当記事では、FRONTIER GKシリーズFRGKB760/WS522/NTKのレビューをしている。Core i7-14700F×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。フルHDで240HzやWQHD解像度など要求スペックの高い環境に対応できる性能を有している。Core i7-14700Fは処理性能が高くゲーム以外の用途にも適している。
汎用性の高い性能に、抑えられた価格はさすがフロンティアの期間限定セールモデルだ。構成も抜群でSSD容量1TB、メモリ容量も32GBと盤石だ。パソコンを使用する上で利便性に貢献するストレージ、様々な用途をマルチにこなす際に重要なメモリと妥協が見られない。誰にとっても扱いやすく、誰にでもおすすめできるモデルに仕上がっている。
当ページの目次
FRGKB760/WS522/NTKのスペック解説
ブランド名 | FRONTIER |
---|---|
製品名 | FRGKB760/WS522/NTK |
価格 | 204,800円(税込) |
CPU | Core i7-14700F(レビュー) |
GPU | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR4-3200 32GB |
SSD | 1TB NVMe |
電源 | 600W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
おすすめ度 | Sランク |
評価 | ・コスパ 9.8 ・ショップ評判 8.5 |
FRGKB760/WS522/NTKのコストパフォーマンスは9.8とかなりの高評価だ。人気のミドルハイクラスでもトップクラスの評価だ。FRGKB760/WS522/NTKはセール限定モデルである。一般的なモデルよりも評価が高くなるのは当然だ。お得さという点では圧倒的な存在だ。
FRGKB760/WS522/NTKのカスタマイズ(おすすめ度)
- CPU -
- CPUファン –
- CPUグリス ×
- メモリ △
- SSD △
- 電源 ◯
FRGKB760/WS522/NTKは、モデルだけではなくカスタマイズもお得なことがある。CPUとCPUクーラーは固定で、変更はできない。CPUグリスは恩恵が薄いのでおすすめしない。メモリ・SSD・電源は悩ましい部分で、これらの箇所はお得な価格で変更できるので一考の価値がある。標準で32GBのメモリ容量を持っているFRGKB760/WS522/NTKは、本来ならカスタマイズをおすすめしない。
ところが、フロンティアではメモリ容量64GBへのカスタマイズ費用が13,200円と割安だ。他メーカーの16GBから32GBへのカスタマイズ費用と同等である。これなら64GBの大容量を目指してもいい。ただし、GeForce RTX 4060 Tiの性能では不要な容量だ。基本的には32GBあれば十分なので、ここは好みだ。
SSDはセール特価なら2TBへの容量アップが8,800円だ。これも500GBから1TBへの価格と同等だ。標準で1TBの容量があれば、カスタマイズはおすすめしていない。カスタマイズ費用が安いフロンティアのセールモデルだからこそのおすすめポイントだ。容量は大きくても困らない。必要な容量を選択したい。
電源は標準が600W 80PLUS BRONZEだ。容量に余裕があるわけではない。電源はカスタマイズを推奨したい。もちろん、標準の容量でも問題はない。カスタマイズは不足を補うもので、必要十分な電源のカスタマイズは必須ではない。ただ、電源の負担を考えれば、もう少し余裕のある容量の方が安定する。3,300円で選択できる750W 80PLUS GOLDがおすすめだ。費用を考えても優秀な選択肢だ。
後は好みだが、注意してほしいのはグラフィックボードだ。GeForce RTX 4060 Ti 16GBへの変更は、ゲーム性能はそこまで変わらないのでおすすめしない。もう一つの注意点はケースカラーだ。白と黒のどちらを選ぶかはカスタマイズページで選択する。標準では黒色が選択されているため、白色ケースがほしい場合は注意してほしい。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | パルワールド | マイクラ |
---|---|---|---|
・240Hz ・144Hz | ・240Hz ・144Hz | ・144Hz ・60Hz | ・影Mod ・通常 |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
FRGKB760/WS522/NTKはCore i7-14700FとGeForce RTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。人気の性能でゲームを快適にプレイするなら理想的な組み合わせだ。ゲーム意外の対応力も高く、汎用性にも優れている。
