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当ページでは、Core i7-8750Hのスペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。ノートパソコン向けのハイエンドクラスCPUだ。Core i7-7700HQの後継モデルということになる。ついに4コア8スレッドから6コア12スレッドへとスペックが引き上げられた。ゲーミングノートPCでは定番と言えるCPUで基準と考えるとよい。グラフィックボードの性能が上がりデスクトップパソコンに引けを取らないレベルになっている中で、多くのゲーマーがCPU性能の底上げを切望していた。

Core i7-8750Hはそんな期待に応えることができるのだろうか。購入を考えている方はぜひ参考にして欲しい。なお、後継モデルである「Core i7-9750H」が発売されている。クロック周波数が引き上げられてよりCPU性能が向上している。ノートパソコンの場合換装することが難しいため、購入してから時間が経過すれば基本的にはどんどん新しい世代に切り替えていくのがよいだろう。そうしないとすぐに時代に追いつけなくなってしまう。2024年8月時点でCore i7-8750H搭載の中古ゲーミングノートPCが販売されている。相場的には60,000円前後といったところだ。

Core i7-8750Hの概要

基本スペック

i7-8750Hi9-8950HKi7-7700HQ
コードネームCoffee LakeCoffee LakeCaby Lake
プロセス14nm++14nm++14nm++
CPUコア数664
スレッド数12128
定格クロック2.2GHz2.9GHz2.8GHz
最大クロック4.1GHz4.7GHz3.8GHz
L3キャッシュ9MB12MB6MB
内蔵GPUUHD630UHD630HD630
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2400
TDP45W45W45W
価格$395$583$378
発売日2018/04/032018/04/032017/01/03
Core i7-8750Hのスペックを見ていこう。前世代であるCaby LakeのCore i7-7700HQ及び現行の下位モデルであるCore i5-8300Hと比較を行っている。Core i7-7700HQは、Core i7-8750Hが登場するまでゲーミングノートPCの中心にあった。立場的にも比較対象として適切だろう。

Core i7-8750HとCore i7-7700HQではアーキテクチャーは大きく変わっていない。両者で大きく変わったのはスペックの部分で具体的にはコア数及びスレッド数だ。それぞれ50%アップし6コア12スレッドとなっている。4コア8スレッドから6コア12スレッドへと進化したのは大きなポイントだ。当然物理コアが増えたことでゲームプレイ時にもフレームレートが高くなる。このスペック向上は2021年以降にも通じる場面だ。ここからゲーミングノート向けのハイクラスは6コア12スレッドが定番となった。その後Intel第10世代からは8コア16スレッドのモデルも登場している。

Core i7-8750Hと比べて定格クロック数は2.8GHz→2.2GHzと20%ダウン、最大クロックは3.8GHz→4.1GHzに10%アップしている。また、L3キャッシュも6MB→9MBへとアップとなった。対応メモリもDDR4-2666にバージョンアップされている。消費電力は同じ45Wに抑えられている。物理コア及びスレッド数の増加、クロック数の変化がベンチマーク(当ページで紹介)にどのように影響を与えるのかに注目して欲しい。

次に上位モデルであるCore i9-8950HKと比較していく。CPUコア及びスレッド数はどちらも6コア12スレッドだ。定格クロックはCore i9-8950HKの方が32%高く、最大クロックもCore i9-8950HKの方が15%高い。L3キャッシュ容量も33%多く12MBに到達している。内蔵GPU・対応メモリは共通だ。価格差は$188となっている。価格以上の性能差があるとは言えずコストパフォーマンスはCore i7-8750Hの方が上だ。

性能

i7-8750hseinou202205

Core i7-8750Hは、2018年に発売されたノート向けのCPUだが現行モデルを含めたCPUでの性能を見る限りやや厳しい状況になっていることがわかる。Intel第11世代のCore i5-11400Hとの性能差も50%以上と大きい。8コア16スレッドのCore i7-11800Hになると2倍以上もパフォーマンスが向上している。省電力モデルであるCore i7-1165G7と同等だ。もっともこの世代のCPUを搭載したモデルの場合グラフィックス性能が追いつかなくなってしまうのではないかと思う。

発売から4年近くの月日が流れてそろそろ買え時が来ていると言えるかもしない。この時代であればGTX 1060 6GBが人気だった。CPU性能の伸びと同様にグラフィックボード性能も大幅に向上している。例えば、このGTX 1060 6GBの後継モデルであるRTX 3060では70%以上パフォーマンスが向上している。CPUの伸びも素晴らしいがグラフィックボードも同じぐらいパフォーマンスが伸びているのだ。ネックとなるのはグラフィックボードだと考えて間違いない。

Core i7-8750Hの特徴まとめ

6コア12スレッドの高性能CPU

6コア12スレッドとコア数が増えているのが最大の特徴だ。前世代のCore i7-7700HQからコア及びスレッド数が引き上げられたことでゲーミング性能は順当な進化を遂げた。ゲーミング性能で言うと10%程度に伸びる。CPUのボトルネック軽減に繋がるというわけだ。このCore i7-8750Hの登場からハイパフォーマンスモデルは6コア12スレッドが定番となっている。

