CPUがゲームプレイに与える影響について解説している。ゲームをプレイする上で同じPCパーツであるグラフィックボードが果たす役割は想像しやすいと思うが、あまり目立たないCPUの重要性について考える機会は少ないはずだ。当ページはゲームプレイにおけるCPUの重要性を伝えるためのコンテンツと考えて欲しい。
CPU性能が低いとゲームプレイ時にフレームレートが低下して、ラグが発生してしまう要因となるなど不都合が生じる。決して軽視してはいけない。同じグラフィックボードでも組み合わせるCPUによって大きくフレームレートが変わることもある。どのCPUを選択すればいいのか悩んでいる方はぜひ参考にして欲しい。
当ページの目次
CPUはGPUの陰に隠れてしまいがち
CPU、グラフィックボードと比べるとゲーミングPCにおいて表に出てこないPCパーツだ。CPUがどのようにゲームプレイに影響を与えているのかをイメージすることが難しいからだろう。グラフィックボードが、3Dのパソコンゲームをプレイする上で必須のパーツであることは初心者にとってもイメージしやすいのではないかと思う。CPUは、グラフィックボードと比べるとどうしても存在が忘れがちだ。
ベンチマークやゲームプレイ時のフレームレートを計測する際にも重要視されるのはCPUではなくグラフィックボードだ。ゲーミングPCであるかどうかの基準において重要なポイントの一つが、グラフィックボードを搭載しているかどうかであるため仕方がないかもしれない。また、CPUはグラフィックボードほど眼を見張るほどの進化を見せているわけではなく、そういう点で重要性が低いと考えてしまうこともあるのだろう。
しかしながら、Intel第12世代Core iシリーズ以降のモデルでは、2つのコアを搭載したハイブリッドコアアーキテクチャを採用するなど革新が見られた。性能重視のPコアと高効率重視のEコアを組み合わせてより高いパフォーマンスを発揮するのだ。ゲームプレイにおいてはPコアが重要な役割を果たす。GeForec RTX 20シリーズで搭載されたレイトレーシング・DLSSのように、ゲームプレイを一新させる機能が追加されたわけではない。
グラフィックボードの性能を引き出すにはCPUの性能が一定以上高くなくてはならない。搭載しているグラフィックボードと釣り合いの取れたCPUを組み合わせてこそ、グラフィックボードは性能を発揮できるようになる。ミドルハイやハイエンドクラスのグラフィックボードを選択するならより高性能なCPUを選択するべきだ。
CPUとGPUのバランスは「CPUとグラフィックボード(GPU)の組み合わせ」で詳しく解説しているのでぜひ参考にしていただければと思う。ゲーミングPCにおいてCPUはグラフィックボードと同じくらい重要なパーツだ。ゲームのカクつきはCPU性能の低さも関係している。快適にゲームをプレイするためには、全体のバランスを考えた構成が必要だ。
そもそもCPUって何のこと?
PC作業における処理全般を担うパーツのこと
CPUとは、パソコンの演算処理を行う上で中心となるパーツだ。オフィスソフトを使ったり、Youtubeを閲覧したりする際にもCPUは演算処理を行っている。性能の高いCPUの方がより速く処理を行うことが可能だ。性能が高いからと言って、YouTubeの動画読み込みがスムーズになるというようなことはあまりない。これは通信環境に依存するもので、CPUはあくまでも処理部分に関しての役割を担う。
CPUの中には処理を行うコアと呼ばれる部分がある。現在は1つのCPUの中に複数のコアを搭載したモデルが主流だ。最上位モデルともなると16コアという特別処理性能に長けたCPUまである。基本的には搭載されているコアが多いほど性能が高くなる。合わせてゲーミングCPUとしての評価も高くなる。
合わせてハイパースレッディングと呼ばれる技術についても見ていこう。ハイパースレッディングに対応していれば、スレッド数はコア数の倍になる。Intel製CPUの場合はIntel第10世代以降ですべてハイパースレッディングに対応している。AMD製CPUの場合は第4世代以降すべてハイパースレッディング対応だ。
例:6コア12スレッド、8コア16スレッド
ハイパースレッディングに対応していなければ、スレッド数はコア数と同じになる。
例:6コア6スレッド、8コア8スレッド
コアとスレッドについてもう少し詳しく解説する。例えば一つの作業を一つのコアが行うとする。そのコアの中にあるのがスレッドで、一つの作業を一人で行う(マルチスレッド非対応)か二人で行う(マルチスレッド対応)かの違いがある。厳密に言うと仮想的にコアを増やしているイメージだが、認識としては人が増えたと考えるとわかりやすい。
