出典:https://www.deepsilver.com/
PAYDAY 3の必要スペックと推奨PCを検証している。2013年に販売されたPAYDAY 2の続編だ。PAYDAY 2は2024年現在も一定のプレイヤーがいるタイトルで、PAYDAY 3に掛かる期待も大きい。これからゲームを始めたいと考えているユーザーは必見だ。
PAYDAY 3は歴代のPAYDAYとは比べ物にならないほど期待されていた。それだけに、初動のトラブルや不具合、ゲーム進行でマイナス評価が多くなってしまったのは残念だ。それでもPAYDAY 3はこれまでのシリーズのシステムを踏襲しており、面白さと背徳感を味わえるゲーム性は変わらず持っている。人気ゲームになれる要素があり、今後のアップデート次第では前作同様長く愛されるゲームになっていけるはずだ。
伸び悩んだのは販売開始直後の不具合によるものだ。次いでゲームボリュームへの不満となっている。ゲーム内容に対する不満はそれほど大きくないので、ポテンシャルはあると見ている。ゲームの進行はこれまでのシリーズと変わらない。まずは下見を行い、排除すべき要素を見つけておく。そして準備が完了したらマスクを被って銀行やお店を襲撃するというものだ。
この他にも銃撃戦、ステルスなどステージによって異なる進行はあるが、PAYDAYといえばやはり強盗だ。毎回変わるカメラの位置や扉、NPCの場所で取る行動が変わるのが醍醐味である。この素晴らしいゲームシステムをうまく活かせていないわけではない。アップデートやDLCで解決していく程度のものなので、今後に期待できるゲームだ。他にないコンセプトで魅了するPAYDAYシリーズ最新作は、苦しい立ち上がりとなっている。もう少し最適化され、もう少し快適になれば一気に化けると信じてプレイしたいところだ。
当ページの目次
PAYDAY 3の必要&推奨環境を検証
最低環境 | 推奨環境 | 徹底解剖最低 | 徹底解剖推奨 | |
---|---|---|---|---|
OS | Windows 10 | Windows 10 | Windows 10/11(64-bit) | Windows 10/11(64-bit) |
CPU | Core i5-9400F | Core i7-9700K | Ryzen 5 4500 | Core i5-14400 |
GPU | GeForce GTX 1650 | GeForce GTX 1080 | GeForce GTX 1650 | GeForce RTX 4060 |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB | 16GB |
PAYDAY 3は2023年9月に登場したゲームで、要求スペックは比較的高めだ。最低環境が現行のロークラス、推奨環境で現行のミドルクラス程度の性能が求められる。2023年リリースで最新のゲームに属することから、推奨環境のスペック自体は納得できる。気になるのは、ゲームジャンルに対して必要環境の要求スペックまで高いところだ。PAYDAY 3はFPS・Co-opの要素を持つゲームだ。
マルチサーバーにアクセスするゲームの性質上、多くのユーザーに遊んでもらってこそ成り立つゲームである。2013年に登場した前作PAYDAY 2は当時の最低限よりも低い性能でプレイできた。長寿なゲームとなったのは、プレイヤーが遊びやすい環境が整っていたからだ。最近のゲームはグラフィックが大きく進化していることもあり、要求スペックが高くなりがちだ。
PAYDAY 3も同じ道をたどったのは意外だ。PAYDAY 3は前作には対応していたPlaystation 4での販売が行われていない。スペックが高くなり過ぎたのか、スペックを高めるために外したのかわからないが、要求スペックの高騰につながっているのは間違いない。従来と異なり、確実にゲーミングPCかそれに準ずる性能を持つパソコンが必要になっている。
推奨環境にGeForce GTX 1080は凄まじいものだ。そして、CPUの要求スペックが高めなことが特徴的である。Core i7-9700Kは驚きだ。黒い砂漠のウルトラモードは、グラフィックボードにPAYDAY 3よりも高いGeForce GTX 1080 Tiが要求されていても、CPUはCore i7-8700KとPAYDAY 3よりも低い。パルワールドはGeForce RTX 2070に対して、より高性能なCore i9-9900Kが推奨環境になっている。
