今回、ドスパラのウルトラハイエンドモデル「ガレリアZZ」を購入したので実機レビューを執筆した。これまでは筆者が使用していたのは2017年12月に購入したG-tuneの「NEXTGEAR i670PA2-SP」だ。新しいグラフィックボードが発売されたこともあって買い替えを決意した形だ。
これまでのモデルとスペックを比較しながらGALLERIA ZZの性能について詳しく見ていこう。カスタマイズもしているので合わせて参考にして欲しい。なお、コスパや最新のキャンペーン内容を知りたい方は下記の記事にまとめている。当ページではあくまでも購入時点でのスペック紹介だ。なお、現在は販売終了となっている。アーカイブとして残している形だ。
当ページの目次
NEXTGEAR i670PA2-SPとのスペック比較
ブランド | GALLERIA | NEXTGEAR |
---|---|---|
画像 | ||
製品名 | ZZ | i670PA2-SP |
価格 | 265,050円 | 209,800円 |
CPU | i9-9900KS | i7-8700K |
グラフィックボード | RTX 2080 Ti | GTX 1080 Ti |
メモリ | DDR4-2666 32GB(流用) | DDR4-2400 32GB(増設) |
ストレージ | SSD 120GB HDD 1TB HDD 2TB SSD 500GB HDD 4TB NVMe 1TB | SSD 120GB HDD 1TB HDD 2TB SSD 500GB HDD 4TB |
電源 | 750W GOLD | 700W BRONZE |
簡単にスペックを比較している。価格については2019年11月後半に値上げが行われているためここに記載の価格とは異なっている。パフォーマンス面ではCPU、グラフィックボード共に大きく性能が向上している。メモリについては以前のものを流用する形とした。2年でウルトラハイエンドの性能も大きく進化していることがわかる。
今回GALLERIA ZZの購入に至った動機として、CPUがi9-9900KSに変更されていたこと、NVMe 1TBという大容量ストレージが搭載されていたことが主だ。また、値引きやOS無しを選択したことで税込み30万円を下回る価格に抑えられたことも大きい。
それによりケースファン等をカスタマイズすることができた。前回、前々回とG-tune製品を愛用してきたが、性能の大幅な向上とストレージ容量大幅アップに釣られるような形で購入したGALLERIA ZZには十分満足している。
ガレリアZZのカスタマイズ
4つのファンを追加 etc.
トップケースファン前部・後部・フロントケースファン・リアケースファンの4つのファンをLEDファンに変更・追加している。さらに、サイドパネルをアクリルクリアサイドパネルへ変更した。OSは無しだ。メモリ8GBにダウングレードしている。これはすでに十分なメモリを所有しているからだ。
発熱の高いNVMe対応M.2 SSDとi9-9900KSのためにエアフローを強化した。だが、これには良し悪しあり、ケース上部のトップケースファン2つは主に吸気ながら、ファンとファンの間から空気が排気される。これによって足元が冷えるというデメリットが生まれた。
トップケースファンから上部排気された空気が机の天板に跳ね返り足にダイレクトに当たる。このカスタマイズは最高なはずと考えていたが、少し考え直さないといけないかもしれない。OS無しにしたのは手元にOSを所持していたから。かなり手こずったものの何とか認証させることができた。メモリは前のパソコンから流用予定で必要なかったので一番下の8GBを選択している。
LEDファンの必要性は高くない
天板部分のファンはLEDが鮮やかに輝く。ただ、思った以上にこの輝きは視界に入らない。パソコンの電源が点いているか点いていないかの確認程度に留まっており、恩恵が薄いような気がしていることに気づかないフリをしている。
ケース内部も青く光る!が、これは正面左側のサイドパネルで、いつも置く場所は左側が壁側になるので普段は全く輝きを見ることはできない。そしてドスパラのアクリルクリアサイドパネルは若干曇っているのか、意外とクリアに見えないのはなんだかもったいない。
基本的にパソコンはつけっぱなしのことが多く、寝る時はしっかり目線の高さで輝いているのがやや不快に感じる。購入するときはテンションが上がっており、これで時代の波に乗れると考えていた。しかし、LED関係は夜になると不必要に存在感をアピールしてくるので良し悪しが分かれるところだ。見た目は良くとも見るのが自分だけであるならば、素直に実用性を重視したほうが良いだろう。
