ryzen51600aftop画像引用元:https://www.amd.com/

当ページでは、Ryzen 5 1600 AFの性能レビューの紹介をしている。今回AMDよりトリッキーなモデルの国内販売が決まった。型番からわかるように2017年4月に発売された「Ryzen 5 1600」のZen +アーキテクチャ(Ryzen 5 2600で採用されていた)採用モデルということになる。つまり、性能的にはRyzen 5 2600とRyzen 5 1600の間に収まるということだ。

なお、このRyzen 5 1600 AFは海外では2019年10月に発売されていたが、日本では半年ほど遅れて登場した形だ。第3世代Ryzen 3シリーズの発売も控えAMDの勢いが止まらない。低価格のPCを構築したい自作ユーザーの方は必見だ。完成品としての搭載ゲーミングPCもTSUKUMOから発売されている。後継モデルは、「Ryzen 5 3600」だ。Zen 2アーキテクチャ採用の高コスパモデルだ。

よくわかる!!Ryzen 5 1600 AFの特徴まとめ

コードネームZen +
プロセス12nm
コア/スレッド数6コア/12スレッド
定格/最大クロック3.2 GHz/ 3.6 Ghz
L3キャッシュ16MB
TDP65W
発売日2020年05月16日
MSRP$85
中古価格データなし
コメント 販売時税込11,000円という価格が最大の魅力
Ryzen 5 2600に近い性能でゲーム適正も上々
評価・総合評価
4.5

・ゲーム評価
4.0

Ryzen 5 1600AFの基本スペック

5 1600 AF5 26005 1600
メーカーAMDAMDAMD
コードネームZen +Zen +Zen
プロセス12nm12nm14nm
トランジスタ数48.0億48.0億48.0億
ダイサイズ192 mm²192 mm²192 mm²
CPUコア数666
スレッド数121212
定格クロック3.2 GHz3.4 GHz3.2 GHz
最大クロック3.6 GHz3.7 GHz3.4 GHz
L3キャッシュ16MB16MB16MB
対応メモリDDR4-2933DDR4-2933DDR4-2666
CPUクーラーWraith StealthWraith StealthWraith Spire
TDP65W65W65W
MSRP$85$200$220
中古価格データなし7,480円3,980円
発売日2020年05月16日2018年4月19日2017年4月11日
Ryzen 5 1600 AFの基本スペックについて見ていこう。比較対象は元となったRyzen 5 1600とアーキテクチャーを借用しているRyzen 5 2600だ。Ryzen 5 1600と比べるとまずアーキテクチャがZen→Zen +になってプロセスが14nm→12nmへと縮小化している。パワー効率の向上、パフォーマンスの改善が見込めるCPUだ。CPUコア及びスレッド数は同じ6コア12スレッドを採用している。

定格クロックは同じ3.2GHzに抑えられているものの最大クロックは3.4GHz→3.6GHzへと6%向上している。アーキテクチャの変更とこの最大クロックの向上がどの程度パフォーマンスに影響を与えるのに注目したい。また、対応メモリがDDR4-2666からDDR4-2933へとアップグレードされた。価格は$220から$85へと大幅に引き下げられている。安価なパソコンを構築したい方は必見だ。

アーキテクチャが同じRyzen 5 2600と見ていこう。Ryzen 5 1600 AFはおよそ2年前にリリースされたモデルのリフレッシュモデルとなっている。当然プロセスも同じだ。コア数及びスレッド数も共通している。定格クロックが3.4GHz、最大クロックが3.7GHzとRyzen 5 2600の方が僅かに上回る。この差によって性能的にはRyzen 5 2600の方が高くなっている。それでも価格を考えるとお得であることは間違いない。なんと40%弱の価格で購入できるということだ。

Ryzen 5 1600 AFの最新評価【2024年時点】

Ryzen 5 3500に近いCPU性能を誇る

ryzen51600afgamescore
Ryzen 5 1600 AFの総合性能は、Ryzen 5 2600とほぼ同等だ。型番の元になっているRyzen 5 1600よりも5%ほどゲーム性能が引き上げられている。Ryzen 5 2600やRyzen 7 1700などと横並びだ。ゲーミングCPUとしての評価はそれほど高いわけではない。実際のPC作業やゲームプレイでスペック通りのパフォーマンスを発揮できるわけではないからだ。

この時代のAMD製CPUはなかなか思い通りの性能を発揮できずもどかしい。IPC(Instruction per Clock)がIntel製CPUより低かったりレイテンシの問題もあったりでゲームプレイなどでは不利になってしまうことがあるのだ。第2世代Ryzenシリーズ(Zen +)アーキテクチャ採用のRyzen 5 1600 AFになってもRyzen 5 1600と比べて大きく変わっているわけではない。

