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当記事では、サードウェーブ(ドスパラ)が販売するビジネスモデルの「Lightning AT5-EM」のレビューをまとめている。ゲーミングPCではないが、グラフィックボードを搭載しているのでゲームに対応可能だ。グラフィックボードがGeForce RTX 3050 8GBからGeForce RTX 3050 6GBへと換装されてリニューアルが行われている。ゲーミング性能はGeForce GTX 1650が近くそこまでゲーム性能が高いわけではない。性能を理解した上で選択する必要がある。

ビジネスモデルはケースの見た目がゲーミングPCと異なり、平凡なよくある黒い箱である。そのため、華々しいゲーミングPCを求める方には敬遠されてしまいがちだ。いかに見た目がよくなくても、中身はゲーミングPCとそう変わらない。同じ価格帯のゲーミングPCと比べると性能は高い。ケースにコストがかかっていないというメリットがあるからだ。ゲームをプレイできるビジネスモデルは、よいところも悪いところもある。その特徴を少しでも知れば、ゲーミングPCでないことをデメリットに感じなくなるはずだ。

Lightning AT5-EMのスペック解説

Lightning AS5

メーカーサードウェーブ(ドスパラ)
ブランド名Lightning
製品名Lightning AT5-EM
価格99,980円(税込)
CPURyzen 5 4500(レビュー)
GPUGeForce RTX 3050 6GB(レビュー)
メモリDDR4-3200 16GB
SSDNVMe 500GB
電源550W BRONZE
マザーボードチップセットA520
おすすめ度Aランク
評価・コスパ
8.5

—–内訳—–
・ショップ評価
8.9
2024/6/22追記

コストパフォーマンスの評価は8.5と優秀だ。ゲームをプレイできるモデルとしては破格の99,980円だ。円安の影響で値上げが続き、価格が不安定な状況で10万円を切るモデルは貴重だ。値上げ前はいくつか10万円を切るモデルはあった。しかし、現在ではLightning AT5-EMくらいしか見当たらない。少し前にLightning AT5-EMは、GeForce RTX 3050 6GBにリニューアルされている。

その時の価格が103,980円で、4,000円の値下げだ。わずかな金額に見えて、価格帯が変わる重要な値下げである。少し残念なのは、送料に3,300円かかることだろうか。Lightning AT5-EMを購入すると、99,980円に3,300円の送料がかかり、103,280円になる。厳密に言えば10万円を切るとは言えない。それでも、本体価格は99,980円だ。

ドスパラポイントやキャンペーンで、送料を補うことができれば選びやすいモデルと言える。低価格帯のモデルは、エントリークラスとして人気がある。性能や構成はいまひとつでも、価格という武器一つで戦い抜けるモデルだと感じている。注意したいのは、10万円を切るモデルが多く登場すると、Lightning AT5-EMの価値が失われてしまうということだ。

Lightning AT5-EMは、ゲーミングPCではない。9万円台のゲーミングPCが登場すれば、それだけで窮地に立たされる。一般向けのモデルとゲーミングPCでは、採用されるケースのデザインや機能に差が生じる。同じ価格帯で勝負するには厳しい。Lightning AT5-EMの生命線は、ゲーミングPCよりも安い価格だ。これを維持し続けられれば、低価格帯のモデルとして存在をアピールできるだろう。

ドスパラ製品は価格が安定しにくい。値下げが連続するのも珍しく、値上げと値下げを繰り返す印象がある。少しでも値上げされると10万円台に突入し、魅力半減となってしまう。販売終了したGeForce GTX 1650搭載モデルと同じ94,980円への値下げを期待したい。そのまま89,980円にまで下がれば、GeForce GTX 1650の穴埋めは完了だ。ドスパラのLightningシリーズには、低価格帯を支えてもらいたいものだ。

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おすすめカスタマイズ

  • CPU -
  • CPUファン ×
  • CPUグリス ×
  • メモリ ×
  • SSD △
  • 電源 ×

Lightning AT5-EMは10万円を切る低価格が魅力だ。カスタマイズで弱点の構成を補うと、その分価格が高くなってしまう。価格か構成のどちらを優先するか。迷う必要もなく価格を優先すべきだ。構成を重視するなら、Lightning AT5-EMを選択するメリットがない。特徴を活かすためにも、カスタマイズはあまり積極的に行わない方がよい。

