corei7-9700
当ページでは、Core i7-9700Kのレビュー及び性能ベンチマークを検証している。Coffee Lake-RのハイクラスのCPUとなっている。ゲーミングPCで定番であるCore i7-9700のオーバークロック対応バージョンだ。従来モデルで6コア12スレッドのCore i7-8700Kから8コア8スレッドと物理コアが増えた形となっている。

ハイパースレッディングには非対応だが、物理コアが増えてかつクロック周波数も引き上げられていて性能は高い。すでに後継モデルのComet Lake世代の「Core i7-10700K」が登場している。8コア16スレッドとハイパースレッディングに対応になったことでより高いパフォーマンスを発揮する。第九世代CPUとの性能差は大きいと考えてよい。

Core i7-9700Kの基本スペック

Core i7-9700KCore i9-9900KCore i7-8700K
コードネームCoffee Lake-RCoffee Lake-RCoffee Lake
プロセス14nm++14nm++14nm++
CPUコア数886
スレッド数81612
定格クロック3.6GHz3.6GHz3.7GHz
最大クロック4.9GHz5.0GHz4.7GHz
L3キャッシュ12MB16MB12MB
対応メモリDDR4-2666DDR4-2666DDR4-2666
内蔵GPUUHD Graphics 630UHD Graphics 630UHD Graphics 630
PCI-ExpressGen 3Gen 3Gen 3
CPUクーラー非同梱非同梱非同梱
TDP95W95W95W
MSRP$385$499$380
発売日2018/10/202018/10/202017/11/02
Core i7-9700Xは、前世代のCore i7-8700Kで採用されたアーキテクチャのリフレッシュモデル(Coffee Lake Refresh)だ。前モデルのCoffee Lakeと構造的には大きな変化はなく、大幅なパフォーマンス向上が見込めるわけではない。それでも物理的コアが増えているので性能的には前世代を上回るということが容易に想像できるだろう。

Core i7-8700Kと比べるとコア数が33%アップして8コアとなっている。一方で、ハイパースレッディングには対応しておらずスレッド数は33%減の8スレッドだ。これまでCore i7のフラグシップモデルではハイパースレッディング対応が標準だったが、今世代では初めてCore i9シリーズがメインストリームにラインナップ入りしたことで趣向が変わっていると言える。

定格クロックはわずかに落ちているが、ブーストクロックは5%近くアップしている。負荷が高ければ高いほど本領発揮というわけだ。L3キャッシュ・対応メモリ・内蔵GPU・TDPなどは同じだ。マザーボードのチップセットはZ370だけではなく最新のZ390に対応している。価格についてはCore i7-9700Kの方が僅か$5だけ高く設定されている。

フラグシップモデルのCore i9-9900Kになるとハイパースレッディング対応で8コア16スレッドとなる。Core i9にのみハイパースレッディングが許された形だ。定格クロックはCore i7-9700Kと同じだが、最大クロックがついに5.0GHzを超えた。L3キャッシュも12MBから16MBへと33%引き上げられている。対応メモリ・内蔵GPU・TDPは共通だ。価格差は$114となる。

Core i7-9700KFの発売

core i7-9700kf画像引用元:https://www.ark-pc.co.jp/

2019年3月29日よりCore i7-9700KFの発売が開始となった。この末尾の「KF」は、それぞれオーバークロック対応、オンボードGPU非搭載(フリー)であることを表している。つまり、Core i7-9700KのオンボードGPU「Intel UHD Graphics 630」を非搭載とした廉価モデルだ。ゲーミングPCではグラフィックボードを搭載することが当たり前なので、オンボードGPUがないことはデメリットにはならない。

その他インテルトラステッド・エグゼキューション・テクノロジー、インテルステーブル・イメージ・ プラットフォーム・プログラム (SIPP)、インテル vProプラットフォームといった機能も非対応となっているがそれほど気にしなくても良いだろう。今後価格が落ち着いて来ればCore i7-9700K→Core i7-9700KF搭載モデルが増えるかもしれない。

Core i7-9700K/KFの評価【2023年】

現行のCore i3シリーズ最上位を上回る性能を持つ

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Core i7-9700Kは比較的新しいCPUということもあって今でも十分通用するCPUだ。当サイトが基準とする20,000スコアを超えていてエントリークラスのモデルとしてなら合格点をあげられる。現行のCore i3-13100と同等だ。Core i7シリーズも4世代後のCore i3シリーズと同等だ。3年以上の月日が流れて立場は大きく変わっている。それでもオーバークロックをすればもう少し寿命を伸ばせそうだ。Core i7-9700Kの後継モデルであるCore i7-10700Kではハイパースレッディングに対応したことでパフォーマンスが大幅に向上している。ゲーミング性能の差は8%程度だ。

