画像引用元:https://www.msi.com/ *イメージ
当記事では、GeForce RTX 3080 12GBの性能スペックレビュー&おすすめBTOパソコンの紹介をしている。2020年9月に発売された「GeForce RTX 3080 10GB」の強化モデルだ。すでにドスパラやパソコン工房などでRTX 3080 12GBを搭載したゲーミングPCが販売されている。RTX 3080 10GB搭載モデルと比較検討するとよいだろう。
RTX 3080 12GBではGPUメモリ容量が20%アップで12GBとなりメモリ帯域幅も広くなっている。さらに、CUDAコアが約3%増えてクロック周波数が高い。一方で、ベースクロックが12%程度抑えられていてそれがどのような影響が与えるのか気になるところだ。性能的には上位モデルである「GeForce RTX 3080 Ti」に近付いたと言える。マイニング性能に対して制限の加えられたLHR仕様だ。NVIDIAはゲーマーに届けることを第一の目的としている。搭載モデルについては、「GeForce RTX 3080 12GB搭載おすすめゲーミングPC」でまとめている。2023年2月時点ですでに販売モデルは減少傾向にある。
世代 | Ampere |
---|---|
プロセス | 8nm |
CUDAコア | 8,960 |
ベースクロック | 1260 MHz |
ブーストクロック | 1710MHz |
TDP | 350W |
MSRP | $799 |
国内価格 | 65,980円~ *2024/7時点 |
発売日 | 2022/01/11 |
- (+)RTX 3080 Tiに近いゲーミング性能を持つ
- (+)クロック周波数が高い
- (+)RTX 3080と比べてメモリ周りが強化されている
- (-)販売価格はRTX 3080 Tiと同等で高価
- (-)消費電力が大きい
- (-)ファウンダーエディションは存在しない
当ページの目次
RTX 3080 12GBの概要、性能・基本スペックを押さえる!
総合性能
RTX 3090 Ti | |
RTX 3090 | |
RX 6950 XT | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RX 6900 XT | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 XT | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti | |
RTX 3070 | |
RTX 2080 Ti | |
RX 6700 XT | |
RTX 3060 Ti | |
RTX 2080 SUPER | |
RTX 2080 | |
GTX 1080 Ti |
GeForce RTX 3080 12GBは、RTX 3080 10GBよりもおよそ12%高いゲーミング性能を持っている。MSIやASUSなどのベンダーが販売しているオーバークロックモデルでは高いクロック周波数を実現している。RTX 3080 12GBは、RTX 3080 Tiに匹敵する性能を発揮するグラフィックボードだ。AMDのフラグシップモデルであるRadeon RX 6900 XTでさえも上回る性能は評価できる。これで上位をNVIDIA製グラフィックボードが占める形となった。レイトレーシング性能でもAMD製グラフィックボードを大きく上回り圧倒している。
基本スペック
RTX 3080 12GB | RTX 3080 Ti | RTX 3080 10GB | |
---|---|---|---|
コードネーム | Ampere | Ampere | Ampere |
GPU | GA102 | GA102 | GA102 |
プロセス | 8 nm | 8 nm | 8 nm |
トランジスタ数 | 283億 | 283億 | 283億 |
ダイサイズ | 628 mm² | 628 mm² | 628 mm² |
SMs | 70/84 | 80/84 | 68/84 |
CUDAコア数 | 8960 | 10240 | 8704 |
RTコア数 | 70基 | 80基 | 68基 |
Tensorコア数 | 280基 | 320基 | 272基 |
ベースクロック | 1260 MHz | 1365 MHz | 1440 MHz |
ブーストクロック | 1710MHz | 1665 MHz | 1710MHz |
GPUメモリ | 12GB GDDR6X | 12GB GDDR6X | 10GB GDDR6X |
メモリクロック | 19.0 Gbps | 19.0 Gbps | 19.0 Gbps |
メモリバス | 384 bit | 384 bit | 320 bit |
メモリバス帯域幅 | 912.4 GB/s | 912.4 GB/s | 760.3 GB/s |
TDP | 350W | 350W | 320W |
MSRP | $799 | $1199 | $699 |
国内価格 | 107,800円~ | 136,800円~ | 103,800円~ |
