Ryzen 5 3600画像引用元:https://www.pc-koubou.jp/

当ページでは、Ryzen 5 3500Xの性能スペックレビュー&ベンチマークを検証している。Ryzen 5 3500Xは海外では2019年10月に発売されていたが、国内では一般消費者向けには販売されておらず手に入れるには並行輸入で手に入れるしか方法がない。OEM供給のみの希少なCPUだ。今後発売されることを期待してレビューをすることにした。

2020年10月からついにドスパラがRyzen 5 3500Xの取り扱いを開始した。「GALLERIA RM5R-G60S」など売れ筋ランキングの上位に入っているモデルもある。国内でもOEMやシステムインテグレーター(BTOメーカーなど)では取り扱いができるようになったようだ。ドスパラのモデルを見て気になっている方も多いのではないかと思う。後継モデルは、「Ryzen 5 5600X」となる。Zen 3アーキテクチャ採用でより洗練されたモデルとなった。

よくわかる!!Ryzen 5 3500Xの特徴まとめ

Ryzen 5 3600

コードネーム Zen 2
プロセス 7nm
コア/スレッド数 6コア/6スレッド
定格/最大クロック 3.6 GHz/ 4.1 Ghz
L3キャッシュ 32MB
TDP 65W
発売日 2019年10月09日
MSRP $149
中古価格 データなし *2024/04時点
評価 ・総合評価
4.5

・ゲーム評価
4.0

Ryzen 5 3500Xの基本情報

スペック

Ryzen 5 3500X Ryzen 5 3500 Ryzen 5 3600
メーカー AMD AMD AMD
コードネーム Zen 2 Zen 2 Zen 2
プロセス 7nm 7nm 7nm
CPUコア数 6コア 6コア 6コア
スレッド数 6スレッド 6スレッド 12スレッド
定格クロック 3.6 GHz 3.6 GHz 3.6 GHz
最大クロック 4.1 Ghz 4.1 Ghz 4.2 Ghz
L3キャッシュ 32MB 16MB 32MB
TDP 65W 65W 65W
MSRP $149 $129 $199
中古価格 データなし 7,980円~ 11,980円~
発売日 2019年10月09日 2020年2月22日 2019年7月7日
Ryzen 5 3500Xのスペックについて見ていく。下位モデルのRyzen 5 3500及び上位モデルのRyzen 5 3600を比較対象としている。下位モデルであるRyzen 5 3500は非常にスペックが似ているCPUだ。Zen 2アーキテクチャを採用していて6コア6スレッドとなっている。Ryzen 5 3500XとRyzen 5 3500の定格クロック及び最大クロックはそれぞれ3.6GHz・4.1GHzと同じだ。異なるのはL3キャッシュとなる。Ryzen 5 3500よりも倍の32MBと大容量だ。消費電力は65Wで価格は$149となる。

上位モデルのRyzen 5 3600になるとSMTに対応していて6コア12スレッドとスペックが高い。定格クロックは同じ3.6GHzだが、最大クロックは0.1GHzアップの4.2GHzだ。L3キャッシュも同じ32MBとなる。TDPも65Wと同じだ。価格差は$50だ。Ryzen 5 3500XやRyzen 5 3500はエントリークラスという位置付けだが、Ryzen 5 3600になるとワンランクアップとなる。

Intel製CPUと比較

Ryzen 5 3500X Core i5-10400 Core i5-9400
メーカー AMD Intel Intel
コードネーム Zen 2 Comet Lake Coffee Lake-R
プロセス 7nm 14nm 14nm
CPUコア数 6コア 6コア 6コア
スレッド数 6スレッド 12スレッド 6スレッド
定格クロック 3.6 GHz 2.9 GHz 2.9 GHz
最大クロック 4.1 Ghz 4.3 Ghz 4.1 Ghz
L3キャッシュ 32MB 12MB 9MB
TDP 65W 65W 65W
MSRP $149 $182 $182
中古価格 データなし 14,980円
(13,980円/Fモデル)
9,980円
発売日 2019年10月09日 2020年5月20日 2018年10月20日
Core i5-9400と比較するとわかるが、真の比較対象はCore i5-9400だろう。同じ6コア6スレッドでスペックが似ている。定格クロックはCore i5-9400の方が低くなっているものの最大クロックは4.1GHzと同じだ。Ryzen 5 3500XはL3キャッシュが32MBとCore i5-9400の3.5倍と驚異的だ。CPUのポテンシャルは高いと言える。当然アーキテクチャが異なるため純粋なスペックの比較は難しい。それでもある程度参考になると思う。