多くの作業を効率的に処理することが可能で、より負荷の高い用途に最適となっている。「CPUの性能比較表」を見れば現行モデルを含めた主要なCPUのコア・スレッド数を確認できる。
Intel第12世代CPUの登場はゲーミングPCを変える
Intel第12世代Core iシリーズの登場は、今後のCPUの選び方を根本から変えることになるかもしれない。ハイブリッドコアアーキテクチャを採用したことで性能が大きく向上した。Core i5シリーズの倍率ロックフリーモデル(末尾K)以上のラインナップでは飛躍的に性能が向上している。高性能なグラフィックボードとの組み合わせを考えると理想的だ。ここ数世代はCPUの性能が伸び悩んでいたように思う。
ユーザーからするとボトルネックを気にする必要がなくなるのでメリットだと言える。6コア12スレッドのCore i5-12400でもCPUコアの改良でパフォーマンスが引き上げられている。性能の高いCore i7-12700K以上のCPUについては用途に合わせて選択するとよいだろう。場合によってはオーバースペックになってしまう可能性がある。
少しでも性能の高いCPUを選ぶべきなら、Core i5シリーズを選んではいけないのか。答えはノーだ。Core i7とCore i5のどちらを選ぶべきかはあなたのゲーム環境次第ということになる。たとえば、ミドルクラス以下のグラフィックボードならボトルネックになる心配もなくCore i5シリーズでも対応できる可能性が高い。必要なCPU性能がわかれば、無駄に価格・性能の高いCPUを選択しないで済む。とくに予算が限られているユーザーにとっては大きな問題だ。
第4世代Ryzenシリーズ(Ryzen 5000シリーズ)はやや厳しい立場に置かれている。Intel第12世代Core iシリーズは第4世代Ryzenシリーズと比べてマルチスレッド性能が高くその上で価格も抑えられている。今後価格が引き下げられない限り第4世代Ryzenシリーズを選ぶ理由が見つからない。プレミアム路線に走ったAMDにとっては厳しい状況になりそうだ。IntelとAMDの競合関係には注目しておきたい。
第13世代も登場し、第12世代を置き去りにする伸びを見せている。Core i5はそれほど大きな差はないが、Core i7は大きな成長を見せている。第13世代のCore i7-13700が第12世代のCore i9-12900Kを超える性能を有していることからもわかる。世代が進むことで、よりゲームに適したCPUになっていくため、今後登場するCPUにも注目したい。
CPUとゲームの関係性を見る
カクツキを感じたらCPUが原因かもしれない
CPUはゲームプレイにおいて軽視されているが、ゲーム内のカクつきはCPUが原因であることも多い。CPUがゲームで担う役割は、当たり判定のあるオブジェクトの処理だ。これはプレイヤーやプレイヤーの影にも影響を与えることがある。2010年代前半のFPSブームの時は、GPUよりもCPU性能が重要という意見も多く合った。それは当時のCPU性能が低かったのもあるだろう。
2024年現在、ゲームはオープンワールドのゲームも多くなり、CPUが担当する処理も増えている。描画距離を伸ばすと負荷が高くなる。この時、GPUへの負担も大きくなるが、ゲームによってはCPUの負荷も大きくなる。少し古めのゲームではこの傾向が強い。少し前のMMORPGでは、ゴールデンタイムに参加型のイベントが頻繁に行われていた。1000人規模ともなるとまともに動くことすら難しくなりゲームがクラッシュしてしまうこともある。
プレイヤーが集まることでかかる負荷は、主にCPUが処理する。CPU性能が不足しているとクラッシュしやすい。もちろん、ゲームサーバーの負荷が一番大きい。個人でできる対策はCPU性能を上げることだ。CPUが軽視される要因に、こういった時間が固定された大人数参加のイベントを行うゲームが減少しているからかもしれない。推奨環境には現れないが、必要となるCPU性能の高いゲームはほとんどなくなった。
今主流のバトロワ系やFPSのほとんどが人数制限のある空間での戦闘だ。また、ゲームの性質上、一同が介すような場面もない。CPU負荷が高まる場面がないことで、CPUに対する期待値も下がっていると見ている。MMORPGの街でカクつきがあれば、それはCPUの処理が追いついていないとも言われていた。これは処理が追いついていないだけで、CPU性能が不足しているとは言いにくい状況だ。