同価格帯であるCore i5-9400Fのゲーミング性能はRyzen 5 1600 AFよりも高い。第3世代のRyzen 5 3500になると10%以上もゲーム性能が向上する。Ryzen 5 3500は、アーキテクチャの進化によってIPCの改善が行われ大幅なパフォーマンスが向上が見込めるのだ。Ryzenシリーズは次の第3世代からが本領発揮だと言える。

中古市場にタマは流れていない

Ryzen 5 1600AFを中古市場で探すことは難しい。グローバル展開よりも遅く国内販売というやや特殊な販売方法だったこともあって購入者が少なかったのではないかと思う。メルカリやヤフオクの相場を見ると5,000円前後だ。保証面を考えるとやはり個人売買よりもじゃんぱら・ドスパラなどのショップで購入したいところだ。性能の近いモデルだとRyzen 3 3100が5,480円~、Ryzen 5 2600が7,480円~だ。対応ソケットもAM4と共通でプラットフォームの流用がしやすい。

もう少し予算を増やせるならCore i5-10400F(13,980円前後)がおすすめだ。6コア12スレッドとゲームプレイにおいて必要十分なスペックを持つ。ゲーム性能スコアは22,301とRyzen 5 1600 AFよりも25%近くも性能が高い。価格に見合う価値がある。6コア6スレッドのCore i5-9400(10,000円前後)でも問題はないだろう。Ryzen 5 1600 AFの代替モデルは豊富だ。

Ryzen 5 1600 AFのゲームプレイ時のフレームレート

Ryzen 5 2600やRyzen 5 1600との性能差に注目しながらフレームレートを見ていこう。数値自体を見るというよりも他のCPUとの相対的な数値を参考にして欲しい。

Assassin’s Creed Odyssey

assasincreed

Ryzen 5 360099
77
Ryzen 5 3500X79
63
Ryzen 5 260078
59
Core i5-9400F77
61
Ryzen 5 1600 AF77
59
Ryzen 5 160073
57
平均fps1%Low
Ryzen 5 1600よりも6%スコアが伸びている。Ryzen 5 2600との差は僅差でほぼ同等だと考えて良いだろう。現行のRyzen 5 3600になると一気にスコアが跳ね上がる。第3世代Ryzenシリーズでアーキテクチャが完成に近づいたと言える。それ以下のモデルについてはおおよそ同等のフレームレートだ。

Battlefied V

battlefiled5

Ryzen 5 3600149
103
Ryzen 5 3500X142
82
Core i5-9400F140
77
Ryzen 5 2600126
91
Ryzen 5 1600 AF126
91
Ryzen 5 1600122
89
平均fps1%Low
Ryzen 5 1600 AFは、Ryzen 5 2600と同じフレームレートとなっている。スペックを見ればこの数値は不思議ではない。Ryzen 5 1600との差は4%だ。Intel Core i5-9400Fよりも10%劣るものの現役で使っても問題ない。第3世代Ryzenシリーズと比べてもやや見劣りしてしまうことも事実だ。Ryzen 5 3500Xとの差は11%とやや大きい。

Shadow of the Tomb Raider

Shadow Of The Tomb Raider

Ryzen 5 360095
68
Core i5-9400F91
62
Ryzen 5 3500X88
60
Ryzen 5 260082
52
Ryzen 5 1600 AF82
52
Ryzen 5 160078
49
平均fps1%Low
Ryzen 5 2600と同じスコアとなっている。現行モデルに比べるとややパフォーマンスは落ちるものの現時点で使っても問題はないと言える。Core i5-9400Fと比べると10%程度平均フレームレートが低い。

Ryzen 5 1600 AFのベンチマーク一覧

Cinebench R20

cinebenchryzen 5 1600 af-cinebench

Ryzen 5 1600 AFは、Ryzen 5 2600とほぼ同じで差は1%もない。この差を体感することは難しいので、実質Ryzen 5 2600と同等だと考えて良い。現行のRyzen 5 3500Xよりもスコアが高いのは驚きだ。もっとも現行モデルと比べるとアーキテクチャの違いがあってこのベンチマーク通りにはいかない。

7 Zipファイルマネージャー

zipryzen51600af-7zip

Zipファイルの圧縮や解凍速度についてもCinebench R20と同等のスコアだ。Ryzen 5 1600と比較すると8%-10%程度スコアが伸びている。Intel COre i5-9400Fを圧倒する結果となっている。

Blender Open Data

gamedougaryzen51600af-blender

エンコードに掛かる時間を計測している。Ryzen 5 1600よりも9%高性能になっていることがわかる。アーキテクチャーが変わるだけでこれほど進化するのかと驚きだ。