CPUファン・CPUグリスは、Ryzen 5 4500の発熱量を考えれば変更しなくていい。受けられる恩恵が限りなく小さい。無駄に価格を高めてしまうだけだ。実用性の高いメモリも、Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBの組み合わせでは活かしにくい。カスタマイズすべき箇所がない。

唯一考慮に値するのはストレージだ。SSDは7,000円で1TBへ変更できる。パソコンを使用すると、ストレージ容量はいくらあっても困るものではない。ただ、カスタマイズしてまで容量をアップさせるのは、それほど大きなメリットがあるとも思えない。価格は購入時、構成は購入後に影響を与える。この考えでいけば、購入時はカスタマイズせず、購入後に不足を感じたら増設や外付けで対応するのがよさそうだ。

電源容量は550W 80PLUS BRONZEで最低限だ。これがミドルクラスのゲーミングPCであったなら、750W 80PLUS GOLDくらいへのカスタマイズを推奨したかもしれない。一般向けのミニタワーでは、ハイエンドクラスへの換装も物理的にむずかしい。低価格を武器にしているモデルに手を加える必要はないのではないか。多少の手間があっても、パーツの交換等で必要なったタイミングで電源も交換する。それくらい割り切って低価格路線を進みたい。

各タイトルの対応表

Apex Legendsフォートナイトパルワールドマイクラ
Apex-Legends
・240Hz


・144Hz
fortnite
・240Hz


・144Hz
palworld
・144Hz


・60Hz
minecraft1
・影Mod


・通常

★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。

Lightning AT5-EMはRyzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBを搭載したロークラスのモデルだ。CPUとグラフィックボードの性能は低い。最新のゲームをスペック気にせずプレイすることはできない。基本的に最新のゲームは要求されるスペックが高めだ。設定と解像度を下げるくらいに考えておく必要がある。

Apex Legendsは、240fpsの張り付きはもちろん、安定させることさえむずかしい。144fpsの維持も設定を大きく下げなければならない。Lightning AT5-EMは144Hz環境を上限にした方がいい。200を超えるフレームレートを実現することは現実的ではない。同ジャンルのフォートナイトでも、240fpsの安定はむずかしい。設定を下げる、DirectX 12を避けるなど方法はある。それでも負荷の高い場面では安定しにくい。フォートナイトも144Hz環境を上限にした方が快適に感じられるはずだ。

話題を集めたパルワールドの場合は、60fpsの安定は目指せる。中終盤は負荷が大きくなりやすく、設定を下げてようやく60fpsを維持できるくらいになる。快適なゲームプレイではなく、なんとかゲームをプレイできる程度のものだ。快適かどうかは個人差があるので一概に断言できない。今後のアップデートはさらに厳しくなる。こういった負荷の高いゲームもプレイするなら、Lightning AT5-EMは適していない。

Minecraftは、Modを導入していないバニラ状態なら快適にプレイできる。人気の影Modは負荷が増大し、Lightning AT5-EMの性能では安定しにくい場面が増える。その他のゲーム性を大きく変えるModでも、一部対応しにくいものもある。Lightning AT5-EMでは、バニラ状態でのゲームプレイを推奨したい。

Lightning AT5-EMのゲーミング性能

Ryzen 5 4500(CPU)

Lightning AT5-EMに採用されているCPUはRyzen 5 4500だ。ゲームがプレイできるパソコンに搭載されているCPUの中で、最低限の性能となるモデルだ。一世代前のRyzen 5 3500の後継機で、6%程度性能を伸ばした。世代が進み大きく性能を伸ばすかと思われたが、L3キャッシュ容量が半減となり性能の伸びは控えめだ。CPU性能は高くないものの、GeForce RTX 3050 6GBとの組み合わせでのゲームプレイでは、性能の低さを体感する場面は少ない。

控えめな性能というだけで、ゲームにおいては大きく足を引っ張るほどではない。一方で、ゲーム以外の用途への対応力は低い。動画のエンコードや画像編集など、CPUの性能が快適性に直結するアプリケーションは不向きだ。また、ゲームと同時に別のアプリケーションを起動しての操作など、負荷が高まる場面全般苦手だ。使い方によってはストレスを感じるかもしれない。このあたりは価格とのトレードオフと考えたい。

