
9700XとRyzen 7 7800X3Dのどちらを選ぶべきかについて解説していく。同じAM5ソケット対応で価格帯も近く悩んでいるユーザーが多いのではないだろうか。最新アーキテクチャのRyzen 7 9700Xか、旧世代ながら3D V-Cache搭載のRyzen 7 7800X3Dといったところだ。価格が同程度ならRyzen 7 7800X3Dがおすすめだが、足元では7800X3Dが値上がり傾向にあり、Ryzen 7 9700Xを選ぶ理由も大きくなっている。
Ryzen 7 9700Xがおすすめな方
バランス重視
- コスパを重視したい方
- クリエイティブ性能も重視している方
- 5万円前後の予算で考えている方
Ryzen 7 9700Xのスペックレビュー&性能ベンチマーク検証を行った。Zen 5アーキテクチャ採用のRyzen 9000シリーズ第一弾モデルだ。Ryzen 7 7700Xの後継モデルで、8コア16スレッドと従来モデ …
Ryzen 7 7800X3Dがおすすめな方
ゲーム性能重視
- ハイクラスのゲーミングPCを構築したい方
- クリエイティブ性能は重視しない方
- CPUクーラーにある程度投資ができる方
マルチコア性能は今ひとつだが、ゲーム最強CPUでコスパが高い。比較対象はIntel Core i7-14700KやRyzen 7 7700Xとなる。
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7800X3Dのモデル比較