価格はCore i5-9400の方が$33高くなっている。ただし、国内で購入するとなるとCore i5-9400の方が安価だ。特に内蔵GPU非搭載モデルのFなら18,000円前後で購入することができる。ゲームプレイだけを考えるならCore i5-9400の方が優れている。どのような用途でパソコンを使うのかを基準に考えてみよう。

その後後継モデルのCore i5-10400が登場した。2021年時点で主流のCPUとなっている。ハイパースレッディングに対応となり一気にCPU性能が引き上げられた。さらに、最大クロックが4.3GHzへと0.2GHz高くなっている。L3キャッシュは12MBとアップしたが、まだRyzen 5 3500Xには及ばない。価格は$182とCore i5-9400と同じだ。CPU性能に関してはCore i5-10400が優勢だ。

Ryzen 5 3500Xの総合性能

ryzen53500xseinou2022

総合性能はおおよそスペック通りのものになっている。Ryzen 5 3500Xは、Ryzen 5 3600よりも37%性能が低く、Ryzen 5 3500よりも4%高い。前世代の6コア12スレッドのRyzen 5 2600Xとの差は5%程度だ。Core i5-9400よりも19%高い性能を持つが、次世代のCore i5-10400になるとほとんど同じ性能だ。最新のCore i5-12400になると2倍以上に引き離されている。

動画編集やRAW現像などでも比較的軽いクリエイター作業を考えるのであればRyzen 5 3500Xも十分選択肢に入る。Zen 2アーキテクチャになってIPCが軽減されポテンシャルが高くなっている。オーバークロックをすることも可能だ。もっとも手に入れやすさを考えると第一候補に挙がるモデルではないかもしれない。

ゲームプレイ時のパフォーマンスではCore i3-12100やCore i5-10400に及ばない。これは相性の問題もあるのかもしれない。2023年時点でRyzen 5 3500Xをゲーム目的で購入するのは推奨しない。現在の中古価格を考慮すると、20%以上も安く購入できるRyzen 5 3500かより高いゲーム適正を持ちおおよそ同等の価格であるCore i5-9400がよいだろう。場合によっては中古で17,980円のCore i5-10400か新品で18,000円程度のCore i3-12100がよいだろう。

Ryzen 5 3500Xの最新評価【2025年】

ryzen53500xgamescore202404

Ryzen 5 3500X及び性能の近いモデルなどのゲーム性能をまとめている。Ryzen 5 3500Xのゲーム性能スコアは19,971と今でもなんとか通用する性能を持っている。4年以上前のCPUであることを考えれば及第点だ。下位モデルのRyzen 5 3500よりもL3キャッシュ容量が多くゲーム適性が高い。今購入するならRyzen 5 3500よりもRyzen 5 3500Xがよいだろう。

Core i3-10100やCore i5-9400と同等のゲーム性能を持っているのは素晴らしい。AMD製CPUにこだわりがなければ候補に入れてもよい。50番台や60番台のグラフィックボードとの組み合わせなら十分性能を引き出せる。次世代のRyzen 5 4500になると性能は高くなる。今でも搭載ゲーミングPCが購入可能だ。

Ryzen 5 3500XはOEM供給のみでの販売だったので単体CPUとして中古で購入することは難しい。同等の性能を持つモデルを見ればある程度相場の予測は付く。Ryzen 5 3500が7,980円~、Ryzen 5 3600が11,980円~、Core i3-10100Fが9,980円~、Core i5-9400が9,980円~なのでRyzen 5 3500Xの相場的には10,000円前後だろう。それほど数が出ていたモデルではないので今後も入手困難となりそうだ。Ryzen 5 3500Xにこだわる必要はなくここで挙げた代替モデルを選択すればいい。ゲーム性能スコア的には20,000前後だ。