性能の比率で言えば、PAYDAY 3はパルワールドに近いものがある。オープンワールドと4人協力のゲームが近い性質を持っていることに驚きを隠せない。2011年に登場したPAYDAYシリーズの第1作「PAYDAY The Heist」の要求スペックも、その当時としてはかなり低い。PAYDAY 3のグラフィク向上は誰もが認めるところではあるものの、この要求スペックの高さは人を選んでしまいそうだ。
ステルスゲームとしての側面はあるものの、銃撃戦のあるゲームではフレームレートは重要だ。CoDシリーズ並の要求スペックの高さは、パソコンでPAYDAY 3をプレイするにはハードルが高いのではないかと思えるほどだ。144Hzのような高リフレッシュレートで快適にプレイするためには、現行のミドルハイクラス~ハイクラス程度は見ておきたい。240Hzともなればハイエンドクラスに近い性能が求められる。遊びやすいゲームとは言えなくなったPAYDAY 3は、要求スペックとハードルが高くなり、厳しい現実が突きつけられそうだ。
PAYDAY 3のゲーム性と特徴について
従来を踏襲したゲーム性はよい
PAYDAYといえば、背徳的な行いにより資金を調達し、ゲームを進行していくCo-opのようなゲーム性が持ち味だ。銀行強盗をはじめ、違法な行いが主となる。ただ、それだけではここまで遊ばれるゲームにはならない。PAYDAYシリーズの特徴は、繰り返しプレイしても飽きないシステムにある。マスクを被ると周りの一般人が逃げたり、通報したりする。
マスクを被るまでに、下見と下準備を行い、マスクを被ったらすぐに制圧できるようにするのが醍醐味だ。まずは、店内のカメラの場所、外部に通じるドア、管理室の位置を探る。PAYDAYシリーズでは、これらの位置や有無が毎回変わる。管理室の位置は同じでも、ドアが外部にしかない、内部にしかない場合がある。カメラの位置も変わり、なくなったりもする。
一度クリアしても、次に同じ行動を取ってもクリアできるとは限らない。襲撃場所の前を歩く一般人、店内にいる一般人の数は異なる。邪魔になりそうな警備員を先に始末し、死体袋に入れて隠すときに一般人に見つかると通報される。警察が来ると銃撃戦が始まり、攻略が困難になっていく。こういった基本的なゲーム性はうまく踏襲されており、PAYDAYシリーズをプレイしているという実感を得られる。
その一方で、やや挙動にクセが出てきており、若干自由度に制限をかけられているようにも感じる。これを難易度の向上、ゲームの特性としてポジティブに捉えられるかで評価が分かれそうである。とくに、PAYDAYシリーズをプレイしてきた方からすると、全く別物と言わせてしまうほどの差となる。できることは増えたものの、できないことも増えたという印象だ。
システム的にはできるが、それを行うと進行が不利になる。ステルスに関しては、かなり難易度が跳ね上がってしまっているようにさえ感じる。これが一方通行なゲーム性を生み出してしまっているようだ。毎回場所が変わるとは言っても、ステルスでできることが限られてしまうため、それに沿って動くしかない。この点はもう少し変更を期待したかった。
前作のPAYDAY 2でも、ステルスは作業感が強かった。3になると、まさに一方通行だ。前作を踏襲しているからこそ起こり得る不満だ。ただ、PAYDAY 3から始めても違和感なくプレイできる。この点は非常に評価できる。どういうシステムなのかがわかりやすく、何が足りなかったのかも理解しやすいシステムだ。あとはステージが増えていけばもっと盛り上がっていくことだろう。
評価は「賛否両論」と微妙
PAYDAY 3に対する期待は非常に高かった。それだけに、様々なバグや仕様に不満が爆発した。総合評価は「賛否両論」である。最近のレビューでは「圧倒的不評」という最低の評価がなされている。総合評価「圧倒的不評」の伝説のクソゲー「Flatout 3」でさえ最近のレビューは「非常に不評」であることから、それを上回る不評ということだ。これだけで、PAYDAY 3を選択する理由がなくなるレベルだ。
PAYDAY 3がここまで低評価なのには冒頭で述べたとおりいくつか理由がある。1つ目は、マルチサーバーにアクセスできない状況が続いたことだ。PAYDAY 3は登場時こそ順調だったが、数週間後にはまともにプレイできない状況に陥った。このプレイできない期間に不満が募り、評価が下がり続けたのは大きかった。
2つ目は、ゲームボリュームの乏しさだ。簡単に言えばプレイできるステージの少なさである。これに関しては、前作のPAYDAY 2も同じようなもので、DLCにより拡張されていった歴史がある。おそらくPAYDAY 3もDLCにより拡張されていくと見ている。だが、このDLC戦略が不満要素になっているのも現状だ。
