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当記事では、AMD Radeon VIIの性能スペックレビュー&おすすめBTOパソコンの紹介をしている。初めて市場に投入された7nmプロセスGPUということで業界でも注目されているグラフィックボードだ。
2018年11月にRadeon RX 590がリリースされたため当面新しいグラフィックボードはないと考えられていた。しかしCES 2019でハイエンドのグラフィックボードRadeonⅦのリリースがわかり注目されていた。気になるスペックや性能について詳しく見ていこう。
- 初めて7nm GPUを搭載したグラフィックボード(+)
- WQHD環境以上で高いパフォーマンスを発揮(+)
- HBM2 16GBの大容量GPUメモリを搭載(+)
- 熱を持ちやすく熱対策が必須(-)
当ページの目次
AMD Radeon VIIの概要、性能・基本スペックを押さえる!
総合性能
総合性能では同じ価格帯である競合のRTX2080よりも数%劣る結果となっている。性能的にはRTX2080とRTX2070のちょうど真ん中に位置する。価格に対するコストパフォーマンスでは今ひとつと言えるかもしれない。それでもRX Vega 64よりも20%-程度高い性能を持っている。AMD派の方には嬉しい選択肢となるだろう。
基本スペックまとめ
Radeon VII | RTX 2080 | RX Vega 64 | |
---|---|---|---|
コードネーム | Vega 20 | Turing | Vega 10 |
プロセス | 7nm2 | 12nm2 | 14nm2 |
ダイサイズ | 331mm² | 545mm² | 486mm² |
トランジスタ数 | 132億 | 136億 | 125億 |
RTコア数 | - | 46基 | - |
Tensorコア数 | - | 368基 | - |
CUDAコア数 | 3840基 | 2944基 | 4096基 |
ベースクロック | 1400MHz | 1515MHz | 1247MHz |
ブーストクロック | 1750MHz | 1800MHz | 1546MHz |
メモリバス帯域幅 | 1 TB/s | 448 GB/s | 484 GB/s |
GPUメモリ | 16GB HBM2 | 8GB GDDR6 | 8GB HBM2 |
TDP | 300W | 215W | 295W |
価格 | $699 | $699 | $499 |
発売日 | 2019/02/07 | 2018/09/20 | 2017/08/14 |
コードネームVega 20は、RX Vega 64で採用されているVega 10のリニューアル版ということだ。RX Vega 64との大きな変更点はプロセスが14nm→7nmに半分に縮小されているところとなる。一般消費者向けのGPUとしては初めて7nmプロセスが採用された。結果的に、トランジスタ数を6%アップしてるにもかかわらずダイサイズも30%縮小することに成功。
通常プロセスが縮小すると消費電力を抑えることが可能だ。しかし、AMDはクロック周波数を13%引き上げたことで省電力よりも性能を取った。消費電力は300WとRTX2080よりも40%も高くなってしまっている。発熱も多く、ファンノイズも大きめだ。ここを気にされる方は注意した方が良い。
改善点としてはメモリの性能を向上させたのも注目ポイントだ。RadeonⅦは、4096btのワイドバスメモリで、驚異的な1TB/sのメモリバンド幅を実現した。Vega 64の2倍になっているのは驚くべきだ。
AMD Radeon VIIの特徴&注意点など
RX Vega64から飛躍的な進歩はない
AMDにとって利点と言えるのはRadeonⅦが確実に前モデルから性能がアップしているということだ。一方、AMDにとってのマイナス面はRadeonⅦはVegaのままということだ。新しい7nmのプロセスを採用しているものの第5世代のアーキテクチャを流用している。
NVIDIAがレイトレーシングなど新しい技術に焦点を当てていることを考えるとやはり物足りない。レイトレーシング自体未知数だが、ゲーム向けの新技術ということで評価できる。Vega 20はVegaアーキテクチャ自体に付加された機能はない。AMDの戦略で気になるのはRX Vega 64から大きく変化していないことに尽きる。中身を見るとRadeonⅦはVega 60あるいはスペックを表した型番にするべきだったかもしれない。