Ryzen 5 3500Xの特徴詳細【2019年時点】

オールラウンドに対応できてコスパが優秀

Ryzen 5 3500Xは、Ryzen 5シリーズのエントリークラスながらオールラウンドに対応できるCPUだと言える。ゲームプレイから動画編集など幅広く対応できるため使用するユーザーを選ばない。6コア6スレッドとスペックは控え目ながら前世代のRyzenシリーズよりもIPCが改善されて性能が高くなった。定格クロック周波数が高いのも強みだと言える。

それでいて$149という価格設定は魅力的だ。定価だけを見ると競合のCore i5-10400よりも安価に手に入れられる。Ryzenシリーズの中でもコストパフォーマンスに優れている。搭載BTOパソコンの価格も抑えられていてメリットが大きい。ただし、注意点もあるので次の項目についても参考にしてほしい。

国内での正規販売がなく輸入しないと手に入らない

国内でRyzen 5 3500Xの知名度は高くない。それもそのはずでRyzen 5 3500Xは特定の国でパソコンメーカーに卸されているだけだからだ。当初は中国市場でのOEMだけだったがその後インドなど他の市場でも見られるようになった。状況は地域ごとに異なるが輸入などでどこでも購入できるようになっている。

日本の場合はAmazon.co.jpなどで輸入品が販売されていて購入することが可能だ。商品によっては保証も付いてくるので全く手に入らないわけではない。現時点で自作ユーザー向けのCPUだと考えてよいだろう。このCPUに関してはBTOパソコンの購入を考えている方向けではない。

こだわりのある自作ユーザーの方が自身で輸入するかAmazonなどで購入するしか選択肢がないからだ。一般的なBTOメーカーで正規品を購入することができない。他のゲーマーとは違うパソコンを作りたいという方なら満足できるかもしれない。ただ、手間を考えるとワンランク上のRyzen 5 3600の方がよいだろう。その後国内でもOEMを中心に購入できるようになっている。

搭載モデル販売開始で低価格帯モデルに期待できる

ドスパラからRyzen 5 3500X搭載のゲーミングPCが販売開始となった。現時点ではそれほど価格が落ちておらずRyzen 5 3500搭載モデルやRyzen 5 3600搭載モデルに挟まれていて存在感を示せていない。今後価格がRyzen 5 3500搭載モデル並に引き下げられない限り選択肢には入らないだろう。やはり今でも自作ユーザー向けだと言える。

また、Intel第10世代のCore i5-10400が登場したことも状況を厳しくしている。Core i5-9400とは異なりマルチスレッド対応となりパフォーマンスが大きく向上している。ゲームプレイだけではなく動画編集などにも対応しやすくなっている。第4世代Ryzenシリーズを待つのが吉だ。

発売からしばらく時間が経ち搭載モデルの価格も落ち着いて来た。明らかに競合のCore i5-10400搭載モデルよりも安く購入することができる。もう少しラインナップが増えてくればいいのだが、現時点ではドスパラでしか取り扱いがないようだ。

Ryzen 5 3500Xのゲームベンチマーク一覧

ここではフレームレートに注目するというよりはCPU同士の相対的なスコアを見て欲しい。

Assassin’s Creed: Odyssey

assasincreedryzen53500x-Assassin's Creed

Core i5-9400Fよりも3%程度スコアが高い。また、前世代のRyzen 5 2600よりもわずかにパフォーマンスが向上している。Assassin’s Creed: Odysseyではマルチスレッド対応のRyzen 5 3600の伸びが素晴らしい。Ryzen 5 3500Xとの差は28%と大きい。

