド
Core i9-12900$48916コア(8+8)/24スレッド
Core i7-12700K$41912コア(8+4)/20スレッド
Core i7-12700$34912コア(8+4)/20スレッド

Core i9-12900は、Intel第12世代のCore i9シリーズのエントリークラスのモデルとなっている。個人的に推しているモデルだ。$489という価格で16コア24スレッドのCPUが手に入るのは魅力的だ。Core i7-12700Kに+$70でコア数/スレッド数共に4つ増えることになる。Core i7-12700からだと+$140だ。動画編集・ゲーム実況などコア数が多い方が有利に働く用途において高いパフォーマンスを期待できる。

Core i7-12700がゲーマーに人気の高いCPUとなっていることを考えると、同じ無印モデルであるCore i9-12900にもそのポテンシャルがあるのではないかと思う。CPU負荷の掛かるタイトルのプレイやクリエイター作業を行うことを考えている方にとっては魅力的だろう。性能の高いCPUを選択しておけばより長く使い続けることができる。長い目で見れば悪くない投資だ。

Ryzen 9 5950Xを超える高い性能を持つ

corei9-12900-seinou
AMDのフラグシップモデルであるRyzen 9 5950Xよりも高い性能を持っているのは驚きだ。16コア32スレッドとスペックを上回るのは素晴らしい。これで動画編集などのクリエイター作業を考えている方もIntel製CPUを選ぶようになるのではないかと思う。Core i9-12900よりも$310も高価なCPUを上回った。前世代のフラグシップモデルであるCore i9-11900Kと比べても80%以上も処理性能が向上している。

現行の下位モデルであるCore i7シリーズともしっかりと差別化が行われている。Intel第11世代ではCore i9シリーズもCore i7シリーズも8コア16スレッドとスペック的には変わらず性能差もそれほど大きいわけではなかった。そういう意味ではIntel第12世代のCore i9シリーズは魅力的に映るはずだ。

BTOではマイナーでこだわりのある玄人向けCPU

Core i9-12900はBTOパソコンではややマイナーCPUでほとんど見かけることはない。一時パソコン工房で取り扱いがあったが、すぐに在庫切れになってしまった。今後はサイコムなどの中上級者向けのBTOメーカーで取り扱いがあるかもしれない。もう少しBTOパソコンでの取り扱いが増えると嬉しいというのが本音だ。それだけ魅力のあるCPUだと考えている。

現時点ではCore i9-12900は自作ユーザー向けのCPUだと言える。オーバークロックをする予定がなく少しでも多くのコア/スレッドが必要な方にとってはベストな選択となるはずだ。初心者の方でも扱いやすいという側面があるが、基本的には玄人向けだと言える。動画編集・ゲーム実況などのクリエイター作業を考えている方におすすめだ。

Core i9-12900のゲームベンチマーク一覧

Hitman 3

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Hitman 3ではCore i9-12900Kに次いで高いパフォーマンスを発揮している。従来モデルのCore i9-11900と比べて20%以上もゲーミング性能が高い。Core i9-11900Kと比べても15%以上上回っている。Ryzen 9 5950Xとの差も25%以上も高い。下位モデルであるCore i7-12700Kとの差は2%程度だ。

Red Dead Redemption 2

Red Dead Redemption 2i912900-reddeadredemption2

Red Dead Redemption 2ではRyzen 9シリーズがトップを占めている。それでもCore i9-11900と比べて9%程度フレームレートが向上している。最小fpsも5%程度高く安定感が増している。上位モデルのCore i9-12900Kとの差は2%程度で、下位モデルのCore i7-12700Kとの差は1%程度だ。Ryzen 9 5950Xとの差は4%となっている。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R23

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CPUのレンダリング性能を計測できるベンチマークソフトだ。パフォーマンスを客観的に見るのに最適なソフトウェアだと言える。従来モデルのCore i9-11900と比べてマルチスレッド性能が72%高く、シングルスレッド性能が18%高くなっている。Core i9-11900Kと比べても性能差は大きい。

Ryzen 9 5950Xよりも高いのは圧巻だ。マルチスレッド性能が11%高く、シングルスレッド性能も14%上回っている。Intel第12世代Core i9シリーズの登場で、もはやRyzen 9シリーズはライバルとは言えなくなった。次世代のZen 4が登場するまではIntel製CPUが市場を席巻するのではないかと思う。

Handbrake

handbrakei912900Handbrake

Handbrakeでエンコードに掛かる時間を計測している。数値が短い方が高性能ということだ。Core i9-12900は、Core i9-12900Kに次いで2番目に高いパフォーマンスを発揮している。Ryzen 9 5950Xと比べても最大10%もパフォーマンスで上回っている。両CPUの価格差を考えるとあっぱれだ。従来モデルのCore i9-11900と比べてx264では42%速く、x265では40%も速くなっている。下位モデルのCore i7-12700Kと比べても性能差は10%程度だ。コア/スレッド数が多い分だけ差は広がっている。

Core i9-12900搭載おすすめゲーミングPC

G-Master Spear Z690-Mini/D4(サイコム)

G-Master Spear Z690-MiniD4価格:231,520円(税込)
CPU:Core i5-12600K +34,500円でカスタマイズ可
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W 80PLUS GOLD

サイコムでベースモデルが販売されている。ミニタワーケースを採用している。初期構成ではCPUにCore i5-12600Kを搭載している。+34,500円(合計266,020円)でCore i9-12900にアップグレード可能だ。TDPを抑えつつより多くのコア/スレッドが必要な方におすすめだ。マザーボード・メモリ・ストレージ・ビデオカードと全てカスタマイズできる。電源ユニットは750W GOLDを採用している。

G-Master Spear Z690/D4(サイコム)

G-Master Spear Z690D4価格:261,130円(税込)
CPU:Core i7-12700K +14,780円でカスタマイズ可
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe
HDD:非搭載
電源:750W 80PLUS GOLD

サイコムではミドルタワーケースも採用されている。初期構成ではCore i7-12700Kを搭載している。+14,780円(合計275,910円)でCore i9-12900にアップグレード可能だ。グラフィックスはRTX 3060を搭載している。もちろんRTX 3070 TiやRTX 3080 Tiにアップグレードできる。ベースモデルとして最適だろう。

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