AMD Ryzen 5 1600 AFの特徴【2020年時点】

Ryzen 5 2600のダウングレードバージョン

Ryzen 5 1600 AFは、Ryzen 5 1600のリニューアルモデルというよりもRyzen 5 2600のダウングレード版と考えた方がしっくり来る。実際アーキテクチャもRyzen 5 2600と同じでクロック周波数が異なるだけだ。もちろんRyzen 5 1600 AFもオーバークロックに対応している。

最大4.0Ghz以上まで引き上げられるポテンシャルを持つ。この辺りはシリコンの品質次第ということになる。つまり、Ryzen 5 1600 AFは、オリジナルのRyzen 5 1600よりも安いだけではなく、オーバークロックのポテンシャルも高いということだ。

低コストでゲーミングPCを作りたい方に最適

Ryzen 5 1600 AFの魅力はやはりその価格の安さにある。少し古くなったとは言え実質第2世代Ryzen 5 2600をわずか$85で購入することができる。予算を抑えて自作PCを作りたいという方にとっては魅力的なモデルだと言える。

第3世代のRyzenシリーズが出てからも低価格ということで第1世代Ryzenも評価されていた。しかし、AMDは14nmシリコンの供給不足になりRyzen 5 1600を生産することができなくなったのだと考えられる。供給不足を補うために12nmプロセスへと移行してRyzen 5 1600 AFと呼ばれる実質Ryezn 5 2600をリリースしたということだ。

万が一搭載BTOパソコンが出たらかなり魅力的

Ryzen 5 1600 AFを搭載したBTOパソコンあるいはゲーミングPCが発売されたら業界に影響を与える可能性がある。税抜6万円台という価格設定も現実的で安価なゲーミングPCを購入したいと考えている方は期待したいところだろう。

実際ドスパラからRyzen 5 2600を搭載した「Lightning AH5 2600」が税抜64,800円で発売されていたことがある。第3世代Ryzenシリーズの登場で今はRyzen 5 3500に切り替えられてしまっているが、Ryzen 5 1600 AF搭載モデルが販売されたら売れ筋になることは間違いないと考えている。GALLERIA AH5 2600の代わりになり得る。

Ryzen 5 1600 AF搭載のおすすめゲーミングPC一覧

G-GEAR GA5A-A200/T(TSUKUMO)

G-GEARmini価格:72,800円
CPU:Ryzen 5 1600 AF
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

GTX 1650と組み合わせることでRyzen 5 1600 AF搭載の最安値モデルが登場した。ゲーミング性能が突き抜けて高いわけではないが、最低限必要な性能は持っている。FULL HD環境を基準に設定を調整すればゲームプレイに対応することが可能だ。メモリ8GB、SSD 240GBと構成を抑えて価格を引き下げることに注力していると言える。

G-GEAR GA5A-U200/T(TSUKUMO)

G-GEARmini価格:79,800円
CPU:Ryzen 5 1600 AF
GPU:Radeon RX 5500 XT
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

RX 5500 XTは、理論上GTX 1650 SUPERよりも高い性能を持つグラフィックボードだ。+7,000円でワンランクグラフィックボード性能を挙げられるのは嬉しい。Ryzen 5 1600 AFと同じAMD製パーツでまとめているのでバランスも良いと言える。メモリ8GB、SSD 240GBと構成は必要最低限だ。

G-GEAR GA5A-B200/T(TSUKUMO)

G-GEARmini価格:86,800円
CPU:Ryzen 5 1600 AF
GPU:Radeon GTX 1660 Ti
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

グラフィックボードにGTX 1660 Tiを搭載したモデルだ。ここまで性能を上げてしまうと価格も高くなってしまいRyzen 5 1600 AFの強みを活かせない。メモリ8GB、SSD 240GBと他のモデルではそう感じなかったがこのモデルでは物足りなく感じてしまう。

管理人による総評(Ryzen 5 1600 AF)

ryzen51600aftop

(+) 税込11,000円で購入できる高コスパCPU
(+) Ryzen 5 2600に近い性能を発揮する
(-) 第3世代AMDに比べると魅力は薄い
(-) 自作ユーザーの方のみが対象となる

とにかく価格の安さが魅力のCPUだ。$85(国内価格10,000円程度)という価格設定は多くの自作ユーザーを惹き付けるだろう。Ryzen 5 1600 AFのアーキテクチャを変更したリフレッシュモデルでRyzen 5 2600と同等のパフォーマンスを発揮するのはポイントだ。第3世代のAMDと比べると性能は控え目だが、そこは手頃な価格でカバーできる。もしBTOメーカーから発売されたら売れ筋になることは必至だ。

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