画像引用元:https://www.pc-koubou.jp/
当ページでは、スペックレビュー&性能ベンチマークを検証している。6コア6スレッドとスペックは控えめながらゲーム用途において最低限必要な性能を持つCPUだ。10,000円前後で購入でき、予算を抑えたいユーザーにおすすめだ。ビジネスモデルで見ればミドルクラスとして使用できる幅の広いモデルだと言える。用途を限定すれば非常に優秀なCPUである。
60番台以下のグラフィックボードと合わせて価格的な優位性を追求するのがおすすめだ。BTOメーカーのゲーミングPCで10万円以下のモデルを探すとRyzen 5 3500を搭載していることが多いことに気付くだろう。半導体不足によって価格が高騰するまでは税込7万円台のモデルも販売されていたほどだ。高い性能を求められる用途全般は苦手なので性能をよく理解して選んでもらいたい。
すでに後継モデルである「Ryzen 5 4500」が発売されている。Zen 2アーキテクチャのリフレッシュモデルだ。ハイパースレッディングに対応となったことでより高いパフォーマンスを発揮する。6コア6スレッドから6コア12スレッドへとスペックが引き上げられた。
当ページの目次
よくわかる!!Ryzen 5 3500の特徴まとめ
コードネーム | Zen 2 |
---|---|
プロセス | 7nm |
コア/スレッド数 | 6コア/6スレッド |
定格/最大クロック | 3.6 GHz/ 4.1 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB |
TDP | 65W |
発売日 | 2020年02月22日 |
MSRP | $129 |
中古価格 | 5,980円~ |
コメント | 軽めのゲームプレイ、ビジネス用途に最適 ゲームに最低限必要な性能と低価格が魅力 |
評価 | ・総合評価 3.0 ・ゲーム評価 2.5 |
Ryzen 5 3500の基本情報
スペック
5 3500 | 5 3600 | 5 2600 | |
---|---|---|---|
メーカー | AMD | AMD | AMD |
プロセス | 7nm | 7nm | 12nm |
コードネーム | Zen 2 | Zen 2 | Zen+ |
CPUコア数 | 6コア | 6コア | 6コア |
スレッド数 | 6スレッド | 12スレッド | 12スレッド |
定格クロック | 3.6 GHz | 3.6 GHz | 3.4 GHz |
最大クロック | 4.1 Ghz | 4.2 Ghz | 3.9 GHz |
L3キャッシュ | 16MB | 32MB | 16MB |
TDP | 65W | 65W | 65W |
価格 | $129 | $199 | $199 |
発売日 | 2020年2月22日 | 2019年7月7日 | 2018年4月19日 |
選びやすい価格と実用に耐え得る性能でローエンドなゲーミングPCやビジネスモデルに使い勝手が良い。Ryzen 5 2600と比較すると総合的な性能は上回っているが、スレッドは半分になっているのでマルチ用途でどうなるのか気になる。マルチ性能も同等以上にまで登っていれば、ローエンドの選択肢はRyzen 5 3500に固まりそうだ。
クロック数は一つ上のRyzen 5 3600に近くRyzen 5 3500Xと同じで、シングルコアに強くなったRyzen 5 2600というのが大方の見方である。L3キャッシュはRyzen 5 3600から半減の16MBだ。現時点では総合性能はRyzen 5 2600から8%ほどの上昇となっている。最新版に置き換えられただけで用途はRyzen 5 2600と変わらないだろう。価格が安くなって登場した分だけ選びやすさが上という程度だ。
Intel製CPUと比較
5 3500 | i5-9400 | |
---|---|---|
メーカー | AMD | Intel |
プロセス | 7nm | 14nm |
コードネーム | Zen 2 | Coffee Lake-R |
CPUコア数 | 6コア | 6コア |
スレッド数 | 6スレッド | 6スレッド |
定格クロック | 3.6 GHz | 2.9 GHz |
最大クロック | 4.1 Ghz | 4.1 Ghz |
L3キャッシュ | 16MB | 9MB |
TDP | 65W | 65W |
価格 | $129 | $182 |
発売日 | 2020年02月22日 | 2018年10月20日 |
この後登場してくる第10世代のCore i5シリーズに対してどこまで迫れるかというのが焦点となるだろう。ゲームでの性能はCore i5-9400Fの方が高い。これはIntel製CPUの強みだ。また、ゲーミングPCに搭載される場合、価格差が広がらないこともあるので参考程度に見ておきたい。
Ryzen 5 3500のゲーム性能を検証【2024年版】
2022年4月にRyzen 5 3500の後継モデルであるRyzen 5 4500がリリースされた。アーキテクチャはZen 2と共通だが、ハイパースレッディングに対応したことで性能の底上げが行われている。マルチスレッド性能では60%以上も高くなった。一方で、ゲーミング性能は伸び悩みRyzen 5 3600との差も大きい。せめてRyzen 5 3600寄りの性能であれば評価できたのだが、Ryzen 5 3500寄りとなってしまった。
中古に目を向けるとRyzen 5 3500は検討する価値がありそうだ。Ryzen 5 3500の中古価格が5,980円と格安だ。同等のゲーム性能を持つCore i3-10100が9,980円~なのでおよそ半額で購入できる。ゲームプレイ時の安定感は見劣りしてしまうが、コストパフォーマンスを重視するなら悪くない選択だ。次世代のRyzen 5 4500も中古価格は10,000円前後だ。Ryzen 3 3300XやRyzen 3 4100は中古でのタマがなく選択肢に入らない。
Ryzen 5 3500の特徴まとめ【発売時点】
選びやすい価格と性能が魅力のCPU
Ryzen 5 3500の最大の特徴は価格の安さだろう。Ryzen 5 2600は$199、Ryzen 5 3500は$129なので価格が安く、性能が高いという次世代ならではの特徴を持っている。ローエンド、ミドルクラスのゲーミングPCに大きな影響を与えるコストパフォーマンスの高さは魅力的だ。Ryzenシリーズは上位モデルの存在感が大きく、低価格帯はいまいちパッとしない製品ばかりだった。