街でカクつくだけで、ダンジョンやフィールドでは快適なはずだ。サーバーの状況にもよるが、人が増えるほど負荷が高くなる。ある意味で、特定の場所でカクつくのは人気タイトルの証明である。CPUの性能不足でカクつくのは、意外と対人要素の強いゲームでも起こりやすい。それこそ、人数を限定した空間で戦うようなゲームジャンルでも起こる。これは少し古いCPUを搭載している時に発生しやすい。
Intelの第12世代からCPU性能は大きく向上したが、それより前のCPUを使っていると要注意だ。グラフィックボードの交換は非常に容易であることから、負荷を感じるようになってもグラフィックボードだけ交換するゲーマーも多い。そうなると、GPUの性能は高くてもCPUの性能が低い状態になる。ゲームのアップデートや別のゲームをプレイした時に、微妙なカクつきを感じるとCPUが原因の可能性が高い。
また、CPU性能が低いと、回線状況がよくてもラグのような症状も発生する。攻撃を当ててからダメージが反映されるまでの時間が伸びたり、当たり判定がおかしくなったりする。全員がその場でステップを踏み、しばらくすると一斉に時間が進むような症状も確認している。CPU性能は不具合にもつながることがある。
多コア/多スレッドを活かせるかどうかはタイトル次第
最近のゲームはCPUのコアやスレッドを活かしやすくなっている。しかし、少し前のゲームでは一定のコア数を超えるとパフォーマンスが低下したり、スレッドを活かすことができなかったりする。これはゲームが登場した時期による。たとえば、Intel 第4世代はCore i7も4コア4スレッドで、ハイパースレッディングがなかった。この第4世代から第9世代あたりに登場したゲームはマルチスレッドを活かせないものが多い。また、8コア以上になると処理が遅れるゲームもこの辺りだ。
第10世代からが登場した辺りで、マルチスレッドに対応したゲームが一般的なものになってきた。マルチスレッドに対応したゲームではCPUの性能を活かしやすいことで、マルチスレッディング対応CPUの影響が小さくなった。これがCPU軽視につながる要因になったと見ている。
その後も8コアを超えるとパフォーマンスが低下しやすいなど、様々な問題があった。コア数が増え、スレッドも増えてきた。それが活かせるかどうかはゲームの登場時期に影響を受けることを覚えておきたい。古いゲームで異常にカクつく際は、高性能過ぎるCPUが原因かもしれない。
そもそも、2010年代中盤あたりまで、コアが多くても使用されるコアが限定されていた。そのため、シングルコアの性能が求められていた時代があった。ゲーミングPCに最適なCPUがCore i5と言われていたのは、無駄なコアもスレッドも持たなかったからだ。2018年以降のゲームではとくに気にする必要はないが、2009年前後の古いゲームの場合は影響を受けるものもある。今は気にせず多コア多スレッドのCPUを選ぶ方がいいとされている。
オープンワールドではCPU性能が重視される
中級者以上向けとなる少し複雑なジャンルがある。今主流のオープンワールドのようなゲームだ。たとえば、「Cyberpunk 2077」・「Forza Horizon 5」・「ELDEN RING」・「Grand Theft Auto Ⅴ」・「黒い砂漠」・「BLUE PROTOCOL」・「The Elder Scrolls V: Skyrim」・「ARK: Survival Evolved」・「Minecraft」などが該当する。
一般的にCPUはグラフィックボードに合わせるというのが基本だ。CPU性能に少し余裕を持たせておくことで、GPU性能を最大限引き出せる。GPUを活かすためのCPU選びが重要だ。オープンワールドのゲームでは、CPUとGPUの性能が求められやすい。
ほぼ全てのゲームに、GPU性能に影響を与えるグラフィック設定がある。しかし、CPUの負荷に影響を与える項目はほとんど存在していない。これは、CPUがゲームの処理を常時行い、その時の負荷は大体が一定であることが大きい。CPUは描画されていない場所でも、同じフォールド上の全てオブジェクの処理を行っている。その情報をGPUが受け取り、グラフィックとして描写している。
つまり、どこにいても何をしていても負荷は一定になりやすい。プレイヤー人数に制限のあるゲームではとくにイレギュラーも発生しにくく一定だ。ただ、オープンワールドでもインスタンスダンジョンや、読み込みが必要なフィールドは別となる。また、MMORPGのオープンワールドでは、人が一箇所に集中しやすいのでCPU負荷が大きくなる。
CPUはプレイヤーを含むオブジェクトの位置や当たり判定などを管理している。MMORPGにはサーバーの他にチャンネルが分けられている。こうすることで、想定を超えるプレイヤーが一つのサーバーやチャンネルに集中しないようにしている。つまり、状況さえ違えばCPU負荷は際限なく増大する可能性があるということだ。