BTO価格 | 312,800円~ | 329,800円~ | 288,800円~ |
発売日 | 2022/01/11 | 2020/09/01 | 2020/09/17 |
RTX 3080 12GBでもRTX 3080 10GBと同じGPUであるGA102を採用している。プロセスは8nmで、トランジスタ数及びダイサイズも共通だ。SMsの数が2つ増えて70となった。CUDAコアは8960(70×128)で、RTX 3080 10GBと比べて3%程度増えている。RTコア及びTensorコア数もそれぞれ3%アップだ。ベースクロックは12%低く、ブーストクロックは1710MHzと変わっていない。
GPUメモリ容量が20%増えて12GBとなった。メモリクロックは19.0 Gbpsと共通だ。メモリバスは20%アップで384 bitとなる。結果的にメモリバス帯域幅が912.4 GB/sとなった。TDPは9%アップで350Wだ。価格差は$100だ。なお、ベンダーが販売しているモデルの場合価格は$1200オーバーでRTX 3080 Tiよりも高い価格設定となっている。ブーストクロックは1845MHzまで引き上げられている。
RTX 3080 TiでもGA102を採用している。SM数は80で、RTX 3080 12GBと比べて14%多い。フルスペックでは84基ある内の4基が無効化されている。CUDAコア数は10240(80×128)と10,000を超えている。RTコアは80基・Tensorコアは320基だ。ベースクロックはRTX 3080 Tiの方が8%高く、ブーストクロックはRTX 3080 12GBの方が2%高い。メモリ周りは共通だ。TDPも350Wと変わらない。価格差は$400だ。
RTX 3080 12GBの国内価格は107,800円~とかなり落ち着いてきている。RTX 3080 10GBと比べて+4,000円と差は小さい。搭載BTOパソコンの価格になると24,000円の差がある。ショップによっては10,000円程度だ。上位モデルのRTX 3080 Tiの単体価格は136,800円で+29,000円となる。搭載BTO価格は+17,000円だ。
GeForce RTX 3080 12GBの最新評価【2024年】
ハイクラス相当のゲーミング性能を持つ
GeForce RTX 3080 12GBのゲーム性能スコアは36,037と高い。現行のGeForce RTX 4070 SUPERとGeForce RTX 4070の間の性能を有している。競合モデルで言えばRadeon RX 7900 GRE相当だ。WQHD環境以上でのゲームプレイに対応できるポテンシャルを持つ。12GBの大容量VRAMもプラスだ。下位モデルであるGeForce RTX 3080 10GBと比べると13%弱パフォーマンスが高い。レイトレーシング性能も高めだ。
コストパフォーマンスは良好
製品名 | ゲーム性能 | VRAM | TDP | 価格 | コスパ | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
RTX 4080 | 44,812 | 16GB | 320W | 164,800 | 0.272 | 2022/11/16 |
RX 6950 XT | 37,226 | 16GB | 335W | 79,980 | 0.465 | 2022/05/10 |
RTX 4070 SUPER | 37,098 | 12GB | 220W | 96,800 | 0.383 | 2024/01/17 |
RTX 3080 Ti | 36,380 | 12GB | 350W | 72,980 | 0.498 | 2021/06/03 |
RTX 3080 12GB | 36,037 | 12GB | 350W | 65,980 | 0.546 | 2022/01/11 |
RX 6900 XT | 34,955 | 16GB | 300W | 69,980 | 0.499 | 2020/12/08 |
RTX 4070 | 32,514 | 12GB | 200W | 85,980 | 0.378 | 2023/04/13 |
RTX 3080 | 31,982 | 10GB | 320W | 54,980 | 0.582 | 2020/09/17 |
GeForce RTX 3080 12GBのコストパフォーマンス指標は0.546とこの性能帯でトップクラスだ。0.500を一つの基準とするとよい。下位グレードであるGeForce RTX 3080 10GBが6%程度上だが、性能を考えればGeForce RTX 3080 12GBは魅力的な選択肢となる。フラグシップモデルであるGeForce RTX 3080 Tiもコストパフォーマンスは悪くない。現行のGeForce RTX 4070 SUPERは新品で10万円近い価格設定だ。同等以上のゲーミング性能を持つ。より強化されたレイトレーシングやDLSSといった機能も強力だ。
GeForce RTX 3080 12GBの特徴&注意点など
GA102の有効活用のために生まれたモデル!?