また、マルチスレッド性能が高く動画編集やRAW現像なども得意としている。とクリエイター要素が強くなったと言える。デスクトップパソコン向けCPUのCore i5-8400に匹敵する性能を持つ。グラフィックボードの性能はデスクトップに追いついて来ているが、CPUはもう少し時間が掛かるかもしれない。排熱がどうしてもネックとなってしまうからだ。それでも確実にその差は小さくなってきていると断言できる。

ゲーミングノートPCのメインCPU

Core i7-8750Hは、ゲーミングノートPCの主流CPUとなっている。BTOメーカーで販売されているほとんどのノートでCore i7-8750Hを搭載していることからもわかるはずだ。他の選択肢としてはCore i5-8300Hがあるが、それほど選択肢が多いわけではない。どうしてもCPU性能が劣ってしまうからだ。

なお、上位モデルの「Core i9-8950HK」は搭載モデルが販売されていないのが現状だ。確かに性能は高いものの発熱をなかなか制御できない。ケースにコストが掛かってしまうため主力になることはないだろう。こう考えるとやはりCore i7-8750Hを中心に考えるのが良い。

参考データ:Core i9-8950HKの性能

corei9performace
画像引用元:https://www.pcworld.com/

参考までに上位モデルである「Core i9-8950HK(6コア12スレッド、2.90GHz/4.80GHz)」と第7世代Core i7及び3年前のモデルとの比較を行ったデータを見てみよう。Core i7-8750Hよりもスペックが高いため純粋に比較はできないが十分参考になるだろう。

まず、全体的なパフォーマンスでは約29%アップ、ゲーミングだと41%アップ、ゲーム配信だと32%アップ、4K動画編集だと59%アップと大幅に向上していることがわかる。3年前のモデルと比べると全体で88%アップとかなり進歩しているのだ。CPU性能が上がればよりゲームプレイ時のフレームレートの安定に繋がるだろう。

ベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)

レンダリングなどのCPUベンチマークにおいては、Gigabyte Aero 15X(i7-8750H)、MSI GS63VR Stealth Pro(i7-7700HQ)、Dell XPS 13(i7-8550U)の三つのモデルで比較している。

Cinebench R15

cinebenchr15i7-8750hcinebench

コア数及びスレッド数が50%アップ及び最大クロック周波数がアップしたことで、Core i7-8750Hにとっては最高の結果が出ている。マルチスレッド性能は58%アップと大幅に高いスコアを計測。シングルスレッド性能でも9%高いスコアが出ている。これは最大クロック周波数が11%アップしたことによる恩恵だ。i7-8550Uと比べるとマルチスレッド性能は65%、シングルスレッド性能は80%程度高い。

Handbrake

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60分の動画のエンコードに掛かった時間を計測している。Core i7-8750Hは、Core i7-7700HQと比較して約25%高いスコアとなっている。x264では46%アップとなっているがそれに匹敵するほどだと言える。Core i7-8550Uと比べると40%以上変わっている。コアが増えたことによる恩恵はやはり動画編集において顕著に表れている。

Adobe Premiere

adobei7-8750hadobe
画像引用元:https://www.pcmag.com/

Adobe PremiereでLumetriエフェクトを掛けた4Kの動画ファイル(x264)のエンコードに掛かる時間を計測。数値が小さいほど掛かった時間が短く高性能ということになる。Core i7-7700HQに比べて20%高い性能を持っている。なお、Core i7-8550Uが遅くなっているのは他の2つのモデルと異なり外部グラフィックボードを搭載していないためだ。GPU支援が働くソフトウェアだから仕方がない。

Microsoft Excel

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Excelでモンテカルロ・シミュレーションに掛かる時間を計測。およそ35%高い性能を発揮している。大規模な計算シミュレーションを行うスプレッドシートは6コアの本領発揮となる。なお、i7-8550Uとi7-7700HQの差が3%ほどしかないことからコア数が大きい方が有利になるということがわかる。

7-zip

i7-8750h7zip

圧縮、解凍ともにi7-8750Hが一人勝ちだ。圧縮は55%、解凍は70%向上している。物理コアは正義だと言える。Core i7-8550Uと比較すると100%程度アップだ。

ゲームプレイのベンチマーク

ゲームプレイ中のベンチマークを計測。グラフィックボードはGTX 1070 Max-Qに固定でCPUはi7-8750Hとi7-7700HQの2種類を用意。ゲームプレイ中の平均fpsと最も低い1%のフレームレート(1% Low)を計測している。1% Lowを計測することでより正確な情報がわかる。

平均だけだと一時的に大きくスコアが上がると数値にずれが生じるためだ。1% Lowと合わせて参考にすると良い。結論からまとめるとレンダリングなどと比べてゲーミング性能ではそれほど大きな違いはない。その要因としてマルチスレッドがうまく生かせないことが挙げられる。

