当記事では、モバイル向けGeForce GTX 1650 Tiの性能比較&ベンチマーク検証をしている。しれっと登場していたモバイル向けのグラフィックボードだ。立ち位置的にはデスクトップ版GTX 1650 SUPERのモバイル版がGTX 1650 Tiと考えるとわかりやすいかもしれない。デスクトップではこのGTX 1650 Tiという型番のグラフィックボードはラインナップにない。
低価格が特徴のグラフィックボードで10万円以下の予算でゲーミングノートPCを探している方は必見だ。ドスパラなどを中心にお得なモデルが増えてきている今がチャンスだと言える。その後GTX 1650 Ti Mobile搭載モデルは消滅してエントリークラスのモデルである「GTX 1650 Mobile」のみが残っている。低価格帯のモデルを探している方はチェックしておくとよいだろう。性能が高いわけではないのでその点なは注意しよう。後継モデルは、「RTX 3050 Ti Mobile」だ。最新のAmpere世代になっておよそ30%もゲーミング性能が向上している。2024年8月時点でGeForce GTX 1650 Ti Mobile搭載の中古ゲーミングノートPCが販売されている。価格も抑えられていて選びやすいように思う。
GTX 1650 Ti Mobileはあまりにも静かに発売されていたため、リリースされたことすら知らない人が多いのではないだろうか。これまでラインナップにあったGTX 1650 Mobileの強化版という位置付けとなっている。意外とコストパフォーマンスは高くおすすめしやすい。
今後GTX 1650 Mobile搭載モデルはGTX 1650 Ti Mobile搭載モデルへと切り替えられていくはずだ。エントリークラスのグラフィックボードもどんどん性能の底上げが行われている。その分ゲーム側の要求スペックも上がっているのだが…
当ページの目次
GTX 1650 Tiモバイル&デスクトップ向けスペック比較
型番 | GTX 1650 Ti | GTX 1650 | GTX 1650 SUPER |
---|---|---|---|
プラットフォーム | モバイル | モバイル | PC |
GPU | TU117 | TU117 | TU116 |
SMs | 16 | 16 | 20 |
TMUs | 64 | 64 | 64 |
CUDAコア | 1024基 | 1024基 | 1280基 |
ベースクロック | 1350MHz | 1395MHz | 1725MHz |
ブーストクロック | 1485MHz | 1560MHz | 1530MHz |
メモリ形式 | GDDR6 | GDDR5 | GDDR6 |
GPUメモリ | 4GB | 4GB | 4GB |
メモリバス幅 | 128-bit | 128-bit | 128-bit |
メモリバンド幅 | 192.0 GB/s | 128.0 GB/s | 192.0 GB/s |
消費電力 | 55W | 50W | 100W |
GTX 1650 Mobileと比べるとそれほどスペックが変わったわけではない。GPUは同じTU117を搭載している。フルスペックバージョンでCUDAコア1024基だ。ベースクロックが3%、ブーストクロックが5%引き下げられている。実はここだけを見るとスペックダウンしているのだ。
大きく違うのはメモリ形式でGDDR5→GDDR6へと規格がバージョンアップした点だ。メモリバンド幅も128.0 GB/sから192.0 GB/sへと50%引き上げられている。消費電力が50Wから55Wになったのはメモリのスペックが上がったことによるものだ。CUDAコアやクロック周波数を引き下げてもメモリ規格のアップグレードでパフォーマンスが向上するのは興味深い。メモリ周りのボトルネックが解消されたのだろう。
なお、デスクトップ向けのGTX 1650 SUPERではGPUがワンランク上のTU116が採用されている。TU116は、GTX 1660 Tiなどで採用されているGPUでポテンシャルが高い。GTX 1650 Ti Mobileよりも性能面での影響は大きい。実際デスクトップ向けのGTX 1650からGTX 1650 SUPERで30%程度もパフォーマンスが伸びている。ノート向けモデルは消費電力などの課題もあってある程度性能は抑えられてしまうのだ。
現行モデルを含めたゲーミング性能比較【2024年】
GeForce GTX 1650 Ti Mobileは、ロークラスのグラフィックボードだ。従来モデルのGeForce GTX 1050 Ti Mobileと比べて25%以上性能が引き上げられているが、基本的にはフルHDで設定を下げることが前提となる。次世代のGeForce RTX 3050 Ti Mobileになるとさらに20%程度ゲーミング性能が向上する。その下位モデルであるGeForce RTX 3050 Mobileでも15%以上パフォーマンスが高い。
50番台のモデルも世代を重ねるごとに大きく性能の底上げが行われる。GeForce GTX 1650 Ti Mobileも今後は性能的に厳しい時代が来るだろう。2024年時点でも設定次第で十分対応することが可能だ。中古市場でもちょくちょくタマが見つかるので気になっている方も多いかもしれない。CPUはIntel第10世代のCore i7-10750HやCore i5-10300Hを搭載したモデルが一般的だ。設定さえ妥協できるのであれば性能的にはそこまで不満はない。
GTX 1650 Ti Mobile搭載ゲーミングノートPCの特徴
GTX 1650 Mobileよりも15%高い性能を持つ
GTX 1650 Mobile後継モデルというだけあってしっかりとパフォーマンスが高くなっている。およそ15%アップで前世代のミドルクラスGTX 1060 Mobileとほぼ同等の性能だ。性能だけで見ればエントリークラスは抜け出せたのではないだろうか。
CUDAコアが同じでクロック周波数が引き下げられているにもかかわらずパフォーマンスが向上しているのはメモリ規格のアップグレードによるものだ。GDDR5から高性能なGDDR6になりメモリバンド幅にも余裕が生まれている。性能増加分を考えると消費電力が5W増えているのも許容範囲だろう。
Core i5-10300Hとの組み合わせがベストか!?