DLCで拡張されていくというのが分かっている上での批判が集中している。まともにゲームにアクセスできず、ボリュームも少ない。DLCはゲームコンテンツの拡張であり、DLCを前提としたボリュームに対しては不満が溜まりやすい。一つの完成されたゲームに、DLCを追加することで単体よりも優れたゲームになるのが本来のDLCだ。
PAYDAY 3をはじめ、最近のDLC商法と呼ばれるものは、登場するDLCすべてをコンプリートして一つの完成されたゲームになる。不具合やバグの多さも相まって、不良品を販売した上にまだ金を取るのかという意見が多いように思う。最後に、システムの変更だ。PAYDAY・PAYDAY 2とシリーズが進むにつれて、評価はうなぎのぼりに上がっていった。
その理由は、PAYDAYとPAYDAY 2にはシステム的な共通点が多く、PAYDAYにあった不満や微妙な点をPAYDAY 2が打ち消したことにある。ナンバリングが進み、ゲームがレベルアップして受け入れられ、10年以上もプレイされ続けた。残念ながら、今のPAYDAY 3には、長寿となり得る要素はない。多くのプレイヤーがPAYDAY 3に絶望し、PAYDAY 2に戻っているようだ。
しかしながら、この流れは決して悪いだけではない。今でこそ高評価となっているSid Meier’s Civilization Ⅵ(civ6)も、登場時は「賛否両論」だった。DLCの追加により徐々に評価を取り戻し、「非常に好評」にまで持ち直した実績がある。PAYDAY 3も同じ道をたどることができるかはわからないが、このまま落ちぶれていくだけのゲームではない。ここからの展開次第では、長く愛されるゲームになるはずだ。
PAYDAY 3向けおすすめのゲーミングPC
Lightning AS5(ドスパラ)
価格:100,980円(税込)
CPU:Ryzen 5 4500
GPU:GeForce RTX 3050
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:550W 80PLUS BRONZE
コスパ:7.4
Lightning AS5は、PAYDAY 3の最低環境よりも少し余裕のある性能を持つモデルだ。最低限のGTX 1650では快適なゲームプレイが難しいと判断し、最低限にLightning AS5をピックアップした。選びやすい価格と扱いやすい性能で、PAYDAY 3をはじめ多くのゲームに対応できる。ゲーミングPCではなく一般向けモデルであるため、見た目に関してはあまり華やかではない。その点だけ妥協できればエントリークラスとしても十分おすすめできる。
LEVEL-M17M-144F-RLX-WHITE (パソコン工房)
CPU:Core i5-14400F
GPU:GeForce RTX 4060
メモリ:DDR5-4800 16GB
ストレージ:SSD 500GB NVMe
電源:650W 80PLUS BRONZE
コスパ:8.5
LEVEL-M17M-144F-RLX-WHITEは、PAYDAY 3の推奨環境を満たしたモデルだ。余裕があるわけではないが、概ね必要十分という評価に落ち着いている。ミドルクラスの王道をゆく性能は、ゲームに対して汎用性がある。PAYDAY 3に限らず、標準的な設定には快適と言える環境を構築できる。ゲーミングPCの購入はミドルクラスから考えるのがよく、予算に合ったモデルでなくても、まずはミドルクラスを中心に考えていくのが無難だ。PAYDAY 3をプレイできるモデルを15万円前後で探しているなら、第一候補になるはずだ。
NEXTGEAR JG-A7G6T(マウスコンピューター)
CPU:Ryzen 7 5700X(水冷)
GPU:GeForce RTX 4060 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:750W 80PLUS BRONZE
コスパ:9.0
NEXTGEAR JG-A7G6Tは、PAYDAY 3の推奨環境よりも余裕のあるモデルだ。144Hzのような高リフレッシュレートに対応しやすく、快適な環境を構築できる性能が魅力だ。DLCやアップデートで要求スペックが微妙に高まることを考えると、NEXTGEAR JG-A7G6Tの性能は無駄にならない。他のゲームにも対応しやすい性能なので、まずはNEXTGEAR JG-A7G6Tを検討してみるのも悪くない。
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