OS無しでもドライバディスクは付属
OSはそのまま流用予定だったので、ドライバディスクが付属していたのは大きい。G-tuneなどのBTOショップと違いオリジナルのマザーボードではなくAsrockのPhantom gaming4というマザーボードだったので、ドライバディスクがなくとも公式サイトでダウンロードすることは可能だった。
こういう時、ショップオリジナルのパーツが選択されているとドライバを探すのに苦労することになる。その点ドスパラのように一般的な製品(Asrock製Phantom gaming4)を採用していると便利だ。OSは結局Windows7のプロダクトコードが通り事なきを得た。BTOパソコンの場合はマザーボードで認識するものも多いため、OS無しを選択するとOSを買い直さなくてはならないこともあるようなので注意が必要だ。
今回はそのことを思い出させてくれた上に身の毛もよだつような素晴らしい体験もさせてくれた。また、比較的安価にプロダクトコードを販売しているショップもあり、最安値は1,000円ほどだ。これはボリュームプロダトキーであり、マザーボードとリンクした情報と異なっている場合は認証を受け付けられないこともあるようだ。
様々なことを考えた上で、大丈夫だと思いつつも次回からはOSありを選択したいと思う。Borderlands3はクラウドセーブが重大なバグを引き起こすのでローカル保存していた。2周目も武器集めも終わったデータがOS再インストールにより吹き飛ぶこととなったのは個人的に致命的なダメージである。
ガレリアZZのベンチマーク
今回は3DMARKのFireStrike、TimeSpy、FF14のベンチマークを行う。従来のモデルとの比較をしつつ、前世代最強クラスのモデルと現行最強クラスのモデルの差を見ていこうと思う。
3DMARK FireStrike
GALLERIA ZZのスコアは26906。
GTX 1080 Tiを搭載した NEXTGEAR i670PA2-SPのスコアは21603だ。スコアの伸びで言えば25%近く伸びている。グラフィックスコアは20%ほどで、CPUのスコアが45%以上伸びているのが大きい。そういった意味ではグラフィックボードの性能自体は大差が無いとも取れる。もちろん20%違えばワンランク、ツーランク違う性能であることは違いはない。
個人的な感想としては意外とそこまで圧倒的というほどでもないのかというところ。GTX 1080 Tiからの伸びを考えれば凄まじいのかもしれない。それでもRTX 2080 Tiともなれば寄せ付けないくらいのスコアを叩き出してくれるのではないかという淡い期待があったのも事実だ。
3DMARK TimeSpy
GALLERIA ZZのスコアは12910となる。
NEXTGEAR i670PA2-SPのスコアは8521となる。ベンチマークのスコアとしてはこちらのほうが本命だ。DirextX12に対応したベンチマークで、最新の性能でなくてはなかなかスコアが伸びない。GALLERIA ZZとの差は実に50%以上の開きがあり、これこそ圧倒的と捉えられる差ではないだろうか。
数値で言えば4,400程度であるため、FireStrikeよりも少なくなっている。しかし、高負荷の場面でパフォーマンスを落としにくいという意味ではやはり最新の性能と言わざるを得ない。グラフィックパフォーマンスはGTX 1080 Tiに比べて40%高く、CPUスコアに至っては100%以上の伸びを見せている。
こうして考えるとi7-8700Kとi9-9900KSの比較はさすがに無理があったかもしれない。また、環境も少し違っていることを考えると、ベンチマークの比較としては不適切な部分も否定できない。
FF14 benchmark
GALLERIA ZZのスコアは20027だ。
NEXTGEAR i670PA2-SPのスコアは16780となる。バージョンが違うので正確な数値とは言い難い。ただ、バージョン違いでもそこまで大きな差が見られたわけではないので、特に問題はないだろう。どちらも最高品質で最高評価の非常に快適だが、やはりCPUの恩恵からかGALLERIA ZZのほうは20000オーバーでかなり余裕のある性能だ。
FF14に関して言えば15000を超えた時点でオーバースペックであるため、20000にどれほどの意味があるかは判断しにくい。ベンチマークのスコアとして見れば非常に大きな差があり、18000を超えられる環境は少ないことを考えればシングルGPU最速は伊達でない。