オープンワールドに点在するプレイヤーが一箇所に集まることはほぼない。もしも、集まるようなイベントが開催されるとCPU使用率は跳ね上がるはずだ。GPU性能が低くても設定を下げるだけで対応できる。これがCPU負荷になると下げることは難しい。このことからオープンワールドでは、CPUの方が重視される傾向にある。
CPUがゲームに与える影響を検証
ここからはCPUがどのようにゲームプレイに影響を与えるのかを見ていく。3つのケースを見ればCPUがゲームプレイに与える影響を理解できるはずだ。
CPU性能がボトルネックになるケース
RX 7900 XTX | |
RTX 4090 | |
RTX 4080 | |
RX 7900 XT | |
RTX 4070 Ti | |
RTX 3090 Ti | |
RX 6950 XT | |
RTX 3080 |
もっともこの場合はCPUにフラグシップモデルのCore i9-13900Kを搭載しているためこれが今の限界であることを示している。こういったタイトルではCPU性能を落としてもよいということだ。Horizon Zero Dawnは、グラフィック負荷がそれほど高くなくその性能を持て余してしまっている状況だ。
これはハイクラスやミドルクラスのCPUでも生じる可能性がある。ゲームと組み合わせ次第なので事前に確認しておくとよいだろう。ゲーミングノートPCの場合はより顕著に現れることがあることを押さえておこう。それは消費電力に制限があってCPU性能が劣ってしまうためだ。
初心者を惑わすことが多いCPUとGPUの組み合わせ・バランスについて例を交えて解説していく。バランス表で第14世代CPU&RTX 40シリーズグラボを中心に見ていく。ゲーミングPCのおすすめ構成や相性も一覧表ですぐにわかる。
Intel製CPUの方がfpsが高くなるケース
Core i9-13900K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 7 5800X3D | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 9 7950X | |
Core i9-12900K | |
Ryzen 7 7700X |
普通に考えればRyzen 9 7950Xは16コア32スレッドなので、16コア24スレッドのCore i9-12900Kとほとんど同じフレームレートというのはおかしい。これはゲーム側の最適化が不十分か、根本的にCPU側のアーキテクチャとの相性の問題かのいずれかだ。基本的にはIntel製CPUの方が安定していると考えて間違いない。
L3キャッシュが多い方がfpsが高くなるケース
Ryzen 7 5800X3D | |
Core i9-13900K | |
Core i7-13700K | |
Ryzen 9 7950X | |
Ryzen 9 7900X | |
Ryzen 7 7700X | |
Core i9-12900K |
ゲームプレイにおすすめのCPU一覧
製品名 | 目安グラフィックボード |
---|---|
Core i9-14900K(F) | RTX 4090・RTX 4080 SUPER |
Core i7-14700K(F) | RTX 4080・RTX 4070 Ti SUPER |
Core i7-14700(F) | RTX 4070 Ti SUPER・RTX 4070 Ti・RTX 4070 SUPER |
Core i5-14600K(F) | RTX 4060 Ti・RTX 4060 |
Core i5-14400(F) | RTX 4060 Ti・RTX 4060 |
Core i5-14100(F) | RTX 3050・GTX 1650 |
Ryzen 9 7950X3D | RTX 4090・RTX 4080 SUPER |
Ryzen 9 7900X3D | RTX 4090・RTX 4080 SUPER |
Ryzen 7 7800X3D | RTX 4090・RTX 4080 SUPER |
Ryzen 9 7950X | RTX 4080・RTX 4070 Ti SUPER |
Ryzen 9 7900X | RTX 4070 Ti SUPER・RTX 4070 Ti |
Ryzen 7 7700X | RTX 4070 SUPER/RTX 4070 |
Ryzen 7 7700 | RTX 4070/RTX 4060 Ti |
Ryzen 5 7600X | RTX 4070/RTX 4060 Ti |