中古価格は高値安定を継続中

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2023年時点での適応できるCPU性能を持っているということはつまり中古価格も高くなるということになる。じゃんぱらでの中古価格は、税込み25,980円程度とそれなりの値段だ。Intel製CPUの中でも特に末尾に「K」が付くモデルは価格が下がりづらい。同等の性能を持つ次世代のCore i5-11400なら17,480円で購入できる。6コア12スレッドとハイパースレッディング対応でパフォーマンスが高い。

オーバークロックをしないのであれば十分候補に入るだろう。コストパフォーマンスを重視するならRyzen 5 5600もおすすめだ。税込14,980円からとかなり価格が抑えられている。Zen 3アーキテクチャを採用していてパフォーマンスは高い。6コア12スレッドとCore i7-9700Kと比べても見劣りしない。

Core i7-9700K/KFの特徴&強み【2018年】

総合性能はCore i9-9900Kに次いで高い

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総合性能で見るとCore i7-8700Kよりも10%高い程度高い性能を持っている。2019年時点で考えるとCore i7-8700Kから買い換える必要はないだろう。また、価格差もあることからあえてCore i7-8700Kを選ぶのもよいかもしれない。Core i7-8086Kと比べると5%の性能差だ。

ゲームプレイを前提に考えるとこの差はより小さくなると考えられる。ゲームプレイで8コアをうまく生かせるタイトルは存在していない。6コアで十分だろう。なお、Core i5-9600Kは一回りCPU性能は低くなっているが、実はゲームプレイだけで考えるとこれほど大きな差は出ない。

ゲーミングPC構築でベースとなるCPU

第8世代のCore i7-8700KがゲーミングPCの中心となったように、Core i7-9700Kもその中心になる素質を持っている。およそ10%高い性能で価格はほぼ同じだ。8コア8スレッドであればゲームプレイではオーバースペック気味だと思う。Core i9-9900Kは、動画編集など負荷の高いマルチスレッドタスクを実行する方向けだと言える。

ゲーミング用途の実質フラグシップモデルはCore i7-9700Kで間違いなさそうだ。Core i7を選択することで$120浮くことになるがその分グラフィックボードやSSDなどにお金をかけよう。このクラスまでいくと性能差を体感することは難しい。十分満足のいくCPUだと言える。

ベンチマーク(レンダリングやエンコード etc.)

Cinebench R15

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Cinebench R15は、レンダリングによってCPU性能を測るツールとなっている。CinebenchはやはりRyzenシリーズと相性が良いようだ。それでもシングルスレッド性能ではCore iシリーズがRyzenを圧倒している。Core i7-9700Kは、Core i7-8700Kと比べて確実に性能が上がっているということがわかる。おおよそ9%向上している。Ryzen 7 2700Xとの差は20%程度とやや開いている。

Handbrake

handbrakei7-9700k-handbrake

Handbrakeは動画のエンコードを実行するソフトだ。x265では、Core i9-9900Kに次いで二番目になった。Core i7-9700Kは、Core i7-8700Kよりも15%程度高速化されている。物理コアが33%向上したことによる恩恵だろう。Ryzen 7 2700Xよりも25%早い。一方でx264ではRyzen 7 2700Xに少しだけ劣る結果となっている。それでも全体でみればパフォーマンスが高いことがわかる。

7-zip

i7-9700k-7zip

7-zipファイルのベンチマークではCPUのL1キャッシュ、L2キャッシュが影響を与える。これはゲームプレイにも当てはまる。よりメモリー性能やレイテンシが重要となるのでAMD Ryzenが不利になるというわけだ。しかし中身を見るとRyzen 7 2700Xが二番目のパフォーマンスを発揮した。解凍速度ではCore i7-9700Kよりも33%早い。圧縮速度ではCore i7-9700Kが2%程度早い。キャッシュよりもコアがより影響を与えているように思える。

ゲームプレイのベンチマーク

実際のゲームでのフレームレートを計測している。総合的に見るとCore i7-9700Kは9900Kよりも1%低くオーバークロックをすれば同等となる。タイトルによってはCore i9を超えることもあるが、実際ゲームプレイにおいて性能差を体感することは難しいだろう。ゲームだけを考えるのであればCore i7で十分だ。Core i7-8700で対応していたマルチスレッディングに関しては物理コアが増えたことで相殺できている。