GTX 1650 Ti Mobileの特徴は、性能の高さというよりも価格の安さにある。そうなるとCPUに掛ける予算も抑えてゲーミングノート全体の価格を抑えたいはずだ。Core i7-10750Hよりもワンランク落としたCore i5-10300Hと合わせる方がよいだろう。また、Ryzen 5 4600Hも選択肢として悪くないはずだ。事実売れ筋モデルはRyzen 5 4600Hとの組み合わせが多かったように思う
これらの組み合わせなら価格を追求したゲーミングノートPCが手に入る。目安としては税込11万円以下だ。キーボードとモニター込みの価格と考えるとデスクトップパソコンと比べてもお得感がある。あまりお金を掛けられない学生の方や新社会人の方におすすめしたい。
ほとんど存在感のないグラフィックボードになっている
正直GTX 1650 Ti Mobile自体あまり目立つグラフィックボードではない。各BTOメーカーのラインナップを見ても国内だとドスパラぐらいでしか販売されていない。性能差を考えるとより安価なGTX 1650 Mobileのままでも良いと考えているのかもしれない。ゲーミングノートPCの売れ筋がGTX 1660 Ti以上なので、どうしてもエントリークラスのモデルで存在感を出すのが難しいのだろう。
また、ノート向けグラフィックボードでもSUPERシリーズが登場していて影に隠れてしまっている。今後もそれほどラインナップは増えないのではないかと思う。ある程度限られた選択肢の中から選ぶ必要がある。その中でもドスパラはコスパの高いモデルを販売しているので必ずチェックして欲しい。高コスパのゲーミングノートPCを作り上げたのは評価できる。
GTX 1650 Ti Mobileのベンチマーク(ゲーム)
ゲームプレイ中のフレームレートを計測している。fpsはframe per secondsの略で1秒間におけるコマ数を表す。およそ60fps以上になると快適だと言われているので一つの基準として考えると良い。下記の数値は、すべて最高設定での数値となっている。
PUBG
GTX 1660 Ti Mobile | |
GTX 1060 Mobile | |
GTX 1650 Ti Mobile | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Mobile | |
GTX 1050 Ti Mobile |
Fortnite
GTX 1660 Ti Mobile | |
GTX 1060 Mobile | |
GTX 1650 Ti Mobile | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Mobile | |
GTX 1050 Ti Mobile |
Borderlands 3
GTX 1660 Ti Mobile | |
GTX 1650 Ti Mobile | |
GTX 1060 Mobile | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Mobile | |
GTX 1050 Ti Mobile |
Metro Exodus
GTX 1660 Ti Mobile | |
GTX 1650 Ti Mobile | |
GTX 1060 Mobile | |
GTX 1650 | |
GTX 1650 Mobile | |
GTX 1050 Ti Mobile |
GeForce GTX 1650 Ti搭載おすすめ中古ゲーミングノートPC
GALLERIA GCL1650TGF 167902(ドスパラ)
価格:53,800円
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i5-10300H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti
メモリ:32GB
ストレージ:SSD 1TB+HDD 2TB
電源:ACアダプター
Core i5-10300H×GeForce GTX 1650 Ti搭載のゲーミングノートPCだ。フルHD環境でのゲームプレイに適している。設定調整次第である程度快適にゲームがプレイ可能だ。メモリ32GB・SSD 1TB+HDD 2TBと構成も充実している。税込5万円台で購入できるのは嬉しい。
DAIV 21015P-CML(マウスコンピューター)
液晶:15.6インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti
メモリ:16GB(シングルチャネル)
ストレージ:SSD 512GB
電源:ACアダプター
マウスコンピューターが販売するクリエイターブランドDAIVのノートPCだ。グラフィックスにGeForce GTX 1650 Tiを搭載していてゲームにも対応できる。メモリは16GB搭載だが、シングルチャネルである点は注意しよう。デュアルチャネルよりもパフォーマンスが落ちることがある。ストレージはSSD 512GBと必要十分だろう。OSはWindows 11 Pro 64bitだ。
Summit-E14-A11SCST-4(MSI)
液晶:14.0インチFHD
重量:不明
CPU:Core i7-1185G7
GPU:GeForce GTX 1650 Ti
メモリ:32GB
ストレージ:SSD 1TB
電源:ACアダプター