Ryzen 5 7600 | RTX 4060 Ti・RTX 4060 |
Ryzen 7 5700X | RTX 4060 Ti・RTX 4060 |
Ryzen 5 5600X | RTX 4060 Ti・RTX 4060 |
Ryzen 5 4500 | RTX 3050・GTX 1650 |
ゲーミングPCの場合、グラフィックボードの性能に合わせたCPUを選択すればよい。つまり、CPUとグラフィックボードのバランスを考えることが大切なのだ。CPU性能が50、グラフィックボードの性能が70だとすると、グラフィックボードは50の力しか出せない。では、CPU性能は80、グラフィックボードの性能が70ではどうか。この場合、グラフィックボードは70の性能を出すことが可能だ。
要するにCPUがボトルネックとならなければ問題はないのである。GeForce RTX 3050のような控えめな性能のグラフィックボードには、Core i5-14400あるいはそれ以下のモデルが合う。この組み合わせなら価格を抑えつつ、ボトルネックを回避して無駄がない。このGeForce RTX 3050にCore i9-14900Kを搭載するとどうか。ゲーム目的であればCPU性能が余り過ぎてバランスがよいとは言えないだろう。
ゲーム目的で選んではいけないCPU一覧
最後に、ゲームをプレイするには性能不足あるいは不向きなCPUをピックアップしている。ここで紹介しているCPUを使用しても全くゲームができないわけではない。性能が低いあるいは対応力が低いので避けるべきCPUということだ。CPUの総合性能の高さ=ゲームへのパフォーマンスの高さではない。
CeleronやPentiumなどゲームに向かない低スペックなものは論外だが、実はXeonのような高性能なCPUもゲーム向けの性能ではない。ゲーミングPCを販売しているショップが限定的なCPUを搭載しているのには理由がある。シンプルにゲームに適しているからだ。ではそれ以外が何故だめなのか、ここで簡単に説明していきたいと思う。
Xeon(ジーオン)
XBoxに採用されているCPU「Xenon」ではない。業務向けのCPUで、サーバーや断続的な高負荷が加えられる用途に適してたCPUだ。ここで言う業務は専用のアプリケーションやプログラムを指している。
ワードやエクセルのようなものは含まない。業者が業者向けのソフトを使用するためのCPUと考えておけば問題無いだろう。ゲーム用途にするにはコストパフォーマンスが悪い。それほど飛び抜けた価格も避けるべき理由の一つだろう。
価格の高さ=性能の高さではあるが、性能の高さ=ゲームへのパフォーマンスの高さではない。それを象徴するようなCPUである。今はあまり見かけないが、少し前はオークションなどの中古パソコンに搭載されていることもあった。コストパフォーマンスがよくないので避けたいCPUだ。少なくともゲーム用途には適したCPUではない。
Core i3シリーズ
Core i3シリーズは少し評価が分かれるCPUだ。全くゲームに向かないというわけではない。例えば、Intel第13世代のCore i3-13100は、2世代前のCore i5-11400に近いゲーム性能を有していて、GeForce GTX 1650やGeForce GTX 1660 SUPERなどとの組み合わせなら対応できる。Core i3シリーズでもゲーム適性が向上しているというのは、Intel第10世代あたりから常に言われてきたことだ。
世代が進むに連れて性能を伸ばし、ゲーミングPCに採用される日も近いと予感させる。それだけに、それ以前のCore i3と現行のCore i3に大きな差がある。Core i3はおすすめできないわけではないが、Core i3を搭載したゲーミングPCを展開しているショップはほとんどない。中古パソコンやオークションサイトなどで販売されているモデルに多い。
そういったモデルに搭載されているCore i3は、ほとんどが少し古めの世代だ。Core i3はおすすめできると言ってしまうと大きな誤解が生じるかもしれないこと、大手のゲーミングPCには採用されていないことから避けた方がいいCPUとなっている。厳密に言えば型番によってはありだと考えている。
それでも、Core i3は基本的にビジネス用途で輝くCPUだ。後述するPentiumやCeleronの上位互換程度に見ておく方が無難だ。Core i3搭載のゲーミングPCを謳うモデルは、価格が非常に安く魅力的に映りやすい。価格の安さには相応の理由があることを理解しておきたい。
Pentiumシリーズ
