
フロンティアが販売するGHLシリーズ「FRGHLB550/WS12110/NTK」のレビューを行った。Ryzen 7 5700X×Radeon RX 9060 XT 16GB搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。値上げが2回続き魅力半減といったところだ。最安値149,800円から156,800円→185,800円と価格が跳ね上がっている。コスパ指標も10.0から9.3と急落だ。過去のモデルを知っているだけにショックだが、コストパフォーマンスが悪いわけではない。また、メモリのカスタマイズ費用が安いなどのメリットはある。充実した構成を追求するなら候補に入れてもよいかもしれない。
フロンティアは、ヤマダ電機グループに属するBTOメーカーだ。セール・キャンペーンに強く高コスパなモデルを多数揃えている。コストパフォーマンス重視でゲーミングPCを選びたいならチェックしておく価値がある。カスタマイズ費用も抑えられていて選びやすい。一方で、納期がやや長め・延長保証に加入できないモデルもある、サポート時間が短いなどのデメリットがある点は押さえておこう。
- 長所
-
- VRAM 16GB版のRX 9060 XT搭載でゲーム適性が高い
- ケースデザインがよい
- 充実した構成を持つ
- メモリのカスタマイズ費用が安い
- 短所
-
- 12/5に8,000円の値上げが適用
- 12/12に28,000円の値上げが適用
- 2世代前のCPUを搭載している
- 高解像度のゲームプレイが苦手
- 納期が長い(1ヶ月以上)
- こんな方におすすめ
-
- フロンティア製ケースに魅力を感じる方
- ジャンル問わずゲームをプレイしたい方
- 充実した構成のゲーミングPCが欲しい方
FRGHLB550/WS12110/NTKのスペック

| メーカー | フロンティア |
|---|---|
| 製品名 | FRGHLB550/WS12110/NTK |
| 価格 | 185,800円(+送料3,300円) |
| CPU | Ryzen 7 5700X(レビュー) |
| CPUクーラー | 空冷(CPS RT400-BK) |
| グラボ | Radeon RX 9060 XT 16GB(レビュー) |
| メモリ | DDR4-3200 32GB |
| SSD | 1TB Gen4 NVMe |
| 電源 | 600W 80PLUS PLATINUM |
| マザーボード | チップセットB550 |
| おすすめ度 | Aランク |
| 評価 | ・コスパ 9.3 ・ショップ評価 9.5 |
FRGHLB550/WS12110/NTKのカスタマイズ項目を評価
| パーツ | おすすめ度 | 詳細 |
|---|---|---|
| ケース | 好みで選択 +0円 | |
| OS | 変更なし | |
| オフィスソフト | 変更なし | |
| セキュリティソフト | 変更なし | |
| CPUクーラー | SilverStoneサイドフローCPUクーラー ブラック 【Hydrogon D120 ARGB-V2】 +11,000円 |
|
| CPUグリス | AINEX JP-DX2 ナノダイヤモンドグリス +2,970円 | |
| メモリ | 64GB(32GB×2)PC4-25600(DDR4-3200)DDR4 SDRAM +13,200円 | |
| NVMe SSD [1st] | 2TB NVMe SSD +16,500円 | |
| NVMe SSD [2nd] | 変更なし | |
| ハードディスク | 変更なし | |
| 光学ドライブ | 変更なし | |
| 電源 | 750W ATX3.1電源80PLUS PLATINUM(日本コンデンサ仕様) +2,200円 | |
| Steamアプリ | Steamクライアントソフトウェア +0円 | |
| 無線LANアダプタ[Wi-Fi(ワイファイ)] | 変更なし | |
| Bluetooth(ブルートゥース)アダプタ | 変更なし | |
| 追加オプション | 変更なし | 保証 | プレミアム保証(標準1年+2年延長保証)+19,910円 |
| オンサイトサービス(訪問部品交換サービス) | 変更なし | |
| パソコン出張設置サービス | 変更なし | |
| 下取りサービス | 変更なし | |
| データ復旧サービス | 変更なし | |
| 「J-ONEcall」電話&リモートサポート | 変更なし |
上記テーブルの黄色のマーカーは一般的なBTOパソコンで人気のカスタマイズ項目であることを意味する。当該モデルではメモリのカスタマイズがおすすめだ。DDR4-3200 32GB→DDR4-3200 64GBが+13,200円は破格だ。今後はこの価格でアップグレードできることはないはずだ。性能的に64GBのメモリが必要かどうかは難しいか、長く使い続けることを考えれば悪くない。
あとは予算に余裕があればSSDの容量を1TBから2TBへの変更を検討してもよい。SSDは標準で1TBの容量がある。ミドルクラスで1TB搭載は珍しい。変更を加えずに使用するのもありだ。ストレージは何をするにも使用するため、年月が経つにつれて徐々に容量を圧迫するようになる。カスタマイズ費用も控えめなので変更するのもおすすめだ。
デザイン性を強調する点で、CPUファンをARGBライティングに対応したタイプに変更するなども候補に挙がるだろうか。ケースの左サイドはクリアパネルとなっていて、LEDの光が鮮やかに見える設計だ。もちろん、見栄えがよくなるくらいで使用感に影響はない。電源は+2,200円で750W PLATINUMにアップグレードできるので検討してもよい。標準の600W 80PLUS PLATINUMは、容量・規格ともに十分なものだ。
先々ハイクラス以上のCPUやグラフィックボードに交換する可能性があるなら検討してもよいという程度だ。3年の延長保証費用は固定で19,910円となる。カスタマイズでも費用が変わらないのは大きな特徴だ。一般的なBTOメーカーの場合はカスタマイズを含む本体価格+10%の費用がかかるためだ。
FRGHLB550/WS12110/NTKの特徴
値上げでフロンティアらしさはなくなった