国内で人気のApex Legendsは、240Hz環境で安定したゲームプレイが可能だ。ただし、240fpsの張り付きはむずかしい。あくまでも240Hz環境に対応できる程度なので、200fps以上の維持を目指す性能だ。同ジャンルのフォートナイトは、Apex Legendsよりも負荷が小さく、240fpsの張り付きが実現できる。DirectX 12環境で最高設定にすると不安定になるため、少し調整が必要なのは注意してほしい。
話題のパルワールドは、推奨環境を全て満たせる。大型アップデートが今後も予定されており、内容によっては負荷を支えきれず不安定になる場面も予想される。パルワールドも最高設定ではなく、少し調整した方がいい。
今も高い人気を集めるMinecraftは、環境を選ばず快適にプレイできる。チャンクを広く設定しても快適性を損なわれにくい。影Modのような負荷の高いModにも対応可能だ。トラップタワーやピストンが集まる場所は性能に関係なくカクつきやすい。こういった場所への対応はできないので留意しておきたい。
FRGKB760/WS522/NTKのゲーミング性能
Core i7-14700F(CPU)
FRGKB760/WS522/NTKで採用されているCPUは、Intel第14世代のCore i7-14700Fだ。ゲーミング適正の高いCPUで上位モデルで採用されることが多い。現行モデルの中で上から5番目の性能だ。従来モデルのCore i7-13700と比べて3%弱ゲーム性能が向上している。Core i9-12900Kと比べても16%程度上回る。3D V-Cache搭載のRyzen 7 5800X3Dを上回るほどだ。
GeForce RTX 4060 Tiとの組み合わせならしっかりとバランスを取ることができる。ハイブリッドコアアーキテクチャは健在で、Core i7-13700が16コア24スレッドだったのに対して20コア28スレッドとさらに高いスペックを誇る。Eコアが4基増えてゲーム実況・動画編集などのクリエイター作業への適性も向上している。
GeForce RTX 4060 Ti(GPU)
当該モデルではグラフィックスにミドルハイクラスのGeForce RTX 4060 Tiを搭載している。従来のGeForce RTX 3060 Tiがそうであったように、現行のGeForce RTX 40シリーズの中でも圧倒的な人気を誇る。価格と性能のバランスがよく、選びやすいというのが理由にありそうだ。その選びやすさとは裏腹に、ゲームへの対応力はかなり高い。
従来のGeForce RTX 3060 Tiよりも15%ほど性能が高く、GeForce RTX 3070と同等の性能にまでなっている。WQHD解像度への対応力が向上し、4K解像度にも対応できる。4Kはゲームによっては設定を下げる必要があるため、WQHDを上限に考えたい。フルHDなら240Hzや360Hzを目指せる。ゲームプレイの環境を選びにくい優れたパフォーマンスは魅力だ。
CPUとGPUのバランス考察
Core i7-14700FとGeForce RTX 4060 Tiのバランスは優秀だ。本格的なゲームプレイに対応できる組み合わせで、多くのゲーマーに求められる性能だ。Core i7-14700Fの性能があれば、GeForce RTX 4060 Tiの性能を最大限引き出せる。また、ゲーム以外の用途への対応力も抜群だ。幅広い用途に対応できるだけでなく、フレームレートを稼ぎやすい組み合わせだ。ただ、Intel製CPUが苦手とするゲームもある。そういったゲームではフレームレートが思ったより出ないこともある。このバランスは必ずしも最高のパフォーマンスを引き出せるわけではない。あくまでも、CPUとグラフィックボードのみを基準に考えたバランスだ。目安程度に参考にしてほしい。
FRGKB760/WS522/NTKの特徴まとめ
リニューアルで構成ダウンも評価は上々
FRGKB760/WS522/NTKは、Core i7-14700F×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。Intel第13世代のCore i7-13700F搭載モデルから続く人気のモデルとなる。型番こそ変わっているものの、採用されているケースやグラフィックボードは共通で実質後継機に位置している。フロンティアのセール限定モデルとしてはロングセラーとなるモデルだ。
長く販売されているだけあって、優れたモデルであることは間違いない。その一方で、従来モデルよりもストレージ構成がダウングレードされている。以前は512GB NVMeと1TB NVMeのデュアルストレージ採用モデルだった。数年前まではよく見かけたデュアルストレージモデルも、2024年時点ではほとんど見かけなくなった。そのタイミングでデュアルストレージを採用した珍しいモデルで評価していたのだ。