ベンチマークの結果はわかっていた通り現行のGALLERIA ZZが圧倒的だ。それでもNEXTGEAR i670PA2-SPもCPUがi7-8700Kの割にはなかなか優秀なスコアを叩き出している。GTX 1080 Tiは現在でも十分対応できる優秀なグラフィックボードと言わざるを得ない。
やはりネックとなるのはCPUである。i9シリーズのようなゲームに対して高いパフォーマンスを発揮できるCPUを搭載しておけば、あとはグラフィックボードの交換で対応できるという味方もできる。案外、グラフィックボードよりもCPUの性能に気を遣うほうが安定して長く使用できる環境を構築できるのかもしれない。
実際にガレリアZZでゲームをプレイしてみた感想
PUBGとCS:GOをプレイ
主にプレイしたのはPUBGとCS:GOだ。まず、CS:GOは練習モードでbotと10:10のリスポンあり爆破マップをプレイ。ソロでのんびり狩るプレイを長年しており、非常に負荷の高いプレイ方法である。まず、従来の環境ではMirage 10:10ではfps90前後、Cacheでは70前後まで落ちていた。GALLERIA ZZに変更後はMirageで140~160、Cacheで130前後で安定した。これはCPU負荷の高さに対応できるi9-9900KSの恩恵と言えるだろう。
PUBGでは標準設定であればプレイ中も概ね144あたりで安定する。モニターに合わせたフレームレートであるため144が最大だ。現在ロビーが非常に重たくなっており、パソコンを買い替えてもその負荷は変わらずGPU使用率が99%まで上がる。そこは性能云々ではなくゲーム側の対応ということだろう。
思っていた以上にCPUがゲームに与える影響は大きく、i9-9900Kでもオーバースペックという考えを改める必要があった。ここまで顕著に差として現れるなら認めざるを得ない。もっとも、グラフィックボードとのバランスが必要という点はこれまで通りで、i9シリーズを搭載するのであればRTX 2080と同等以上のグラフィックボードが必要である。もしかするとGTX 1080 Tiに対してi7-8700Kは相性が悪かったのかもしれない。
240hz対応モニターについて
現在144hz対応のゲーミングモニターを使用している。これくらいの性能があるのだから240hz対応のモニターでも十分運用できるのではないか。そう考えならがゲームをプレイしつつfpsを確認していた。確かに240以上出るゲームもある。ただ、かなり限られたゲームでしかない。仮に240hz対応で200fpsしか出なかった場合、一体どのようなことになるのか。
例えば144hz対応モニターで120しか出ないのと120hz対応モニターで120出るのとでは体感的に割と違う。これはフレームレートが上下するため、144というMAXから120まで落ちると違和感を感じる。と、すると240hzともなればその違和感は凄いのではないか。
PUBGでは流石に厳しいのでCS:GOでの運用がメインとなるだろう。その時、一体どのくらいの安定感を保持できるのだろうか。5:5のMMであれば240くらいは余裕で出せるのでCS:GOがメインであるならば一考の価値はあるだろう。残念ながらCS:GOは今メインゲームから外れてしまっているので宝の持ち腐れだ。
もっと上手く運用できるゲームがあれば必ず買うだろう。そう言い聞かせながら目玉が飛び出るかと思うくらいの価格を目の当たりにし、言い訳を繰り返すことで自分の欲求を鎮めている。
ガレリアZZ購入の際のチェックポイント
RTX 2080 Tiは驚くほどサイズが大きい
GALLERIA ZZに搭載されているグラフィックボードは「Palit NE6208TS20LC-150A 」である。これはPalitのRTX 2080 Ti GamingPro OCというオーバークロックモデルだ。はっきり言って引くくらいの大きさで、長さ29.2cm、横幅11.2cm、厚さ5.8cmというビッグスケールだ。これはRTXシリーズとしては一般的な大きさなようで、ミドルタワーのGALLERIA ZZでこの圧迫感ともなればミニタワーだと拡張性にかなり難がありそうだ。
GALLERIA ZZにストレージを増設する時、この大きなグラフィックボードを一度取り外さなければならない。配線が意外と厳しく、取り外しや取り付けの時にはかなり強引なやり方になってしまう。ミニタワーであれば尚更そうなるだろう。GTX 1080 Tiの大きさも数値上では長さ26.6cm、横幅11.1cm、厚さ4.0cmと大差は無い。