2025年12月12日に週間セールの更新が行われて大幅な値上げが適用となり評価を落とした。元々はミドルクラスらしい価格に抑えられつつも充実の構成で競合を圧倒していた。今は他社メーカーよりも価格が高くなっている。もちろん構成が充実しているので割高というわけではないが、他社モデルでカスタマイズをすれば同等のモデルに仕上がる。

一方で、メモリのカスタマイズ費用が割安なのは強みとなる。Ryzen 7 5700XとRadeon RX 9060 XT 16GBの組み合わせで64GBのメモリが必要かどうかは難しいところだが、+13,200円で64GBにできるのであればカスタマイズしてもよさそうだ。このカスタマイズを考慮すればコストパフォーマンスはもう少しよくなる。
びっくりするほど価格が上がってる。これはもう年内抑えて新春勝負に切り替えたのか😅
— 管理人@ゲーミングPC徹底解剖 (@gamingpcsjp) December 12, 2025
セールの更新を見たとき今年の販売は絞る方向に舵を切ったのではないかと感じた。すでに納期が1月下旬まで伸びていてオーダー分の対応でも大変そうだ。2026年の福袋では高コスパなモデルが復活するはずだ。それまでは一休みといったところだろうか。
ゲームへの対応力は高め
| Apex Legends | フォートナイト | モンハンワイルズ | マイクラ |
|---|---|---|---|
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・120fps ・60fps |
![]() ・200fps ・144fps |
![]() ・影Mod ・通常 |
当該モデルはフルHD環境に限りゲームに対応しやすい性能を有している。ただし、フレームレートを高く安定させるためには設定を下げなければならない。そのゲームの最高設定や標準を上回る設定ではフレームレートが不安定になる場面がある。VRAM 16GBというのは武器になるが、ラスタライズ性能自体がミドルクラス相当であるため恩恵を感じる場面は少ないかもしれない。Ryzen 7 5700Xも現行モデルと比べるとゲーム適性は劣る。
優秀な対応力はあっても、あくまでもフルHDを前提としている。WQHDや4Kのような高解像度でのゲームプレイへの対応力はほとんどない。古いゲームや負荷の軽いゲームでは高解像度も可能だが、ミドルクラスの性能で実現できる高解像度は恩恵があまりない。グラフィック品質の高いゲームを高解像度でプレイするからこそ鮮やかな画質を最大限活かすことができる。フルHDで設定を少し下げて144fps以上を目指すのが最適だ。
また、メモリ32GBを搭載していることから、何かをしながらのゲームプレイも行いやすい。動画視聴やブラウジングはメモリの消費が激しい。ゲームと同時に進行するとメモリ不足でクラッシュすることもある。余裕のある容量を搭載していることで、複数のアプリケーションの起動も問題なく行える。プレイスタイルを選ばないのも、このモデルの強みとなりそうだ。
対人要素の強いApex Legendsやフォートナイトでは、標準的な設定で144fpsを実現できる。設定次第では200fps以上も可能だ。ただ、戦闘時など場面によっては著しくフレームレートが低下するため、200fps前後を目指す形になる。話題を集めたモンハンワイルズは、負荷が高く、60fpsを基準にゲームをプレイすることになる。フレーム生成を利用することで100fps以上も実現可能なので、現行のグラフィックボードを搭載していることは強みだ。画質を求めないプレイスタイルであれば十分快適と言える。
世界的人気のマイクラは負荷が軽く遊びやすい。FRGHLB550/WS12110/NTKの性能であっても問題はなく、影Modの導入も可能だ。開発が進んだマルチサーバーでは負荷を体感しやすく、影Modの導入は場所を選ぶので注意したい。シングルプレイであれば制限なく遊べそうだ。ミドルクラスの王道でゲームへの対応力に優れている。
同じフロンティア製ゲーミングPCと比較
| ブランド | FRONTIER | FRONTIER |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | FRGHLB550/WS12110/NTK | FRGHLB550/WS1106/NTK |
| ケース | ミドル | ミドル |
| 価格 | 185,800円 | 186,800円 |
| 送料 | 3,300円 | 3,300円 |
| CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
| GPU | RX 9060 XT 16GB | RTX 5060 Ti 8GB |
| メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-3200 32GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 600W PLATINUM | 600W PLATINUM |
| マザーボード | B550 | B550 |
| 納期 | 9営業日 | 9営業日 |
| 保証 (延長保証) |
1年間 (最長3年間) |
1年間 (最長3年間) |
| 電話サポート | 10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) |
10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) |
| 公式 | 公式 | 公式 |
同じ価格でGeForce RTX 5060 Ti 8GB搭載モデルも選択できる。VRAM容量こそ半減となるが、グラフィックス処理性能は8%程度高い。総合力を求めるなら理想的なモデルだ。価格差1,000円ならGeForce RTX 5060 Ti 8GBを選ぶべきだろう。モンハンワイルズなどではRadeon RX 9060 XT 16GBに分がある。
似ているゲーミングPCとの比較
| ブランド | FRONTIER | NEXTGEAR |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| 製品名 | FRGHLB550/WS12110/NTK | NEXTGEAR JG-A7A6X(ホワイト) |
| ケース | ミドル | ミニ |
| 価格 | 185,800円 | 159,800円 |
| 送料 | 3,300円 | 無料 |
| CPU | Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
Ryzen 7 5700X (8コア16スレッド) |
| CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
| GPU | RX 9060 XT 16GB | RX 9060 XT 16GB |
| メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR4-3200 16GB |
| SSD | 1TB NVMe Gen4 | 1TB NVMe Gen4 |
| 電源 | 600W PLATINUM | 750W BRONZE |
| マザーボード | B550 | B550 |
| 納期 | 9営業日 | 7営業日 |
| 保証 (延長保証) |
1年間 (最長3年間) |
3年間 (延長なし) |
| 電話サポート | 10:00-19:00 (年末年始・指定休日除く) |
24時間365日 |
| 公式 | 公式 | 公式 |
マウスコンピューターのNEXTGEAR JG-A7A6Xと比較していく。価格差は26,000円でNEXTGEAR JG-A7A6Xの方が安い。さらに、マウスコンピューター製品は送料がかからないので実質の価格差は29,300円まで広がる。メモリが半減となるのでカスタマイズをすると+28,600円となる。これなら同等と言えそうだ。
FRGHLB550/WS12110/NTKの延長保証加入には19,910円がかかる。トータル費用は209,010円(送料3,300円含む)だ。一方で、NEXTGEAR JG-A7A6Xのメモリを32GBにすると28,600円かかり、トータル費用は188,400円となる。保証に加入しなくても185,800円とそこまで差があるわけではない。なお、メモリ64GBへのカスタマイズを考慮するとコストパフォーマンスは跳ね上がる。FRGHLB550/WS12110/NTKが+13,200円に対して、NEXTGEAR JG-A7A6Xは+64,900円と大きな差がある。
あとはショップのサポートへの力の入れ具合を考慮する必要がある。フロンティアは電話サポートの時間が10:00-19:00と一般的だ。一方で、マウスコンピューターは24時間365日の電話サポート付きとなる。サポートを重要視するならNEXTGEAR JG-A7A6Xを選ぶのも悪くない。初心者の方やパソコンに不慣れな方にとっては恩恵が大きい。構成のマイナスは費用で補えても、サポートは変更できない。電話サポートが必要ならNEXTGEAR JG-A7A6X、必要なければFRGHLB550/WS12110/NTKをおすすめしたい。
GHLシリーズケース詳細
正面

