画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/
当ページでは、Core i9-13900のスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。Intel第13世代シリーズの無印モデルの最上位CPUだ。24コア32スレッドとコア・スレッド共に多く高いパフォーマンスを期待できる。Core i9-13900Kよりもクロック周波数が低く消費電力が抑えられているのが特徴だ。CPUクーラー・CPUファン・電源ユニットなどのコストを抑えることができるだろう。
ゲームプレイなどCPU負荷がそれほど大きくない用途では、Core i9-13900Kと同等の性能を期待できる。そういう意味ではコストパフォーマンスの高いCPUだと言える。現時点での国内価格はCore i9-13900Kと同等の87,968円で、単体CPUとしての購入を考えている方はもう少し待つ方がよいだろう。搭載ゲーミングPCについては、「Core i9-13900搭載おすすめゲーミングPC」で紹介している。
Core i9-13900の基本情報
コードネーム | Raptor Lake |
---|---|
プロセス | 10nm |
コア/スレッド数 | 24コア(8P+16E)/ 32スレッド |
定格/最大クロック(P) | 2.0 GHz / 5.2 Ghz |
定格/最大クロック(E) | 1.5 GHz / 4.2 Ghz |
L2キャッシュ | 32MB |
L3キャッシュ | 36MB |
PBP | 65W |
MTP | 219W |
発売日 | 2023年01月04日 |
MSRP | $549 |
販売価格 | 79,981円~ (Fシリーズ83,980円~) |
特徴 | (+)24コア32スレッドとスペックが高い (+)玄人向けの高パフォーマンスCPU (+)PBPが65Wと消費電力が抑えられている (-)存在としてはややマイナー (-)まだまだ価格が下がる余地がある |
評価 | ・総合評価 9.0 ・ゲーム評価 8.5 |
当ページの目次
Core i9-13900の基本情報
i9-13900 | i9-12900 | 9 7950X | |
---|---|---|---|
メーカー | Intel | Intel | AMD |
コードネーム | Raptor Lake | Alder Lake | Zen 4 (Raphael) |
プロセス | 10nm | 10nm | 5nm |
トランジスタ数 | - | - | 131.4億 |
ダイサイズ | 257 mm² | 215 mm² | 2x 70 mm² |
I/Oダイサイズ | - | - | 124.7 mm² |
トータルコア数 | 24コア | 16コア | 16コア |
トータルスレッド数 | 32スレッド | 24スレッド | 32スレッド |
CPUコア数(P) | 8コア | 8コア | 16コア |
スレッド数(P) | 16スレッド | 16スレッド | 32スレッド |
CPUコア数(E) | 16コア | 8コア | - |
スレッド数(E) | 16スレッド | 8スレッド | - |
定格クロック(P) | 2.0 GHz | 2.4 GHz | 4.5 GHz |
最大クロック(P) | 5.2 Ghz | 5.1 Ghz | 5.7 GHz |
定格クロック(E) | 1.5 GHz | 1.8 GHz | - |
最大クロック(E) | 4.2 GHz | 3.8 GHz | - |
L2キャッシュ | 32MB | 14MB | 16MB |
L3キャッシュ | 36MB | 30MB | 64MB |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-4800 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
内蔵GPU | UHD 770 | UHD 770 | Radeon Graphics |
CPUクーラー | なし | なし | なし |
PCI-Express | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 20 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
PBP | 65W | 65W | 170W |
MTP(PL2) | 219W | 202W | 230W |
MSRP | $549 | $538 | $699 |
国内価格 | 87,968円 | 69,980円 | 89,800円 |
発売日 | 2023/01/04 | 2022/01/05 | 2022/09/27 |
Pコアの定格クロックは16%低くいが、最大クロックは2%高く5.2GHzとなる。Eコアも定格クロックは16%低い一方で、最大クロックは11%高くなった。L2キャッシュが2.3倍で32MBだ。L3キャッシュも20%増えて36MBとなる。内蔵GPUはUHD 770と共通だ。グラフィックス周波数が0.1GHzだけ高くなっている。