GeForce RTX 3050 6GB(GPU)

rtx30506gbgamescore

当該モデルで搭載されているGeForce RTX 3050 6GBは、一世代前のAmpere世代のエントリークラスのGPUだ。立場的にはGeForce GTX 1650の後継機に当たる。VRAM 8GB搭載のGeForce RTX 3050 8GBと比べると20%程度劣る。8GBモデルが市場から消えつつあり今後はこのGeForce RTX 3050 6GBが低価格帯を支えるモデルとなりそうだ。同じ型番でも別物だと考えるべきだ。GeForce GTX 1650と比べると23%程度処理性能が向上した。GeForce GTX 1650 SUPERやGeForce GTX 1060 6GBに近い。

CPUとGPUのバランス考察

54500-rtx30506gb

Ryzen 5 4500とGeForce RTX 3050 6GBのバランスはよい。GeForce RTX 3050 6GBの性能が低いことで、Ryzen 5 4500でも十分パフォーマンスを引き出せるということだ。ゲームのことだけを考えるなら、Ryzen 5 4500よりも性能が高くなるとオーバースペックだ。グラフィックボードの性能を引き出すことはできても、CPU性能を持て余すような結果となる。☓という評価であっても、性能を引き出せるので現行で取り扱いされているCPUなら問題ない。GeForce RTX 3050 6GBはどのCPUでも性能を引き出せる。ゲームのバランスを考えるなら、それほど優秀な性能は不要というだけだ。あくまでもバランスを考えてのことなので、目安程度に考えてもらいたい。

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Lightning AT5の特徴&強み

グラフィックボードの性能が大幅ダウン

Lightning AT5は、以前Lightning AS5という名称で販売されていたビジネスPCだ。Lightning AT5はゲーミングPCではないが、ゲームをプレイできる性能が持ち味だ。GeForce RTX 3050 8GBからGeForce RTX 3050 6GBへグレードダウンしたことで、Lightning AT5にリニューアルされている。同じGeForce RTX 3050でも、GeForce RTX 3050 8GBとGeForce RTX 3050 6GBでは性能差が大きい。

この変化ははっきり言ってマイナスである。GeForce RTX 3050 8GBはGeForce GTX 1660 SUPERよりも優れた性能を持っていた。Lightning AT5に搭載されているGeForce RTX 3050 6GBはGeForce GTX 1650とGeForce GTX 1660 SUPERの中間的な性能だ。ゲームに関しては体感できるほどの性能ダウンである。

ビジネスモデルながらゲーミングPCとしても通用する一台という強みとも言える部分が弱体化したことは、Lightning AT5を選択する理由を失うと言っても過言ではない。コスト面からか、GeForce RTX 3050 8GBはGeForce RTX 3050 6GBへ換装されつつある。元々グラフィックボードは細かく刻み過ぎて、差別化を図るのがむずかしくなっていた。特に、GeForce RTX 3050 8GBは、コストが抑えにくいせいでGeForce RTX 4060と近すぎて選ばれなかった。

それを解消する意味でも、GeForce RTX 3050 6GBの登場は悪くはない。ただ、ユーザーからすると混乱を招き、メリットがほとんどないというのが正直なところだ。本格的なゲームプレイを想定したモデルではなく、設定次第で60fpsを維持できる環境を目指すモデルだ。最新のゲームへの対応力は低いため、少し古いゲームをメインに考えている方に適している。今回のリニューアルはダウングレードを軸にしていて素直に喜びにくい。マイナスの方が目立つ結果となった。

価格維持は賛否分かれる

Lightning AS5からLightning AT5へのリニューアルで、価格は1,000円安くなった。前述のグラフィックボードのダウングレードから考えれば、とても満足できる価格変化ではない。ほぼ価格維持となったリニューアルは、マイナスの変化と捉えられてもおかしくない。それでも昨今の円安の影響を受けてパソコン全体が値上げされている。

実際はダウングレードを行うことで値上げを相殺した上での1,000円引きだ。コストパフォーマンスによい影響を与えることはないが、なんとか10万円台のモデルを存続させようという考えがありそうだ。同じLightningシリーズのLightning AH5はGeForce GTX 1650搭載で93,980円になった。一時は8万円台前半だった価格が、10万円台に突入してもおかしくない位置にまできている。