Grand Theft Auto 5

gta5i7-9700k-gta5

Core i7-9700Kがトップに躍り出た。Core i9-9900Kよりも1%程度早い。オーバークロックをすれば最大7%の差が生じるということだ。最小fpsではやや劣るもののゲーム適性は高そうだ。Ryzen 7 2700Xはかなり苦しい状況となっている。Core i7-9700Kとの差は20%でCore i5-9600Kにも大きな差を付けられている。ゲームプレイにおいてはIntelが強いことは否定できない事実だろう。

Civilization Ⅵ

civ6i7-9700k-civ6

当タイトルでは各CPUでほとんど差が出ていない。最大でも5%程度と性能の違いを体感することはできない。ゲームプレイ前提で考えるとCore i5シリーズで十分対応できる。まずi9シリーズはゲームだけで考えるとオーバースペックになってしまう。一般的な使用ならCore i7あるいはCore i5で良い。Ryzen 7 2700Xだけは差を付けられていることからゲームへの最適化がうまく行われていないということだろう。今後のドライバのアップデートでどこまで改善されるか注目したい。

hitman

hitmani7-9700k-hitman

HitmanではCore i7-9700Kがトップになっている。非常に高いパフォーマンスを発揮。Core i7-8700Kと比べると10%の差がある。性能差を体感することは難しいもののこれなら長く使用することができるだろう。CPUがボトルネックになることは当面の間考えられない。

Core i7-9700K/KF搭載おすすめゲーミングPC

GALLERIA ZG i7-9700K搭載(ドスパラ)

価格:249,980円
CPU:Core i7-9700K
GPU:GeForce RTX 2080
メモリ:DDR4 16GB
SSD:500GB
HDD:3TB
電源:SILVERSTONE 750W PLATINUM

RTX2080×i7-9700Kを搭載したハイクラスゲーミングPCだ。かなり高いレベルでのゲームプレイが可能だ。4K解像度前提のモデルだと言える。メモリ16GB、SSD 500GB、HDD 3TBと構成面も抜群。電源も80PLUS PLATINUM認証となっているため安定したPC作業ができるだろう。もはやカスタムの余地はないモデルだ。

LEVEL-R039-i7KF-RXR(パソコン工房)

LEVEL-M037-i7K-RNJ価格:149,980円
CPU:Core i7-9700KF
GPU:GeForce GTX1660 Ti
メモリ:DDR4 8GB
SSD:240GB
HDD:1TB
電源:500W 80PLUS BRONZE

パソコン工房からはすでに「Core i7-9700KF」搭載モデルが販売されている。GTX 1660 Tiとの相性も良くコストパフォーマンスが高い。このモデルに関してはメモリ8GB、SSD 240GB、HDD 1TBと構成も十分だろう。

LEVEL-R039-i7KF-TOA

LEVEL-M037-i7K-RNJ価格:189,980円
CPU:Core i7-9700KF
GPU:GeForce RTX 2070
メモリ:DDR4 8GB
SSD:480GB
HDD:2TB
電源:700W BRONZE

RTX 2070搭載のハイクラスのゲーミングPCだ。GTX 1080を超える高い性能は魅力的だろう。レイトレーシングやDLSS対応のゲームをプレイするならぜひ手に入れたい。CPUにはオンボードGPU非搭載のCore i7-9700KFを採用。新しいモデルをいち早く投入してきた。ストレージもSSD 480GB、HDD 2TBのダブルストレージで十分だろう。

G-GEAR GA7J-F181/ZT(TSUKUMO)

G-GEAR GA7A-B180T価格:209,800円
CPU:Core i7-9700K
GPU:GeForce RTX 2070
メモリ:DDR4 16GB
SSD:240GB
HDD:1TB
電源:CWT製 650W BRONZE認証

GALLERIA ZGよりも現実的なモデルとなっている。グラフィックボードにはより手頃なRTX2070を搭載。4K解像度は厳しいが、WQHD環境であればさくさくゲームが可能。メモリはDDR4 16GB、SSD 240GB、HDD 1TBと不満はないだろう。さらに、電源にはCWT製650Wを採用している。最新のハイクラスゲーミングPCが税抜20万円弱ならおすすめできる。

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GPUGeForce GTX 1080 Ti
メモリDDR4 16GB
マザーボードMSI Z390 MEG Godlike
参照元:INTEL CORE I7-9700K REVIEW (PCGAMER)