対応メモリについてはよりクロックなDDR5-5600をサポートしているのが強力だ。CPUクーラーは非同梱なのは変わらない。PCI-ExpressはGen 5, 20 Lanesだ。PBPは65Wと同じで、MTPは8%高く219Wだ。最大クロック周波数が高くEコアが増えたことを考えると妥当だろう。MSRPは2%だけ高くなっている。国内の販売価格では18,000円程度の差がある。
現在の販売価格ではRyzen 9 7950Xが同じ価格帯だ。性能を考えるとRyzen 9 7950Xの価格を下げる必要がある。Ryzen 9 7950Xは、Zen 4アーキテクチャを採用したCPUだ。5nmのCPUコアダイと6nmのI/Oダイを組み合わせている。トータルのダイサイズは264.7m㎡でCore i9-13900と同等だ。Ryzen 9 7950Xの場合2つに分かれているので、より効率的に生産することができる。
Ryzen 9 7950Xは16コア32スレッドと高いスペックを持つ。Core i9-13900と違って全てPコア相当のコアだ。定格クロックは4.5GHz、最大クロックは5.7GHzとなる。Core i9-13900と比べてもそれぞれ225%、10%高い。Core i9-13900は省電力モデルでTDPを抑えるために定格クロックが抑えられている形だ。
L2キャッシュ容量はCore i9-13900の方が多く32MBとなる。対してL3キャッシュはRyzen 9 7950Xの方が多く64MBとなる。メーカーによって考え方が違うということだろう。Core i9-13900はL2キャッシュが増えたことでゲーム適性が向上している。Ryzen 9 7950XはDDR5-5200をサポートしている。DDR4メモリには非対応だ。
Ryzen 7000シリーズからCPU内蔵グラフィックスとしてRadeon Graphicsを搭載している。Ryzen 9 7950XもCPUクーラーは非同梱だ。PCI-ExpressはGen 5, 24 Lanesとなる。PBPはRyzen 9 7950Xの方が2.6倍の170Wだ。MTPもRyzen 9 7950Xの方が5%高く23Wとなる。
Core i9-13900の最新評価【2024年】
Core i9-13900のゲーム性能スコアは37,930とトップクラスだ。次世代のCore i7-14700に匹敵するパフォーマンスを有している。上位モデルであるCore i9-13900Kと比べると1%弱劣るだけだ。競合のRyzen 9 7950Xよりも13%上回っている。3D V-Cache搭載のRyzen 9 7950X3Dと比べると10%程度低い。まだ発売されてそこまで月日が経過していないこともあってトップクラスのモデルとして通用する。
70番台や80番台のグラフィックボードとの組み合わせでもバランスを取ることができる。オーバークロックはできないものの電力制限解除によって性能の底上げが可能だ。Core i9-13900の新品価格は80,000円前後だ。中古なら66,980円~と13,000円程度安く購入できる。比較的新しいモデルで故障リスクも低めだ。
なお、次世代のCore i9-14900の価格は91,480円~としっかりと差別化が図られている。アーキテクチャ自体はそこまで変わっておらず、価格が安い分だけCore i9-13900の方がコストパフォーマンスが高い。ゲーム性能だけを追求するなら60,000円前後で購入できるRyzen 7 7800X3Dがおすすめだ。Core i9-14900Kを抑えてトップのゲーム性能を持つ。
Core i9-13900の特徴&注意点【2023年】
24コア32スレッドと驚異的なスペックを誇る
Core i9-13900K | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 | |
Core i5-13600K | |
Core i7-12700K | |
Core i7-12700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i5-12600K | |
Core i5-13400 | |
Ryzen 7 5800X |
Core i9-13900は、24コア32スレッドと高いスペックを持ち現行最強クラスのCPUとなっている。Core i9-13900K・Ryzen 9 7950Xに次いで3番目の性能を持つ。従来モデルのCore i9-12900が16コア24スレッドだったことを考えるとコアが50%多く、スレッド数も33%増えている。Eコアが倍増となりスペックが引き上げられた。Core i9-12900と比べて処理性能は30%近く向上している。Core i9-13900Kとの性能差は4%程度だ。TDPの差があるため全コアに負荷が掛かると性能差が大きくなる傾向にある。
競合モデルであるRyzen 9 7950Xが16コア32スレッドなので、Core i9-13900の方が物理コアが50%多いということだ。Ryzen 9 7950Xの場合全てのコアがPコア相当なので用途によってはRyzen 9 7950Xが有利だ。総合性能で見てもRyzen 9 7950Xの方が4%程度処理性能が高い。Intelからすると全てをPコアにしなくても相当のパフォーマンスを得られると判断しているのだ。事実ゲーミング性能などを見ても満足できる水準にある。
