ドスパラが販売する「GALLERIA RM7C-R46T」のレビューをまとめた。Core i7-14700F×RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCだ。最安値の189,979円から見ると価格は高めだが、昨今の部材高騰や円安の状況を考えれば仕方がないのかもしれない。次世代のGeForce RTX 50シリーズも登場して魅力半減といったところだろうか。これといった強みがないのが痛い。比較対象モデルを合わせて確認しておこう。
GALLERIA RM7C-R46Tのスペック解説
メーカー | ドスパラ |
---|---|
ブランド名 | GALLERIA |
製品名 | GALLERIA RM7C-R46T |
価格 | 249,980円 |
CPU | Core i7-14700F(レビュー) |
CPUクーラー | 12cmサイドフロー大型CPUファン |
グラボ | GeForce RTX 4060 Ti(レビュー) |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
ストレージ | SSD 500GB Gen4 NVMe |
電源 | 650W 80PLUS BRONZE |
マザーボード | チップセットB760 |
おすすめ度 | Bランク |
評価 | ・コスパ 4.9 ・ショップ評価 8.5 ・納期 最短10日 |
GALLERIA RM7C-R46Tの評価は4.9と標準より僅かに低い。ゲーミングPCの高騰が続き、その影響がダイレクトに影響したモデルだ。ミドルハイクラスを代表するGALLERIA RM7C-R46Tは、常に6.0を上回る評価を得てきた。ここにきて大幅な下落となってしまった。評価の通り、現時点での選択はあまりおすすめできない。
おすすめカスタマイズを解説
- CPU ×
- CPUファン 〇
- CPUグリス △
- メモリ ×
- SSD △
- 電源 ◯
当該モデルのカスタマイズはストレージを強化するくらいに留めた方が無難だ。Core i7-14700はCPUにグラフィック機能が内蔵されたタイプで、グラフィックボードの故障時や流用時に重宝する。何かあった時にはCore i7-14700は助かる。4,900円なので一考の価値はありそうだが、実用のタイミングが限定的でおすすめしにくい。基本的にグラフィックボードを搭載しているゲーミングPCには不要だ。
CPUファンのカスタマイズは好みだ。Core i7-14700Fの発熱量なら、電力制限を解除しても標準のもので十分だ。もちろん、他のものでは全く意味がないというわけではない。少し余裕を持たせたり、こだわりがあれば水冷を選んだりするのも悪くない。予算内に収まるなら変更を検討してもいいが、SSDや電源に比べると優先度は低い。CPUグリスはカスタマイズ費用こそ安価だが、恩恵を体感しにくい。CPUファンを変更するなら検討するくらいでいい。
GALLERIA RM7C-R46Tの価格が上がった今、メモリのカスタマイズもあまりおすすめできない。実用面を考えれば32GBあった方が助かる場面はあるだろう。しかし、カスタマイズにかかる費用が13,900円と高めなため、率先しておすすめできない。流石に26万円台にまでなってしまうと、別のモデルを選択する方がいい。カスタマイズのメリットよりはあっても、価格が跳ね上がっている今は避けた方が無難だ。
SSDのカスタマイズも、本来は1TBへのカスタマイズを推奨したい。1TBへのカスタマイズ費用は6,000円と控えめなので、高騰している今でも悪くはない。ただ、現在のGALLERIA RM7C-R46Tは、少しの価格アップで評価が激減してしまう。コストパフォーマンスを意識したモデルで評価を維持できないのは問題だ。
それでも、標準構成を避けて選択するならSSDが無難だ。SSD容量を1TBに変更することは恩恵が大きい。500GBと1TBでは容量が2倍違うだけではない。OSやシステムなどの必須なもの、必ずインストールするゲームやアプリの容量で200GB程度消費すると、空き容量は300GBと800GBだ。容量の差は約2.67倍にまで広がる。1TBへ変更するだけでストレージの余裕が違ってくる。価格というネックはあるが、カスタマイズを行うならおすすめだ。
電源は標準の650W 80PLUS BRONZEでも必要十分だ。余裕をもたせるなら750W 80PLUS GOLD、ハイエンドクラスのグラフィックボードなどに変更する可能性があるなら850Wの電源を選択しておきたい。費用的には705W GOLDがおすすめだ。将来的に変更する予定がないなら、カスタマイズの必要はない。
各タイトルの対応表
Apex Legends | フォートナイト | マイクラ | モンハンワイルズ |
---|---|---|---|