Core iシリーズよりもワンランク落ちる廉価版CPUとなる。ビジネス向けPCやモバイルノートにも採用されるCPUだ。価格を抑えたビジネスモデルに最適である。意外とゲームの推奨環境にあったり、推奨環境を満たすスペックだったりもする。しかし、性能はCore iシリーズと比べてかなり下がるのでおすすめできない。Core i3と異なり、ゲームに対応できるだけの性能は持っていない。
Pentiumシリーズを推奨環境や必要環境に設定しているゲームは、かなり古いか簡素なゲームなはずだ。そうでなければ、低く性能を見積もっている可能性が高い。悪いCPUとは言わないが、ゲーム用途では絶対に避けたい。Pentiumシリーズ搭載のゲーミングPCはまず見られない。少し前に、Pentiumシリーズ搭載モデルにグラフィックボードを搭載してゲーミングPCを名乗るモデルもあった。
Core i3と違い、Pentiumシリーズを搭載したモデルはゲーミングPCを名乗っていても絶対に避けた方がいい。性能よりも価格に力を入れており、メインの用途がオフィスソフトのようなビジネス用途だ。搭載しているなら買い替え推奨だ。
Celeronシリーズ
Pentiumに比べて、さらに価格の安さを追求したCPUだ。モデルによってはスマートフォンよりも性能が低いこともある。当然ゲームに適した性能とは言えない。10年以上前のゲームでも推奨環境を満たせないこともあるほどだ。見たことは無いが、Celeron搭載のゲーミングPCを販売しているショップは間違い無く地雷である。
当記事まとめ
当ページでは、CPUがゲームに与える影響について詳しく解説した。グラフィックボードと比べるとそれほど目立たないCPUは軽視される風潮がある。しかし、ゲームプレイにおいてもCPUは非常に重要な役割を果たす。CPU選びで妥協するとゲームが不利になってしまう。物理的な処理は基本的にCPUが行っている。
その処理が間に合わなくなると、当たり判定や位置情報に狂いが出てくる。何回攻撃を当てても倒せない、攻撃を避けたつもりが隠れてからダメージを受けるといった症状だ。2023年現在、CPU性能は向上していることもあって、確かに重要性は下がったように思う。ただ、それは現行CPUに限った話だ。
少し古いCPUを搭載していると、軽視するわけにはいかない部分でもある。買い替えを行うなら、概ね問題はないはずだ。注意したいのは自作や交換対応する場合だ。グラフィックボードの交換だけで済ませると、思うようなパフォーマンスを発揮できないこともある。
ゲーミングPCはグラフィックボードを基準に掲載しているショップが大多数を占めている。バランスを無視した構成のモデルも多い。予算とグラフィックボードを基準にした選択をすると、CPU性能が妥協したものとなってしまいがちだ。ゲーミングPCの基準となるCPUはCore i5-14400/Ryzen 5 7600である。
この基準に対して、価格を安くして性能を下げるか、価格を上げて性能を上げるかである。グラフィックボードの性能を上げて、CPU性能を抑えるのは悪手になりやすい。もちろん性能帯によってはその限りではない。迷ったらCore i5-14400/Ryzen 5 7600を選択しておけば大失敗することはない。
グラフィックボード重視の風向きが少しでも変わればと願うばかりだ。CPUの性能を妥協するとゲーミングPC選びに失敗してしまうだろう。負荷をダイレクトに受ける部分なだけに、しっかりしたCPUを選びたい。そうすれば長く快適に使用することが可能になるだろう。
その他あなたにおすすめの記事はこちら!
- おすすめゲーミングPCランキング
- ゲーミングノートPCおすすめランキング
- 当サイト紹介ゲーミングPC一覧表
おすすめのゲーミングPCランキングを紹介している。コストパフォーマンスが高いモデルが人気だ。
イチオシのゲーミングノートPCを紹介している。外出先でもゲームを楽しみたいという方はぜひ参考にしてほしい。
当サイトでレビューをしている全てのゲーミングPCを表でまとめている。一覧で見れば、ゲーミングPCの構成や相場感を把握することができる。
いつも参考にさせていただいております。
5800x3Dとrtx4070tiの相性はどうでしょうか?
やはり7700x以上のCPUでないと不釣り合いになりますでしょうか?
Ryzen 7 5800X3Dは、Core i7-13700と同等の性能を持ちRTX 4070 Tiとのバランスもまずまずよいと考えます。特に、3D V-Cacheが有利に働くタイトルではおすすめです。例えば、Forza Horizon 5・F1 2021・Micro Flight Simulator・Red Dead Redemption 2などが該当します。