GeForce RTX 3080 12GBは、GA102 GPUを有効活用するために生まれた可能性がある。上位モデルのRTX 3080 TiではGA102にある84個のSM(ストリーミングマルチプロセッサ)の内4個が無効化されている。つまり、4個以上のSMが機能しない場合必然的にRTX 3080 10GBで採用されることになる。RTX 3080 TiとRTX 3080 10GBではSM数に12もあってさらに価格差が$500もある。
RTX 3080 12GBでは84個の内70個が有効化されているGPUが活用されている。それで価格は$100アップだ。NVIDIAにとってもユーザーにとってもこれはメリットが大きい。NVIDIAからするとGA102の有効活用ができてより効率的にビジネスを行える。ユーザーはRTX 3080 Tiよりも安くRTX 3080 10GBよりも高性能なグラフィックボードを購入できることになる。ギャップを埋められる存在だ。
RTX 3090/RTX 3080 Tiよりも消費電力が高い
RTX 3080 12GBの弱点は上位モデルに当たるRTX 3090/RTX 3080 Tiと比べて消費電力が高いことが挙げられる。RTX 3090よりもおよそ6%高く、RTX 3080 Tiよりも8%高い。400Wに迫るほどだ。RTX 3080 10GBとの差は16%と大きい。RX 6900 XT/RX 6800 XTとの差は25%となっている。AMD Ryzen 6000シリーズの省電力性の高さが光る結果となった。
もっとも消費電力が高いとは言ってもこのクラスならいずれにしても十分な容量を持つ電源ユニットが採用されることになる。つまり、BTOパソコンを購入する場合でも自作パソコンを構築する場合でも何かが大きく変わることはない。ある意味誤差の範囲と言えるかもしれない。予算に余裕があればできる限りより高性能な電源ユニットを選択しておけばオッケーだ。
搭載ゲーミングPCが割高でコスパが低い
画像引用元:https://www.dospara.co.jp/
ドスパラではRTX 3080 12GBを搭載したゲーミングPCの価格はRTX 3080 Tiと同等だ。価格差は1万円となっている。一方で、RTX 3080 10GB搭載モデルとの価格差は5万円とかなり大きい。確かに性能はRTX 3080 Ti寄りだが、1万円しか価格差がないのであればRTX 3080 Ti搭載モデルを選択したい。せめてあと1万円は価格が下がらないと厳しいだろう。
パソコン工房でのそれぞれの搭載モデルの価格差は31,900円だ。これは妥当な価格差と言えるかもしれない。ただし、ドスパラのモデルよりも1.4万円~2万円程度高く設定されているため特別安いというわけではない。RTX 3080 12GB搭載モデルが408,980円でRTX 3080 10GB搭載モデルが333,980円となっている。
2022年夏になってコスパ改善
2022年夏になってRTX 3080 10GB搭載モデルとの価格差も縮まって選びやすくなった。より高い性能を求めるならRTX 3080 12GB搭載モデルは魅力的だろう。RTX 3080 Tiになると一気に跳ね上がってしまうためコスパ重視ならRTX 3080 12GB搭載モデルがおすすめだ。
GeForce RTX 3080 12GBのベンチマーク一覧
Borderlands 3
RX 6900 XT | |
RTX 3090 | |
RX 6800 XT | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti |
Far Cry 6
RX 6900 XT | |
RX 6800 XT | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti |
Flight Simulator
RX 6900 XT | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RX 6800 XT | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti |
Red Dead Redemption 2
RTX 3090 | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 Ti | |
RX 6900 XT | |
RX 6800 XT | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti |
Watch Dogs Legion
RTX 3090 | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 Ti | |
RX 6900 XT | |
RX 6800 XT | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6800 | |
RTX 3070 Ti |
GeForce RTX 3080 12GBのレイトレーシング性能
Cyberpunk 2077
RTX 3080 12GB DLSS | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6900 XT | |
RX 6800 XT |
Fortnite
RTX 3080 12GB DLSS | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6900 XT | |
RX 6800 XT |
Minecraft
RTX 3080 12GB DLSS | |
RTX 3090 | |
RTX 3080 Ti | |
RTX 3080 12GB | |
RTX 3080 10GB | |
RX 6900 XT | |
RX 6800 XT |
GeForce RTX 3080 12GB搭載おすすめゲーミングPC
FRGBZ690/C(フロンティア)
価格:324,800円(税込)
CPU:Core i7-12700F
GPU:GeForce RTX 3080 12GB
メモリ:DDR5-4800 32GB
ストレージ:SSD 1TB NVMe
電源:1200W 80PLUS PLATINUM
コスパ:調査中
Core i7-12700KF×RTX 3080 12GB搭載のゲーミングPCだ。2022年10月時点で唯一購入できる。クリアガラスパネルを採用したオシャレなモデルとなっている。メモリはDDR5-4800 32GB搭載と大容量だ。クリエイター作業にも対応しやすい。ストレージはSSD 1TBと必要十分だろう。電源ユニットは1200W PLATINUMを採用している。BTOパソコンではほとんど見かけることのない高容量・高規格電源だ。価格はやや高めだが、構成などを考えると納得できる。
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ゲーム推奨 | BTOショップ比較 | グラボ比較表 |
ベンチマークテスト環境
CPU | Intel Core i9-12900K |
---|---|
GPU | MSI GeForce RTX 3080 12GB Suprim X |
メモリ | Corsair 2x16GB DDR4-3600 CL16 |
ストレージ | Crucial P5 Plus 2TB |
電源ユニット | Cooler Master MWE 1250 V2 Gold |
マザーボード | MSI Pro Z690-A WiFi DDR4 |