当記事では、ドスパラ「Lightning AH5」の詳細レビューをまとめている。GTX 1650×Ryzen 5 3500を搭載し税込8万円に抑えられているのが特徴だ。ただし、これまで71,478円→84,980円と値上げされているためおすすめ度は低い。低価格帯のモデルとしては上昇幅が大きい。
最近はこの価格帯でもコストパフォーマンスの高いモデルが増えてきてゲーマーとしては嬉しいだろう。性能面についてはしっかりと理解しておくことが重要だ。購入したものの必要な性能を持たしていなかったということは避けたい。
当ページの目次
Lightning AH5のスペック解説
ブランド名 | Lightning |
---|---|
製品名 | AH5 |
価格 | Windows 10 / 71,478円(税込) ・改定後 |
CPU | Ryzen 5 3500 |
グラフィックボード | GeForce GTX 1650 |
メモリ | DDR4-2666 8GB |
SSD | NVMe 512GB |
HDD | 非搭載 |
電源 | 450W BRONZE |
マザーボード | チップセットA520 |
コスパ | ★★★★★★☆☆☆☆5.8 ・改定後 |
価格高騰に注意
現在グラフィックボードが品薄で高騰している影響もあってBTOパソコンの価格も上昇傾向にある。Lightning AH5も例に漏れず複数回の値上げが適用されている。当初は税込み7万円程度だったのが、今では85,000円近くにまでなった。実質14,000円ほどの値上げである。税込み8万円を下回る低価格帯のモデルにとって、今回の値上げは致命傷になりそうだ。
価格が武器のモデルは価格以外に魅力や特徴がないことが多い。Lightning AH5は間違いなくそのタイプのモデルだ。武器を奪われたLightning AH5に選択するメリットは既に残っていない。Lightning AH5は一時的にとは言え、ゲーミングPC最安値モデルとして人気を博していた。予算を抑えたいユーザーの強い味方だったモデルが見る影もない。
税込84,980円はゲーミングPCとして見るなら安価だ。しかし、性能や構成を見ると明らかに割高であることが分かるはずだ。せめて税込7万円台で留まることができれば、選択するメリットも少しはあったかもしれない。また、この価格帯には様々な強力なモデルが現存している。価格の高騰の影響を受けたモデルには対抗できる術はない。
Lightning AH5を候補に加えているなら、比較に登場するモデルをチェックしておきたい。Ryzen 5 3500とGTX 1650の組み合わせは、性能よりも価格を重視している。その特徴を活かせるモデルでなければおすすめできない。ワンランク上の価格でワンランク下の性能は最悪だ。
他ショップの製品には値上げされていないモデルもある。Lightning AH5を急いで選択する前にそういったモデルにも目を向けたい。少なくとも、今のLightning AH5よりも優れたモデルはそれなりにある。
各タイトルの対応表
FF14 4K | Apex Legends 144Hz | Apex Legends 60Hz | Fortnite 144Hz | Fortnite 60Hz |
---|---|---|---|---|
★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ![]() ★★☆☆☆ | ![]() ★★★☆☆ | ![]() ★★★★★ |
★5つ=最高設定、★4つ=高設定、★3つ=標準設定、★2つ=低設定、★1つ=厳しいということだ。なお、対応表は必要なスペックや環境から評価した個人的な見解となっている。
Lightning AH5の性能まとめ
PC初心者の方がスペックを見てもなかなか性能面をイメージすることができないかもしれない。ここでは具体的に当該ゲーミングPCに搭載されているパーツについて解説していく。
GeForce GTX 1650(グラフィックボード)
GeForce GTX 1650は、現行のグラフィックボードでは最も性能が低いモデルだ。それでもゲームをプレイすることに関しては価格を考えれば優秀な部類で、設定さえ下げれば多くのゲームを快適にプレイすることができる。