Shadow of the Tomb Raider

Shadow Of The Tomb Raiderryzen53500x-Shadow of the Tomb Raider

Shadow of the Tomb Raiderでもやや苦しい状況となっている。Core i5-9400Fにも劣る結果だ。およそ4%の差がある。Core i5-9600Kになると8%と差が大きくなる。Ryzenの上位モデルが健闘していると言える。

Far Cry New Dawn

farcrynewdawnryzen53500x-Far Cry New Dawn

Far Cry New DawnではCore iシリーズが強い。トップにはCore i5-9600Kが、次いでCore i5-9400Fとなる。Ryzen 5 3500XとCore i5-9400Fの差は14%と大きい。それでも前世代のRyzen 5 2600よりも10%スコアが高くなっているのは評価したい。

その他アプリケーションのベンチマーク

Cinebench R20

cinebenchryzen53500x-cinebench

Cinebench R20はCPUにレンダリングをさせて総合性能を計測できるベンチマークソフトだ。相対的にCPU性能を測ることができるため便利なソフトだと言える。Ryzen 5 3500Xは、Core i5-9400Fよりもスコアが12%高い。ゲームプレイではIntelに軍配があがるが総合的な性能ならRyzenが優勢だ。ハイパースレッディング対応のRyzen 5 2600には6%劣る結果となった。

7 Zip

zipryzen53500x-7zip

7zipでもCinebench R20と同じ傾向が見られる。Ryzen 5シリーズがCore i5-9400Fを上回っている。Ryzen 5 3500Xは、Core i5-9400Fよりも5%-25%程度性能が高い。解凍速度になるとその差が大きくなっている。

V-Ray Benchmark

ryzen53500x-vray

V-Ray BenchmarkでもRyzenの強さが光る。Ryzen 5 3500Xは、Core i5-9400Fよりもわずかながら上回っている。Core i5-9600Kには5%劣るものの価格帯を考えると十分だろう。6コア12スレッドのRyzen 5 3600になるとワンランクパフォーマンスが伸びている。

Ryzen 5 3500X搭載おすすめゲーミングPC

GALLERIA RM5R-G60S(ドスパラ)

RM5C-G50価格:109,980円(税込)
CPU:Ryzen 5 3500X
GPU:GeForce GTX 1660 SUPER
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:550W BRONZE

GTX 1660 SUPER×Ryzen 5 3500X搭載のゲーミングPCだ。フルHD環境ならタイトル次第では高設定でも対応できる。最近価格の変動が大きく選ぶタイミングが難しい。詳細記事を確認して購入のタイミングを図って欲しい。メモリ16GB・SSD 512GB NVMeと構成が充実している。クリエイター向けモデルとしてもおすすめだ。

GALLERIA RM5R-R36(ドスパラ)

RM5C-G50-300x300価格:118,164円(税込129,980円)
CPU:Ryzen 5 3500X
GPU:GeForce RTX 3060
メモリ:DDR4 16GB
SSD:NVMe 512GB
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE

現在RTX 3060搭載最安値モデルとなっている。選びやすい価格と扱いやすい性能が魅力だ。CPUにはRyzen 5 3500Xを選択しているのが珍しい。性能は控え目だが、RTX 3060を扱う上では必要十分である。設定を下げることで最新のタイトルも快適にプレイできるのでエントリークラスとしてもおすすめだ。

GALLERIA RM5R-R36T(ドスパラ)

RM5C-G50価格:134,980円
CPU:Ryzen 5 3500X
GPU:GeForce RTX 3060 Ti
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
電源:650W BRONZE

RTX 3060 Ti×Ryzen 5 3500X搭載のゲーミングPCだ。販売再開となったものの価格は高めに設定されている。グラフィックボードの性能が高くCPUとのバランスはやや取れていない。6コア6スレッドのCPUでは物足りないと言える。それでもFULL HD環境でのゲームプレイに対応することが可能だ。最新のタイトルにもある程度対応することができる。メモリ16GB・SSD 512GBと構成も充実している。

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ベンチマークテスト環境

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GPU GeForce RTX 2080 Ti
メモリ DDR4-3200 16GB
参照元:AMD Ryzen 5 3500X Review (TECHSPOT)