AMDは、何よりも性能を追いかけているということだ。コレ自体AMDの立ち位置を考えると理にかなっているかもしれないが、RadeonⅦが先代モデルの欠点をなくそうという努力はしていないということになる。例えば、パワー効率などが欠点の一つだ。
コンテンツクリエイター向けとして優秀
コンテンツ制作を考慮すると興味深いグラフィックボードとなる。RadeonⅦは、16GBのVRAMを搭載したグラフィックボードだ。現時点で市場にライバルはいない。8GB以上のVRAMを要求されるアプリケーションの利用を考えているプロフェッショナルの方にとっては10万円前後で購入できるRadeonⅦは魅力的な選択肢だと言える。
VRAM 24GBのRTX TITANだと40万円近い予算が必要だ。ゲームプレイにおいては16GBのVRAMを活かせるとは思えない。それでもVRAMを求められるクリエイター向けのアプリケーションを使用する方には最適な選択肢と言える。
在庫が少なく入手しにくい
RadeonⅦで懸念されるのは在庫僅少で入手困難になる可能性があることだ。RTX2080Tiのリリース時も品切れが続いたが、このRadeonⅦでも同様に在庫が薄くなりやすいと言われている。この新しいRadeonシリーズについては需要がそれほど高くないことを考慮して生産自体それほど多くないだろう。
各グラフィックボードのベンダーもそれほど参入しないと考えられる。現時点ではMSIから発売が予定されている。BTOメーカーでも抱える在庫はそれほど多くないだろう。同様にRadeon Ⅶ搭載のBTOパソコン自体ほとんど販売されない可能性はある。今後のラインナップ追加を要チェック。当サイトでも新しいモデルが販売されれば随時追加していくつもりだ。
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AMD Radeon VIIのベンチマーク一覧(ゲーム)
ゲームプレイ中のフレームレートを計測。WQHD環境及び4K解像度×最高設定で計測している。簡単に結果をまとめると、基本的にはWQHD環境をターゲットとするグラフィックボードだ。4K解像度も対象となるが、一部のタイトルでは60fpsを出すことができないこともあり設定を調整することが求められる。
PUBG
Rise of the Tomb Raider
Battlefield 5
Far Cry 5
Deus EX: Mankind Divided
AMD Radeon VIIのベンチマーク一覧(その他)
コンテンツ制作はゲームとは全く異なる土俵となる。ゲーム以上に大容量のGPUメモリがより良い影響を与えることがあるのだ。それらを踏まえた上でベンチマークを見ていこう。LuxMarkは、OpneCLのベンチマークツールだ。Cinema 4Dは、MAXON Computer社によって開発されている3DCGソフトウェアだ。
LuxMark v.3.1
画像引用元:http://www.luxrender.net/
Cinema 4D
画像引用元:https://www.amd.com/
当記事のまとめ
Radeon Ⅶは、AMDから新しく登場したグラフィックボードだ。多少クセはあるものの購入する目的さえしっかりと理解していれば最適なグラフィックボードだと言える。RX Vega 64よりも2倍のHBM2メモリと1TB/sのメモリ帯域幅を装備して性能は向上している。ゲームプレイにおいてはWQHD環境が中心となるだろう。4K解像度でも設定を調整すれば対応することが可能だ。
課題は、競合と比べた場合のコストパフォーマンスの低さだ。同じ価格帯のRTX2080と比較して性能は数%劣る。その上、レイトレーシングやDLSSなどの新技術が搭載されているわけではないので割高感は否めない。それでもHBM2メモリ 16GBと大容量でコンテンツ制作向けのソフトウェアでは高いパフォーマンスを発揮する。
Radeon Ⅶを搭載したBTOパソコンはそれほどラインナップは増えないだろう。2019年2月上旬時点で搭載モデルはない。主なターゲットは自作派のゲーマーあるいはクリエイターの方となる。AMDが好きな方はぜひチェックして欲しい。
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ベンチマークテスト環境
CPU | Core i7-8700K |
メモリ | 2x8GB G.Skill TridentZ RGB DDR4-3200 |
SSD | Samsung 970 Evo 1TB Samsung 860 Evo 4TB |
電源 | EVGA SuperNova P2 1000W |
マザーボード | Gigabyte Z370 Aorus Gaming 7 |