![]() ・240Hz ・144Hz |
![]() ・240Hz ・144Hz |
![]() ・影Mod ・通常 |
![]() ・144fps ・60fps |
対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解だ。
Core i7-14700FとGeForce RTX 4060 Tiを搭載したミドルハイクラスのゲーミングPCだ。優れたCPUとグラフィックボードで、ゲームへの対応力が高い。扱いやすい性能は、初心者から上級者まで幅広くカバーしている。
国内で高い人気を誇るApex Legendsは240Hz環境に対応はできるが、240fpsの張り付きはむずかしい。240fpsで安定する場面はあっても、少し負荷がかかれば220fpsを下回ることもある。240fpsの張り付きを目指すよりも200fps以上の実現に目を向けたい。
同じバトロワ系の人気ゲームフォートナイトは設定で負荷が大きく変わる。DirectX 12ではなく、DirectX 11であれば200fps以上を目指せる。ただし、それなりに設定を下げなければならないので、こちらも200fpsの安定を目指す方が無難だろう。
人気のマインクラフトは、影Modのような負荷の高いModを導入しても安定させやすい。マルチサーバーでも安定し、ゲーム環境を選ばないのが持ち味だ。負荷の高いModやゲームシステムに変更を加えるModも対応可能だ。登場後から爆発的な人気のモンハンワイルズは、要求スペックが下がったことでプレイしやすくなった。推奨環境を満たせるGALLERIA RM7C-R46Tなら、設定次第で144fpsの安定も目指せるだろう。最高設定では60fpsを維持するのもむずかしい場面はある。それでもゲームプレイ自体は快適と言える範囲なので対応力はある。
GALLERIA RM7C-R46Tの性能まとめ
ゲーミングPCは、グラフィックボードやCPUなどのPCパーツの集合体だ。ここではゲームプレイに重要なグラフィックボードとCPUについて分解して細かく見ていく。
PC初心者の方がスペックから、性能をイメージすることは難しいだろう。全体として見るのではなく一つずつのパーツを見ていく方が理解しやすいと考えている。
Core i7-14700F(CPU)
GALLERIA RM7C-R46Tで搭載されているCPUは、Intel第14世代のCore i7-14700Fだ。Core i7-14700FはCore i7-14700と異なり、CPU内蔵グラフィックスは非搭載である。当該モデルではグラフィックボードを搭載しているためデメリットにはならない。20コア28スレッドとスペックが高く従来のIntel第12世代最高峰のCore i9-13900Kに匹敵するゲーム性能を持ち優れたCPUであることがわかる。
競合モデルのRyzen 9 7900Xとの性能差は14%とかなり大きい。また、マルチコア性能でもハイブリッドコアアーキテクチャの採用で競合モデルを過去のものにした。ゲーム実況・動画エンコードなどの用途への適性も高い。ゲーミングCPUとしての評価も高く、GeForce RTX 4060 Tiを含むRTX 40シリーズ(Ada Lovelace世代)のグラフィックボードとも相性がよく、バランスも取りやすい。
GeForce RTX 4060 Ti 8GB(GPU)
GeForce RTX 4060 Tiは、2023年5月24日に発売されたグラフィックボードだ。前世代で最も人気のあったRTX 3060 Tiの後継機である。処理性能はRTX 3060 Tiと比べて16%ほど高く、フルHDのみならずWQHDへも高い対応力を示している。現行のミドルハイクラスに位置づけられ、より環境を選ばなくなっている。プレイするゲームジャンルを問わず使用しやすい。前世代のRTX 30シリーズ(Ampere世代)のRTX 3070に匹敵する性能で、1世代の伸びとしてはそれほど大きいわけではない。価格はRTX 3060 Tiと大きく変わらないので、これから選択するなら優秀なグラフィックボードである。
CPUとGPUのバランス考察
Core i7-14700FとGeForce RTX 4060 Tiのバランスは優秀だ。GeForce RTX 4060 Tiの性能を引き出しやすく、ベストマッチと言えるほどのバランスである。Core i7-14700Fは電力制限を解除しているのが前提だ。そのまま使用しても問題はないが、少しバランスの評価は下がる。電力制限の解除は絶対ではないので、性能のバランスを重視するか、消費電力を重視するかは好みだ。初心者の方にはほんの少しむずかしいかもしれない。あまり気にしなくていい要素かもしれない。
GALLERIA RM7C-R46Tの特徴
大幅な値上げで評価暴落