一方で、最新のゲームの推奨スペックを満たすのは難しく場合によっては最低設定でも対応しきれないことがあるので、性能についてはよく理解しておいて欲しい。Ryzen 5 3500とのバランスは上々だ。
Ryzen 5 3500(CPU)
Ryzen 5 3500は、6コア6スレッドのエントリークラスのCPUだ。低価格帯のモデルとしては高いマルチスレッド性能を持ち人気がある。低価格帯のゲーミング用CPUとしては候補に上がることも多い。
Intel製CPUに比べるとパフォーマンスで劣る場面もあるので、その点は理解しておこう。特にIntel第10世代CPUが登場してその差は広がってしまっている。価格的な優位性に魅力を感じる方には最適だろう。動画編集やゲーム実況が得意というわけではない。
総合性能
Lightning AH5はロークラスの性能を持つモデルだ。ゲーミングPCではなく一般向けPCに属する。そのため、ゲーム性能はかなり控えめとなっている。ゲームを中心とした用途には適していない。ビジネスや作業で有用な性能だ。それに加えて少しのゲーム性能がある。
ゲーミングPCとして選択するには魅力の薄いモデルなので注意したい。フォートナイトのように要求スペックの低いゲームであればプレイ可能だ。ただ、120Hzを超える高リフレッシュレートには対応しにくい。Apex Legendsは60fpsですら安定しない場面がある。最低設定を前提としたゲーム性能なので、期待しすぎないようにしたい。
また、これから登場する新作タイトルも厳しい。既に推奨環境を満たせないゲームもある。作業がメインでないなら選ぶメリットは薄い。ゲームの4Kは当然対応できないが、作業などの4K描写自体は可能だ。用途を限定すれば扱いやすい。
Lightning AH5の特徴&強み
キャンペーンで汎用性が向上
Lightningシリーズは、価格コムアワード受賞記念でHDD 1TBが追加された。ビジネス寄りのLightning AH5にとって、HDDの追加は非常に有効なキャンペーンだ。コストパフォーマンスの評価も大幅に向上している。価格を抑えたGPU搭載モデルはSSDのみのシングルストレージが基本だ。ドスパラのキャンペーンモデルを除けば全てのモデルがシングルストレージと言えるほどだ。
Lightning AH5は税抜6万円台のビジネス・ゲーム兼用モデルでは数少ないデュアルストレージ搭載モデルとなっている。ストレージは何をするにも必要なもので、作業を中心とするなら必須である。構成的にはメモリをアップグレードするよりも、HDDを追加する方がLightning AH5に適している。作業効率が向上するだけではない。HDDは後々必ずと言っていいほど必要となる。
それが最初から無償で追加されるのは、低価格帯のモデルのよさを活かすキャンペーンだ。あまりぱっとしないように見えて、実は非常に強力な変化なのだ。低価格帯のモデルは構成のアップグレードが行われにくい。価格を抑えるために構成をカットしているのだから矛盾が生じる。そのため、Lightning AH5に価格以外の変化は期待していなかった。いい意味で期待を裏切ってくれた。
HDD 1TBがあるなら、ビジネスだけではなくクリエイティブな用途にも手を出しやすい。動画や画像ファイルは容量を圧迫するのでストレージに余裕のないモデルでは対応しにくい。HDDの追加で評価だけでなく汎用性も向上した。一般向けモデルの中ではまずまず優秀なモデルである。
ゲーム性能の低さが致命的
評価の高いLightning AH5だが、おすすめしにくい理由がある。そのゲーム性能があまり高くないのが弱点だ。GTX 1650を搭載しているため、ゲーム用途を想定したモデルであることは間違いない。低価格帯だから当然である。ただ、同じ価格帯の競合製品に対しても低いのだ。
その要因はメモリにある。GPU搭載のLightningシリーズは全て8GBに統一されている。対抗製品となるCore i搭載のMagnateシリーズは16GBだ。このメモリの差がゲームへの対応力に違いを生んでいる。価格を下げるために構成をカットし、価格以上の性能ダウンが生じてしまっている。ビジネス寄りの性能というのは、ゲーム性能よりもビジネス向けの性能に優れているわけではない。ゲーム性能が低いことでの消去法でしかない。