前面ファンが映えるケースを採用している。白色のケースデザインが今風だ。LEDはソフトウェアで制限できる。
上部

上部にはメッシュパネルを採用していてメンテナンス性が高い。エアフロー的にも優れている。
右側面

右側面はシンプルなデザインだ。ロゴの刻印などもない。
左側面内部1

水冷式CPUクーラーを搭載した場合の内部画像だ。最大で360mmラジエーター搭載CPUクーラーを搭載できる。拡張性は高い。
左側面内部2

RGBファン搭載で見せるゲーミングPCに仕上がる。水冷式CPUクーラーへのカスタマイズがおすすめだ。360mmラジエーター搭載モデルなら上部のファンが3基になる。初期構成の空冷式クーラーだと上の2基のファンがなくなる。
管理人による総評
Ryzen 7 5700X×Radeon RX 9060 XT 16GB搭載のミドルクラスのゲーミングPCだ。185,800円と大幅に値上げされてしまった。このモデルの強みは充実の構成にある。メモリDDR4-3200 32GB・SSD 1TB Gen NVMeと性能帯からは考えれないほど優れている。電源も600W PLATINUMと高規格だ。フロンティアはカスタマイズ費用も抑えられていてここからさらに構成を強化することもできる。サポート時間の短さを受け入れられるのであれば魅力的な選択肢となる。
| 価格 | CPU | グラボ |
|---|---|---|
| 185,800円 | Ryzen 7 5700X | RX9060XT 16GB |
| メモリ | SSD | チップセット |
| DDR4 32GB | 1TB | B550 |