Ryzen 7 9700Xはかなり薄いBOXに入っている。Ryzen 7 7800X3DはBOXが大きいが、CPUクーラーは非同梱だ。

AM5ソケット対応のモデルだ。デザインがかっこいい。

IntelのようにCPU側にピンがなくなり扱いやすくなった。
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7800X3Dのスペックを比較
| Ryzen 7 9700X | Ryzen 7 7800X3D | |
|---|---|---|
| イメージ | ![]() |
![]() |
| メーカー | AMD | AMD |
| コードネーム | Zen 5 (Granite Ridge) |
Zen 4 (Raphael) |
| ソケット | AM5 | AM5 |
| プロセス | 4nm | 5nm |
| トランジスタ数 | 83.15億 | 65.70億 |
| ダイサイズ | 70 mm² | 70 mm² |
| I/Oダイプロセス | 6nm | 6nm |
| I/Oダイサイズ | 122mm² | 122mm² |
| コア/スレッド | 8 / 16 | 8 / 16 |
| 定格クロック | 3.8 GHz | 4.2 GHz |
| 最大クロック | 5.5 GHz | 5.0 GHz |
| オーバークロック | 〇 | × |
| L2キャッシュ | 8MB | 8MB |
| L3キャッシュ | 32MB | 96MB |
| 対応メモリ | DDR5-5600 | DDR5-5200 |
| 内蔵グラフィックス | Radeon Graphics | Radeon Graphics |
| CPUクーラー | なし | なし |
| PCI-Express | Gen 5, 24 Lanes | Gen 5, 24 Lanes |
| TDP | 65W-105W | 120W |
| PPT | 88W-142W | 162W |
| 発売日 | 2024/08/08 | 2023/01/04 |
Ryzen 7 9700Xは現行のZen 5アーキテクチャを採用したモデルで、Ryzen 7 7800X3Dは一つ前のZen 4アーキテクチャを採用したモデルとなる。どちらもAM5ソケットなので互換性がある。Ryzen 7 9700Xは製造プロセスが4nmと微細化が進んでいる。トランジスタ数も約27%増えて83.15億だ。ダイサイズは70mm²と変わっていない。I/OダイはZen 4のものが流用されているとみてよいだろう。
8コア16スレッドとここは両モデル共通だ。Ryzen 7 9700Xは最大クロックが5.5GHzと高く設定されている。オーバークロックに対応しているのもポイントだ。Ryzen 7 7800X3Dは3D V-Cacheを搭載していることで発熱の問題がありクロック周波数を引き上げづらいという事情がある。Ryzen 7 7800X3Dは96MBの大容量3D V-Cache搭載だ。
Ryzen 7 9700Xはより高クロックなDDR5-5600をサポートしている。内蔵グラフィックスは同等だ。PCI-ExpressもGen 5, 24 Lanesと変更は加えられていない。TDPおよびPPTともにRyzen 7 9700Xの方が抑えられている。このあたりはアーキテクチャの進化とみてよいだろう。
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7800X3Dのコスパ比較
| 型番 | 価格 | 総合性能 | コスパ1 | ゲーム性能 | コスパ2 |
|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen 7 9700X | 49,800 |
|
0.649 |
|
0.759 |
| Ryzen 7 7800X3D | 59,427 |
|
0.503 |
|
0.710 |
コストパフォーマンスに関しては総合性能でもゲーム性能でもRyzen 7 9700Xの方が高くなっている。Ryzen 7 7800X3Dは少し前までRyzen 7 9700Xと同じ価格(49,800円)で販売されていたが、値上げされてしまった。現在の状況ならRyzen 7 9700Xの方がおすすめしやすいが、ゲーム性能を重視するならRyzen 7 7800X3Dがよいだろう。Ryzen 7 9700Xを12%上回る高いゲーム性能を持っている。3D V-Cacheが効きやすいタイトルならそれ以上のパフォーマンスを期待できる。
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7800X3D搭載ゲーミングPCを比較
| 製品名 | イメージ | 価格 | CPU | GPU | メモリ | SSD | 電源 | マザボ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NEXTGEAR JG-A7G70 | 319,800 | 7 9700X | RTX5070 | 16GB | 1TB | 750W(B) | A620A | |
| NEXTGEAR JG-A7G70 | 304,800 | 7 7800X3D | RTX5070 | 16GB | 1TB | 750W(B) | A620A | |
| NEXTGEAR JG-A7A6X | 259,800 | 7 9700X | RX9060XT 16GB | 16GB | 1TB | 750W(B) | A620A | |
| NEXTGEAR JG-A7A6X | 259,800 | 7 7800X3D | RX9060XT 16GB | 16GB | 1TB | 750W(B) | A620A | |
| LEVEL-M8AM-R97X-RRXW | 239,800 | 7 9700X | RX9060XT 16GB | 16GB | 1TB | 550W(B) | A620 | |
| LEVEL-M1AM-LCR78D-RRX | 224.800 | 7 7800X3D | RX9060XT 16GB | 16GB | 500GB | 650W(B) | A620 |
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7800X3Dのゲーム性能比較検証
ベンチマーク検証は、当サイトの「ベンチマーク検証機を紹介」を使用して行った。
フォートナイト
フォートナイトでは3D V-Cache搭載のRyzen 7 7800X3Dが優勢だ。低設定ではRyzen 7 9700Xよりも20%以上もフレームレートが高くなる。高リフレッシュレートを目指すならRyzen 7 7800X3Dは魅力的な選択肢といえるだろう。
モンスターハンターワイルズ
モンスターハンターワイルズはGPU負荷の高いタイトルということもありRyzen 7 7800X3Dだからといってフレームレートが大きく伸びるわけではない。Ryzen 7 9700Xでもフレームレートは同等だ。モンスターハンターワイルズがメインならRyzen 7 7800X3Dを選ぶ理由は小さくなる。GPU負荷の高い新しめのタイトルでも、同様の傾向になる可能性がある。
Cyberpunk 2077
Cyberpunk 2077でレイトレーシングウルトラおよびアップスケーリング有効化でのパフォーマンスを計測した。DLSSのおかげでGPU負荷が下がり、CPU性能差が出やすくなっている。GeForce RTX 4090との組み合わせではRyzen 7 7800X3D搭載モデルの方が5%-20%もフレームレートが高い。
Forza Horizon 5 CPUシミュレーション
CPUシミュレーションは車の挙動や物理演算、AI車両、オープンワールド内のオブジェクト管理などをどれだけ効率的に処理ができるのかを表している。Ryzen 7 7800X3D搭載モデルの方が有意に数値が高い。GeForce RTX 4090との組み合わせでRyzen 7 7800X3DとRyzen 7 9700Xで60%近くも差がある。ボトルネックの発生リスクは避けられる。
Forza Horizon 5 CPUレンダリング
CPUレンダリングはCPUがGPUに描写させるための準備・命令処理をどれだけこなせるのかを表している。CPUシミュレーションほどの差は出ていないが、GeForce RTX 4090搭載モデルではRyzen 7 7800X3Dの方が最大で15%高くなっている。一方で、GeForce RTX 5070との組み合わせだとRyzen 7 9700Xの方が高い。
FF14
FF14でもRyzen 7 7800X3Dの方がフレームレートが高くなりやすい。特にフルHD環境では8%-10%程度Ryzen 7 9700X搭載モデルを上回る。グラフィックボードのポテンシャルを引き出したいならRyzen 7 7800X3Dはおすすめだ。
Ryzen 7 9700XとRyzen 7 7800X3Dのクリエイティブ性能/消費電力比較検証
Cinebench 2024
Cinebench 2024でCPUのレンダリング性能を計測した。Ryzen 7 9700Xの方がマルチコアが18%高く、シングルコアも20%高く圧倒している。Cinebenchが実際のアプリケーションでのパフォーマンスを再現できるわけではないが、一つの参考になることは間違いない。
Photoshop
PugetBenchでPhotoshopのパフォーマンスを計測した。Ryzen 7 9700Xの方が23%弱高くなっている。3D V-Cacheが効きづらく、シングルコア性能がものをいうアプリケーションと考えられる。
Handbrake
動画のエンコード速度はかなりの差が出ている。Ryzen 7 9700Xの方がより速く処理ができる。H.264で45秒速く、H.265でも1分54秒も速い。最近はグラフィックボードを利用することが多いと思うが、CPU性能を知る上で参考になるはずだ。
Blender
BlenderでもRyzen 7 9700Xの方が17%弱もパフォーマンスが高くなっている。monsterで12%上回り、junkshopとclassroomでは20%前後高い。
7-Zip
7-Zipでの展開および圧縮速度を計測した。3D V-Cacheによる恩恵か、そこまで引き離されているわけではない。Ryzen 7 9700Xの方が展開速度が3%弱、圧縮速度が8%弱速くなっている。圧縮速度に関しては体感できるほどといえそうだ。
消費電力
消費電力はRyzen 7 7800X3Dの方が抑えられていることがわかる。ゲームプレイ時で29.5Wも低い。アイドル時でも低くなっている。
温度
温度に関してはRyzen 7 9700Xの方が抑えられている。アーキテクチャの進化もあるのだろう。Ryzen 7 7800X3Dは3D V-Cache搭載で発熱量が上がっているのだと考える。安定運用を考えるとハイエンドの空冷クーラーか240mm以上のラジエーターを搭載した水冷クーラーを選択するのがよさそうだ。






