GALLERIA RM7C-R46Tにも、ついに高騰の波が押し寄せた。押し寄せたというのはマイルドな表現だろうか。一気に30,000円の値上げともなれば直撃という方が正しいように思う。一時は20万円を下回る価格だったモデルが25万円に差し迫っている。あまりにも大きな値上げは、評価を大暴落させるには十分だった。市場を見てもGeForce RTX 4060 Tiは在庫不足の傾向にあるようだ。
ショップによっては完全に取り扱いが終了しているところもある。在庫不足はこれまで幾度となくあったが、今回ほどの価格高騰はなかったように思う。GeForce RTX 4060搭載モデルなどはすでに価格が落ち着いていることから、供給不足が続く限り高騰は落ち着かないだろう。人気の性能帯であるミドルハイクラスは、供給不足になっても代替モデルの登場や供給再開が早いことでカバーできていた。今回はタイミングが悪い。
次世代のGeForce RTX 50シリーズが展開され始めている。ここからGeForce RTX 40シリーズを大量生産して供給不足を補うとは考えにくい。このまま行くと、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルは高騰したまま、もしくは取り扱い中止したままGeForce RTX 5060搭載モデルと置き換わるだろう。本来新製品の登場前は価格が安くなるもので今の高騰は異例中の異例といえる。
このタイミングで過去最高値を更新するのは致命的だ。未来のことは予想しにくいが、確実に言えるのは今のGALLERIA RM7C-R46Tはおすすめできない。かつてのGALLERIA RM7C-R46Tはコストパフォーマンスがよく、標準的なミドルハイクラスである。そのポジションを失っている状態では、強みと言えるものが無いに等しい。せめて高騰するにしても22万円台に留まることができれば印象は違った。
他メーカーでは在庫不足でGeForce RTX 4060 Ti搭載モデル自体の取り扱いがなくなってきている。まだ取り扱いがあるだけマシと捉えるのも難しい。今すぐゲーミングPCを選択する理由がなければ、しばらく様子を見ることをおすすめする。高騰の影響が小さくなったり、在庫不足が落ち着いたりする可能性がある。今はここ数年で最も悪いタイミングと言わざるを得ない。
性能は変わらず扱いやすい
価格は上がってしまっても構成には一切変化がない。これは一長一短あるものの、使用感や性能にも変化がないということだ。価格を無視すれば悪いモデルというわけではない。最新のゲームにも対応できる性能を持っているので、購入してから後悔することは少ないはずだ。Core i7-14700Fの性能は、ゲームよりもゲーム以外の用途で輝く。ゲームをプレイしながらの動画視聴はもちろん、配信や動画編集で負荷を感じにくくなる。
GeForce RTX 4060 Tiはモンハンワイルズなど話題の最新作を快適にプレイできる性能だ。ゲームプレイではよほど負荷の高い環境を構築しない限りは安定したゲームプレイが可能である。性能は高騰中であっても影響を受けない部分だ。また、構成も変化を受けにくいので、価格の問題さえ突破すれば優秀なモデルであることに変わりはない。
例えば、高騰前に購入していたり、なんらかの手段で少し安く購入していたりした場合だ。GALLERIA RM7C-R46Tがおすすめできないのは価格の高さによるものだ。性能は変わらず扱いやすく人気がある。一部の特殊なゲームをのぞき、GALLERIA RM7C-R46Tの性能を持ってして推奨環境を満たせないゲームはない。最新のゲームであっても余裕を持って対応できる。
Core i7-14700FとGeForce RTX 4060 Tiの組み合わせはゲーマーにとって一つの基準になる。2024年のドスパラランキング1位はほぼGALLERIA RM7C-R46Tだったほど人気があったのだ。価格は購入時の問題で性能や構成は購入後からの問題だ。GALLERIA RM7C-R46Tは価格にこそ難はあるが、性能面に関しては多くのゲーマーに支持されるものだ。
相場や状況は変わっても、GALLERIA RM7C-R46Tが持つ性能は変わらない。この事実をどう受け入れるかで評価は少し変わるだろう。もっとも、現時点ではおすすめできないことに変わりはない。比較対象のモデルをチェックしつつ、GALLERIA RM7C-R46Tを候補に残すかどうか判断してほしい。
競合モデルとの比較
ブランド名 | GALLERIA | GALLERIA |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
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製品名 | GALLERIA RM7C-R46T | GALLERIA XA7C-R46T |
ケース | ミニタワー | ミドルタワー |
価格 | 249,980円 | 259,980円 |
