
フロンティアが販売するGHLシリーズ「FRGHLMB650/WS728」のレビューを行った。Ryzen 7 5700X×Radeon RX 9060 XT 16GB搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。旧世代のCPUとの組み合わせで価格を抑えることに成功している。コストパフォーマンスは10.0の最高評価だ。ミドルクラスらしくない充実した構成を持ちながら、しっかりと価格を抑えた理想的なモデルである。選びやすさと扱いやすさを高水準で両立しており、初心者の方から上級者の方まで、幅広くカバーできるモデルだ。
フロンティアは、ヤマダ電機グループに属するBTOメーカーだ。セール・キャンペーンに強く高コスパなモデルを多数揃えている。コストパフォーマンス重視でゲーミングPCを選びたいならチェックしておく価値がある。カスタマイズ費用も抑えられていて選びやすい。一方で、納期がやや長め・延長保証に加入できないモデルもある、サポート時間が短いなどのデメリットがある点は押さえておこう。
- 長所
-
- VRAM 16GB版のRX 9060 XT搭載でゲーム適性が高い
- 最高評価のコストパフォーマンスを持つ
- しっかりと価格が抑えられている
- 充実した構成を持つ
- 短所
-
- 2世代前のCPUを搭載している
- 高解像度のゲームプレイが苦手
- こんな方におすすめ
-
- 予算を150,000円前後で組んでいる方
- ジャンル問わずゲームをプレイしたい方
- コストパフォーマンスを重視する方
FRGHLMB650/WS728のスペック