普通じゃ満足できない玄人向けのCPU
製品名 | MSRP(国内価格) | コア/スレッド |
---|---|---|
Ryzen 9 7950X | $699(92,990円) | 16コア32スレッド |
Core i9-13900K | $589(90,840円) | 24コア32スレッド |
Core i9-13900 | $549(90,350円) | 24コア32スレッド |
Ryzen 9 7900X | $549(69,644円) | 12コア24スレッド |
Core i7-13700K | $409(64,970円) | 16コア24スレッド |
Core i7-13700 | $384(61,380円) | 16コア24スレッド |
Core i9-13900は、従来モデルのCore i9-12900と同様にIntel製CPUのラインナップの中ではマイナーな存在だ。その大きな理由は上位モデルであるCore i9-13900Kに近い価格設定にあるのではないかと思う。MSRPで見ても$40しか価格差がない。これならちょっと奮発してCore i9-13900Kを選ぼうとなるのではないだろうか。予算を抑えたいならCore i7-13700Kが選択肢に入るはずだ。
立場的にやや中途半端と言えるかもしれない。Core i9-13900は発売からある程度時間が経過したものの上位モデルのCore i9-13900Kとほとんど価格差がない。CPUクーラーが同梱になっている分割安感があるが、見劣りしてしまうのも事実だろう。省電力性に魅力を感じないなら素直にCore i9-13900Kを選ぶ方が満足度が高そうだ。
もちろん、Core i9-13900は消費電力が65Wと抑えられていてCPU以外の面で有利になる。消費電力が抑えられている分ケースファン・電源ユニットなどもCore i9-13900Kほど高性能なものを用意する必要はない。CPU自体では差がなくてもこういったところで価格の差が出てくるのは事実で玄人向けだと考える所以かもしれない。Core i9-13900Kの場合はより高いクロック周波数を実現するためにより厳選されたダイが選ばれるとは言っても最大クロックではそれほど大きな違いがあるわけではない。
できる限り多くのコア・スレッドが欲しいけど、できる限り予算を抑えたいならCore i9-13900が魅力的な選択肢となる。また、ゲームプレイ時など全コアに負荷が掛かるわけではない用途ではCore i9-13900Kと同等の性能を期待できる。TDPによってクロック周波数が制限されづらいからだ。
BTOパソコンのラインナップはかなり少ない
すぐにCore i9-13900を搭載したゲーミングPCのラインナップが少ないことに気づくだろう。Core i9-13900KとCore i7-13700Kの間に挟まれていてやや扱いづらさがあるのではないかと思う。サイコム・パソコンショップセブン・パソコン工房で取り扱いがあるが種類が多いわけではない。よほどのこだわりがない限りは選択肢に入らないはずだ。
サイコムやパソコンショップセブンはカスタマイズの自由度が高く自分好みの仕様にしやすい特徴がある。玄人好みのCore i9-13900をベースに最適な一台を作るのもおもしろいかもしれない。パソコン工房は大手BTOメーカーの中では異色の存在だ。取り扱うBTOパソコンのラインナップが豊富でCore i9-13900のようにマイナーなCPUもしっかりとラインナップに加えている。
Core i9-13900のゲームベンチマーク一覧
Far Cry 6
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 |
Hitman 3
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 9 5950X |
Cyberpunk 2077
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 9 5950X |
Red Dead Redemption 2
Core i9-13900K | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900 | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Ryzen 9 5950X | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 |
Watch Dogs: Legion
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i9-12900 | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 9 5950X |
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R23
Core i9-13900K | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 9 7900 | |
Ryzen 7 7700X |