Civilization Ⅵ

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CPU制限の大きいタイトルの一つであるCiv 6を見ていく。平均のフレームレートを比較すると29%スコアが上がっていることがわかる。一方で、1% Lowを見るとCPUパワーが上がっても安定感が劣ることがあるということだ。平均フレームレートがこれだけ高いにも関わらず最小fpsが低いのは気になる。第8世代のノート向けCPUは必ずしも優れているわけではないということだ。

Watch Dogs 2

watchdog2i7-8750hwatch

ウルトラ設定でのスコアを計測。Core i7-7700HQと比べると平均フレームレートは8%アップして、1% Lowも11%アップしている。つまり、i7-7700HQと比べて性能が上がっていることがわかる。ただ、その差を体感できるかどうかとなると疑わしい。

hitman

hitmani7-8750hhitman

HitmanをCPU制限のあるタイトルだ。Core i7-8750HとCore i7-7700HQを比較して平均フレームレートは5%、1% Low FPSはほぼ同じと大きな違いがない。これなら価格が安くなっている旧型であるi7-7700HQを選択するのも良いかもしれない。

Core i7-8750H搭載おすすめ中古ゲーミングノートPC

GS65 STEALTH THIN 8RE-006JP(MSI)

GS65 STEALTH THIN 8RE-006JP価格:59,382円
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX 1060 Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 512GB
電源:ACアダプター

公式サイト

Core i7-8750H×GeForce GTX 1060 Mobile搭載のゲーミングノートPCだ。設定調整次第では問題なくゲームに対応できる。税込5万円台で購入できるのは嬉しい。メモリ16GB・SSD 512GBと構成も十分だといえる。Windows 11 Homeへアップグレードしている。

GALLERIA GAMEMASTER GNBC706(ドスパラ)

GALLERIA GAMEMASTER GNBC706 (2)価格:68,900円
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX 1060 Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 256GB+HDD 1TB
電源:ACアダプター

公式サイト

Core i7-8750H×GeForce GTX 1060 Mobile搭載のゲーミングノートPCとなる。箱が付いているのは貴重だ。メモリ16GB・SSD 256GB・HDD 1TBと構成も充実している。最近ではあまり見なくなったデュアルストレージは強力だ。

GALLERIA GAMEMASTER GNBC706(ドスパラ)

GALLERIA GAMEMASTER GNBC706価格:72,900円
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX RTX 2060 Mobile
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 256GB+HDD 1TB
電源:ACアダプター

公式サイト

グラフィックスにGeForce RTX 2060 Mobileを搭載したモデルだ。デスクトップ向けモデルで言えばGeForce GTX 1660 Tiと同等のパフォーマンスを期待できる。メモリ16GB・SSD 256GB+ HDD 1TBと構成も必要十分だ。ガレリアブランドは今でも人気が高い。

Core i7-8750H搭載おすすめゲーミングノートPC

GALLERIA GCF1060GF(ドスパラ)

gallerianote価格:179,980円
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX 1060 6GB
メモリ:DDR4 8GB
SSD:250GB
HDD:1TB

ドスパラの売れ筋のゲーミングノートPCだ。グラフィックボードにはコスパの高いGTX 1060 6GBを搭載している。設定を調整すれば十分ゲームプレイに対応できる。メモリは控えめなので予算に余裕があれば16GBにアップグレードしておくとよいい。SSD 250GB、HDD 1TBとストレージは十分だろう。

FRGN810/SG1(FRONTIER)

gnfrontier価格:125,800円
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX 1050 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:250GB
HDD:非搭載

GTX 1050 Ti搭載のゲーミングノートPCだ。GTX 1060に比べるとやや性能は劣る。それでも設定を下げることでフルHDでもゲームプレイが可能だ。120Hzに対応していることとSteelSeries製のキーボードを搭載しているのも魅力となっている。できる限り予算を抑えたい方におすすめだ。税抜き12万円台は手頃だと言える。メモリが16GBとなっていることから動画編集や動画のエンコードなどをメインに考えている方にもおすすめだ。

GALLERIA GCF1070NF(ドスパラ)

gallerianote価格:235,980円
CPU:Core i7-8750H
GPU:GeForce GTX 1070
メモリ:DDR4 8GB
SSD:250GB
HDD:1TB

GTX 1070搭載のゲーミングノートPCとなっている。17.3インチモニター、120Hz対応なのが魅力だ。ただ、本体が大きいため重さも約2.9kgとなっている。持ち運び前提で購入するのは厳しいかもしれない。性能は文句なしでフルHDで快適にゲームプレイをすることができる。この構成ならメモリを16GBにカスタマイズすることを推奨する。

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製品名CPUGPU
Gigabyte Aero 15Xi7-8750HGTX 1070 Max-Q
MSI GS63VRi7-7700HQGTX 1070 Max-Q
Dell XPS 13i7 8550Uオンボード