構成に個性のあるモデルはインパクトもあり、印象がとてもよかったことを記憶している。残念ながら、FRGKB760/WS522/NTKは1TB NVMeのシングルストレージとなっている。コストカットと実用性を加味してのものだろう。ストレージが1つでも2つでも、今は容量が大きくなること以外にメリットはない。使い勝手がよいと感じるかは人それぞれということで、より多くのユーザーに受け入れられるシングルストレージにしたのだろう。
構成に変更を加えてほしかった電源は維持されている。Core i7-14700FとGeForce RTX 4060 Tiを搭載し、600W 80PLUS BRONZEは少し心もとない。多くのメーカーが650W 80PLUS BRONZE以上を採用している。600Wでも動作は可能だが、使用率が高まれば発熱やファンの音が大きくなる。
より安定させるためには、容量は少しでも大きい方がいい。例えば、300W使用するなら600Wは50%の使用率だ。これが750Wになれば40%になる。実際には300Wよりも大きくなるので、使用率はもっと高くなる。電源の容量は静音や冷却に影響を与える。カスタマイズでも電源は選択されやすい。
弱点というほどではなくても、気になる箇所だ。構成に優れたモデルなだけに少し残念に感じる。メモリやストレージは充実していても、電源だけ見劣りすると充実した構成とは言いにくい。もっとも、評価に悪影響を与えるわけではないため、FRGKB760/WS522/NTKの評価は上々だ。
選びやすい価格を実現もあと一歩
FRGKB760/WS522/NTKは、前述の通り充実した構成という大きな武器を持っているがそれ以上に価格設定が強力だ。コストのかかる構成を持ちながら、204,800円を実現している。現在ゲーミングPCは円安の影響で値上げが続いている。特に、GeForce RTX 4060とGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルの値上げは顕著だ。Intel製CPUと組み合わせていればさらに値上げされている印象がある。
204,800円なら最安値クラスと言えるのではないか。Core i7とGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせは、20万円を切ることが重要だった。今や22万円台でも安価と言えるほどだ。性能・構成が優れていることから、十分優秀な価格設定だ。しかし、フロンティアのセール限定モデルは、他のモデルに影も踏ませないほど突き抜けていてほしかった。
過去に、半導体不足で値上げされた時も、フロンティアのセールモデルは圧巻の存在感を価格で示していた。他のモデルの最安値よりもさらに安く、価格では全く太刀打ちできない。それこそがFRGKB760/WS522/NTKに期待されたものである。今なら198,800円くらいは簡単に実現するのではないか。そんな期待を持っていた。
あともう一歩踏み込めなかったのかという残念な印象が残る。フロンティアのセール限定モデルは、大容量のメモリとストレージを持ち、価格は他のモデルよりも明らかに安い。セール限定モデルは毎週更新される。ロングセラーとなっていることもあり、次のセールでも登場するだろう。もしかすると20万円台を切るのではないかと期待している。もっとも、値上げが続いていることを考えると、20万円台を切るよりも5,000円程度値上げされる可能性の方が高い。妥協というには贅沢なものだが、204,800円で選択することをおすすめしたい。
他社メーカーのモデルと比較
ブランド | FRONTIER | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ||
製品名 | FRGKB760/WS522/NTK | GALLERIA RM7C-R46T |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 204,800円 | 218,980円 |
送料 | 2,200円 | 3,300円 |
CPU | Core i7-14700F (20コア28スレッド) | Core i7-14700F (20コア28スレッド) |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR4-3200 32GB | DDR5-4800 16GB |
SSD | 1TB NVMe | 500GB NVMe Gen4 |
電源 | 600W BRONZE | 650W BRONZE |
マザボ | B760 | B760 |
納期 | 最短7営業日 | 最短翌営業日 |