が、しかしその数cmの差はパソコンケース内部という限られたスペースでは凶悪なほどの存在感と圧迫感をもたらしてくれる。何をするにもグラフィックボードが邪魔で一度取り外さなければならないと思うほど窮屈な状態になる。
静音性に長けたケースの中で暴れまわり、静寂を切り裂く轟音はハイエンドならではのワガママっぷりだ。だが、その裏打ちされた性能はそれら全てを許すことができる。性能不足にならない、余裕があるという安心感はある程度のことでは揺らぐことはないようだ。
静音パックまんぞくコースはそこまで静かにはならない
CPUファンには静音パック満足コースと記載されているのみで、実際どのようなCPUファンが搭載されているのか疑問に思うユーザーは多いだろう。GALLERIA ZZに搭載されていたのは「Scythe 虎徹MARK Ⅱ」だ。GALLERIAシリーズの他製品では、オプションで選択となる虎徹MARK Ⅱが標準搭載ということはCPUによって搭載されているものが違うということだ。
この虎徹MARK Ⅱもなかなかの大きさで、RTX 2080 Tiと組み合わせればミニタワーであれば圧迫感は半端なものではない。静音性はそこまでではなく、ファンを多く搭載してしまったこともありややうるさい。CPUファンの音としては安定しており静かな部類なのかもしれない。
冷却性能は評判が高く、多くのユーザーから支持されている製品なだけあって信頼性も高い。本当は水冷が良かった。カスタマイズ選択できるようになれば選んでいたことだろう。何を搭載しているかはモデル次第というのも不親切な気がする。
ゲームバンドルについて
RTXシリーズ購入ならCall of Duty:Modern Warfareがついてくるということで、GALLERIA ZZを購入すればCoD、キャンペーン中のFF14コンプリートパック、Rainbow Six Siegeがついてくる。…はずだった。まず、FF14コンプリートパックは毎月先着400名限定で既に配布が終了していた。
10月30日まで配布、交換は11月30日までとのことだ。購入した時点で期限切れだったわけだ。続いてRainbow six Siegeはコードが正しく表示されず、未だ交換できていない。CoDは上手く交換できた。が、139GBという容量を見てダウンロードは控えている。
こういったゲームバンドルはいわゆるオマケである。もしも欲しいゲームがバンドルになっていたら、必ずキャンペーンサイトを確認することを推奨する。欲しいゲームがセットならと購入を決めたのに、期限が切れていたともなれば悔しい。
オマケはオマケであっても、貰えるものは貰いたい。欲しいゲームがセットでついてくるなら実質値引きのようなものだ。案外、こういったオマケ要素を狙うというのも一つなのかもしれない。
当記事のまとめ
GALLERIA ZZは現在ゲーミングPCの中でもトップクラスの性能を持つモデルである。Core i9-9900KS x RTX 2080 Tiはゲームにおいては最強とも言える性能だ。CPUがアップグレードされているタイミングであれば常におすすめしたい。
GALLERIA人気ランキング3位というのは性能を見れば物足りない。割と高価な部類に入るので性能やコストパフォーマンスが良くても手は出しにくい。ランキング3位に甘んじていると取るか、価格の割に3位と健闘していると取るかは難しいところだ。現状性能に何の不満もなく、快適に動作しているので満足度は非常に高い。
強いて言うならオーバースペック気味であるため、適切な選択となるかは微妙なところにある。大は小を兼ねるという考え方であるならば最適な選択肢となってくれるだろう。RTX 2080 Ti搭載モデルは似たような構成が多い中、独特な構成を持つGALLERIA ZZは少し違って見える。
面白いと思える構成は魅力的に映り、どうせしばらく買い替えないで良い性能だからと購入を決めた。以前も同じようなことを言いながら購入した記憶がある。ということは現在のGALLERIA ZZも2年後には買い替えている可能性もある。
次世代の性能に思いを馳せながら、新しいパソコンと歩む時間を思い切り楽しみたいところだ。性能はともかくとして、買い替えというのは心機一転、気持ちをリフレッシュさせてくれる気がする。
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