送料 | 3,300円 | 3,300円 |
CPU | Core i7-14700F (20コア28スレッド) |
Core i7-14700F (20コア28スレッド) |
CPUクーラー | 空冷 | 空冷 |
GPU | RTX 4060 Ti | RTX 4060 Ti |
メモリ | DDR5-4800 16GB | DDR5-4800 32GB |
SSD | 500GB Gen4 NVMe | 1TB Gen4 NVMe |
電源 | 650W BRONZE | 650W BRONZE |
マザーボード | B760 | B760 |
納期 | 10日 | 5日 |
基本保証 | c | 10日 |
電話サポート | 24時間365日 | 24時間365日 |
公式 | 公式 | 公式 |
レビュー | 当ページ | レビュー |
比較対象は同じドスパラのGALLERIA XA7C-R46Tだ。価格は10,000円高くなるが、メモリとSSDの容量が倍増する。カスタマイズでは20,000円近い費用がかかる構成を10,000円で手にできる。このくらいしっかりした構成を持っていれば、GeForce RTX 4060 Ti搭載モデルで25万円台も納得できる。また、なぜか納期も半分に短縮されているのも推しポイントだ。今ならGALLERIA XA7C-R46Tの方がおすすめできる。GALLERIA XA7C-R46TはGALLERIA RM7C-R46Tの上位モデルである。ここまで価格差が詰まっているところを見ると、今はGALLERIA XA7C-R46Tに力を入れているとも取れる。今後の動向にも注目しつつ、候補に加えたいモデルだ。
パソコンケースレビュー
正面
ドスパラの新ケースとなっている。デザインハウスが設計したケースだけあってデザイン性が高い。ミニタワーケースとなっているが、従来のミニタワーよりは一回り大きくなっていてミドルタワーの差が縮まっている。違うのは高さだけで奥行きと幅はミドルタワーと共通だ。
右サイド
右サイドはシンプルで吸気口だけが設けられている。高さ分の吸気口があるのでエアフロー改善には効果的だ。ガンメタリックのケースが高級感を演出している。
左サイド
左サイドにも吸気口がある。また、一部クリアガラスパネルを採用していて中身が見えるようになっている。最近のモデルらしいデザインだと言える。
背面パネル
背面パネルについてはオーソドックスなものになっている。前面の両サイドから取り入れられた空気が上部及び後ろから排出してくれる。本体内部に熱がこもらないような工夫が見られる。140mmサイズの冷却ファンを搭載しているのも後押ししてくれる。
I/Oパネル
前面に斜めにI/Oパネルが配置されている。電源ボタン、USB 3.2 Gen1 Type-A x4、ヘッドフォン端子が設けられている。USBが4つもあるのは使い勝手が良い。
本体上部
本体上部にもメッシュ加工が施されていてここから熱を放出する仕組みだ。高性能なグラフィックボードやCPUを搭載していても発熱が問題とならない工夫がある。
本体内部
*GALLERIA RM5R-R36 5600X搭載ではないため一つの参考として欲しい
内部にはある程度の余裕がある。ガレリアブランドの場合ミニタワーケースでもサイズは大きめであることがわかる。
正面-LED
ケースの枠組みにLEDが配置されている。オシャレな演出だ。このLEDについては専用のソフトウェアからコントロールすることができる。
管理人による総評

GALLERIA RM7C-R46Tは、Core i7-14700F×GeForce RTX 4060 Ti搭載のミドルハイクラスのゲーミングPCとなっている。ドスパラのランキング上位の常連モデルだったが、価格高騰のあおりをうけて評価を下げている。ガレリアブランドに魅力を感じる方なら候補に入れてもよいだろう。過去最安値と比べると60,000円ほど高くなっている。純粋にコストパフォーマンスを重視するなら比較対象モデルをチェックしておくとよい。
ゲーミング性能は高くフルHD環境で高リフレッシュレートを目指しやすい。WQHD環境への対応力も伸びている。RPG系のゲームは高解像度の方が有利に進められるので好まれる傾向にある。今まではハイエンドクラスに近い性能が求められるような場面でも、GeForce RTX 4060 Tiを搭載していれば対応できジャンルを選ばない性能と言える。CPUとGPUのバランスがよく、ゲーム以外での用途にも適している。ゲーム動画の撮影や投稿、配信まで快適に行えるのが強みだ。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
249,980円 | Core i7-14700F | RTX4060Ti |
メモリ | SSD | チップセット |
DDR5 16GB | 500GB | B760 |