保証 (延長) | 1年間 (最長3年間) | 1年間 (最大5年間) |
でんサポート | 10:00-19:00 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | 当ページ |
比較対象はドスパラのGALLERIA RA7C-R46Tだ。FRGKB760/WS522/NTKの方が14,180円安く、メモリ容量・SSD容量が倍増している。電源容量こそ僅かに落ちるだけで、構成と価格で圧倒している。どちらがお得かと問われれば100人中100人がFRGKB760/WS522/NTKを選ぶだろう。間違いなくモデルだけを見ればFRGKB760/WS522/NTKがおすすめだ。
一方で、納期やサポートに目を向けるとドスパラが圧倒している。最短翌日出荷に対応し、延長保証は最大5年間を選択できる。電話サポートは24時間365日対応だ。パソコンに不慣れな方なら、あえてGALLERIA RA7C-R46Tを選択するというのもありだ。フロンティアは電話サポートが10時-19時だ。
当然混雑しやすい時間もあるため、学校や仕事のある日はサポートを受けにくい。緊急性を要する場合に電話サポートを受けられないのはネックだ。そういった意味ではFRGKB760/WS522/NTKはパソコンのトラブルに対応できる中級者以上に適したモデルと言える。サポートを受ける可能性があるなら、GALLERIA RA7C-R46Tも候補に入るだろう。
GKシリーズケース詳細
FRONTIERのGKシリーズは2023年12月に登場した最新のケースだ。容量30Lのミニタワーに、垂直エアフロー構造を採用した強力なエアフロー性能を誇るケースだ。そのエアフロー構造は、一般的なフロントからリアに流れるものではないため、パーツを増設する際はエアフローの方向を意識する必要がある。そのまま使うなら問題はないが、増設や交換を想定するなら難易度が高く上級者向けとなりそうだ。
正面
フロントパネルはロゴがあるだけで、とくに何もないシンプルなデザインだ。何もないフロントパネルではあるものの、一般向けに採用される汎用ケースとは違うことがわかる。あえてロゴ以外の装飾をしないことで、デザイン性を引き立てているように感じる。ゲーミングPCに採用されるケースとしては、少し好みが分かれそうだ。
本体上部
本体上部の天板は、I/Oパネルが設置されている。電源ボタン、USB Type-A 3.2 Gen1が2つ、ヘッドセット出力端子が1つだ。USB Type-Cポートは使用できないのは残念だ。天板には防塵ダストフィルターがあり、メンテナンスが容易にできる。
底面から吸気して上部に排出する、垂直エアフロー構造を採用しているため、天板に吸気ファンを追加しにくい。特殊なエアフローに特化し、それ以外はあまり考えられているようには見えない。電源の熱も天板から排出される。パソコン上部に少し空間が必要になる。置き場所には気をつけてほしい。
右側面
右側面には何もない。垂直エアフローのためか、エアホールさえない。
左側面
左側面も右側面同様に何もない。
背面
背面は一般的なミニタワーゲーミングPCと変わりはない。背面に排気ファンが搭載されている。
底面
底面は大きく開いており、ここがメインの吸気口となる。画像で見えるファンはグラフィックボードのものだ。ケースファンの位置を考えると、垂直エアフロー自体メリットがあるようには思えない。しかし、試みはおもしろいので、フロンティアのケースはユニークな方向に進んでほしいものだ。
管理人による総評(FRGKB760/WS522/NTK)
FRGKB760/WS522/NTKは、フロンティアの期間限定セールの対象モデルだ。Core i7-14700F×RTX 4060 Ti搭載で、構成が充実している割に価格も抑えられている。この性能帯でSSD 1TB搭載やメモリ32GB搭載など充実した構成を持つモデルは珍しい。その上で標準的なGeForce RTX 4060 Ti搭載モデルよりも安い。コストパフォーマンスの高さも魅力の一つだと言える。
2023年12月に、新たに加わった新ケースを採用したモデルだ。セール対象モデルになったことを考えると、これからも引き続きセールモデルとして期待できる。性能はオーソドックスでも、充実した構成と破格とも言える価格でトップクラスのモデルに仕上げている。今後のミドルハイクラスを牽引できる、最強クラスのゲーミングPCだ。初心者から上級者までおすすめできるモデルである。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
204,800円 | i7-14700F | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 32GB | 1TB | 非搭載 |