Lightning AH5はGPU搭載の中で価格が最も安いという特徴のみだ。十分な強みに見えて、上位モデルに対して5,000円安いだけに過ぎない。これならGPU非搭載でビジネスモデルに特化した方がよかった。Ryzen 5 3500はCore i5-10400よりも安価で展開できる価格が魅力だ。しかし、Ryzen 5 3500を搭載し、メモリを半減しても5,000円の差しかない。
コストパフォーマンスは強力であっても、より優れた製品が存在する以上相対的におすすめ度は下がる。ゲーム向けのGPUを搭載していながら、ゲーム性能の低さがLightning AH5最大の弱点だ。HDDの追加はゲーム以外の要素に強みを見出した。ただ弱点を補うことはなく、致命的な要素として残る。
ゲームをプレイしないならGPUを搭載している分だけ割高になる。ゲームをプレイするなら性能が不足して扱いに困る。Lightning AH5は初心者よりも性能を熟知した中級者以上に適しているかもしれない。この性能でできることを把握していて初めて選択する理由となる。ただ、そうであったとしても、現時点ではあまりおすすめできない。
Lightning AH5のパソコンケースレビュー
正面
右側
左側
内部
エアフロー
似ているモデルとの比較
ブランド | Lightning | Pavilion |
---|---|---|
画像 | ![]() | ![]() |
製品名 | AH5 | TG01価格コム限定 |
ケース | ミニ | ミニ |
価格 | 84,980円(税込) | 74,800円(税込) |
CPU | Ryzen 5 3500 | Core i5-10400F |
GPU | GTX 1650 | GTX 1650 SUPER |
メモリ | DDR4-2666 8GB | DDR4-2666 8GB |
SSD | NVMe 512GB | NVMe 256GB |
HDD | 1TB | 1TB |
電源 | 450W BRONZE | 310W GOLD |
マザボ | A520 | H470 |
公式 | 公式 | 公式 |
詳細 | 当ページ | 詳細 |
比較対象はHPの価格.com限定モデルPavilion TG01だ。CPU性能・GPU性能・チップセット・価格に優れている。Lightning AH5はSSD容量と電源に長けている。価格が従来のままならLightning AH5にも分はあった。値上げでPavilion TG01の価格を超えてしまったなら勝ち目はない。
構成を見る限り、本来ならこの2製品の価格は逆であるべきだ。そう考えられる時点でPavilion TG01が圧倒的に優れたモデルと言える。CPU、GPUの性能が上というだけで低価格帯のモデルとしては大きな差がある。その上価格まで安いとなるとLightning AH5を選択する理由は一切ない。
もしも、ここからLightning AH5が逆転するとすれば、Pavilion TG01より1万円以上安いことが前提となる。つまり、2万円引きされてようやく戦えるということだ。高騰が続くこの状況下では厳しいことだ。この価格帯でモデルを探しているならPavilion TG01を推奨したい。
管理人による総評(Lightning AH5)

Lightning AH5は、GTX 1650×Ryzen 5 3500を搭載したエントリークラスのゲーミングPCだ。税抜6万円台という価格の安さから評価されいたが、2021年1月以降14,000円の値上げ実施で84,980円(税込)となってしまった。おすすめ度は急降下という形だ。GTX 1650×Ryzen 5 3500の組み合わせでゲーミング性能は控え目ながら設定次第である程度対応することができる。
特定のタイトルでだけ使うというのがベストな使い方かもしれない。最新タイトルもサクサクとまではいかないのでライトユーザー向けだと言える。設定にこだわりがない方であれば選択肢に入ってもおかしくない。比較対象モデルも含めてしっかり吟味して欲しい。
価格 | CPU | グラボ |
---|---|---|
84,980円(税込) | Ryzen 5 3500 | GTX1650 |
メモリ | SSD | HDD |
DDR4 8GB | 500GB | 1TB |
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