現行のフラグシップモデルであるCore i9-13900Kと比べるとマルチスレッド性能が7%低く、シングルスレッド性能も5%低い。Ryzen 7000シリーズのフラグシップモデルであるRyzen 9 7950Xと比べても見劣りしないパフォーマンスを発揮している。マルチスレッド性能こそ4%低いもののシングルスレッド性能は4%上回っている。
7-Zip
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-13900K | |
Ryzen 9 5950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i9-13900 | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i9-12900 |
Handbrake
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i9-12900 | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 5950X |
Adobe Lightroom and Premiere Pro
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 7 7700X | |
Ryzen 9 7900 | |
Core i9-13900K | |
Core i9-13900 | |
Core i7-13700K | |
Core i7-13700 | |
Core i9-12900K | |
Core i9-12900 | |
Ryzen 9 5950X |
Core i9-13900搭載おすすめゲーミングPC
G-Master Velox II Intel Edition(サイコム)
CPU:Core i9-13900 *カスタマイズ
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB Gen4 NVMe
電源:650W 80PLUS GOLD
コスパ:4.8
2023年1月にG-Master Velox IIがリリースされた。厳選された標準パーツとシンプルなカスタマイズで初心者の方でも選びやすいモデルとして人気を博す。初期構成ではCPUにCore i5-13400Fを搭載しているが、+77,440円でCore i9-13900にアップグレードできる。より高いCPU性能が必要な方は必見だ。グラフィックボードはAda Lovelace世代のミドルクラスであるRTX 4060を採用している。メモリ16GB、SSD 500GB Gen4 NVMeという構成だ。残念ながらメモリ規格についてはDDR4-3200固定だ。電源ユニットは650W GOLDを採用している。場合によっては電源ユニットのアップグレードを検討しよう。
ZEFT Z36Flow(セブン)
CPU:Core i9-13900F
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR4-3200 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:850W 80PLUS GOLD
コスパ:調査中
Core i9-13900F×RTX 4070 Ti搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。4K環境にも対応できる高い性能を持つ。PCケースにはThermaltake Versa H200 TG RGBを採用している。RGBライトを搭載した魅せる一台だ。メモリ32GB、SSD 1TBと構成も充実している。電源ユニットは750W GOLDを採用している。無線LANやDVDスーパーマルチドライブが標準搭載なのは強みだ。セブンではケースや構成などにこだわりがあるため割高感がある。コストパフォーマンスを重視したい方は他のBTOメーカーを見ておくとよい。
LEVEL-R779-LC139-UL2X(パソコン工房)
CPU:Core i9-13900(水冷)
GPU:GeForce RTX 4070 Ti
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB Gen4 NVMe
電源:800W 80PLUS GOLD
コスパ:10.0
パソコン工房が販売しているミドルタワーケースだ。デザインが一新されてより万人受けするモデルになったように思う。Core i9-13900×RTX 4070 Ti搭載のハイエンドクラスのゲーミングPCだ。RTX 4070 Tiは、Ada Lovelace世代の上位モデルで高い性能を持つ。4K環境でも余裕を持って対応できる。レイトレーシング性能についてもWQHD環境までなら対応可能だ。Core i9-13900ならRTX 4070 Tiの高い性能を支えるのに十分だろう。メモリDDR5-4800 32GB、SSD 1TB Gen4 NVMeという構成も納得できる。電源ユニットは850W GOLDと万全だ。
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