| メーカー | フロンティア |
|---|---|
| 製品名 | FRGHLB550/WS918/NTK |
| 価格 | 146,800円(+送料3,300円) |
| CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー) |
| CPUクーラー | 空冷(CPS RT400-BK) |
| グラボ | Radeon RX 9060 XT (16GB)(レビュー) |
| メモリ | DDR4-3200 32GB |
| SSD | 1TB Gen4 NVMe |
| 電源 | 600W 80PLUS PLATINUM |
| マザーボード | チップセットB550 |
| おすすめ度 | Sランク |
| 評価 | ・コスパ 10.0 ・ショップ評価 9.5 |
FRGHLB550/WS918/NTKのカスタマイズ項目を評価
| パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
|---|---|---|
| ケース | 好みで選択 +0円 | |
| OS | 変更なし | |
| オフィスソフト | 変更なし | |
| セキュリティソフト | 変更なし | |
| CPUクーラー | SilverStoneサイドフローCPUクーラー ブラック 【Hydrogon D120 ARGB-V2】 +11,000円 |
|
| CPUグリス | AINEX JP-DX2 ナノダイヤモンドグリス +2,970円 | |
| メモリ | 変更なし | |
| NVMe SSD [1st] | 2TB Crucial +12,100円 | |
| NVMe SSD [2nd] | 変更なし | |
| ハードディスク | 変更なし | |
| 電源 | 850W ATX3.1電源80PLUS PLATINUM(日本コンデンサ仕様) +6,600円 | |
| Steamアプリ | Steamクライアントソフトウェア +0円 | |
| 無線LANアダプタ[Wi-Fi(ワイファイ)] | USB3.0 無線LAN子機(Wi-Fi 6) ArcherTX20UH 1800Mbps [1201Mbps(5GHz)+574Mbps(2.4GHz)] +5,280円 |
|
| Bluetooth(ブルートゥース)アダプタ | Bluetooth 5.3 ナノUSBアダプター TP-LINK製 UB500 V2.0 +1,430円 |
|
| 追加オプション | 変更なし | 保証 | プレミアム保証(標準1年+2年延長保証)+14,960円 |
| オンサイトサービス(訪問部品交換サービス) | 変更なし | |
| パソコン出張設置サービス | 変更なし | |
| データ復旧サービス | 変更なし | |
| 「J-ONEcall」電話&リモートサポート | 変更なし |
一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目を黄色のマーカーで示している。FRGHLB550/WS918/NTKに関してはそれほど重要度の高いカスタマイズはない。予算に余裕があればSSDの容量を1TBから2TBへの変更を検討するぐらいだ。あとはデザイン性を強調する点で、CPUファンをARGBライティングに対応したタイプに変更するなども候補に挙がるだろうか。
SSDは標準で1TBの容量がある。ミドルクラスで1TB搭載は珍しい。特に、価格がしっかり抑えられたモデルは500GBが主流だ。変更を加えずに使用するのもありだ。ストレージは何をするにも使用するため、年月が経つにつれて徐々に容量を圧迫するようになる。カスタマイズ費用も控えめなので変更するのもおすすめだ。
基本的にはCPUファンの変更も不要だ。Ryzen 7 5700Xは発熱量がそこまで多くないからだ。デザイン性を意識してCPUファンをARGBライティングに対応したタイプに変更してみるのも悪くない。ケースの左サイドはクリアパネルとなっていて、LEDの光が鮮やかに見える設計だ。もちろん、見栄えがよくなるくらいで使用感に影響はない。
電源は750Wが選択できればよかった。標準の600W 80PLUS PLATINUMは、容量・規格ともに十分なものだ。少し余裕をもたせるなら750W 80PLUS GOLDのような電源があれば候補に加えていただろう。選択できるのは850W 80PLUS PLATINUMからとなっている。ミドルクラスの構成にはオーバースペックな電源なのでおすすめしにくい。先々ハイクラス以上のCPUやグラフィックボードに交換する可能性があるなら検討してもよいという程度だ。
FRGHLB550/WS918/NTKの特徴
価格と構成のバランスがズバ抜けてよい
FRGHLB550/WS918/NTKは、ミドルクラスらしく価格が抑えられている。さらに、価格に見合わない充実した構成も特徴だ。このふたつが合わさることで、誰にでもおすすめできる完成度の高いゲーミングPCになっている。本来であれば、とても14万円台で選択できる代物ではない。セール対象のモデルらしくお得なモデルだ。
ゲーミングPCは150,000円前後が最も人気の価格帯だ。FRGHLB550/WS918/NTKは人気の価格帯に収まる146,800円だ。ミドルクラスではそれほど珍しくない価格で相場通りではあるが、優れた構成のおかげで他のモデルとは一線を画す存在だ。標準構成でメモリ容量は32GBで、ストレージ容量は1TB搭載となる。基本的にこの価格帯ではメモリ16GB・SSD 500GBが一般的だ。
この構成の差をカスタマイズで埋めると20,000円近くかかる。そうなればFRGHLB550/WS918/NTKと近いモデルはあっても、価格は大きく離れてしまう。つまり、FRGHLB550/WS918/NTKは価格と構成のバランスがズバ抜けてよいモデルだ。他メーカーの製品ではとても真似できない。価格だけのモデル、構成だけのモデルはあっても、それを両立したモデルはほとんど存在しない。
少なくともFRGHLB550/WS918/NTKに太刀打ちできるようなモデルにはならない。価格を抑えることと構成を充実させることは矛盾するような関係だからだ。価格を抑えるには構成を削らなければならず、構成を充実させるにはコストをかけなければならない。シンプルな関係性だからこそ実現がむずかしい。フロンティアのセールならではのモデルだ。
これだけはっきりお得と言えるモデルは少ない。これからゲーミングPCを探す方にとって、FRGHLB550/WS918/NTKは有力な候補になるはずだ。また、古いゲーミングPCからの買い替え対象としても優秀だ。スペックアップはもちろん、メモリ容量が大きいことでゲームへの対応力や用途の幅が広い。まず間違いなく現時点でミドルクラス最強候補だ。選んで後悔することはないので、予算が近いならこの機会に購入をおすすめしたい。
ゲームへの対応力は高め
| Apex Legends | フォートナイト | モンハンワイルズ | マイクラ |
|---|---|---|---|
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
FRGHLB550/WS918/NTKは、フルHD環境に限りゲームに対応しやすい性能を有している。ただし、フレームレートを高く安定させるためには設定を下げなければならない。そのゲームの最高設定や標準を上回る設定ではフレームレートが不安定になる場面がある。Ryzen 7 5700Xも現行モデルと比べるとゲーム適性は劣る。優秀な対応力はあっても、FRGHLB550/WS918/NTKの性能はフルHDを前提としている。WQHDや4Kのような高解像度でのゲームプレイへの対応力はほとんどない。
古いゲームや負荷の軽いゲームでは高解像度も可能だが、ミドルクラスの性能で実現できる高解像度は恩恵があまりない。グラフィック品質の高いゲームを高解像度でプレイするからこそ鮮やかな画質を最大限活かすことができる。FRGHLB550/WS918/NTKは、フルHDで設定を少し下げて144fps以上を目指すのが最適だ。
また、メモリ32GBを搭載していることから、何かをしながらのゲームプレイも行いやすい。動画視聴やブラウジングはメモリの消費が激しい。ゲームと同時に進行するとメモリ不足でクラッシュすることもある。余裕のある容量を搭載していることで、複数のアプリケーションの起動も問題なく行える。プレイスタイルを選ばないのも、このモデルの強みとなりそうだ。
対人要素の強いApex Legendsやフォートナイトでは、標準的な設定で144fpsを実現できる。設定次第では200fps以上も可能だ。ただ、戦闘時など場面によっては著しくフレームレートが低下するため、200fps前後を目指す形になる。話題を集めたモンハンワイルズは、負荷が高く、60fpsを基準にゲームをプレイすることになる。フレーム生成を利用することで100fps以上も実現可能なので、現行のグラフィックボードを搭載していることは強みだ。画質を求めないプレイスタイルであれば十分快適と言える。
世界的人気のマイクラは負荷が軽く遊びやすい。FRGHLB550/WS918/NTKの性能であっても問題はなく、影Modの導入も可能だ。開発が進んだマルチサーバーでは負荷を体感しやすく、影Modの導入は場所を選ぶので注意したい。シングルプレイであれば制限なく遊べそうだ。FRGHLB550/WS918/NTKは、ミドルクラスの王道でゲームへの対応力に優れている。
似ているゲーミングPCとの比較
| ブランド | FRONTIER | NEXTGEAR |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | FRGHLB550/WS918/NTK | NEXTGEAR JG-A7A6X(ホワイト) |
| ケース | ミドル | ミニ |
| 価格 | 146,800円 | 159,800円 |
| 送料 | 3,300円 | 無料 |
| CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
| GPU | RX 9060 XT 16GB | RX 9060 XT 16GB |
| メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-3200 16GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 600W PLATINUM | 750W BRONZE |
| マザーボード | B550 | B550 |
| 納期 | 9営業日 | 7営業日 |
| 保証 (延長保証) |
1年間 (最長3年間) |
3年間 (延長なし) |
| 電話サポート | 10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) |
24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
マウスコンピューターのNEXTGEAR JG-A7A6Xと比較していく。価格差は13,000円でFRGHLB550/WS918/NTKの方が安い。送料の差を考慮するとその差は9,700円となる。FRGHLB550/WS918/NTKが優れているのは価格とメモリ容量だ。NEXTGEAR JG-A7A6Xは電源容量に優れている。また、ショップのサポートでもNEXTGEAR JG-A7A6Xを販売しているマウスコンピューターが優勢だ。
両製品の構成を揃えてみよう。FRGHLB550/WS918/NTKの電源を850W PLATINUMにするのに6,600円、保証3年への延長保証加入に14,960円がかかる。トータル費用は171,660円(送料3,300円含む)だ。一方で、NEXTGEAR JG-A7A6Xのメモリを32GBにすると14,300円かかり、トータル費用は174,100円と同等だ。メモリのカスタマイズをしなければNEXTGEAR JG-A7A6Xの方が安く購入できる。
あとはショップのサポートへの力の入れ具合を考慮する必要がある。フロンティアは電話サポートの時間が10:00-19:00と一般的だ。一方で、マウスコンピューターは24時間365日の電話サポート付きとなる。サポートを重要視するならNEXTGEAR JG-A7A6Xを選ぶのも悪くない。初心者の方やパソコンに不慣れな方にとっては恩恵が大きい。構成のマイナスは費用で補えても、サポートは変更できない。電話サポートが必要ならNEXTGEAR JG-A7A6X、必要なければFRGHLB550/WS918/NTKをおすすめしたい。
GHLシリーズケース詳細
正面