例えば、低価格帯のRyzen 5 3400Gはビジネスモデルに適しており、ゲーミングPCには搭載されているモデルはほとんど無い。あってもとてもおすすめすることはできない。一方、Ryzen 9 3900Xのような高性能なCPUはビジネスモデルではなく、クリエイティブな用途に適したモデルに搭載されやすく、高性能なグラフィックボードも確実に搭載されている。
その点、Ryzen 5 3500はビジネスモデルにもゲーミングPCにも搭載できる性能であるため、様々なモデルに採用されている。ハイクラスなビジネスモデルや価格を抑えたゲーミングPCに適したRyzen 5 3500の登場でRyzenシリーズは低価格帯に弱いという意識を打ち壊すことに成功した。
用途をしっかり限定して使用するべき
Ryzen 5 3500は本格的にゲームをプレイするためにはやや性能が不足気味、性質はIntelで言うところのCore i5-9400とそっくりである。合わせるならGTX 1660 Tiが限度で、それでも性能を上手く活かせるかは微妙なラインだ。高性能なグラフィックボードと合わせて搭載されているモデルも存在しているが、Ryzen 5 3500では物足りなく感じてしまうだろう。
GTX 1660やGTX 1650などを搭載したモデルであれば満足度の高いCPUとなる。CPU性能に合わせたグラフィックボードの選択が重要だ。価格が安いことで注目を集めているモデルで、BTOメーカーのラインナップも増加傾向にある。評価にばらつきがあるのは用途を限定しきれていないところにありそうだ。
ゲームのCPU要求スペックが低くても設定を少し下げてプレイするだけで高い快適性が得られるようになる。負荷の高いアプリケーションを起動させたり、CPU処理を求められる作業をしたりする場合は他のアプリケーションを一旦閉じるなどで対策できる。もっとも、ゲーム以外での用途ではCPU性能が不足するようなことはあまりないだろう。
安い順に並べるとRyzen 5 3500搭載モデルが多い
各BTOメーカーのゲーミングPCを安い順に並べてみるとRyzen 5 3500搭載モデルが多いことに気付くはずだ。それだけ価格に特化したCPUだと言える。GTX 1650やGTX 1650 SUPERなどのエントリークラスのグラフィックボードと合わせるのに最適だ。
税込9万円台、10万円台のモデルを見つけられる。ゲーミングPCとしては非常にリーズナブルだ。もちろんゲーミングPCとしての性能はそれほど高くないが、性能を理解した上で購入するのであれば止めはしない。実質現行モデルで後継モデルはリリースされておらずRyzen 5 3500は現役だ。
当サイトでは全BTOメーカーの最安値BTOパソコンを徹底調査して評価を下している。安いゲーミングPCはいつでも需要が高い。
Ryzen 5 3500のゲームベンチマーク一覧
ゲームのスコア計測方法はフルHD環境でグラフィックボードを統一してCPUの性能を計測している。単位はfpsでフレームレートを指している。ここではフレームレートに注目するというよりはCPU同士の相対的なスコアを見て欲しい。
Assassin’s Creed : Odyssey
Battlefield V
Far Cry New Dawn
その他アプリケーションのベンチマーク
Cinebench R20
Handbrake
Ryzen 5 3500搭載おすすめゲーミングPC
Lightning AH5(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3500
GPU:GeForce GTX 1650
メモリ:DDR4-3200 8GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:450W BRONZE
ビジネス用途、簡単なゲームに対応できる低価格モデルだ。Ryzen 5 3500搭載最安値モデルで、幅広い用途に適している。どちらかというとビジネスモデル寄りの製品で、ゲームをメインにプレイするにはやや性能が不安な部分がある。本格的なゲームプレイにはあまり適しておらず、軽めのゲームをプレイする程度に留めるユーザー向けだ。設定や解像度を下げれば最新のゲームにも対応することはできるので、用途を限定すれば必要十分なモデルである。
Lightning AT5(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3500
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE
Ryzen 5 3500×GTX 1660 SUPER搭載のビジネスPCだ。カテゴリー的にはLightningはビジネス向けモデルだが、ローエンドクラスのグラフィックボードを搭載しゲームプレイにも適している。GTX 1650よりもワンランク高い性能を得られる。税込12万円台というのはややコスパ的に厳しい。メモリ16GB、SSD 500GBという構成を持っていてここは問題ない。
GALLERIA RM5R-G60S GTX1660Super搭載(ドスパラ)
CPU:Ryzen 5 3500
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE
Ryzen 5 3500×GTX 1660 SUPER搭載のゲーミングPCだ。ほぼ同じ構成にも関わらずLightning AT5よりも2万円以上も高くなってしまうのが痛い。ゲーミングブランドのGALLERIAを冠するだけで価格がここまで価格が上がるのだ。ケースデザインは評価も高くここに価値を見出だせるなら選択するのもよいかもしれない。もっともこれだけの予算があればRTX 3060搭載モデルも視野に入ってしまう。
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GPU | GeForce GTX 1080 |
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メモリ | DDR4 16GB |