カテゴリー的にはビジネスモデルとなる。14.0インチFHDディスプレイを搭載している。CPUには省電力性の高いCore i7-1185G7を搭載している。4コア8スレッドというスペックだ。グラフィックスにはGeForce GTX 1650 Tiを搭載している。メモリ32GB・SSD 1TBと構成も充実している。CPU性能の低さからゲーム目的での購入はおすすめしづらい。
GTX 1650 Ti Mobile搭載おすすめゲーミングノートPC
GALLERIA RL5R-G50T(ドスパラ)
価格:99,980円(税込)
CPU:Ryzen 5 4600H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti
メモリ:DDR4-3200 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
2021年時点で唯一購入できる一台となっている。GTX 1650 Ti×Ryzen 5 4600Hを搭載したゲーミングノートPCだ。この価格帯では驚くべきパフォーマンスを発揮するRyzen 5 4600Hを搭載しているのが魅力となっている。税込10万円以下にもかかわらず6コア12スレッドのCPUを手に入れられるのは素晴らしい。AMDが誇る高コスパモデルということだ。ゲーミング適正ではややばらつきがあるものの第3世代になって適正は向上している。Core i5-10300Hに匹敵する性能を持っていると考えてよい。フルHD環境を基準に設定を調整すればあらゆるタイトルに対応することが可能だ。メモリ16GB、SSD 512GBと構成も優秀だ。
GALLERIA GCL1650TGF 10200H搭載(ドスパラ)
モニター:15.6インチ 60Hz
CPU:Core i5-10200H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti Mobile
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
業界最安値クラスのゲーミングノートPCだ。この価格帯はドスパラの独壇場となっている。グラフィックボードにはGTX 1650 Tiを、CPUにはCore i5-10200Hを搭載していてエントリークラスとしては十分だ。フルHD環境なら設定調整次第で十分対応することができる。メモリ16GB、SSD 500GBと充実の構成となっている。学生の方や新社会人の方にもおすすめだ。
GF75 Thin GF75-10SCSR-001JP(MSI)
モニター:15.6インチ 144Hz
CPU:Core i5-10300H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti MAX-Q
メモリ:DDR4 8GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
コンパクトバージョンであるGTX 1650 Ti MAX-Qを搭載したゲーミングノートPCだ。液晶モニターも144Hzと高リフレッシュレートに対応していて最近のモデルらしい。性能は標準のGTX 1650 Tiと比べるとやや劣るものの本体が小さくできるなどのメリットがある。本体重量約1.86kgは15.6インチのゲーミングノートとしては最軽量クラスだ。メモリ8GB・SSD 512GBと最低限必要な構成を持っている。
GALLERIA GCL1650TGF(ドスパラ)
モニター:15.6インチ 60Hz
CPU:Core i5-10300H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti Mobile
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB NVMe対応
HDD:非搭載
税抜10万円以下で購入できるゲーミングノートPCだ。「GALLERIA GR1650TGF-T」のCPUがCore i5-10300Hになりメモリ容量をアップさせたモデルとなっている。性能はもちろん高くないが設定を調整すれば十分ゲームプレイに対応することができる。モニターは15.6インチで持ち運びもしやすい。メモリ16GB、SSD 500GB NVMe対応と十分な構成だと言える。メモリ容量も大きくアプリケーションの使用にも向いていてクリエイターの方にもおすすめできる。
GF75 Thin GF75-10SCSR-001JP(MSI)
モニター:17.3インチ 120Hz
CPU:Core i7-10750H
GPU:GeForce GTX 1650 Ti Mobile
メモリ:DDR4 16GB
SSD:512GB NVMe対応
HDD:非搭載
税抜154,363円とGTX 1650 Ti Mobile搭載モデルとしてはやや高い。それもそのはずで液晶モニターは17.3インチ 120Hz対応モニターを搭載している。セール対象期間なら少し安く購入することが可能だ。性能的にこのモニターを活かしにくいことは理解しておく必要がある。また、CPUもCore i7-10750Hを搭載していて性能が高い。うまく価格が抑えられていないことを同評価するか難しいところだ。もちろん性能やMSIノートの価値を考えると特別高いわけではない。
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