前面ファンが映えるケースを採用している。白色のケースデザインが今風だ。LEDはソフトウェアで制限できる。
上部

上部にはメッシュパネルを採用していてメンテナンス性が高い。エアフロー的にも優れている。
右側面

右側面はシンプルなデザインだ。ロゴの刻印などもない。
左側面内部1

水冷式CPUクーラーを搭載した場合の内部画像だ。最大で360mmラジエーター搭載CPUクーラーを搭載できる。拡張性は高い。
左側面内部2

RGBファン搭載で見せるゲーミングPCに仕上がる。水冷式CPUクーラーへのカスタマイズがおすすめだ。360mmラジエーター搭載モデルなら上部のファンが3基になる。初期構成の空冷式クーラーだと上の2基のファンがなくなる。
管理人による総評
Ryzen 7 5700X×Radeon RX 9060 XT 16GB搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。146,800円と価格自体は相場通りとなる。このモデルの強みは充実の構成にある。メモリDDR4-3200 32GB・SSD 1TB Gen NVMeと性能帯からは考えれないほど優れている。電源も600W PLATINUMと高規格だ。フロンティアはカスタマイズ費用も抑えられていてここからさらに構成を強化することもできる。サポート時間の短さを受け入れられるのであれば魅力的な選択肢となる。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 146,800円 | Ryzen 7 5700X | RX9060XT 16GB |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR4 32GB | 1TB | B550 |