性能や構成はともかく、価格が高くなるとゲームをプレイできるパソコンを選択できなくなる。それを避けるための苦肉の策なのかもしれない。実際に10万円台を維持し、低価格帯の面目の立つ位置にある。予算を抑えたい方にとっては、限られた選択肢の一つとなるだろう。もしも、順当に値上げが行われていれば、Lightning AH5しか選択できない状況もあったかもしれない。

GeForce GTX 1650搭載モデルよりは性能は高いことを考えれば、今回のリニューアルはユーザーのための変更とも取れる。賛否分かれる結果ながら、10万円台で選択できるモデルが残った。低価格帯のモデルは年々減少している。どうにかして踏みとどまろうという強い意志のようなものを感じるリニューアルだ。

価格が高騰している状況で103,980円を実現できたなら、価格が落ち着くと10万円台を切るかもしれない。Lightning AT5の本領発揮はその時だ。もちろん今の状況なら低価格のモデルとして有力な存在だ。いまいち評価の低いLightning AT5は、今もこの先も存在感を放つモデルになるはずだ。

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似ているモデルとの比較

ブランド名LightningLEVELθ
イメージLightning AH5LEVEL-M1P5-R45-RLX-WHITE
製品名Lightning AT5-EMLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITE
価格99,980円104,800円
送料3,300円2,200円(会員無料)
CPURyzen 5 4500Ryzen 5 4500
GPURTX 3050 6GBRTX 3050 6GB
メモリDDR4-3200 16GBDDR4-3200 16GB
SSDNVMe 500GBNVMe 500GB
電源550W BRONZE650W BRONZE
チップセットA520B550
納期翌日出荷2~7日
保証(延長)1年間
(最長5年間)
1年間
(最長4年間)
電話サポート24時間365日24時間365日
公式公式公式
レビュー当ページレビュー

比較対象はパソコン工房のLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEだ。Lightning AT5-EMの値下げで価格差は4,820円程度に広がった。送料を加えてもLightning AT5-EMの方が1,520円安い。パソコン工房の製品は会員登録をすれば送料が無料になるので送料は考慮していない。

比較的価格を抑えたLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEに対して、価格でアドバンテージを得られるなら、低価格帯のモデルらしくなってきた。ただし、この2製品は一般向けのモデルとゲーミングPCという違いがある。LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEとよく似た構成ながら、電源容量とチップセットではLEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEがリードしている。

また、ケースデザインや機能、ケースの拡張性から見ても、LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEの方が優れている。これだけの特性を持つモデルとの価格差が1,520円は、まともに対抗できるかは微妙なところだ。価格は少し高くても、LEVEL-M1P5-R45-LAX-WHITEに分があるように思う。

Lightning AT5-EMのパソコンケースレビュー

正面

Lightning AH5-syoumen
ぱっと見るとわかるとおりケースからはゲーミングPCという印象を受けない。やはり一般用途のパソコンと考えた方が良いだろう。見た目も重視したい方は避けるべきだろう。I/Pパネルの一部は全面に配置されている。

右側

Lightning AH5-right本体の右側は何もなくシンプルだ。一般的なパソコンそのものだと言える。

左側

Lightning AH5-left左側には空気弁が設けられている。ここから空気を取り入れて本体内部を冷やす。ミドルクラスの性能なら不安は何もない。

内部

Lightning AH5-insideかなりすっきりとした中身となっている。GTX 1660自体がコンパクトなこともあって圧迫感はない。

エアフロー

Lightning AH5-airflowエアフローの流れをまとめている。すでに書いたサイドと前面から空気を取り入れてファンの力を借りて後方に熱い空気を排出する。

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管理人による総評(Lightning AT5-EM)

Lightning AS5

Lightning AT5-EMは、Ryzen 5 4500×GeForce RTX 3050 6GBを搭載したビジネスモデルだ。グラフィックボードを搭載していてゲームプレイにも対応できる。GeForce GTX 1650搭載モデルの後継機として登場した。GeForce RTX 3050 8GBと比べると大きく性能が劣る点は理解しておこう。フルHD環境で設定を下げれば60fpsを十分目指せる。税込9万円台と価格が抑えられているのが特徴だ。比較対象モデルと合わせて確認しておこう。

価格CPUグラボ
99,980円Ryzen 5 4500RTX 3050 6GB
メモリSSDHDD
DDR4 16GB500GB非搭載